企業によって営業マンがなすべき仕事のスタイルには違いがあり、仕事に関連してさまざまな出費が発生することもあります。

取引先からの呼び出しやトラブルへの対応に迫られる場合などもあり、時には急な出張や遠方への訪問といった事態のために取り急ぎ自分のお金から交通費や宿泊費を工面しなければならないといったことも。

通常は仕事に関連する費用として職場からの精算を受けることができるようになっているのですが、社内規程や手続きに関する不備があると自腹になってしまう可能性もあるため気をつけなければなりません。

営業の仕事に出費はつきもの

そもそも自分で負担しなければならない出費

身につけるもの

営業職には通常、制服というものがないため身につけるものについては自費でそろえなければなりません。

その中でもっともお金がかかるものはスーツであり、同じものばかりを着ていると汚れやしわなどが目立つようになり営業先から見られる印象も良いものではなくなります。

目安として一週間分は別々のものを着回すことが良いとされていて、つまり一般的な週休二日制の会社ですと5着は必要であるということになります。

ただ新卒者などですとやはり金銭的に厳しいところもあり、せめて3着は用意しておきたいところです。

そのほか次のようなものにかかる出費も自分で負担しなければなりませんから、なかなかのまとまった金額になります。

  • ワイシャツ
  • ネクタイ・ネクタイピン
  • 靴・靴下・ストッキング
  • かばん
  • ハンカチ
その他身だしなみにかかる費用

営業先での第一印象を決めることになる大事な要素が営業マンの外見であり、身だしなみにかかわることにはすべて注意を払わなければいけません。

スーツなどの定期的なクリーニングやヘアスタイルを整えるといったことは必須であり、お金もかけることになります。

そのほか個人ごとの仕事に対する意識によって、以下のようなことをしている例もあります。

  • 話をしている中での印象が良くないのではないかという考えから歯のホワイトニングや矯正治療を行う
  • だらしない印象になるのではないかという考えから体型を維持するためにジム通いなどをする

会社によって職場負担になり得る出費

事務用品

営業職にとって必須のアイテムである手帳は、個人ごとに使いやすさやこだわりもありますから通常は自費で毎年これだというものを購入します。

そのほか業務上必要とされる備品や消耗品については職場の側から支給する場合、すべて個人で負担すべきという場合もあります。

基本的に会社が用意しているボールペンやファイルは汎用的かつ安価なものであり、営業マンが個人的な嗜好からあえて自分で出費して好みの事務用品をそろえるといったケースもあります。
通信費

営業職が業務上支出することの多い通信費に関しては、職場によって負担割合もさまざまになっています。

個人の携帯電話やスマートフォン、タブレットなどを仕事にも使わなければならないという場合は出費が大きくなることも考えられます。

以下、職場ごとで見られる通信端末に関する扱いです。

  • 業務用のものとして専用の端末を支給…通信料のすべてを会社が負担する場合、個人使用にあたって決まったコードを使うことで私用分が給料から差し引かれる場合
  • 私用の端末を持ち込み使用…発生した料金はすべて自己負担する場合、通信料だけは職場で負担する場合
自己啓発にかかる費用

営業職としてのスキルアップを目指してスクールへ通う、通信教育を受けるなどといった自己啓発へ取り組むにあたってかかる費用については職場でサポートする制度を用意している場合があります。

業績が良く社員の教育に多くの予算を充てることができている企業ですと、講習にかかる費用や試験の受験費用などを負担していることもあります。

職場で負担することが一般的な出費

交通費

営業の仕事では外へ出ることが多いため業務上、交通費としてかなりの金額がかかることになります。

これは職場で負担することが一般的になっているのですが、企業によっては上限となる限度額を設定しているケースもあります。

出張費

営業の仕事に関しては出張をしなければならない場面もあり、宿泊などにかかる費用は全額を職場で負担することが一般的です。

ただし会社の規程によって宿泊料金に関する上限が決められていて、その上限を上回った金額は自己負担になることもあります。

そのほか会社負担へ至る手続きなどの流れも、いろいろなものがあります。

  • あらかじめ申請することで仮払金として一定の金額が支給される
  • いったんは全額を立て替えなければならない
取引先との飲食費

時には商談の一環として、営業マンと取引先の担当者が飲食店で話をするような場面もあります。

そういった場合にかかる飲食費は会社が経費として負担するのですが、親交を深めるなど仕事を離れたコミュニケーションとしての目的で場が設けられている場合ですと経費扱いにならない可能性もあります。

営業の仕事にかかる出費が自腹になる?

特にバブル期以前、好景気の中で営業職が接待すればどんどん契約も上がったような時代には飲食店の領収証を経理に出すと無条件で精算されるといったことも珍しくありませんでした。

また出張に関しても多額の日当が支給される場合、現地で朝早くから仕事が始まるときには前泊が認められる場合も多くありました。

長く続いた不況は企業が内部を引き締める契機にもなり、利益を出すことが厳しい中でコストダウンが第一に考えられることとなりました。

そこでまず経費が見直され、それまで緩やかだった認定基準が一気に厳しくなったことで営業職も仕事の進め方について再考しなければならない事態となったのです。

仕事の出費がどうして自腹になるの?

経費として認められる限度額の存在

法人税法の改正などにともなって、企業では経費として認める金額に限度を設けることが一般的になりました。

現行の法人税法においては一人につき5,000円という交際費の金額を認めていて、それをベースとして限度額を超えている金額は自腹でとしている会社もあるのです。

基準が曖昧

支出したお金が経費として認められるかどうかという基準は完全に明確なものでなく、どうしても曖昧になるところがあります。

税法上の基準もすべての支出をこまかく定義づけているものではありませんし会社によって、さらには経理担当者個人の感覚によっても異なるところがあるため営業マンとしても判断の難しいところがあるのです。

実際に経費になると思っていて、申請してみると認められず自腹になってしまったといった例もあります。
申請の漏れ

営業活動の中で立て替えた交通費や飲食費に関しては通常、いつまでに精算するという期限が設けられています。

手続きがその期限を超過してしまうと、会社によっては経費として認めないということもあります。

また支出した先による領収証がなければ経費は認定されませんから、受け取り忘れや紛失といったことがあっても自腹という扱いになってしまいます。

営業マンはその忙しさから経費の領収証を溜めこんでしまうことも多いため、余計な自腹での出費を増やさないためにもこまめに精算しておきたいところです。
自腹でも支払わなければ仕事にならない?

営業の仕事をしている中では、経費に関するきまりがあってそれをわかっていても自腹となる支出をする選択に迫られる場面があります。

正直取引先からの信用が失われる、契約を獲得するチャンスが失われるといったシチュエーションで自腹がどうのこうのと言っていては仕事にならないのです。

一例として、次のようなケースがあります。

  • 取引先からの急な要請で出張し、事前に宿泊先を調べることができず高額な宿しか見つからなかった
  • 月間にかかった交通費の精算に関して上限が決まっていて、月末近くになり道路事情のために予定外だった高速道路を使用して金額をオーバーした