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繊維業界は少子高齢化の進行や衣類の伸び悩み、またアジア各国から安価な製品が入ってきている影響もあってメーカー各社が厳しい状況に陥っています。

総じて国内における衣料用繊維の需要が低下している一方で産業資材用繊維についてはニーズが増していて、世界レベルの技術力が発揮されている製品に強みがあることから海外との取引へ活路を見出している企業も多くなってきています。

業界が全般的に変化してきている中で、営業職は自社の製品を活かして取引先のあらたなビジネスチャンスを生み出す役割も担っているのです。

繊維業界の営業活動

歴史的に繊維製品というと、近代までは伝統的に作られてきた織物などが中心になっていました。

衣類に特化しての製造や流通が産業として確立されたのはここ半世紀程度のことであり、それにともない衣類などの繊維製品を手がける企業はアパレルメーカーとして区分されるようになっています。

四季の変化がはっきりしている日本国内においては、それぞれの季節に適したファッションが実用的に必要とされているほか人々にとっての楽しみにもなっています。

そこでアパレル各社では1年を3ヶ月ごとに2月からのスプリングと5月からのサマー、8月からのオータムそして11月からのウィンターという4つのシーズンに区切っての事業展開がなされています。

アパレルと一口にいっても多くのカテゴリがあり、メーカーによって手がけるジャンルはさまざまです。

以下、分類の一例です。

  • レディス・アウターウェア…ドレス、スーツ、アンサンブル、コート、ジャケット、ブラウス、スカート、水着など
  • メンズ・アウターウェア…スーツ、コート、ジャケット、スラックス、シャツ、パンツ、水着など
  • ニット・アウターウェア…セーター、ポロシャツ、カットソーなど
  • ティーンズ・アウターウェア
  • 子供服
  • ベビーウェア
  • インナーウェア…ランジェリー、アンダーウェアなど
  • ジーンズ

etc.

販路を広げる

ファッションアイテムの売れ行きはさまざまな要素に左右されますから、メーカー営業職としては自社の製品をめぐる環境に普段から注目しつつその変化にも対応していかなければなりません。

各企業の方針にもよりますが、販売拠点として自社のショップが出されている場合を除いて営業マンにとっては販路を開拓し確保することが役割となります。

営業先もどこでも良いというわけではなく百貨店や量販店、セレクトショップなどといったように販売場所となるそれぞれの特色を考える必要があります。

売り上げのために

販路があっても最終的に商品が売れなければ意味はありませんから、店舗に置くべきアイテムの選定にも営業マンのセンスが求められます。

そして販売現場や営業先で拾ってきた声は社に持ち帰ってフィードバックし、次なるアイテムの開発へと役立てることも仕事です。

購買行動を読む

営業担当者として戦略を立てる上では、消費者に影響を及ぼすファクターも考え併せて購買行動を読むことが重要です。

たとえば2月の後半頃になると新社会人が通勤に必要なアイテムをそろえるようになり、3月中旬には学生が春休みシーズンを迎えカジュアル系の商品が売れるようになります。

天候面もアパレル商品の売れ行きを大きく左右するものであり、天気や気温が変わりやすい4月初頭に春物の売り上げがにぶり梅雨時期の雨量などが夏物商戦の成否を決めることもあります。

その他繊維製品の営業活動

おむつ

近年は気軽に使い捨てることができる紙おむつが主流になっていて、昔ながらの布おむつに劣らない性能を持つようにもなっています。

紙おむつは「紙」と称していますが改良の過程で繊維である不織布なども使用されるようになっていて、そのやわらかさや肌ざわりの快適さなどが強み。

乳幼児用のおむつについては少子化が進行していることによって国内でのニーズが低下している中、メーカー営業職には海外市場の拡大へ取り組むことが求められています。

その反面高齢化の進行にともない大人用紙おむつの需要が急激に伸びていて、ドラッグストアをはじめとした小売店のほか高齢者施設や医療機関に対しても積極的な売り込みが不可欠です。

寝具

枕や布団、毛布などの寝具は元来手作業によって作られてきたものですが、その生産に機械が導入され産業の広まりとともに安価な輸入品も多くなってきました。

そこで国内メーカーでも技術面や社内管理のもとでコストカットに努めつつ低価格化へシフトしているのですが抗菌や防ダニ、安眠へつながりやすいなどといった機能面もユーザーからは求められているところ

営業マンとしては外回りをする中でニーズを汲み上げる役目も果たす必要があり、多くの商品ラインナップを多様なニーズへマッチングさせることが求められます。

カーペット

戦後の経済成長とともに急速に一般家庭へ普及してきたカーペットでしたが、バブル経済が崩壊して以後はほかの繊維製品と同様に市場が縮小傾向へと転じていました。

最近は医療福祉分野でニーズが増してきていて、病院の個室から老人福祉施設まで新設にともない弾性に優れている製品を中心に要望が高くなっているため営業スタッフとしても関係づくりに力を入れています。

家庭用の商品に関しては新築物件の着工件数が停滞している一方で、リフォームに合わせて部屋のイメージを一新するねらいからカーペットを入れ替える一般家庭が少なくありません。

また小さなサイズで自由なカッティングや張り替えをしやすいタイルカーペットの普及も進んできていて、その手軽さは営業マンにとっても売り込みやすい商材となっています。

求人が多い繊維営業の手法

技術を活かす

近年の繊維製品にはさまざまな付加価値が求められるようになったため、技術職として働いていたスタッフがその知識や経験を活かして活躍することもできます。

営業先から求められることや質問に対してもしっかり応えるとなると、技術面に関する知識も不可欠。

そのためメーカーの技術営業担当者ともなれば、営業先の仕入担当者だけでなく研究開発職など技術畑のスタッフが商談相手となる場合も多くあります。

企画を売る

ニーズの多様化からメーカー側で委託生産に対応するケースも増えてきている中、逆に営業職が自社で考案した商品を売り込み生産から販売までを一貫して手がける企画営業も活発になりました。

小売店舗で販売される商品であればコンセプトや売価も含めての提案を行い、売り場のプロデュースまで担当することもあります。