[PR]

自分の得意教科が数学だった…という理由で数学教師になった人は多いのではないでしょうか。

でも、一度なったら潰しがきかないのが数学教師のデメリット。いろいろな事情で転職を決意したとしても、今さらどんな仕事に転職できるのかわからない…と不安になっていませんか?

ここでは、数学教師として働いていたけれど、辞めたいと思った理由や、数学教師の転職先について紹介します。

数学教員が教師を辞めたいと感じるきっかけは?

自分の得意なことを仕事にしていると言えば聞こえはいいですが、実際は授業準備も大変だし、数学には関係のない仕事もたくさんあって、時には「どうして自分は先生をしているんだろう…」と考えることもありますよね。

中学校や高校で数学を教えていると、以下のようなことで数学教員を辞めたい!と思う人が多くなっています。

  • 最初の赴任先ではいわゆる「底辺校」に配属され、四則演算もままならない生徒ばかり
  • 進学校だと生徒から「先生はどこの大学出てるの?」ときかれ、地方国立大でもバカにされる
  • ベテラン教員は黒板や教材の電子化についていけない
  • 文系の生徒が多いと数学の授業中は居眠りの時間と化してしまう
  • 生徒の大学進学率が悪いと、点数が悪いことが多い数学教師の責任にされてしまう
  • 数学に関連する部活は少なく、まったく経験のない運動部顧問に配属される
  • 「先生は数学得意だからできるよね?」と、それほど経験のない珠算部顧問に強制的に任命される
  • 数学の先生というだけで生徒から嫌われ、授業も「わからない=つまらない」で担任業務にも支障が出る

該当する項目が多ければ多いほど、勤務が終わって自宅に帰る途中、「転職しようかな…」と、数学教師以外の道を考えてしまいますよね。

数学教師は他教科の先生よりも転職しにくいって本当?

他教科よりも潰しがきかない数学教師という仕事

同じ先生は先生でも、英語教師なら英会話教室の講師、翻訳など、転職先がすぐに思い浮かびます。

でも、数学を教えていたという経験・スキルが、民間の企業でどのようにプラスに働くのか…想像できずに不安になっていませんか?

実際に、大学で数学を学ぶ際には、「数学教師以上に潰しのきかない仕事はない」と教授から脅された経験がある人も多いのではないでしょうか。

大学で専門性を極めるという選択肢もあるが現実的ではない

確かに、高度な数学の知識は、教育場面以外で実際的に活かすことは簡単ではありません。

それこそ、大学教授になって授業を持つことが理想的な転職になるかもしれません。ただ、大学教員の枠は非常に小さく、縁故による内定が多いのも事実であり、中学や高校での教育経験があるから…というだけでは転職は難しいでしょう。

でも、大学だけが数学教師の転職先ではなく、むしろ後述するように民間に転職して成功しているケースもあります。

転職先で「数学の学問を続ける」か、「まったく関係のない仕事する」か

転職時に生じるギャップに注意しよう

数学教師の場合、数学が好き、もしくは数学が得意で教師になったという人が多いでしょう。

教師から民間企業への転職では、多くの場合においてギャップによるストレスが生じるものです。

・教える立場から教わる立場へ変わるギャップ
・数学という専門分野を活かせる仕事から、まったく未経験の仕事へのギャップ
・「〇〇先生」から「〇〇さん」に変わるギャップ

ギャップが気になる人の転職先

このようなギャップからのストレスによって、また時期を浅くして転職しなければならない状況に追い込まれるくらいなら、最初からギャップの少ない仕事に転職することをおすすめします。

それが民間での教育職です。後述する塾のような講師職としてやっていける仕事は、前職とのギャップが少なく、社会的地位もほぼ同等のため、精神的な安寧を得られやすいのです。

ギャップが気にならない人の転職先

「いや、自分は割とストレス耐性も高くて、どんな会社でもやっていく自信がある!」という人は、教育職以外にもたくさんの道が選択できるでしょう。

数学教師時代のことはすべて忘れて、まったく新しい世界で活躍したいという場合は、教育職に限定せず、以下の項目のうち、最も重視したいことは何かを自己分析した上で転職先を選びましょう。

・給与(年収アップ)
・時間外労働の少なさ
・年間休日日数+有給取得率
・企業の将来性

少しでもあなたにとってよい条件の企業で、教育職以外の世界で働くために、次の章にある転職先の具体的な候補を参考にしてみてください。

数学教師の転職先と年収の変化

前章で紹介した“教師からの転職ギャップ”の多さ、少なさも考慮して、自分に合った転職先を見つけましょう。

塾講師

民間の予備校や学習塾では、元教師陣が多く活躍しているように、数学のスキル、そして教育者としてのスキルを活かすことができます。

高校で数学を教えていて、出身大学を公表できるなら、予備校がおすすめです。生徒は先生の出身校を見て授業を選択するからです。

中学で数学を教えていたなら、小学生・中学生を対象とした学習塾がおすすめです。生徒の年代がかわれば、それだけ単元もかわるため、前職での経験をスムーズに活かすには、この年代がよいでしょう。

年収は上がる?下がる?

講師職は、授業や教師の人気度と年収が比例しますから、教員時代のようにどんな働き方をしていても一定の給与が支払われるわけではありません。

人気獲得のために熱心な授業研究など、気を回すべきところがたくさんあります。

人気が出れば年収は教師時代を超えて1,000万円台を実現している講師も実際に存在します。

一般企業のマーケティング職

PCや統計に強い先生は、マーケティングに転職するという方法があります。商品開発等のために行われたアンケートから、市場のニーズを把握し、報告する業務です。

基本的にデスクワークですから、教員の頃のように立ちっぱなしで授業をすることはありません。

年収は上がる?下がる?

国内の企業なら、30代のマーケティング職の平均年収は530万円ほどですから、教員とそれほど差が現れません。

外資系企業のマーケティング職では年収800万円を越えますから、数学だけではなく、英語も得意!という人にはおすすめです。

ベンチャー企業の営業職

元教員ということが裏目に出る場合もあります。教員は真面目だけど、人の下で働くことを知らない、ビジネスマナーがわかってないという偏見があるからです。

でも、ベンチャー企業では年齢も経歴も関係なく、ただ実力を発揮することを求められます。

そのため前職の業種・職種ではなく、個人の特性やスキルを重視した採用を行っています。

年収は上がる?下がる?

ベンチャー企業の経営状態によるところですが、IT系では30代の年収が480万円前後で、同じ30代からの転職だと若干のダウンで済みます。

企業が軌道に乗れば、30代でも年収1,000万を超えるところもあるため、すべては企業の展開次第というリスキーな面もあります。

教師から転職!教員を辞めたい方におすすめの転職先と転職成功の秘訣を解説
昔からの夢で教師になった方もたくさんいると思います。 しかし、現実はとても厳しく、「教師を辞めたい」「民間企業へ転職したい」と心が揺らいでいる方もいるのではないでしょ...

数学教師からの転職体験談

公立高校数学教師から予備校講師へ転職(30代後半・女性)

転職してよかったこと

終業時間後の採点、部活の指導がなくなったことと、教師としての経験が活かせること。

年収はどう変わったか

50万円程度年収が下がりました。コマ数によって変動があるのですが、子育てとの両立を考え、この程度で納めています。

公立中学数学教師から参考書制作へ転職(20代後半・男性)

転職してよかったこと

数学の知識や、現場での学生の理解度や学生にとっての分かりやすさの知識を提供できたこと。

自分のビジネスマナーの拙さをとても感じ、民間に出て、いかに教師が特殊な世界で働いていたかを知ることができました。

年収はどう変わったか

年収でいうと80万円ほどダウンしましたが、予想より高い年収でホッとしています。納期近くは残業も多いですが、手当が出るので納得です。

私立高校数学教師からベンチャー企業に転職(20代前半・男性)

転職してよかったこと

杓子定規な考え方ではなく、自分の発想を仕事に反映させられること。教員時代、もっとこうすれば効率がいいのに!と思っていたことを実践できたことです。

年収はどう変わったか

初年度は年収400万円程度で、正直かなり下がったと感じましたが、仕事の仕方がつかめてからは効率が上がり、結局5年経過した今は年収700万円まで上がりました。

企業の開発したシステムの需要が高まったという背景もあります。