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体育大学などを出て、運動することの楽しさ、からだを動かすことの大切さを伝えたい…そんな気持ちで体育教師になった人は多いのではないでしょうか。

そんな採用試験に合格した当初の気持ちよりも、体育教師ならではの理由で、これならいっそのこと先生を辞めてしまったほうがいい…と思い、転職を考えたこともある人も多いでしょう。

ここでは、体育教員として働いていたけれど、辞めたいと思った理由、体育教師がこれから向き合う問題や、体育教員の転職先について紹介します。

体育教員が教師を辞めたいと思う瞬間は?

先生の中でも、国語や数学などの教科指導とは違い、扱えるのは保健体育から各種スポーツと、かなり特殊なため、他の先生とは違った悩みがありますよね。

小学校、中学、高校と、どの年齢に教えるのかによっても、「辞めたい!」と思ってしまうような悩みや転職を希望する理由は異なります。

  • 小学校教諭なら、得意な教科指導なら授業準備が忙しくて大変なことがあってもまだ我慢できるが、運動音痴だから体育指導が本気で辛い
  • 高校の体育教官指導室に体育教師が缶詰で、常に気まずい
  • 体育教師同士のつながりが妙にアツく、休日に早朝からゴルフに誘われて疲れる
  • 進学校だと体育の時間を「ムダ」と考えている生徒もいてまともな授業にならない
  • 少し激しい運動をメニューにいれただけで「ハラスメント」と騒がれる
  • 体育教師だから…という理由で、やったこともないスポーツの顧問に任命される
  • 一番キツい部活の顧問に配属されて、早朝・放課後・土日も関係なく練習ばかりで家族と過ごす時間がまったくない
  • 体育会系で上下関係の厳しい世界で生きてきたのに、新任教師が上下関係に疎くて毎日ストレスがたまる
  • 保健体育での性教育の授業の内容がハードすぎて、教師の性別によってはハラスメントととられることもあって辛い

体育教師も一人の人間ですから、苦手なスポーツもあれば、イライラすることもありますよね。

しかし、一般的な体育教師ステレオタイプは、「明るい」「オールスポーツ・オールマイティ」「めげない」というもので、ステレオタイプにあてはまらない体育教師は、毎日辛い思いをして学校に通勤しているでしょう。

体育教師が転職先で活かせるのはどんなスキルか?

国語や英語教師なら、教科指導のスキルを活かして塾などに転職するという方法がありますが、体育教師はいったいどんなスキルを活かして転職できるのでしょうか。

・ストレッチ(準備運動・整理運動)のスキル
・筋肉トレーニングのスキル
・特定のスポーツ指導のスキル
・身体に関する知識
・体育教師自身の身体能力

体育教師には、やはり運動に関するスキルを活かすことがメインとなりますが、それ以外にも保健体育で必要な身体の知識も活かすことができます。

では、具体的にどのような仕事で上記のようなスキルを活かせるのでしょうか。次の章で具体的に紹介していきます。

年収の変化もわかる!体育教師のスキルを活かせる転職先を紹介

先ほど紹介した体育教師ならではのスキルを活かして、次のような仕事に転職することができます。

スポーツジムのトレーナー

ストレッチのスキル、身体の知識といった体育教師ならではの経験を活かして、民間企業が経営しているスポーツジムのトレーナーになるという方法があります。

有酸素運動、無酸素運動の有効な組み合わせ、筋肉を大きくするのか、脂肪を減らすのかという目的別の運動など、スポーツジムの顧客に実践しながらアドバイスもできます。

【年収はどう変わる?】人気度によっては年収アップも

ジムでのトレーナーの仕事は、パーソナルトレーニングなどの指名がたくさん入れば、年収800万円も実現できます。

ただし、人気がなければ年収300~400万円となるため、年収ダウンはいなめないでしょう。

大手体育教室の講師

カワイ体育教室やコナミスポーツクラブなど、子どもを対象にした運動教室で、講師になるという選択肢もあります。

小学校入学前の未就学児を対象としたクラスもあり、元小学校教諭でも抵抗なく教えることができます。

部活指導ももちろんないので、時間外労働は少なめです。さらに完全週休2日なので、毎週土日休みではありませんが、平日を含めて必ず週に2日休むことができます。

【年収はどう変わる?】たくさんのクラスを持てば年収維持が可能

体育教室の中で、自分のクラスがたくさんあって、しかも生徒数も定員ギリギリまで集めることができれば、体育教員時代の年収を維持できます。

そのためには、生徒獲得のための口コミをひろめたり、自分自身でSNSなどを使って売り込むというひと手間が必要です。

得意スポーツ分野のクラブチームのトレーナー・監督

地域ごとの野球やサッカー、バスケットボールやバレーのチームがあり、大きなチームだと専任のコーチ、トレーナー、監督がいますよね。

活動時間は限られており、教師時代にあくせくしすぎて体調を壊した…という人に向いています。

ゆっくりのんびり、好きなスポーツ指導にあたることができるので、ある程度年齢を重ね、貯蓄がある程度ある年代の人にもおすすめです。

【年収はどう変わる?】好きな仕事ができる代わりに年収はダウン

勤務時間が短く、毎日勤務とも限らないこの仕事は、必然的に年収もダウンしてしまいます。

正職での雇用は、大きなスポーツクラブでない限り難しく、非正規雇用となります。そのため時給1,500円などの時給制で勤務することになるのです。

体育教師からの転職体験談集

小学校教諭から託児所へ転職(20代後半・女性)

体育教師を辞めた理由は?

元々小学校教諭で体育も持っていただけで、国家公務員の夫の転勤が決まって、私もついていくために退職しました。

転職してよかったことは?

小学校教諭と同時に取得した保育士、幼稚園教諭の資格が活かせたことです。それから、自宅に仕事を持ち帰ることもなくなったので、自宅での過ごし方が変わりました。

今まではスーパーでお惣菜を買ったり、外食が多くて栄養の偏りが心配でしたが、今は帰宅時間も早くなったので、3食自炊しています。

夫の検診結果もよくなって、家族のためにもよかったと思います。

収入はどう変わった?

半減しました。保育士の給与が低いことは一時期ニュースでも取り上げられていましたが、手取りで16万円のわたしは、その中でも恵まれているほうです。

公立高校体育教師からスポーツジムのトレーナーへ転職(30代前半・男性)

体育教師を辞めた理由は?

まったく経験のなかった剣道部に「体育教師だから」という理由で配属され、朝晩の練習に遠征で授業よりも体力的にも精神的にもきつくて、何のために教師をしているのかわからなくなったからです。

転職してよかったことは?

きれいな環境で、やる気のある生徒を対象にコーチできることです。ジムに来る人たちはみんな自発的に運動をしたいという人ばかりなので、非常にやりやすいです。

収入はどう変わった?

自分が担当しているプログラムが非常に人気があり、通常は入らないコマにもプログラムを入れられているので、その分収入に反映されています。

結果的に年収は、10万円ほどさがっただけですみました。

公立中学体育教師からカルチャースクールでのヨガ講師に転職(20代後半・女性)

体育教師を辞めた理由は?

体育教官室内で、年配の男性教員の中でやっていくのが難しかったからです。転勤も考えましたが、どこも体育は男性が多く、同じようなことになると思ったからです。

転職してよかったことは?

結婚していたので、拘束時間が短くなったことです。それから、授業時間以外は基本的にフリーなので、好きな運動をする時間が持てたことがよかったです。

収入はどう変わった?

今は週に10コマの授業を持っていますが、多いときは15コマ持っています。コマ数に応じて収入が変わるのですが、10コマで月収160,000円、15コマで190,000円です。

さらに欲張って多くのコマを持てばもっと高収入になると思いますが、私生活の充実を重視して今のところは年収ダウンでも満足しています。