「紹介数は少ないが、良い人が紹介される転職エージェント」

中途採用の人事部サイドの多くが、このように評価する転職エージェントです。

中には、10年以上、type転職エージェントのみに求人紹介を絞っている企業もあります。人事部サイドの中に、熱心なファンがいるのが特徴的です。

利用者である転職者サイドからも、丁寧な転職サポートに、以前から定評がありました。

そんなtype転職エージェントの賢い利用法はどのようなものでしょうか?

今回も、そのビジネス構造から強み・弱みを徹底解剖し、その賢い利用法を探っていきたいと思います。

typeを「ビジネス構造」から読み解く

キャリア転職サービスの老舗

type転職エージェントは、1994年に設立された株式会社キャリアデザインセンターを運営母体としています。1998年に有料職業紹介事業(転職エージェント)の事業を行う子会社を設立し、20年近く転職エージェント事業を展開しています。

キャリアデザインセンターは、もともと転職情報誌としてサービスをスタートさせていますが、急成長とともに事業を多角化させており、新卒の就職活動サポート、女性の転職、営業職の転職等、というように、ターゲットを絞ったセレクトショップのような、ブティック型の転職サービスを展開させてきました。

転職エージェントもこうした多角化の一環として運営されているものですが、後述するように、ターゲットとする転職者、業界、職種等を個別に絞って事業を運営しています。

その点で、他の大手総合型の転職エージェントサービスとは、一線を画している会社です。

ブティック型転職エージェントの特徴

このブティック型という転職エージェントの特徴は、収益性の高い転職者、職種、業界に絞って集中的に経営資源を投入し、質の高い紹介サービスによって稼ぎ出す、という構造を持っていることです。

このため、ターゲットとする転職者をいわゆるキャリア転職型、既に高いスキルを持っている人材に対し、年収がアップするキャリアアップ型の転職紹介を実現するタイプに絞って、転職者をサーチし、人材紹介サービスを展開することによって、高い紹介手数料を得る収益性の高いビジネスモデル、というのが特徴になります。

IT業界、エンジニア、金融業界に強み

収益性の高い転職エージェントの事業モデルを構築するには、紹介先の企業のターゲットも重要です。

一般に高い年収を出し、紹介手数料も高収入を見込める、IT業界、メーカーのエンジニア、金融業界といった業界に創業当時から強みがありました。

40代以上のビジネスパーソンならば、かつての転職情報誌について、一般的な転職ならばリクルートが発行する「B-ing」、エンジニアならキャリアデザインセンターの「type」といった具合に分かれていました。

転職エージェントを展開するようになっても、両者が同じような住み分けしているところが興味深いです。

女性、営業職にターゲットを絞った転職サポート

一方で、女性や営業職をターゲットに絞った転職活動にも、早くから力を入れてきました。

実は、これらのターゲットは、決して高収益ではありません。しかし、女性や営業職は、一般に転職回数が多いため、転職エージェントが紹介するビジネスチャンスが多い、という特徴があります。

ここに質の高い転職サポートを提供することによって、「リピーター」を狙い、収益回転の高いビジネスモデルを構築できるところに特徴があります。

type転職エージェントのサービスについて、他の口コミサイトでは、よく、エンジニアに特化、丁寧な転職サポートという表面的な情報が掲載されています。

しかし、私のような元同業者からすると、type転職エージェントは、「転職エージェントの儲け方を知っている」という印象です。

老舗なのに、事業規模では大手総合型の転職エージェントの後塵を拝し、決して派手なイメージはありません。しかし、着実に実績を残す、強かさのある転職エージェントなのです。

type転職エージェントを利用するメリット

そして、前に述べたビジネス構造を支えるためのサービスの特徴が、そのままtype転職エージェントのメリットになっています。

丁寧な転職サポートに定評がある

まず、多くのネット上での口コミサイトでも取り上げられていますが、丁寧な転職サポートには定評があります。

特に、エンジニアなど、転職サポートをする上で、履歴書や職務経歴書の作成にも専門知識が求められるタイプの転職者の方に好評が多いことが特徴的です。

専門的な話が分かるキャリアコンサルタントが多いためで、創業当初からエンジニア転職に力を入れていた伝統が活かされています。

マッチングの精度の高さに定評がある

前記のポイントとも関連しますが、丁寧で質の高い転職サポートは、そのままマッチングの精度の高さに直結します。

その精度の高さは、複数登録した転職者でも、自社で転職先を決めてくれる、という高決定率となって、高い収益性に結び付けているのです。

特にエンジニアの方は、理詰めで直線的な志向がありますから、「選択肢の幅を広げる」といった紹介の仕方は、転職者のサポートへの満足度を下げますし、転職後も決してハッピーな結果を生みません。

こうした事情を、創業当時からのエンジニア紹介で十二分に分かっているからこそ、質の高い転職エージェントサービスに結び付けられているのでしょう。

年収アップ・キャリアアップの期待度が高い

type転職エージェントの年収アップ率は、リクルートエージェントなど他の転職エージェントに比べ、年収アップ率が10%近く高いといわれています。(70%程度とのことです。)

丁寧な転職サポート→精度の高い紹介→好条件での転職実現という好循環を実現させているという点が、転職者にも大きなメリットになっています。

この他社より比較的に高い年収アップ率を実現している背景は、冒頭にも述べた、人事採用サイドから、「質の高い転職者を紹介してもらえる」というブランドが確立しているからです。

type転職エージェントが紹介する人材ならば、高い年収と紹介手数料になってもやむを得ない、と人事採用サイドが考えている結果が、転職者側への好条件の転職条件となって反映されてくるのです。

女性の紹介企業はバリエーションが多い

一方、女性向けの転職エージェントサービスでは、化粧品、流通など、他の転職エージェントサービスと比べてバリエーションが多いことが特徴的です。

これは、子育て等でいったんリタイアした方にも転職サービスを提供していること、女性の転職の選択肢が、男性に比べて、直観的、感覚的な面が影響することが多く、紹介先に幅を持たせておく必要があることが背景にあると思われます。

type転職エージェントのメリットは、ブティック型転職サービスの強みをフルに活かしています。

①収益性の高い職種に特化、②丁寧な転職サポートによる高決定率、③①②が生み出す好循環というビジネスモデルを構築している、という点がお分かりいただけたのではないでしょうか。

type転職エージェントの弱いところト

ここからは、type転職エージェントの弱みの部分を紹介していきたいと思います。

取扱いの求人件数が少ない

まず挙げられるのが、この点。

大手総合型の転職エージェントに比べて、ターゲットを絞ってブティック型の転職サポートサービスを提供している以上、どうしても絶対数の求人数は少なくなります。

求人件数も公表された数字で6,000件程度、非公開求人の求人数も他社よりはるかに少ないです。

そのため、数多くの選択肢から、速攻で転職先を決めたい方には、利用しづらい面があるかもしれません。

取扱いの求人の種類の偏りが大きい

これも、ブティック型転職エージェントの宿命ですが、取扱いの求人の偏りは大きくなります。IT、エンジニア、金融に強みと書きましたが、裏返して言えば他が弱いのです。

したがって、転職者の側から「~の業界の求人が欲しい」といったオーダーは難しいと思います。

ハードワークの求人案件が多い

前に述べたように、高条件で転職を実現することにフォーカスした転職サービスを展開しているため、その紹介案件はハードワークなものが多くなります。

当たり前ですが、キャリアアップして年収アップして、仕事がラク、という求人はありません。キャリアアップ・年収アップと、仕事のハードさは比例の関係になります。

この点で、転職でワークライフバランスを実現したい方にとっては、なかなかお目当ての求人が見つからない、というデメリットがあると思います。

首都圏に求人が集中しがち

また、type転職エージェントを運営しているキャリアデザインセンターは、東京にしか事業所がありません。そのため、登録する転職者も首都圏に集中し、全国規模での転職サポートサービスはほぼ展開していません。

これも、収入面など条件の良い求人案件が首都圏に集中していることが背景にあると思われますが、地方の転職者にとっては、使いづらいサービスといえます。一方、上京してじっくり転職先を探したいタイプにはお勧めできる転職エージェントです。

このように、ブティック型の転職エージェントは、転職者サイドの多様なニーズに全て対応できるわけではありません。

自社の収益性を優先させる以上、対応する転職者も、紹介先も絞られるのです。

type転職エージェントの賢い利用法

以上のような強み・弱み、メリット・デメリットを踏まえたうえで、type転職エージェントを賢く利用する、利用に向いている方について説明します。

IT業界でじっくり求人を探したい人向け

まず、伝統的にtype転職エージェントが強みにしているIT業界で、膨大な転職情報におぼれることなく、じっくりと転職先を探したい方に、type転職エージェントは向いている転職エージェントといえます。

実際に、転職サポートも最長で2年程度かかっている人にも提供されています。

また、恒常的に人材不足なうえ、流動性も高いIT業界では、常に求人が出ているので、IT業界のエンジニアからすれば、焦ることなく転職先を探すことが可能でしょう。

30代、エンジニアで質の高い求人を探したい人向け

また、type転職エージェントが高収益を狙える転職者像としてターゲットになりうる、上記のような方にもおすすめできます。

キャリアアップと高収入という質の高い求人を狙って企業をサーチしてくれますので、ターゲットがマッチングしている転職者からすれば、非常に効率の良いサービスを提供してくれる転職エージェントとなるはずです。

女性で正社員への転職希望者向け

もう1つ、忘れてはならない転職者のタイプは、女性です。

前にも述べたように、女性の紹介企業はバリエーションが富んでいますので、20代でキャリアアップを目指す人や、30代で子育て世代のワークライフバランス型、40代以上の専門職の方にも、幅広く転職先を紹介しています。

また、最近増えてきている女性のエンジニアに対しても、伝統的な強みがありますので、十分満足するサービスを提供してもらえるでしょう。

まとめ

今回、ブティック型の転職エージェントのサービスについて深くご理解いただけたのでしゃないでしょうか。

特徴ある転職エージェントは、特徴にはまる人には非常にいいサービスですが、合わない人には徹底的に合わないです。これはビジネスである以上やむを得ないと思います。

この特徴を見極める、というのは転職活動の成功・失敗を大きく分けますので、この記事を通して、しっかり見極める視点を持つことができればいいな、と思っています。