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まだ、私がキャリアアドバイザーとして駆け出しだったころ、ある投資顧問会社の人事業務ポストの中途採用案件を取り扱ったことがあります。

人事業務豊富な一流大学卒業の男性をご紹介したところ、先方から、「社格が合わないので今回は遠慮したい」との見送り連絡を受けました。

社格?という言葉の意味をすぐに呑み込めなかったのですが、投資顧問会社が、メガバンクの系列証券会社だったことに思い至りました。

つまり、中途で採用する人材は、スキルが豊富なだけではなく、そのメガバンク系列にふさわしい、「華麗な社歴」が必要だということ。

一流大手の金融業界以外で、こんなこと言われたことはなかったのですが、こうした「体面」を気にすることがいかにも金融業界らしい、と思いました。(お断りしておくと、こうした体面は、外資系も気にするところがあります。)

今回は、独特の慣習がある金融業界で、キャリアアップとなる転職成功術を徹底解説。キャリアプランのキーポイントや、転職の際に頼りになる転職エージェントまで、しっかり説明していきます。

まず、金融業界を渡り歩くうえで大事な、転職エージェントの選び方と活用法について解説します。

転職エージェントの選び方のキーポイント

求人数

まず、金融業界の転職情報がどこに集まるかが重要です。

金融業界の転職情報は、金融専門の転職エージェントに・・・、とは限りません。銀行、証券、保険、ノンバンク、運用専業など様々な業態が幅広く、転職エージェントには広汎な求人開拓力が求められます。

そうした点では、営業力のある大手総合型の転職エージェントに優良案件が集まる傾向があります。

求人の質

求人の質は、大手総合型の転職エージェントは、営業力にものを言わせて求人を開拓してくる反面、その内容は玉石混交といっていいでしょう。

これに対し、金融業界に特化した転職エージェントは、業界に精通したキャリアコンサルタントや営業担当者が、ピンポイントで好条件の求人案件を紹介してもらえるのが魅力です。

業界の理解力

また、業界の理解力という点でも、金融業界専門の転職エージェントは、一歩抜きんでています。

転職者からすると、大手総合型の転職エージェントで専門性の高い職種を探すことは、キャリアコンサルタントの理解力にばらつきがある分、非効率になりがちです。

これに対し、金融業界専門の転職エージェントは、業界理解力がある分、ピンポイントで専門性の高い職種の紹介が可能なうえ、面接対策も本質的な部分にまで踏み込んでアドバイスがもらえるところもあります。

転職エージェントの賢い活用法

キーワードは「役割の割り切り」です。

転職エージェントは一部の金融専門のエージェントではない限り、業界のプロではない場合が多いです。転職者側が転職条件について主導権を持ちましょう。そのため、要望は、細かく、厳密に行う必要があります。

一方で、転職というテクニックのプロであるエージェントの、書類添削や面接指導には有益な点が多いです。こうした点は素直に受け入れて考えてみるべきでしょう。

おすすめの転職エージェント7選

リクルートエージェント

まず、どこの金融機関でも、人事担当者がファースト・チョイスとして求人依頼を出す、業界最大手の転職エージェント。

最大の魅力は、他の転職エージェントより抜きんでて多い求人紹介数でしょう。金融業界専門の転職エージェントをも凌駕する案件数は、あなたに業態を超えた幅広い転職の選択肢を提示してくれるはずです。

また、長年の転職エージェントとしての実績から、金融業界に精通したエージェントも多く、中堅のポジションを中心に、安定した紹介品質を期待できることも特徴です。

DODA

リクルートエージェントと合わなかった方が、大手総合転職エージェントの二番手候補としてチョイスできる転職エージェント。

母体のインテリジェンスが金融事務の人材派遣にもともと強く、営業力があったこともあり、求人数もリクルートに次いで多いです。

業態・職種もまんべんなく収集しているため、幅広い金融関係者に利用をおすすめできる転職エージェントです。

JACリクルートメント

転職エージェントの老舗として、多くの金融機関が利用する転職エージェントです。

JACリクルートメントの特徴は、金融機関でも、ハイクラスの求人案件に強いこと。

通常、マネージャークラスのポジションは、転職エージェントではなく、ヘッドハンターに依頼することも多いのですが、JACリクルートメントに集まる優良な人材情報に期待する、金融機関の人事担当者も多いです。

また、外資系に強みがあり、英文履歴書の添削なども経験豊富なアドバイザーが付くので安心感があります。初めて外資系の転職にチャレンジする方にはおすすめしたい転職エージェントです。

アデコ

日本で長年拠点を築いて活躍してきた、外資系の転職エージェントです。

アデコの強みは、グローバルなブランド力を活かした求人開拓力がある点。海外へのネットワークを活かした、外資系金融機関、特に欧州系の金融機関に強みがある点です。海外に活躍の場を広げたい方にもおすすめです。

JACと比べて転職サポートが薄い点が難点ですが、独自の求人案件が多いため、外資系の金融機関への選択肢を広げたい方におすすめできます。

クライス&カンパニー

金融業界に強みのある、国内系の転職エージェントです。

国内系でありながら、外資系にも強く、キャリアコンサルタントが金融業界に精通していることも特徴で、ピンポイントのプロフェッショナル求人の紹介に定評があります。

コンサルタント系の職種に強みがあり、紹介実績の30%を占める、実績豊富な転職エージェントでもあります。

アンテロープ

金融業界に特化した、国内系の転職エージェントです。

アンテロープの強みは、プロフェッショナルな求人案件に強いこと。特に、投資コンサルタントに強い転職エージェントです。

投資銀行、プライベートエクイティファンド、アセットマネジメント、不動産金融、戦略系コンサルタントなど求人数が多く、選考対策のフォローが手厚いことでも評価されています。

ウィルハーツ

アンテロープと同じく、金融業界特化型の国内系転職エージェントです。

ウィルハーツの強みは、キャリアコンサルタントも金融業界出身者で、業界理解度が高いこと。ファンドマネージャーや、アナリスト、M&Aアドバイザーなど、ヘッドハンターが取り扱うようなプロフェッショナルな求人紹介実績が豊富にあることです。

転職エージェントの組み合わせ例

未経験で金融業界へステップアップしたい方へ

このケースでおすすめの転職エージェントの組み合わせは、

  • リクルートエージェント
  • DODA

このケースでは、大手総合型の転職エージェントで幅広く、数多くの転職チャンスを作り出すことが必要です。

また、上記の2社は、未経験者の転職支援実績でも豊富です。他の転職エージェントは、どうしても専門性が高くなる分、紹介求人がマッチングしないでしょうし、転職エージェント側も消極的でしょう。

金融業界限定で幅広い業態・職種を考えている方へ

このケースの方の場合、まず、転職エージェントの軸となる大手総合型の転職エージェントとして、

  • リクルートエージェント
  • DODA
  • JACリクルートメント

のいずれかを選び、そのうえで、金融業界に特化した、

  • アンテロープ
  • ウィルハーツ

といった業界特化型の転職エージェントを選ぶと、自分のニーズに合った、手堅い求人案件を数多く手に入れることができます。

同じ業態・職種にこだわって転職したい方

「銀行から銀行へ移りたい」「法人営業としてずっと続けていきたい」など、金融業界特有のジョブローテーションに流されずに、自分のこだわりで仕事を続けたい方には、

  • アデコ
  • クライス&カンパニー
  • アンテロープ
  • ウィルハーツ

ピンポイントで紹介マッチング力の高い転職エージェントを利用することをおすすめします。

専門職へキャリアアップしたい方へ

このケースでおすすめの転職エージェントは、

  • クライス&カンパニー
  • アンテロープ
  • ウィルハーツ

いずれもキャリアコンサルタントの業界理解度の高い点で、定評がある転職エージェントです。長期的な転職活動が必要なため、じっくりと志望のポジションを狙っていくべきでしょう。

もし、求人案件数に物足りなさを感じる場合は、リクルートエージェントやアデコを追加する手もありますが、キャリアコンサルタントの業界理解度が高くないので、ご自身が主導的にオーダーを出していく必要があります。

外資系へチャレンジしたい方へ

このケースでおすすめの転職エージェントは、

  • JACリクルートメント
  • アデコ
  • クライス&カンパニー
  • アンテロープ
  • ウィルハーツ

の中から、自分が対応可能な求人数に応じて2~3社に絞って活動するのはいかがでしょうか。

欧州系に強いアデコ、戦略系に強いアンテロープといった特色もありますので、ご自身が志向する外資系のポジションに対応して組み合わせを考えてみると良いでしょう。

また、ウィルハーツのように、転職サポートが手厚く、初めての外資系への転職活動でおすすめできる転職エージェントもあります。

金融業界の外にチャンスを求めたい方へ

このケースでおすすめの転職エージェントは、

  • リクルートエージェント
  • アデコ

です。事業会社の紹介求人も多く、業界を超えた転職支援活動の実績も豊富な転職エージェントに依頼する方が手堅いでしょう。

また、これらの転職エージェントは年齢の高い、中堅層以上の転職者への支援実績も多いのが特徴です。

最後に

金融業界の転職で、難しさを感じるのは、業態の壁、企業風土の壁、職種の適性の壁、本人の待遇面の壁など、コントロールしづらい、様々な要因に阻まれることが多い点です。

転職エージェントも同様に苦労させられます。紹介手数料は良いのですが、ビジネス面でみても、効率が決して高くない業界です。

業態を超え、ボーダレスに活躍できる人材になることはハードルが高いのですが、冒頭でご説明した、キャリアプランのキーポイントをしっかり押さえることで、自分のポジションを確立できるプロフェッショナルに成長することは不可能ではありません。

是非、頑張っていただきたいと思います。