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派遣社員という働き方は、正社員に比べて気軽な気持ちで仕事に取り組むことのできるメリットがあります。ただ、別の見方からそれを考えると一生の働き方として選択するにはリスクが高いところも…。

「雇用」としては、派遣契約が満了するとその後に関する保障は何もないわけですから安定感がまったくないのです。

このまま派遣社員でいて良いのだろうかと悩む要因はさまざまであり、場合によっては別の道を模索することが必要かもしれません。

この記事では、主な事例ごとにどのような対応をとるべきかのヒントをお伝えしていきます!

仕事の紹介が不安定な派遣社員

人材派遣会社には取引先の企業からさまざまな依頼が寄せられるのですが、派遣先となる企業は派遣会社の事情を考えて依頼しているわけではありません。

つまり、事業のニーズに応じて依頼が殺到する時期も比較的案件が少ない時期もあるのです。継続的に仕事が紹介されるかどうかには運不運、タイミングなどの要素がかかわることになります。

ひょっとして干されてる?

派遣会社にとっての理想は、何のトラブルが起こることもなく派遣就業が行われていくこと。スタッフがらみでいろいろと対応しなければならないとなると、取引先との関係に良くない影響が及ばないかと心配があるわけです。

そこで、トラブルへつながる可能性が懸念されるスタッフに対しては派遣先の紹介をストップすることがあります。

対象となる可能性が高いスタッフは…

  • 内勤スタッフとの面談で身だしなみやマナーが良くない
  • 派遣先での勤務態度が良くない
  • 要望やクレームが多い

マナーや勤務態度の問題はスタッフ本人の問題であるのですが、要望やクレームに関しては必ずしもそうではありません。

ビジネススキルが高い派遣社員は、その能力の高さから派遣先で問題点を見つけることが多くあります。また、人材派遣に関する知識が豊富なスタッフは派遣会社の対応で至らない点が気になるもの。

言ってみれば「物言う派遣社員」が、派遣会社にとってはあまり好ましく思われないのです。

干されてしまったらどうすれば良いの?

一向に派遣先を紹介される気配がないと感じられるときは、派遣会社が意図的に紹介しないようにしている可能性があります。

まずはいち社会人としての落ち度がないかどうか、自分自身を見つめ直してみることが大切です。また、派遣会社の側に不手際があったとしても過剰なアクションを起こすことは得策ではありません。

例えば…

  • 担当者から責任者まで幾人にも文句を言う
  • 専門のサポートセンターがある場合にクレームを入れる

思い当たることがあれば、「件につきましては言いすぎました」など改めて話をしてみても良いでしょう。懲罰的に干されていたということであれば、少しの「冷却期間」を経て再び紹介がなされるようになるハズです。

何ヶ月かしても状況がまったく変わらないとなると、別の人材派遣会社であらたにスタッフ登録をし直すか正社員として就職する道を考えた方が良いかもしれません。

掛け持ちの悩み

派遣社員として仕事をしている人の中には、複数の派遣会社に登録している人が少なくありません。

その主な理由としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 切れ目なく派遣先の紹介を受けるため
  • 複数の派遣会社から紹介された仕事の条件を比較してもっとも良いものを選ぶため

しかしながら、このようなねらいはあまり良い結果につながらない場合が多くなっています。派遣会社の側では他社での稼働状況を確認していて、どちらかというと自社一本で仕事をしているスタッフへ優先的に派遣先を紹介しているのです。

なお、スキルが高いスタッフに関しては掛け持ちであっても次々に仕事の話が舞い込む傾向があります。ただ、それは登録している他社も同じですから就業期間中から次々といろいろな派遣会社の打診が届くことに…。

皮肉なことに、仕事をしている最中に限ってたくさんの話をされるという流れがなぜか「定番」。いざ契約期間が満了するころになると、良い条件の仕事はなくなってしまうことがよくあります。

掛け持ちしてもうまく仕事がつながらない時はどうすれば良いの?

そもそも、途切れないように派遣先が紹介されないような会社は取引先の数が豊富でないということになります。

掛け持ちではどの派遣会社に対してもなかなか思い入れを持ちにくいため、ある程度の長期間にわたる契約期間の案件が紹介される派遣会社を新しく探すことがベター。

そのほか、安定して働くということを考えればやはり正社員以上となる働き方はありません。就職エージェントを利用して、信頼することのできる働き先を紹介してもらっても良いでしょう。

私はロボット代わり?仕事に不満がある

本来は高い専門性を持つプロのスタッフとして受け入れられるべき派遣社員ですが、実際に派遣を活用する企業の間で認識はそれぞれ異なったものになっています。

事業の根幹にかかわる重要な仕事を任されるケースもあれば、逆に社員にさせるまでもないというような雑務などを担当させる役回りとして派遣されるケースも…。

ロボットのように単調な作業を繰り返す日々が続いたことで、派遣社員として働く自分の存在意義を考えるきっかけになったという方は少なくありません。

契約内容はそうだけど…

派遣社員が派遣先の企業で担当する業務については、労働者派遣契約の中で定められています。ただ、その内容は毎日のあらゆる業務を1から10まで厳密に定めているものではありません。

そのため、同じ文言が契約書に記載されているとしても実務は派遣先企業の裁量次第となる場合が多々あるのです。

たとえば…

忙しいA社 暇なB社
データ入力 8時間フルタイムで気を抜く間もなくパソコンに向かい続ける 1時間程度の分量しかなく残りは時間をもてあまして過ごす
事務作業 一般事務プラス総務や経理の仕事を兼任 電話や来客の応対だけ

また、派遣社員を活用すること自体に関して異なったスタンスをとっている企業があります。高い料金を払うのだからめいっぱい使いたいという会社がある一方、契約違反になりたくないので余計なことはさせないという方針の派遣先も。

始業から終業までわき目もふらず、周囲とコミュニケーションをとることなくひたすら作業を続けているばかりでは職業人として違和感があるもの。

かと言って、給料をもらっているとしてもそれに見合わないと思われるわずかな業務量で時間を過ごしていては苦痛です。

契約と業務内容に関する疑問や不満があるときはどうすれば良いの?

派遣先での仕事が忙しすぎたり暇すぎたりして、就業環境面の配慮がないような場合にはすぐ派遣会社へ相談しましょう。

忙しく明らかにオーバーワークな場合は、派遣会社を通じて時給の引き上げや業務量の削減を求めるべきです。

逆に仕事中に手持ち無沙汰となる時間がある場合は、まず契約上の指揮命令者へ指示を仰ぐようにします。そこで目立った話がなければ、周囲で働いているスタッフの仕事を手伝いたい旨のアクションを起こすなどしても良いでしょう。

そのことを咎められるのであれば、派遣会社に一通りの顛末を報告した上で対応策を講じてもらいます。それでも解決しないようであれば、派遣先や働き方自体を含めて考え直す必要に迫られます。

スキルアップ・キャリアアップの限界?

臨時のスタッフという前提

人材派遣の特徴として、派遣先となる企業は派遣されて来る派遣労働者を指名することができません。つまり、極論すれば契約期間中のスタッフが毎日異なる人間であっても契約違反ではないのです。

派遣会社が現実に派遣している派遣社員の顔ぶれは、企業ごとで基本的に固定されています。それにしても、派遣先企業にとって期間を限定されて働く臨時の人員であることは変わりありません。

業務上の責任

派遣社員は体調不良や家庭の事情など諸々の事情がある場合、仕事を休んだり契約解除となったりする場合があります。

そういった場合、人材派遣会社は派遣先企業の業務に支障が生じないよう速やかに代替のスタッフを派遣しなければなりません。

一方の派遣先企業としては、派遣社員のことを契約期間中であってもいついなくなるかわからない存在として考える必要があります。

そのために、いざという時のことまで考えて派遣社員に担当させる仕事の線引きをしているのです。

スキルアップ・キャリアアップが難しい理由

高いスキルを持つ人材が少ない専門的な業務に関しては、派遣社員が絶大な信頼を得て長期的に固定の派遣先で働いていることが珍しくありません。

しかしながら、そこまで特化した仕事を担当させようと想定していない派遣先企業では話が違います。社内の重要なプロジェクトにメンバーとして派遣社員を加えることには、相応のリスクがあるわけです。

結果的に、派遣社員の担当する業務が難易度の低い内容に限られる事例は多く見られています。これではスキルを磨きキャリアを積もうと考えていても、なかなか思うようにはいきません。

派遣社員が痛感する正社員との壁

どれだけ派遣先で仕事ぶりを高く評価されても、派遣社員を「よその人」と考える雰囲気はどうしてもあります。

やはり、実際に派遣社員として働いたことがない人は「派遣さん」がどれだけの力を持っているかがわからないもの。

そのすごさを目の当たりにしなければ、なかなか人としてのリスペクトにはつながりません。ただ、あまりに目覚ましい活躍を見せている派遣社員に嫉妬の目が向けられるケースもありますから問題は複雑です。

距離が近くなると…

派遣社員という立場で限られた期間を働くにしても、職場の環境が良いに越したことはありません。そのために、人間関係を良いものとすべく業務そのもの以外にも気を配っている人が少なからずいます。

ただ、誰とでも適切な距離感というものを保たなければトラブルが起こる原因となってしまいかねません。

一例として、

  • 親しくなった正社員に時給の金額を話したところ、月の実収入が相手よりも高額だったことで仕事を何かと回されるようになってしまった
  • 「ここだけの話だから」と求められて正社員に派遣会社の内情を話したところ、結果的に話が広まって問題になってしまった
近すぎず遠すぎずの距離感を作るにはどうすれば良いの?

まずは派遣社員という立場上の守秘義務があり、話すことのできないことがあると明確にしておかなければなりません。

それはそれとして、心を閉ざしていては何も始まりませんから話しやすい雰囲気は出るようにしたいもの。最低でも、挨拶や返事は誰が聞いても気持ちの良い印象を持たれるよう意識することが大切です。

どうしても人間関係に関する違和感が拭えない場合は、正社員に立場を変えて働く方向へシフトして良いのではないでしょうか?

会社が好き、仕事が好きでも…

派遣社員としてあちこちの会社で仕事をしていると、時に運命的にも思われるような「出会い」があります。

たとえば…

  • これ以上ないと思うほどに理想的な環境の職場
  • 自分にとって天職ではないかと思うほどに楽しくやりがいのある仕事

ですが、一生懸命に仕事へ取り組んでいても契約期間が満了するとその日限りですべては終わってしまいます。筆者が派遣社員をしていたときにもこのようなことはあったのですが、ただただ切ないばかりでした…。

正社員の誰より意欲的に働いているとしても、最大限に能力を発揮しているとしてもこれはなかなか覆すことのできない現実です。

何とかして同じ職場で働き続けていきたいときはどうすれば良いの?

確率としては高くないのですが、稀に紹介予定派遣ではなくても派遣先企業が派遣社員を正社員として登用する事例はあります。

魅力が大きい会社や仕事であれば、派遣社員だからと自分に境界線を設けることなく正社員に劣らず意欲的に働きましょう。

その姿が先方の目に留まり注目、評価されることで将来が拓かれる可能性はゼロではありません。

残念ながらそれが叶わなければ、あらたに正社員を目指す就職活動で素敵な職場を見つけましょう。転職エージェントを利用すれば、職場環境が整っている就職先の紹介を受けやすくなりますよ!

将来を考えたら派遣のままでいいのか?

特に若いうちは、将来的に長く働いていく上での雇用形態として派遣社員を選択することに大きなリスクがあります。

就職活動をする必要がなく働き始めやすい働き方ではありますが、あくまでも最長3年までの契約期間中しか仕事は確保されていないのです。

どんな人生を歩んでいくか生涯にわたるライフプランを考えるにあたっては、いつまで派遣社員でいるかという決断を迫られることになるでしょう。

派遣会社はどう考えてくれているの?

企業にとって派遣社員の活用は人件費を低減する方策となっていて、人材派遣会社は取引先企業のニーズに適ったスキルがあるスタッフを派遣します。

以下は、筆者が人材派遣会社の内勤スタッフとして働いた経験からの私見となります。

派遣会社は、目的に合致した派遣スタッフをマッチングすることが至上命題という印象。

取引先企業からの依頼があって、その内容に適した経験やスキルを持つスタッフはコンピュータシステム上からピックアップすることができます。

その中から、稼働待ちとなっているスタッフに「こういう仕事がありますよ」と案内するわけです。内勤スタッフの側にもできればこの人を派遣したいという「推し」のスタッフがいて、あの手この手で口説こうとします。

そこで「この仕事は○○さんの将来にとってプラスになる」、「スキルアップにつながる」などの話は確かに出ます。ただ、それは何となくとってつけた後付けの説明になってしまっている気がしなくもありません。

担当者レベルで担当するスタッフのことを心底考えている人もいるのですが、残念ながら少数派にとどまっていると言わざるを得ません。

ずっとこのままで良いの?

派遣会社へ登録に訪れる方の中には、「最初から紹介予定派遣で正社員を目指したい」というように明確な目的を持っている方がいます。

一方、「正社員を目指して就活していてなかなか仕事が決まらないのでとりあえず」など後ろ向きな動機の方も。

もちろん、派遣社員として働くことにメリットがある人はいます。

  • 勤務する場所や時間の制限がある
  • アルバイトやパートとの選択肢で考えて条件が良い
  • 先々の予定があって就職しても長く働くことができない
  • ダブルワークをしたい

etc.

そういった方を除いては、いつまでも派遣の仕事をしているのではなくどこかで就職活動に動きだすタイミングを計るべきです!

まとめ

派遣社員として働くメリットが自分自身にとってもメリットとなっていれば、なんら問題はありません。

ただ、メリットを裏返すとデメリットにもなり得るのです。

職場について 業務内容について 職場環境について
メリット さまざまな職場仕事を経験することができる 決まった仕事だけをすることができる 人間関係を気にしなくて良い
デメリット 同じ職場で長く働くことができず不安定 限られた仕事しか任されない 職場へなじむことが難しい

働いていて派遣社員という働き方に疑問が生じ、ネガティブな思いが蓄積されてきたと感じられたときは正社員として働くことを考えましょう。

就職エージェントを利用すれば、担当者へ希望を伝えることでそれに見合った就業先が紹介されます。