仕事がうまくいかないために会社を辞めたくなる、という転職理由は、微妙な問題です。

なぜなら、こうした問題は誰でも多かれ少なかれ抱えていますし、どこの会社のどんな仕事にもついて回ります。

やっかいな点は、「仕事がうまくいかない」という問題が、聞き手によっては単なるワガママにすり替えられ、深刻さを理解されにくいということです。

そこで、辞める・辞めないにかかわらず、何が上手くいっていないかを分析し、明確に説明できるようにすることが非常に大事です。

これをせずに安易に辞めたら同じ失敗を繰り返すだけになりますので、この記事をじっくり読んで検討してください。

仕事がうまくいっていないと感じてしまう原因を探ろう

うまくいっていない原因は何でしょうか?

ここでは、主に4つの点から分析してみましょう。

この仕事をやりたいか・やりたくないか

そもそもの問題として、今の仕事はやりたい仕事なのか・やりたくない仕事なのか、という点から考え始めるべきです。

要するに、仕事自体が好きか嫌いか、興味を持てるか持てないか、というエモーショナルな部分に目を向けてみましょう。

この問題を考える際は、他の事情を一切考慮せずに考えてみることが大事です。

なぜなら、あなたはすでに周囲の様々な事情から、この仕事を嫌っているかもしれません。

平たく言えば、あなたの仕事への興味が、周囲の環境に毒されている可能性があります。純粋に仕事自体への興味、という点をまず考えてみましょう。

仕事への適性

次に考えるのは仕事への適性です。

自分が慣れている、得意としている仕事で、成果が出しやすいかどうかという点です。

ここで注意すべきは、まだ慣れていなかったり、不得意だったりする場合でも、経験の積み重ねで熟練する前の時期である、という可能性もあるということです。

つらいからといって安易に結論を出したりはせず、将来への見込みも考慮に入れて、仕事の適性を考えてみることが大事です。

仕事量の多い・少ない

仕事の量は、あなたのモチベーションや、仕事への熟練度合いなど、様々な要素に影響します。

ここでは、純粋に量自体だけを考えるのではなく、「仕事の量があなたに合っているか」を考えます。

例えば、量が多すぎて、終わらない仕事の山に虚しさやストレスを感じる、という人もいると思います。逆に、量がなければ、仕事に燃えられないという人もいるでしょう。

ケースバイケースになりますが、自分の性格と仕事の量との相関関係が、やり甲斐、充実感に影響します。

周囲のサポートのある・ない

単純に仲が良いかという問題を意味しているのではありません。

仕事に支障が出たときに、タイムリーなサポートを受けられるかどうか、円滑な仕事の進行に組織として配慮してくれるかどうかが、自分の仕事の成果影響を与え、ひいては、あなたの仕事のやり甲斐や充実感に大きな影響を及ぼします。

サポートがない場合、孤立感から精神的なダメージを受け、最悪の場合うつの状態に発展する可能性すらあります。

4つの原因分析はいかがだったでしょうか。

ここでいったんまとめて考えてみましょう。

例えば、人によっては、やりたい仕事だったが、向いていなくてストレスがたまっている、という場合もあるでしょうし、向いているけれど、やりたい仕事ではなくてうんざりしているという場合もあるでしょう。

同じように、量が多くて充実感を感じるが、周囲のサポートが受けられず孤立しがちな人、一方で、量が少ないけれど、一人でできると思われて放っておかれてしまい、同じように孤立している人、いろいろなケースが出てきますよね。

こうしてみると、仕事のうまくいく・うまくいかないということには、いくつかの要因が複雑にからみあって、自分の充実感やモチベーションに影響を与え合っていることがわかるでしょう。

頭を冷静にして、仕事自体を分析するというのは意外と難しいのです。

重要な点は、私たちは、仕事が好きか嫌いかということを考えるとき、純粋にその仕事自体の好き嫌いを語っているわけではない、ということです。

人間関係と形容した方が近い場合もありますし、熟練度が影響を及ぼしている可能性もあります。

こうした場合に安易に転職に踏み切ったとしても、転職後に違和感が消えないというリスクも考えられます。そして、いったんやってしまったことは取り返しがつかないのです。

仕事がうまくいかない状況の解決策の模索

上記のような分析を踏まえて、このパートでは解決策を模索していきましょう。

このパートは、すでに転職することを決めている方にも参考になる情報が含まれていますので、必ず目を通してください!

解決のキーになりそうなポイントをピックアップする

仕事がうまくいかない現状に対して、自分で解決できるか、サポートが必要かで場合分けして、次のようなチェックリストを使って、解決できる項目を考えてみましょう。

こうした項目について、いくつか当てはまるケースもあると思いますが、その項目毎に満足のいくレベルのサポートなり解決可能な工夫なりを細かく考えていくことが必要です。

自分で解決可能かどうか

  • 仕事のやり方を工夫して解決できるか
  • 仕事の進め方を調整できるか

サポートを受けられるかどうか

  • 周囲の同僚、直属の上司から支援を受けられそうか
  • 増員等で、あなたの仕事を肩代わりしてもらえそうか
  • 仕事の割り振り方を見直してもらえそうか
  • 異動等で仕事の内容を見直してもらえそうか

そもそも解決する意義はあるのか考える

上記のような解決ポイントを考えたとしても、そもそも、解決すべき努力をする価値があるかも考える必要があります。

あなたが仕事がうまくいっていないのに、組織として何らのサポートをしない会社を、心の中ですでに見限っていませんか?

ちょっとこそばゆい考え方かもしれませんが、重要なので説明いたします。

私は、お金をもらって仕事をする以上は、みんなその仕事のプロだと考えます。

プロならばプロとして活躍できる環境を会社に要求するのは当たり前です。

それを提供しない会社だとしたら、その姿勢をどう考えるべきでしょうか?

話せばわかるでしょうか?分かってもらう必要があるでしょうか?全てはあなたのかけがえのないキャリアにかかわることです。

自分がプロとして振る舞えるか、それを組織としてバックアップしてもらえるか、冷静に考えてみましょう。

転職を考えるかどうかのポイント

上記のような検討経過を踏まえて、いよいよ転職すべきかどうかを考えてみましょう。

まず最初は残留を模索してみる

基本的には、転職は慎重に考えることが正しいです。

転職とは不確定要素が非常に多い行動です。

多くの方は、正常化バイアスといって、今まで自分が当然だと考えていたことが、転職先でも同じように起こると思っていますが、そのようなことはありません。

仕事の質、量、周囲の人間関係、組織のあなたへの評価、全てががらっと変わる行動なのです。

これに対し、会社に残留することは、上記の条件がある程度明確に把握できています。自分の努力や周囲のサポートで打開の余地があるならば、やってみる価値は十分にあります。

今の職場で自分がどう評価されているのかを考える

しかし、上記までの分析を踏まえた解決策がうまくいかない場合もあるでしょうし、そもそもモチベーションが残っていない場合も考えられます。

こうしたケースでは、切り札としての転職を考えてみても良いのですが、私はまだ不十分だと思います。

なぜなら、一番大事な要素の1つ、年収面を考慮していないからです。

いくらうまくいかないとしても、年収面で良い条件ならば簡単に捨てるべきではないでしょう。充実感のある仕事を手に入れるより、ずっと大変だからです。

そこで、私が決定的だと思うのは、あなたの奮闘を人事評価としてどのように考えてくれているかという点です。

ここがうまくいかなかった、制約された条件も考慮して、フェアに評価してくれないならば、転職を考える十分な理由になると思います。

率直にいえば、年収としてあなたにふさわしい評価をされているかどうかです。

もっといえば、解決策があったとしても、正当に人事評価されていないならば、解決する必要すらないのです。

こうした時に、比較の対象として、転職エージェントが判断してくれるあなたの市場価値は、とても参考になります。

転職の可能性が少しでもある方は転職エージェントを早めに使い始めておくことをオススメします。

残留を模索し、粘ったことが、あなたの武器になる

さて、ここまで残留の余地がないか、長々と書いてきましたが、その最大の理由を明かします。

実は、残留を模索した、難しい制約条件で粘ったという事実が、転職活動において最大の武器になるからです。

転職活動の面接において、転職理由は必ず聞かれます。そして、同時に必ずといっていいほど聞かれるのが、「その会社で頑張ることは考えなかったのか?」という質問です。

なぜなら、面接官は、仕事が少々うまくいかないくらいですぐ辞められたら困るからです。「頑張る人」であるということをこの質問で見極めたいのです。

ここで、残留を模索したことを説明できることは、あなたが粘り強い人間であることをアピールする絶好のチャンスでもあります。

どれだけ細かく分析して、どれだけ粘ってみて、結果はどうだったか、その要因まで論理的に話すことができれば、まず納得させられないことはないはずです。

今の仕事を頑張ることは、転職活動での準備と一体です。

残留するにせよ転職するにせよ、あなたには損はないのです。だから、残留を頑張って模索してみるべきなのです。

転職理由はどう答えるべきか

これに関連して、転職理由はどう答えるべきでしょうか。ここで重要な点は仕事がうまくいかなかった、という点を100%ネガティブに表現しないことです。

例えば、「○○という点で仕事に成果を出せていなかったが、~のような工夫をして粘ってみた。しかし、自分の頑張りを人事上十分に評価されなかったので、やむを得ず転職を考えてみた。」といったように、転職を考えるそれなりの理由があったこととして表現できるようにすることが大切です。

このあたりの面接・履歴書での言い回しやテクニックは非常に重要なのです。

転職エージェントの優秀なアドバイザーであれば、応募先の社風や求める人材などに応じたアレンジを加えてアドバイスしてくれるので、参考にしましょう。

こういった面接や履歴書のノウハウは、場数を踏んでいる大手の転職エージェントほど充実しています。

特に『リクルートエージェント』の転職ノウハウは他の転職エージェントより頭1つ飛び出しているので、まず1番最初に登録しておきたいところです。

今の仕事を粘らなければ、転職活動も失敗する

まとめに入ります。

前のパートで述べたことに反して、残留を模索したことを粘らなかった場合、転職活動は大きなリスクにさらされます。

会社は、適性さや優秀さ以前の問題として、自社で頑張れない人をまず採用しません。

もし、「その会社で頑張ることを考えなかったのか?」にうまく答えられないと、多くの会社で不採用になるでしょう。

当然、今の仕事で頑張らなかったことも人事評価に跳ね返りますから、残っても損ということになります。

こうしてみると、仕事がうまくいかない、という悩みは慎重に取り扱わなければならないことが、おわかりになると思います。

残留するにせよ、転職するにせよ、事情を十分に理解していない第三者に対して、納得がいくように説明しなければならないからです。

その説明できる論理と根拠をしっかり持てるようになるには、今の仕事をプロの自覚として日々取り組んでいるかにかかっています。