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平成26年賃金構造基本統計調査のデータによれば、長野県の平均年収は300.8万円、平均月収は20.3万円、年間賞与は56.1万円となっています。全国平均は年収が316.7万円、月収が21.6万円、賞与が57.3万円です。全国と比べると低いですが、300万円を下回っていないだけまだ良いほうだと言えるでしょう。

しかし、労働時間が長いのが長野県における最大の問題です。労働時間は全国平均168時間に対し、長野県では180時間。月々20日ほど働くとすれば、一日9時間は働いている計算になります。週休二日でなかった場合には残業はほとんどないでしょうが、週休二日の場合は残業が毎日あるということでしょう。

残業が少ない・労働時間が長くても給料が高いということを重視して転職をする人も多いのではないでしょうか。こういった問題を踏まえ、長野県における保育士の転職活動について考えてみる必要がありそうです。

正職員として働く際の転職活動のポイント

残業が少ない・無い職場はあるのか

正職員として働くのであれば、残業は当たり前。それが長野県における保育士の現状。その現状に嫌気がさして転職を志す保育士も多いでしょう。ほかの職種ではなく保育士として転職をし、残業地獄から逃れるにはどうすればいいのか、そういった職場はあるのでしょうか。

結論から申し上げると、「ほとんど無いに等しい」です。全国的には残業の無い保育士の職場は、企業内託児所・院内託児所・事業所内託児所などが考えられます。しかしこれらの施設は長野県には数が少なく、求人はなかなか出回らないのです。

長野県で残業が無い職場に転職をするのであれば、派遣社員・パートといった求人を探すのがベストでしょう。

年間休日120日・土日休みは?

年間休日120日以上というところも、残業無しの職場と同じくほとんどありません。少なくとも保育士向け転職エージェントなどの公開求人を探すだけでは見つからないでしょう。非公開求人を探す価値はあるでしょうが、それでも見つかる保証はありません。土日休みという条件を大々的に打ち出しているところも少ない傾向があります。

長野県で求人が多く出回る場所

長野県で求人が最も多く出回るのは、長野市・松本市です。飯島町や諏訪市などもよく出回る傾向があります。条件の良い求人を探す際には長野市・松本市が良いでしょう。幅広い施設を探したいというときには、長野市一択です。諏訪市や飯島町などは社会福祉法人が運営母体になっている保育園が多い傾向があります。高い給料・待遇は望めませんが、地域住民にとっては良い求人もあるでしょう。

長野市内には子供向けのスイミングスクールコーチの求人があったり、歯科のキッズルームの求人があったり、多様な保育士向けの求人が出ています。療育分野における相談員の求人も出ていることがあるので、保育園以外の求人を探している人にとっては長野市内は良いところです。アクセスも比較的しやすいので、基本的には長野市で求人を探すことをおすすめします。

非常勤で働く際の転職活動のポイント

残業少なく・休みを多く・1,000円以上の時給を得る方法

長野県では保育士の派遣社員の求人が少ないですが、それでも正職員で残業なし・年間休日120日以上を実現するよりは現実的です。派遣は派遣会社のスタッフですから、基本的には残業がありませんし、休みもしっかりととることができます。

長野県内の派遣社員の時給相場は950円から1,100円程度です。中には1,200円を超えるものもあります。非常勤で時給1,000円を超えたいということであれば派遣社員はおすすめです。パートでも時給1,000円の求人がありますが、相場は800円から950円。派遣社員より高い時給を出しているところは少ないので、派遣社員のほうが良いでしょう。

比較的給料の高い派遣先が多いのは、長野市ではなく飯田市です。

パート保育士の傾向

長野県におけるパートで働く保育士の時給は、先ほど挙げたように800円から950円が相場。1,000円までであれば珍しくはありませんが、1,200円を超えるような時給を出している施設は限られてきます。派遣社員は長野市や飯田市などの地域に限られる傾向がありますが、パートは長野県全体で求人が出回ることが多いのがメリットです。

パートとして求人を出している施設はその種類も豊富。一般的な認可保育園での保育業務だけでなく、ベビーシッター・乳児保育といった乳幼児を扱う仕事や、加配保育といった障がい児を扱う仕事も多いです。施設内託児所のほとんどはパートで求人を出しており、営業時間が長いため朝・午後・夕方から夜と時間帯を好きに選ぶことができます。

このように、パートならさまざまな種類の業務を経験できるのです。保育士はパートも正職員も業務内容はほとんど変わらないことが多いですから、多様な経験を積みたいという人にはパートは打ってつけと言えるでしょう。

復職するならパートがおすすめ

復職したいと考えている保育士にとって、最もハードルが高く感じるのは「ブランク」です。その期間が長ければ長いほど、正職員として職場復帰するのをためらってしまい、「復職しよう、復職しよう」と唱えるだけで体は動かなかったり、ついつい二の足を踏んでしまったりします。

長野県では正職員で働くと残業時間が長く、休みも少ないといったところが多いですから、余計にハードルが高いのです。復職するなら、ブランクありの人を受け入れてくれやすいパートという雇用形態で働くことをおすすめします。

多様な施設がパートを募集しているので、自分の経験のあった分野だけでなく、この際違う業務内容にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。

まとめ

長野県の大きな問題である「労働時間」「休みの日数」の悪条件を克服するなら、パートまたは派遣。その中で特に高い時給を得たいなら派遣一択になります。長野県は待機児童数も案外多く、保育士の人数も少ないのでパートやアルバイトといった形で募集していることが多いです。

正職員として働くなら、この際給料や福利厚生を思い切り優先することで労働時間とのバランスをとるようにすると良いでしょう。正職員にこだわらないから、ゆっくり仕事がしたいというのであればパートがおすすめです。このように、自分の希望に合わせて柔軟に雇用形態を変えることを考えるのも、長野県においては必要だと考えられます。