[PR]

貿易事務と聞くとどんな仕事内容を思い浮かべますか?

英語が活かせる、グローバルな環境で働ける、かっこいいなど様々なイメージがあると思いますが、貿易事務の仕事は女性に人気がある反面で転職で貿易事務にチャレンジするのは難しいといわれています

その理由は主に3つです。

まずはそもそも転職市場に出ている貿易事務の求人数が少ないこと、2つ目は求人が出ていても経験者のみが対象になっていて未経験では応募すら受け付けていない求人が多いこと、最後に未経験OKの求人が出ていても求人倍率が高くなかなか入社に至らないという3点です。

このページでは貿易事務という職種のイロハから始まり、転職で貿易事務未経験の筆者が貿易事務として正社員で入社できた経験を元にそのノウハウを紹介します。

こちらを参考に転職活動をすれば、未経験から憧れの貿易事務に就く道が開けること間違いなしです

貿易事務のイロハ

1-1.貿易事務の主な仕事内容

貿易事務と一言で言っても主に3種類の仕事があるのはご存知でしょうか?

転職する前に自分はどの仕事をしたいのか。またどんな作業が向いているのかを考えて目指す姿を明確にしていきましょう。

1-1-1.営業アシスタント

まず1つ目は未経験でも比較的敷居の低い貿易事務である「営業アシスタント」です。

つまり貿易会社に勤務する営業の補佐役ですね。日々の業務としては顧客からかかってくる電話の応対、メールの返信が主な作業です。営業担当が外出している際はもちろんのこと、顧客の規模によっては営業担当に代わってほとんどの業務をこなすこともあるでしょう。

専門的な知識はもちろん必要ですが、後述する職種と比較すると、対顧客の応対がしっかりできてかつ専門知識を勉強する意欲があれば転職できる可能性が高いのが特徴です。

さて、具体的にどんな問い合わせが顧客からくるのでしょうか?

貿易というと貨物を輸出入する際の手伝いが主な仕事です。

例えば、船や飛行機で貨物を運ぶための手配依頼を受けた場合、顧客からは船の動静や飛行機が遅延していないかの問い合わせが入ります。他にもいつまでに予約すれば間に合うか?そのためには何をいつまでにすればいいのかなど具体的な段取りの問い合わせもあります。

また、現地工場とのやりとりの代行をする場合、現地に英語を使って電話・メールで貨物の完成具合や出荷日の調整・確認など行うこともあるでしょう。場合によっては営業担当の代わりに見積もりの作成や簡単な資料の作成、請求書の作成をアシスタントが行うこともあります。

実際の具体的な仕事内容は顧客に対してどんなサービスをその企業が提供しているかによって異なるので、事前にホームページなどで確認する必要があります。

ここで重要なのは、「営業アシスタント」とは未経験の場合でも貿易事務の中で最も敷居の低い職種ですので、狙い目であるということです。

1-1-2.通関担当

2つ目の職種は「通関担当」です。

これは貨物を輸出入する際に必要になる通関書類を代理で作成したり、顧客が作成したものに間違いがないか確認したりします。

そして、最も重要なのは輸出入の際に必ず必要である税関への貨物の申告作業も行います。輸出入したい貨物を税関に書類で申告し、輸出入の許可を取るということです。これなしでは貨物の輸出入はできません。

他には、顧客からこんな貨物を輸出入したいがどんな書類が必要かの確認が入ったり、貨物に関する税関からの質問に答えたり、貨物が税関で検査対象になってしまった場合の立ち合いなど多岐にわたります。

この仕事は専門的なので転職市場では比較的経験者が好まれます。

ただし、中には未経験者を受け付けている企業もあるので諦めずに挑戦しましょう。貿易という仕事には付き物の通関士の仕事にはミスは絶対に許されません。だからこそやりがいのある仕事ということができるでしょう。

1-1-3.貨物の到着案内作成業務担当

最後は「貨物の到着案内書(Arrival Notice)の作成業務担当」です。

1回の輸出入に対して貨物が目的地に到着すると顧客に対してこの書類を発行します。書面の内容はほとんど決まっており、到着日や貨物の詳細、どんな飛行機・船で輸送したかの詳細などが載っています。

この書類は貨物を引き取る際に必要になる大事な書類なのでミスは厳禁です。単純作業に思うかもしれませんが、繁忙期にもなると発行する枚数が大変な数になり簡単な作業ではなくなります。

この職種は前述の営業アシスタントや通関担当と比較すると派遣社員が若干多いのが特徴です。勤務体系にこだわらず貿易事務に挑戦したい方はここから始めるのも1つの手ですね。

1-2.貿易事務の給与事情

ここが気になる人、多いですよね。筆者もその1人でした。貿易事務というと英語が必須で専門知識も必要なので給与は高いのでは?と思う方もいるでしょう。

非常に残念ですが、あくまで事務職ということを忘れないでください。貿易事務の給与事情は決して高くありません。他の事務職と比べると若干高め程度というのが現状です。昇給も世間一般的に年数千円程度です。

ボーナスは企業規模や経営状態によって様々ですので、求人票で確認するのがベターでしょう。仕事内容で英語や専門知識を求められるので、その分若干他の一般事務より給与が高いものの営業職やその他の専門職には及びません。

ただし、一般事務をするよりは専門知識を身に着け自身のスキルアップも目指せる環境は十分に整っていますので、やはり貿易事務はおすすめの職種ですね。

1-3.貿易事務で英語は必要?

貿易事務と聞くと英語が必須では?と思い浮かべる人が大半だと思います。企業によりますが、ほとんどの場合で英語は必要です。

英語レベルは英検2級程度、TOEIC600前後以上です。

この程度であれば簡単なメールや電話で現地とのやりとりができるでしょう。基本的な日常会話レベルがOKであれば、専門用語などは仕事をしながらカバーできるのであまり心配する必要はありません。基本的に英語が必要といわれてもベースはメールが大半です。

ただし、メールで伝わらない場合や、至急の場合に電話で確認することになるので英語に免疫がない場合は難しいかもしれません。

また、外資系企業であったり海外とのやり取りが主要業務の場合は企業から別途英語レベルが求められるのでこの限りではありません。

未経験から貿易事務に挑戦するために必要な心構え

未経験で貿易事務を目指すにはある程度の覚悟が必要です。

どんな覚悟かというと、「専門知識を勉強する覚悟」です。

中途採用ではご存知の通り未経験者より即戦力になる経験者の方が優遇される傾向にあります。

その中で未経験であるあなたが他の候補者に勝つにはそれなりのアピールが必要になります。ここではあなたの経験に合わせてどんなアピールが有効か紹介していきます。

2-1.一般事務の経験があるあなたへ

事務の経験をお持ちの場合、企業に対して「事務処理能力の高さ」をアピールしましょう。

迅速かつ丁寧で正確な仕事ができるということを具体例を踏まえて面接で話してください。

企業側にあなたが貿易事務として働く姿を想像させましょう。ここでは募集する職種の仕事内容を事前によく確認し、今までの事務経験で身に付けたスキルがどう貿易事務に活かせるかをアピールできればOKです。きちんと企業側に印象づけましょう。

また、貿易事務の未経験であるという部分に対しては2つの点から攻めていきます。

まずは事前に企業の特徴や将来性、事業内容、他社との違いを調べて志望動機や面接中の会話の中に情報を織り交ぜましょう。

そうすることで、企業側はあなたに研究熱心で事前によく調べている「本気の候補者」だと印象づけられます。これは間接的にあなたが自ら積極的に物事を調べ自分のものにするということをアピールするためです。

次に仕事に必要な専門知識を誰よりも積極的に吸収するということを印象づけましょう。

例えば、前職でも専門的な知識が必要な仕事をしていたなら、その際の勉強熱心な姿の具体例を簡潔に話してみます。

もしくは、まだ資格は取得していないものの貿易事務に関連する資格の勉強をしているとアピールしましょう。

資格の話をするときは適当に話さず、具体的に今どの辺まで勉強が進んでいるか貿易事務で使う専門用語を使って話し、いつ受検予定かも伝えるとより効果的です。

2-2.そもそも事務の経験もないあなたへ

筆者自身、ここからの挑戦でした。もともと事務の経験も貿易関連の仕事の経験もなく、1社目では痛い目にあいました。周りは何かしらの経験があり、正直手も足もでない状況でしたね。

そんなあなたも心配はいりません。必ず今までの仕事で貿易事務に活かせるスキルを習得しているはずです。

例えば営業職であれば、営業経験者だからこそ営業が何を事務職に求めているのか分かります。営業で培った臨機応変な行動力、機転の利いた会話術、また書類を作成した経験があるなら時間のない中でも迅速かつ正確な資料作成力など貿易事務に活かせるスキルはたくさんあります。

周囲の経験者に圧倒されず、いかに自分の強みをアピールできるかが勝敗のカギを握っています

2-3.この資格があれば未経験でも貿易事務になれる!

面接でなかなか上手くアピールできないんじゃないか。そう心配なあなたは先に資格を取得してしまいましょう。

ここでは貿易事務に関連のある資格を難易度と合わせて紹介します。

まず、最も受験者が多く難易度が高くないというと「貿易実務検定」です。

これは初心者向けのC級から始まりA級まであります。C級の合格率は50%以上で、勉強の密度によりますが2~3か月勉強すれば合格できるでしょう。

この貿易実務検定は企業によっては昇進に必須の資格になっていたり、また派遣社員で働く際には取得していると優遇すると求人票に掲載している企業も少なくありません。

本気で貿易事務になりたいのであれば、いつかは必要になる資格ですので思い切って入社前に取得してみるのも手です。

C級・B級までは未経験で貿易事務の知識がなくても机上の勉強だけで十分合格が狙える内容ですし、各級とも年に数回受験機会がありますので、ここで本気度をアピールしてみましょう。

諦めるのはまだ早い!正社員以外から貿易事務を目指す方法

何社か応募してみても内定がでないあなた。諦めるのはもう少し先延ばしにしてみませんか?

契約社員・紹介予定派遣・派遣社員といった正社員以外の雇用形態まで視野を広げてみましょう。

中には正社員で働くよりも勤務時間や給与体系が優遇されている求人もあります。未経験で貿易事務の求人を探した場合、こちらの方がより多くの求人が見つかるでしょう。

その求人の中でも貿易実務検定の有資格者を優遇するという求人であれば、採用確率は格段に上がります。入口の雇用形態さえ気にしなければ貿易事務の経験を積むことができますし、筆者自身貿易会社で派遣から正社員になった人をたくさんみてきました。

まとめ

貿易事務という仕事に未経験で挑戦するには難しいと思うかもしれません。

ただし、このページを読めば貿易事務になるための様々な切り口が見つかること間違いなしです。

入社までに少しの覚悟が必要でも、この業界に入ってしまえば専門知識を活かして将来にわたって長く働くことができます。安定して長く仕事をしていきたい方にはうってつけの職種ですので、一緒に頑張りましょう。