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3歳の壁問題というのが、近年話題になっていますね。0歳児から2歳児にかけての子供を預かる施設に子供を預けていた親が、子供が3歳児になって、それ以降の預け先に困っている状況のことを「3歳児の壁」と言います。

まるで2歳児から3歳児の間に壁でもあるかのように、保育園に入れない・・・見えない壁に拒まれているような状況です。

親にとって厳しい状況ですが、この3歳児の壁問題は、保育士や幼稚園教諭に影響を与えることがあります。

3歳の壁問題の保育士への影響

保育士業界全体としては、特に小規模保育の連携施設になる可能性のある認定こども園や認可保育園などで、連携先の保育施設との交流が発生することが考えられます。より多くの職員とコミュニケーションをとらなければならなくなるのです。

それは勉強になるという点では良い点であると言えるのかもしれませんが、同時に人間関係の構築が難しくなるという難点を抱えています。ただでさえ、人間関係が悪いと言われている保育業界が、さらに大きな人間関係のストレスと闇を抱えることになりかねません。

また、多くの職員・保護者・子供と接することになるため、より高いコミュニケーション能力が必要となることも考えられるのです。

小規模認可保育園で働いている場合

小規模認可保育園は、卒園後の園児の受け皿となるような連携施設を認定しなければなりません。それができなければ、認可を受けることができないのです。

ただ、新制度を施工してから5年間は経過措置期間とされるため、連携施設が無い状態においても、認可を受けられるようになります。

しかし、連携先が見つからないまま時がたってしまった場合、認可が受けられなくなる可能性があるということです。その場合には、補助金を受けることもできず、給料が下がってしまいます。そういった影響が考えられるのです。

定員に余裕のある園で働いている保育士への影響

定員に余裕がある保育施設で働くという場合には、今後3歳児からの入園の申し込みが増えることが考えられるでしょう。

低年齢児向けの施設が増えている中、3歳児の受け入れ先は貴重になりつつありますからね。定員に余裕のあるところには殺到するでしょう。

3歳の壁問題の幼稚園教諭への影響

幼稚園教諭は、低年齢向けの施設が増えることによって、保育施設からの転入者が増えるだろうと考えられます。

3歳児以降の受け入れ先に困り、保育園でなく幼稚園で面倒をみてもらおうということですね。子供にしてみれば、保育園から幼稚園というのは劇的な環境の変化です。

その環境の変化に戸惑う子供への、きめ細かいサポートが、幼稚園教諭には求められるでしょう。

連携推進している自治体で働いている場合

小規模保育施設は連携先が無ければ認可が下りないと述べましたが、自治体はできるだけ認可をしたいものです。そうして補助金を出して、処遇改善させたい。そこで、幼稚園に小規模保育園との連携を推進している自治体もあります。

そういった自治体で働いている場合、連携先として、保育園との協力体制を整えなければなりません。

また、勤務時間が変更したり園長されたり、低年齢児向けの保育施設との間でのコミュニケーションも発生します。労働環境が変わることも、意識しなければならないでしょう。

無認可保育園に注目が集まる

2014年から小規模保育の推進がはかられ、3歳以降の預け先に関する施策ができていませんでした。

それによって発生した3歳児の壁問題。認可保育園だと基準を満たさなければならなかったり、定員が少なかったりとなかなか入園が認められないこともあります。

そこで、無認可保育園に注目が集められることが考えられるでしょう。

無認可保育園で働いている保育士は、これから3歳児からの入園申し込みが増えることを意識しなければならないかもしれませんね。影響は、小規模保育園だけに発生するものではないのです。