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「理学療法士がいる通所サービスは、通所リハビリ(以下デイケア)である」

というのも今は昔。

最近は通所介護(以下デイサービス)でも理学療法士が働くことは珍しくありません。

それどころか、「リハビリ特化型デイサービス」なんてものもできて、デイケアなんかより、よっぽど理学療法士が多いところも少なくありません。

でも、実際にデイサービスで理学療法士がどんな仕事をしているのか、具体的に知る機会は少ないんじゃないでしょうか。

また、コンビニより多いなんて揶揄されることもあるデイサービスですので、介護報酬改訂のたびに、厳しい結果となっています。

2018年の介護報酬改定でも、基本報酬の減算は免れないもようです。

このように、理学療法士が働く職場として珍しくなくなった通所介護ですが、報酬減のこともあり、今後の転職事情や求人の傾向が、非常に気になるところです。

そこで、デイサービスで働きたいと思っている理学療法士が必要な情報をまとめてみました。今後の方向性も含めて紹介します!

リハビリ特化型だけじゃない!?通所介護における理学療法士の業務内容

リハビリ特化型デイサービスがクローズアップされています。

そのため、多くのマシンやレッドコードなどがある職場が、理学療法士の働くデイサービスと思っていませんか?

そのイメージでデイサービスに就職すると大きな失敗を招く危険性があります。

理由は「リハビリ特化型デイサービス」と「通常のデイサービス」で、理学療法士の仕事内容を見れば一目瞭然です。

●リハビリ特化型デイサービスにおける仕事内容の一例

仕事内容
8:30 朝の朝礼
9:00 個別メニューの確認
9:30 バイタルチェック
10:00 準備体操
10:30 個別プログラムの実施ならびに評価

※ 同様の内容を午後のクールで実施

●通常のデイサービスにおける仕事内容の一例

仕事内容
8:30 朝の朝礼
9:00 送迎同行
9:30 バイタルチェック
10:00 集団体操
10:30 マシントレーニング
11:30 昼食準備
13:00 個別リハビリ
15:30 集団ストレッチ
16:00 送迎同行
17:00 記録業務

いかがですか?

まず、大きな違いは1クールあたりの実施時間です。

リハビリ特化型のサービス提供時間は、長くても半日程度で、1日複数のクールを実施します。

それに対して通常のデイサービスは昼食や入浴なども含まれ、1クールのみで6〜8時間程度の場合が多いです。

また、具体的な仕事内容にも大きな違いがあります。

リハビリ特化型デイサービスは、「少人数制」、「個人対応」といった特徴の中で、一人に対して対応する機会が多です。

それに比べて、通常のデイサービスでは集団へのアプローチ送迎同行、食事の準備や介助、トイレ介助、レクレーションなどといったことも、業務に含まれることがます。

もちろん、理学療法士によるパーソナルトレーニングを売りにしている事業所もありますが、それほど多くありません。

なぜなら、理学療法士がいくら個別に対応したからといって、何の加算も報酬も得られないからです。

個別機能訓練加算のように、理学療法士などの専門職を配置し、機能訓練を充実させることによる加算もあります。

しかし、加算の算定要件は「理学療法士など」であり、看護師や柔道整復師でも算定が可能です。

そのため、個別機能訓練加算を算定しているからといって、リハビリ特化型というわけではなく、理学療法士以外の職種が機能訓練指導員として配置されている場合が多いのです。

以上のようにデイサービスで働く理学療法士の仕事内容は、「個別対応を重視したリハビリ特化型デイサービス」「理学療法士を配置した通常のデイサービス」とで大きく異なります。

そのため働く前にしっかりと業務の内容を確認しておかなければ、後で痛い目に合ってしまうのです!

通所介護で理学療法士は需要があるの?求人傾向をチェックしよう!

デイサービスで理学療法士の求人は今後も増加していくことは明確です。理由は以下の通りです。

  1. 機能訓練やADLの改善が評価される
  2. 機能面から生活環境まで幅広い評価が必要
  3. デイサービスで働く理学療法士はまだ少数派

それぞれの理由を説明していきます。

1.ADLの改善が評価される

デイサービスの利用により、ADLの改善がされたという結果が評価されるという点は、2018年の介護報酬改定でも注目ポイントです。

そして、これは理学療法士を含むリハビリ専門職がデイサービスにしっかり関わることで期待できる効果です。

2018年の改定では、外部のリハ職からの助言という点も評価されていますが、より効率的で積極的に加算をとる事業所は直接採用が増えるでしょう。

2.機能面から生活環境まで幅広い評価が必要

機能訓練加算2を算定する場合は、生活機能の向上・維持を目標として設定する必要があります。

基本報酬の引き下げが続く中で、加算をいかにとっていくかは重要なことです。

そのため、疾患からくる機能障害からADL、生活環境まで幅広く評価できる理学療法士が必要となるでしょう。

3.デイサービスで働く理学療法士はまだ少数派

病院に比べてデイサービスで働く理学療法士は多くありません。そのため、求人数も多い状態です。

また、先程から説明しているような介護報酬改定の影響があります。加算を確実にとりながら、サービスの質に差をつけたい事業所は今後も理学療法士を採用していきます。

以上のような理由から、今後も通所介護で理学療法士の需要が期待できるんです。

しっかりチェックしよう!通所介護に理学療法士が転職するときの注意点3選

いくら需要があるからといって、どの通所介護で働いてもいいというわけではありません。

仕事内容の際にもお伝えしましたが、事業所によってかなり特色が異なります。そこで、デイサービスに理学療法士が転職するときの注意点を3つ厳選して紹介します。

1.待遇面に差がある

「需要がある分給与が高い」というイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。

介護報酬改定のたびに減算され、リハ専門職の限定した加算もない現状では、リハ職だけ待遇を上げるのは厳しい事業所が多いです。

しかし、大手法人が経営していたり、リハビリに特化したりした事業所では、病院などに比べて高収入が得られる場合もありますので、しっかりチェックしましょう。

2.仕事内容をしっかりチェック

先程からお伝えしている通り、事業所によって仕事内容が大きく異なります。

「送迎に行くなんて聞いてなかったよ!」

なんてことが起こらないようにチェックしましょう。

3.自分の考えを持つ

当たり前のことかもしれませんが、デイサービスでは他のサービス以上に、「理学療法士としてどのように働きたいか」を考えておく必要があります。

そうでなければ、なんとなくデイサービスのスタッフとして働いてしまうという状態になります(それでもいい場合は別ですが…)。

デイサービスは良くも悪くも、理学療法士の働き方に大きな縛りがありません。

自分次第で、専門性を十分に発揮できますし、色々な縛りが多い通所リハビリや介護老人保健施設に比べ、自分の行いたい仕事をできる場合もあります。

そのため、自分の考えをしっかり持って、職場を選んでいく必要があります。

まとめ

通所介護で働く理学療法士が求められる役割は、事業所によって多種多様です。

理学療法士の需要は今後も高いサービスですが、しっかりと転職先を選ばないと、やりがいのない職場で仕事をするハメになります。

ご紹介した情報を参考にしていただき、専門性を存分に発揮できる事業所への転職をしましょう!