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自爆営業というものは究極的には自社の評判を落としめるものであり、営業職にとっては営業目標がより達成しにくくなるとともに働く意味までを奪ってしまいかねないものです。

そもそも企業の事業計画に難があり、そのしわ寄せが営業職にきているということもできます。

事業計画で見込みの売上金額を設定し、それにもとづいて営業の部署で目標を設定することは普通です。

ですが達成されないからといって営業マンの自腹を切らせることは違法であり、強要罪にも該当するのです。

現実に自爆営業の実態があるということはあまりにも無知であるか、違法であると承知しながら実行させているということでいずれにしても悪質な企業ということになります。

そもそも自爆営業って?

営業職の職務は自社に売り上げをもたらすことであり、企業が事業計画などで掲げている売り上げは営業部門の力によって達成されることになります。

営業部門では決定された事業計画を受けて、必要な売り上げが実現するようにしなければなりません。

そこで営業マンそれぞれが売上目標として数字を設定し、その達成へ向けて取り組むのです。

どれだけベテランの営業職であってもトップセールスマンであっても人を相手にする営業という仕事の性質上、常時仕事がうまくいくわけではありません。

時には運不運や予期しなかったトラブルなど、さまざまな要因によって目標を達成することができないケースもあります。

ノルマや目標という「呪縛」

営業マンは目標とする売上を達成することができない場合もあるわけですが、それに対する職場の対応はいろいろです。

次で取り返せば良いと激励されるような職場であれば理想的であるのですが、残念ながらそのような職場ばかりではありません。

売上の未達成が続いた場合の実例として、以下のような例があります。

  • 上司から朝礼などの場で謝罪が要求されるなどパワハラまがいの行為がなされる
  • 減給される
  • 退職した方が良いなどとほのめかされる

営業職として売上目標を達成することができないと、心理的な「呪縛」となり引け目にも感じられるものです。

そこで職場からも過剰なプレッシャーをかけられることによって、目標に足りない分は自腹でなんとかしようという思考へ至ることになります。

自爆営業とはつまり営業マン自らが自腹を切って取り扱っている商品やサービスを購入することであり、社員のことを軽視しているなどいわゆるブラックな職場環境のもとで起こりやすいということができるでしょう。

自爆営業が多い会社の実態

目標管理が厳しい会社

企業の営業部門では営業職が売上目標を設定し、上司からその内容について承認を受けます。

そこから目標管理が行われ、その達成度に応じて営業マンそれぞれの仕事が評価されることになります。

ここで管理が厳しい会社ですと上司からのプレッシャーによって営業職が自爆営業をしてでも目標を達成させようという思考へ至る事例、あるいは上司がもっとストレートに自爆営業を強要するような事例もあるのです。

取り扱う商品単価が低い会社

自社で取り扱っている商品の単価が低い場合、営業職にとっても自腹を切りやすい面があるために自爆営業へ陥りやすい傾向があります。

こういったことが当たり前になってしまうとその経験を持つ営業マンが役職者へと昇進していき、部下にも同じようにさせようとして悪循環が続いていくことにもなりかねません。

自爆営業の実例

飲食店や小売店における季節商品の販売

飲食店のほか小売店などでも、近年では多くのお店でおせち料理やクリスマスケーキをはじめとしたさまざまな季節商品の商戦が繰り広げられています。

こういった商品の販売に関しても営業職としては売上目標が設定され、売れ行きが芳しくない場合に自爆営業をせざるを得なくなるケースがよく見られています。

アパレル業界におけるファッションアイテムの販売

アパレル業界で働く営業職は、自ら自社の広告塔となってファッションアイテムを身につけての営業活動を行うことが多くあります。

新作アイテムが発表されると宣伝のために無償で支給される職場もあるのですが、その都度自爆営業的に購入しなければならない場合もあります。

保険会社における個人向け保険商品の販売

保険会社の営業職については最低限の基本給と契約獲得件数に応じた歩合給で給料を構成している企業が多く、契約を取ることができず売上目標に達しないとなると給料も少なくなります。

個人向けの保険商品を担当する場合ですと、契約件数が不足している際に自ら自社の保険商品へ加入するかたちでの自爆営業も行われています。

もちろんひとつの保険には一度しか加入することができませんから、最終的には複数の保険へ加入して保険料のために収入が圧迫され退職へ追い込まれるといった事例も多くあります。