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きっちりとしたスーツに身を包んで、金融関係の専門用語が飛び交う中で働く税理士事務所・会計事務所の社員の仕事は、その実態を知らない人からすれば、憧れのイメージを抱いている人もいるでしょう。

しかし、実際に働いてみると、その激務っぷりに入社早々「辞めたい!」と思う人も多いものです。

ここでは、税理士事務所・会計事務所の社員ならではの悩みと、税理士事務所・会計事務所の社員からの転職先はどんなところがあるのかについて紹介していきます。

税理士事務所・会計事務所の社員を辞めたい人の悩み・理由

お金を扱う仕事なだけに、細かな神経をつかう仕事でもあるため、長時間労働が続くと精神的にキツくなってくる税理士事務所・会計事務所の仕事は、なにかと辛いことがたくさんありますよね。

実際にこんな悩みを抱えながら出勤している人がたくさんいるのではないでしょうか。

悩み1:ワンマン経営の所長…性格が悪くて辞めたい

税理士事務所・会計事務所は、ワンマン経営の事務所が多く、また規模にもよりますが親族経営を行っている(旦那が所長で奥さんが所長代理など)ところが多く、かなり自己中心的な仕事をしている人が多くて辛いですよね。

タイムカードを切る時間も勝手に決められて、タイムカードを切った後も平気で残業を命じられたり、仕事とまったく関係のないことでキレられたり、当たり散らされたりしたことがありませんか?

所長との相性が悪いと、狭い事務所の中でずっと一緒にいるだけでも苦痛になってきて、顔を見るだけでも具合が悪くなる人も多いのではないでしょうか。

悩み2:職員の数が少ないと人材教育もなく、いきなり決算をふられて辛い

事務所の規模にもよりますが、小さい事務所だと職員の数も限られ、一人当たりにふりかかる仕事の量がとんでもなく多い時期がありますよね。

税理士事務所や会計事務所の場合、未経験者でもOKといううたい文句でまったく経験もスキルもない人が入ってくることもあって、ただでさえそのような人の教育で忙しいのに、そこへもって決算、決算、決算…。

新入社員の立場からしても、ほとんど満足な人材教育もなく、突然「この決算3日後までにお願い」と仕事をふられ、決算の方法もわからないままに仕事をふられてイチから調べてから仕事にとりかかるので、不安しかないですよね。

悩み3:確定申告、月次監査…仕事のピークが長くて辞めたい

税理士事務所も会計事務所も、書き入れ時は確定申告の時期で、該当時期はほとんど毎日日付がかわるまで働いている人も多いのではないでしょうか。

この確定申告という大きなピークが去っても、月に1度の月次監査があるため、1日のほとんどが外出で監査をしていることも多いですよね。

もちろん通常業務も並行しているわけですから、税理士事務所も会計事務所も忙しいピークが長く続くため、一息つける時間もなく、常に忙しいので辞めたい!と思うことが多いでしょう。

「税理士事務所・会計事務所の社員を辞めたい!」から始める転職活動

自分で独立して事務所を立ち上げて数十人の社員を抱えるような大所帯にもなれば、年収1億円を超えるひともいるくらいの高収入が実現できます。

でも、自分には独立できるだけのスキルもお金もない…そんなとき、「税理士事務所・会計事務所の社員を辞めたい」と思っても、税理士・会計士の仕事以外に自分に何ができるのか不安になりませんか?

では、税理士事務所・会計事務所の社員から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

同じ業界・職種への転職

大手の会計事務所に転職する

現在勤務しているのが個人経営の小規模な税理士事務所・会計事務所であれば、所属する事務所の規模を大きくしてみるという選択肢があります。

大手の場合、国際税務・国際会計を扱うために、英語力が欠かせません。TOEICでいえば、800点程度の英語力が必要とされるため、年収アップ・キャリアアップを狙うなら、まずは英語の勉強をしてから転職活動を始めてみましょう。

中堅の税理士・会計事務所に転職する

中堅事務所の利点は、大手事務所ほどのキャリアアップはのぞめない一方で、即戦力を必要としているために、英語力よりもすぐに担当が持てるかどうかを重視していることから、無理なく採用されやすいという点にあります。

給与は個人経営の事務所よりもよく、自分の裁量で仕事を進めることができるので、個人経営よりもやりがいを持ちながら、大手事務所よりもプレッシャーに押しつぶされずに、充実して働けることが魅力となっています。

今とは違う業種・職種への転職

一般企業の経理(管理職)

税理士事務所や会計事務所ではなく、一般企業といっても中小企業なのか、上場企業なのかによって年収にかなりの差がありますが、いずれにしても個人経営の事務所よりも年収ははるかによいことが多いものです。

一般企業では、税務申告や決算の実務経験がある人材を募集していますから、税理士事務所や会計事務所に勤務していた人はまさにのどから手が出るほどほしい人材です。

年齢や経験によっては、転職後のポストが管理職を約束されていることもあり、そうなればさらに年収アップが期待できます。

専門学校の講師

会計の知識を活かして、教育者になるという手段もあります。会計士や税理士を目指している学生が通う専門学校は、時代を問わずに一定の人気があります。

専門学校では学生に「教える」ことがメインとなり、学校ならではの夏休み・冬休みもあって、その期間は有給を使って長期の休みを取る人もいます。

税理士事務所や会計事務所での激務に疲れた年配の人でも雇用される可能性のある職業ですから、年齢を問わずにチャレンジできます。

コンサルティングファーム

ある程度規模の大きな税理士事務所や会計事務所の社員だった人は、そのスキル・経験を活かして、高収入のコンサルティングファームに転職するという選択肢もあります。

総合系コンサルティングファームや、企業再生系のコンサルティングファームなら、税理士や会計士としての経験を活かしながらも高収入が期待できます。

ただし、事務所時代と比較しても激務になることが予想されますから、やりがいと高収入を重視する人にはオススメの転職先です。

税理士事務所・会計事務所の社員からの転職体験談

お金・経済に関係する仕事は好きだけど、収入に満足できない…所長との人間関係で困っている…という人は多いでしょう。

同じ業界で転職したけどうまくいかなかった!もういっそのことまったく違う業種・職種に転職したい!と思う人は、希望とともに不安も大きいのではないでしょうか。

でも実際に、税理士事務所・会計事務所の社員からでも異業種にチャレンジし、転職を成功させている人もいます。

税理士事務所の社員から金融系ライターへ転職(女性 当時20代後半)

自宅の近くにある税理士事務所に未経験で社員として入社しましたが、結局税理士の2科目しか合格せずに税理士になる夢を諦めました。

でもゼロからせっかく身に着けた金融の知識をドブに捨てて転職するのももったいないなと思い、自宅でできるライターの仕事に転職しました。

当時、結婚したばかりで自宅でできる仕事を探していたのと、税務についての専門知識があったので、クラウドソーシングで案件を依頼されるようになりました。

でも、いつまでもフリーランスで続けることに不安を覚えたため、個人事業主として独自のサイトを立ち上げて、税金や決算についての質問に答えたり、コラムを書いています。

広告収入があって、今では月収で30~40万円も稼げるようになりました。もちろん税理士事務所時代では考えられないほどの高収入ですから、不安定な仕事ではありますが、今のところ満足しています。

会計事務所の社員から中小企業の経理へ転職(男性 当時30代前半)

中堅の会計事務所で10年ほど勤務したのですが、年収があるところでずっと同じ金額のままになってしまい、昇給のきざしがなかったので、企業への転職を決めました。

地元の製造業(中小企業)でちょうど経理を募集していたので採用していただきましたが、社員数が少なく、最初は仕事をまわせるか不安でした。

ところが、会計事務所時代に随分鍛えられていたのか、仕事量も内容も赤子の手をひねるようなもので、在職していた職員にとってはかなりの負担だったようですが、私にとってはかなり簡単なものばかりでした。

仕事の早さ、正確さを買われて、1年目でかなりの昇給があり、社長に気に入られたこともあって年収が会計事務所の頃の1.5倍になりました。

繁忙期でも残業はほとんどなくこなせる仕事量で、信頼関係も築けたので、本当に転職してよかったと感じています。

会計事務所の社員から専門学校講師に転職(男性 当時40代前半)

小さな会計事務所の所長代理までステップアップでき、このまま定年まで勤め上げることになると思っていたところ、事務所の経営が傾いて、退職する運びとなりました。

当時44歳。所長代理という肩書きがあってもなかなか転職先が見つからず、そんな中講師の仕事を見つけました。

学生との年齢差は最初こそ気になりましたが、定時であがれるのと、休みが取りやすいので、この年齢でも働きやすいです。