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日本の平和を維持するため、国民の安全のために尽力する自衛隊員の仕事は、とてもかっこよく、何より公務員で安定しているところが魅力的ですよね。

しかし、実際に働いてみると、そのあまりの厳しさに入隊した当日に「辞めたい!」と思う人も多いものです。

ここでは、自衛隊員ならではの悩みと、自衛隊員からの転職先はどんなところがあるのかについて紹介していきます。

自衛隊員を辞めたい人の悩み・理由

公務員の中でも肉体派で、心身共にかなりの苦労をともなう自衛隊員の仕事は、転職したいと考えるのに十分な理由があります。

それでも家族のため…国のため…など、さまざまな理由で辞めたいと強く思いながらもたくさんいることでしょう。

悩み1:とにかく訓練がキツい!あと何年持つかわからないから辞めたい

自衛隊員の一番の悩みといえば、やはりその訓練の厳しさではないでしょうか。

連隊の訓練と、中隊の訓練とにわけられますが、射撃、救助などの訓練があるなかでも、陸上自衛隊の山中訓練はキツいことで有名ですよね。

1日中、数十キロもある重い荷物を背負いながら、上り下りが激しく、道らしい道もないような山の中を延々と歩き続けるうちに、今度こそ辞める!と決意している人も多いでしょう。

雪山の訓練では、かなりのベテラン隊員でも夜になかなか寝付けないほどの辛さですから、ほとんどの人が「これを最後に辞めよう」と思っているでしょう。

悩み2:女性自衛官の悩み…自由に出歩けない!外出制限が厳しくて辞めたい

自衛隊の中でも、教育隊に配属されると、門限はなんと「2000」つまり夜の8時で、外出して買い物をしたり、友達とごはんを食べに行っても、「あっ!2000になるから帰るね!」と、友達や彼氏を残して帰らなければいけません。

中学生のような門限は、部隊配属になれば解除されますが、それでも門限は2230、つまり夜の10時半…。

門限を破ったら、外出禁止というペナルティがあるので、少しの時間でも友だちや彼氏と過ごしたい女性自衛官にとっては門限は天敵のような存在ですよね。

カラオケにも行けない、映画も時間を気にしながら見なければいけない…デートにかなりの制限がかかって、女性自衛官はそれが原因で彼氏と別れた…という人も多いのではないでしょうか。

さらに外泊の許可が出たとしても、緊急時に備えて駐屯地から〇km以内という指示があるために、遠出して温泉に1泊…というのも不可能ですから、辞めて海外旅行で買い物ツアーでもしてみたいと考える女性自衛官は多いでしょう。

悩み3:自衛隊=家族?24時間一緒にいる集団生活がキツい

自衛隊の中隊は、いわば「ファミリー」同然であり、同じ釜の飯を食う仲間であり、さらにいえばもはや家族同然かのように四六時中行動を共にするため、「嫌われたら終わり」という恐怖と紙一重でもありますよね。

うっとうしい先輩の言うことも、真面目にききいれ、気に入ってもらうために努力を重ねて、それでも理不尽に叱られることや納得のいかない命令をされることもあって、本当に辛いところです。

いつ、どんな時も仲間と一緒なので、プライバシーはほとんどなく、人見知りの人はもちろん、オープンな性格の人でも、「トイレが唯一の休憩場所」というくらい個人の時間はないので、大変ですよね。

集団生活に馴染むことができなければ、最悪の場合いじめに遭うこともあって、先輩から目をつけられていた同僚が知らないうちにいなくなっていた…ということはありませんか?

「自衛隊員を辞めたい!」から始める転職活動

昇任したくもないのに昇任試験を受けさせられるのが我慢できない!キャリアとして、40歳・50歳になっても自衛隊員の仕事をしている自分の姿がイメージできないから、転職したい…。

でも、「自衛隊員を辞めたい」と思っても、肉体一本で勝負してきたのに、民間で通用するスキルがあるのか…今さら民間に転職してやっていけるのか…不安になっていませんか?

では、自衛隊員から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

電気機械器具、運送用機械器具などの製造業

自衛隊員が最も多く転職する先は、製造業です。体力勝負でさまざまな困難を乗り越えてきた精神力もあるため、力仕事や、根気のいるものづくりに向いていることが理由として挙げられます。

製造業の年間休日は平均で117.7日となっており、ホワイトカラーの職種と比べても遜色なく、お給料も年収500万円前後と、自衛隊の頃の年収と比べても少し高いくらいではないでしょうか。

バスやタクシーなどのドライバー業

自衛隊に入隊すると、大型免許の取得をさせてもらえるので、転職時のこの大型免許を活かしてドライバーになる人も多いのです。

バスの運転手は年収300~400万円ほどですから、自衛隊の頃に比べれば若干ダウンしてしまう人もいるでしょう。

でも、運転はほぼ1日中座りっぱなしで体力も使わないため、訓練で体を壊して自衛隊を辞めたい…という人には向いている転職先だといえます。

営業職

自衛隊員の隠れた転職先といえば、営業職です。「自衛隊と営業と、何の関係があるの?」と思っていませんか?

実は、自衛隊で培った礼儀正しさは接遇に役立ちますし、顧客と誠実に向き合って問題解決に取り組む姿はまさに理想の営業マンなのです。

営業職といっても「何を売るのか」「個人に売るのか、法人に売るのか」によって年収にも差が出てきます。

大手企業の新規開拓営業だと、年収が800万円~ということもあり、元自衛隊でバリバリ営業として活躍している人もいます。

自衛隊員から転職した方の体験談

自衛隊として国民の安全のために尽くしてきたけど、体力が限界…。集団生活が精神的にきつすぎておかしくなりそう…。

それならいっそのこと、まったく違う業種・職種に転職して、自分の適性に合った、無理なく続けられる仕事を探したほうがいい!と思いませんか?

実際に、自衛隊員からでも異業種にチャレンジし、転職を成功させている人もいます。

自衛隊員から自動車の期間工に転職(男性 当時30代前半)

任期制隊員として満期まで勤め上げ、訓練を通して苦しさこそ味わったものの、実際に国民の安全を守っている!と実感できず、また、中隊での人間関係にも悩み、満期で自衛隊を辞めて転職することにしました。

転職することになって、元々好きだった自動車関連の仕事がしたいと思い、給料がいいという噂をきいていたので、某大手自動車メーカーの期間工に応募し、転職しました。

満了金や報奨金が出るうえに、無料の寮も完備されていて、収入面で自衛隊を上回るとは思わなかったので、よい意味で驚きました。

ただ、正規雇用ではないため、期間工の仕事で成果をあげて、正規雇用への登用を狙っています。

自衛隊員からシールメーカーの事務職へ転職(女性 当時20代後半)

女性自衛官として経験を積み、化粧も自由にできるし、元々外出が好きなほうではないので外出制限も気にならずに務めていましたが、県外に住んでいる母親が病気になり、看病できる人がいない中で、遠出禁止のこの仕事がかなりの精神的負担となって退職しました。

母のからだが持ち直すまでの1年間ブランクがあって、もう一度体力を必要とする仕事に就くことが難しくなってしまい、事務職に転職。

それでも体に染みついた礼儀作法、上下関係が功を奏して、事務室の中でも先輩方にかわいがられていますし、窓口でも「〇〇さんのあいさつは気持ちがいいね」と褒めてもらえます。

年収は150万円くらい落ちましたが、土日が休みできっちり8時間勤務、プライベートも大切にできる時間があるので、仕事を続けやすい環境だと思います。

自衛隊員から私立高校スクールバスの運転手へ転職(男性 当時30代後半)

陸自で陸士として貢献してきましたが、勤務中に倒れ、心臓のバイパス手術を経て、人生観が変わったために転職しました。

入院中は、国民のため…と疑いを持たずに働いてきた自分の価値観が大きく揺らぎ、家族のために生きたいと心から思ったからです。

しかし、子どもがまだ小学生でこれからも教育費や家のローンなどが残っていて、あまりにも年収が下がるような仕事はできないし、時間拘束も短くなければ転職する意味もなくなってしまう…と考え、運転手の仕事に転職しました。

多少なりとも部下がいて、率いてきたという自負があったので、高校生というかなり自分よりも年下の子どもたちを相手に運転をするというのは、最初は抵抗がありましたが、自分の子どもが大きくなったとき、安全に送り迎えするという仕事は決して軽んじられるものではないと感じました。

私立高校なので異動もなく、朝と夕方は忙しいものの、遅くとも19時には帰宅できます。高校が休みの間は土日や夏休み・冬休みを含めて運行がストップし、その間は有給も使えるので、陸自の頃が嘘のように家族と過ごす時間を増やすことができました。