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小学校の教師は、子どもたちのはじめての学校教育の場で出会う印象に残る存在であり、自分もあの頃の先生みたいになりたい!と思って小学校の教師をめざした人もいるのではないでしょうか。

でも、小学校は幼稚園・保育園との連携がうまくいくかどうかが大切なポイントであり、うまくいかない場合は「小1プロブレム」の発端にもなり得ます。

学級崩壊しているクラスも増えてきている今、小学校の先生を辞めたい!と考えている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、小学校の教師として働いていたけれど、辞めたいと思った悩みや理由、そして実際に小学校の教師からの転職先や、転職に成功した人の声を紹介します。

小学校の教師を辞めたい人の悩み・理由

小学校の教師が心の病気を理由に休職する割合が年々増してきていることもあり、身体的な負担以外にも、精神的な負担もかなりのものだということは既に世間に知られているかもしれません。

そんな世間一般から見た印象よりも、現場で働いている小学校の教師は、リアルに教師をとりまく環境の変化に気づき、どうしようもない制度とのはざまで苦しんでいる人も多いですよね。

そんな小学校の教師の仕事をしている皆さんの頭を悩ませている3つの理由について紹介します。

悩み1:家庭のしつけは期待できない!基礎からの生活指導が辛い

小学校の生徒といえば、まだ幼稚園や保育園を卒園したばかりの子どもたちから、12・13歳の思春期まで幅広く対応しなければならないため、どの学年にも対応できる力が求められますよね。

特に低学年は、まだまだ子どもでかわいらしい一方、生活の基礎ができあがっていない子もたくさんいませんか?

箸が持てない、一人でトイレに行けない、一人で着替えられない、掃除のやり方を知らない…など、「こんなの家でやってきてよ!」と思うような基本的なしつけもされずに学校にその責任を投げられるので、理不尽さに怒りを感じる人も多いのではないでしょうか。

悩み2:1日じゅう生徒と一緒!ほぼすべての教科指導を一人で行うのが辛い

小学校の教師は中学校・高校の教科担当制の教師と違い、国語・算数・理科・社会…と、ほぼすべての教科を担任が授業しますよね。

そのため、すべての教科の教材研究を行い、授業準備を行い、朝の会、帰りの会を行い…と、生徒が帰宅するまで教室から離れることができません。

指導範囲が広すぎて、自分の中での得意・不得意があっても、生徒にそれを見せるわけにはいかないから必死で時間外にカバーして…と、授業が多い分、業務負担が重くなって、毎日帰りが遅くなるのが辛いですよね。

悩み3:いつになったら帰れるの?とにかく雑務が多すぎる!

大学の教授などは、自分の研究と講義というように、限られた仕事を深めていくものですが、小学校の教師は学習指導の他にも、雑務が山積みで、むしろ雑務のせいで残業の日々を送っている人も多いはずです。

日々の授業準備、教材研究の仕事をおびやかすのは、運動会、学習発表会、入学式、卒業式、作品展などなど…。

これらすべての準備を小学校の教師が日々の授業を進めながら企画・運営するわけですから、時期によっては仕事量が2倍、3倍になって、本当に辛いですよね。

小学校教員から転職!おすすめの転職先は?

小学校の教師は、子どもたちと触れ合いながら、一番身近に成長を見届けられる貴重な仕事でもあります。

ところが、モンスターペアレンツの出現などの影響もあって、転職を余儀なくなれる人も少なくないですよね。

では、小学校の教師から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

認定こども園に転職

幼保一元化が叫ばれてきたことで、ようやく認定こども園の存在が認められ、近年では次々と幼稚園型・保育園型のこども園が増えてきました。

実は、厚生労働省の取り計らいによって、保育士や幼稚園教諭の資格を持っていなくとも、小学校教諭の免許があればこども園の職員としてみとめられるという特例が発表されました。

そのため、子どもたちの扱いにくさを感じている人、または教育を本当に変えたければ、小学校以前の幼児教育に力をいれるべきだと考えている人には、認定こども園はおすすめの転職先です。

事務職に転職

小学校の教師は、昔の切り貼り・印刷を繰り返していた時代とはかわり、PC関連機器を使いこなす時代になっていますよね。

そのため、書類作成などのスキルを事務職で活かすことができます。もちろん給与は今よりもダウンしてしまいますが、土日がきちんと休めて、小学校の教師のようなサービス残業(そもそも教師に残業手当はつかないのですが…)もなく、プライベートを充実させることができます。

個人学習塾に転職

教員免許を活かせる転職先としては、公文式などの塾講師という選択肢もあります。個人経営、もしくはフランチャイズという方法もあるので、本当に自己流の教育方法を貫きたければ前者をおすすめします。

ただしこの場合は、自分が経営者になるわけですから、公務員時代とは税金の納め方も保険の種類も変更になるため、諸手続きを完璧にしておくという手間がかかります。

営業に転職

児童生徒だけではなく、同僚や先輩教員、教頭、校長と、複数の大人たちとも上手にかかわっていく必要があるのが小学校の教員ですよね。

そんなコミュニケーション能力を活かして、営業職になるという方法もあります。実際に小学校の教員は人当たりもよく、説明能力に長けているので、収入減をきらって営業職に転職していく人も少なくありません。

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小学校の教師からの転職体験談

公務員歴が長ければ長いほど、今さら民間に出てうまくやっていけるのか…心配になりますよね。

では、実際に小学校の教師の仕事から異業種・異職種の仕事に転職して成功した人は、どんな仕事に就いているのでしょうか。

小学校の教師からこども園職員に転職(女性 当時20代後半)

なんとなく教育大に進んで、まわりの子もみんな教員免許をとるカリキュラムを組んでいたので、流れで教育実習に行き、そこで先生もいいかも!と思って小学校の教員になりました。

ところが、現実は甘くなく、発達障害の子もたくさんいれば、それ以上にグレーゾーンの子もたくさんいて、高学年をもったある年に、ついに学級崩壊となってしまい、半年間の休職に。

休職中に見ていた本で、自分の人生の選択肢はもっと広いんだということを知り、そのまま復帰せずに転職しました。

結局突き詰めて考えると、小学生からの教育では限界があって、やっぱりその前の段階から適切な教育・保育が行われていないといけないと感じ、認定こども園に転職。

収入はやはりダウンしましたが、子どもたちの可能性をより感じながら働けるため、前職時代とはまた違ったやりがいを感じています。

小学校の教師からIT企業の事務職へ転職(男性 当時30代前半)

なさけない話ですが、残業続きである日通勤途中の電車内で倒れてしまい、そのまま入院となりました。

児童生徒の成長を間近で見られることの喜びは感じていましたが、教材研究にどうしても時間がかかり、残業時間が多く、家には寝るために帰るだけの日々。

妻も子どももいたので、転職には抵抗があったのですが、家族の了承も得て年収がそんなに下がらない程度…という条件でOKをもらいました。

IT企業の事務職は、1日中PCとにらめっこで、まったく体力も必要なく、ほぼ毎日定時であがれるのがメリットです。

また年収も有難いことにほぼ同じくらいもらえているので、家族にも心配をかけることなく働けています。

小学校の教師からスポーツ関連の営業職へ転職(女性 当時30代後半)

スポーツ系の大学で教員免許を取得し、小学校教諭になったのはいいものの、専門の体育以外は本当にスレスレで通ってきたこともあり、毎日の教科指導が次第に苦痛になってきました。

特に近年は英語教育、電子教科書なども積極的に取り入れており、もはやついていけない…というところまできて、転職するなら30代のうちに!と思い、趣味で続けていたフットサルを活かし、スポーツ関連の営業職に転職しました。

年収は、成果給によって前職を上回る月もありますが、基本的には少し下回る程度です。ただ、民間に出て驚いたのは、ちゃんと時間外手当がつくこと!

小学校の教員の頃は、いくら残業しても同じ…でしたが、やった分だけもらえるというのは、やりがいにつながるな、と感じています。