世の中にはたくさんの仕事があり、働いていると「きつい」と感じる瞬間が多々あるものです。人それぞれで「きつい」と感じる尺度は違っていますが、ある程度共通して激務とされている業界はいくつかあります。

もちろんどのような仕事も必要があるために存在していますから、厳しい仕事であっても給料面の条件が良いなどメリットはあります。

この記事では、激務であるとされることが多い業種についてその実態をご紹介していきます。

結局のところ「きつい」かどうかは自分次第、先入観を捨ててまずはどんな世界であるかを知ってみましょう!

「きつい仕事」の定義って?考え方は人それぞれ!

一口に「きつい」と言っても、一人一人の性格や心身の問題によって何をそう感じるかは違います。それに、きついから嫌だという人がいる一方でそれでもがんばろうという人がいることも事実です。

どのような仕事が該当するのか、よく言われているものについていくつか取り上げてみました。

体力的にきつい仕事

身体の負担となって疲労が蓄積されていく仕事は、どうしても体力面の消耗が激しくなります。

一例として…

  • 長時間にわたって拘束されることが当たり前の仕事
  • カレンダー上の休日に出勤しなければならない仕事
  • 日勤と夜勤の変則的なシフト制など労働時間が不規則な仕事
  • そもそも身体を使った作業をしなければならない仕事

同じ作業をしていて、元から体力のある人にとって苦にならなくても別の人に耐えられないものであることは珍しくありません。

精神的にきつい仕事

身体をあまり使わないとしても業務内容、職場環境や人間関係などから精神的な厳しさを感じる仕事は多くあります。

一例として…

  • 人と接する機会が多くストレスになりやすい仕事
  • ノルマが厳しく不達成に対する不安や恐怖が大きい仕事
  • 日々単調な作業が続き変化のない毎日にモチベーションが下がる仕事
  • 生命の危険がともなう仕事

極論すれば、どれだけ魅力的な仕事であってもその職場に自分が合わなければ精神面できつさを感じながら働くことになるのです。

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ある程度わかったところで…

「きつい」と感じる要素はいろいろとあり、どんな仕事であっても多かれ少なかれそういう部分が含まれているものです。

それを踏まえて、実際に世の中で「この仕事はきつい」と考えられている業界がいくつかあります。

厳しいという声が多く聞かれる業界について、ここからはひとつひとつくわしく見ていきましょう。

旅行業(旅行代理店)

旅行代理店のカウンターは、独立したオフィスだけでなく身近なショッピングセンターなどにもあります。

「キャリタス就活2017」が発表した「2017年卒の就活生が選ぶ「就職希望企業ランキング:大学生編」」では、JTBグループが9位。

親しみが感じられ人気も高い業種ではあるのですが、その厳しさはよく話題として取り上げられています。

「きつい」とされている理由

旅行会社の規模によりますが、厳密に言うと同じ会社の中でも部署によって担当する仕事は大きく異なります。

たとえば、次のような部署があります。

  • 総務部
  • 経理部
  • 商品企画部
  • 営業部

激務になりがちな理由は常に売上へつながるノルマ、目標といった数字が存在しているため。

総務や経理といった管理部門の部署では淡々とルーティンワークをこなせば良いという場合が多く、目標に追われる苦しさはありません。

営業系の現場

やはり実際にお客さんの接客を行う営業部、旅行代理店の店舗では厳しくスタッフ個々の実績が管理され上司からプレッシャーをかけられるなどします。

こういった店舗は広域のエリアから都道府県単位、市町村単位までの階層構造になっていることが多くそれぞれにノルマや目標が。

つまりスタッフはもちろん上司、さらにその上長もみな数字に追われて仕事をしているのです。

企画系の現場

あらたな旅行商品を考案する企画部はクリエイティブな部署ですから、自由に仕事をすることができるイメージ。

ですが、実際にはツアープランの企画を出すにも月間で何本といったように目標設定があるのです。とにかくお客さんが集まることを第一にしなければならず、オリジナリティを出したいという気持ちとジレンマが生まれることも。

社内でのプレゼンテーションを通すためにも時間が割かれ、業務時間内で間に合わず自宅で頭を悩ませなければならないケースは珍しくありません。

良いところはあるの?

「DODA」がまとめている「平均年収ランキング2016」によると、旅行業の平均年収は358万円となっていて67業種のうち60番目という水準になっています。

高給であるということはできませんが、それでも魅力を感じて働いている人の多くに共通する点は「旅が好き」ということ。

自分で旅をしてきて得られた感動があり、それをお客さんにも感じてほしいという気持ちがモチベーションになっているのです。

また、多忙な業務の中ですから何かしらのミスやトラブルが発生することは少なからずあります。旅行自体にも天候の急変や体調の変化などはつきものであり、臨機応変な対応が求められるところ。

無事に旅行を終え、お客さんから感謝の声があったときに感じられるやりがいは他に替えがたいものです。

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運送業(ドライバー)

個人宅から企業までを対象に、指定された荷物を集荷してあらゆる場所へ届けている運送業者。以前は特に、長距離のトラックドライバーがきついながらも高額の給与を得ることのできる仕事として定番でした。

ところが1990年に貨物自動車運送事業法、貨物運送取扱事業法といういわゆる「物流二法」が施行され業界は大幅な規制緩和の波に飲まれます。

多数の運送業者がシェアを争うようになり、運賃の値下げによって働く人の収入は押し下げられてしまったのです。

「きつい」とされている理由

昨今の運送業界においては、ドライバーの人材が不足していることで大きな問題になっています。

この理由としては、いくつかの要因が複合的に関係しています。

  • ドライバー全体に占める高齢者の増加
  • 労働環境の是正にともなう離職者の増加

ドライバーの高齢化

近年は、経済的な事情などから若い世代が車に対してあまり思い入れを持たないようになりました。そのために、車の運転が中心となる仕事を志望している若年者の数が減少する傾向にあります。

必然的に高齢のドライバーが多くなり、やはり肉体的なピークを過ぎていることで同じ労働量をこなすことが難しく生産性は低下することに。

それによって、それぞれの会社全体では一人あたりの負担が増してきついと感じられるようになったのです。

労働環境の変化

運転手に関して超過労働が問題となっていたことから、2014年から国が労働時間の超過について罰則を厳しくしました。

労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)では、ドライバーに対して1日のうちで継続して8時間以上の休息時間が必要ということに。

また、1日あたりの運転時間については始業から48時間で平均して9時間が限度となりました。

かつては長距離を走りわずかな仮眠をとってまた走り出すことが当たり前だったわけですが、そういったことはもはや許されません。

運送各社では従業員の勤怠管理を厳しく行うようになり、その結果として個々の労働時間が減少。

長い時間を働くことができなくなったことで収入は減り、生活が成り立たないということで退職する社員が増加して人手不足は深刻化しています。

また、短い時間でも従来と同じ成果を求められているために仕事は厳しくなっていく一方です。

良いところはあるの?

運輸業・郵便業については、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」でメンタルヘルスに問題を抱えている社員の割合が全産業の平均を下回り18産業のうち13番目でした。

また、厚生労働省の平成27年「労働安全衛生調査(実態調査)」でも過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業又は退職した労働者割合が17産業のうち12番目。

つまり、過酷な環境下にあっても働いている人は比較的落ち着いて仕事をしているということになります。

その仕事を支えている大きな要因は、目的地にいるお客さんが仕事の「ゴール」であることではないでしょうか?

必ず荷物の受け渡しは人対人で行われ、「ありがとうございます」や「ごくろうさま」といった声がダイレクトに多く聞かれるのです。

また、制約がある中で荷物の状態を損なうことなくどれだけ効率的かつスピーディに移動させるかを追求する醍醐味もあります。

不動産業(セールス)

不動産の売買や賃貸といった事業を行う不動産業者は、人にとって生活の基盤となる住居を得る上で不可欠な存在です。

しかしながらそれだけに、成約へ至るまでには高いハードルを越えていかなければなりません。

取引ひとつあたりが大きいものであるため、それが「きつい」印象につながっているところもあります。

「きつい」とされている理由

活発な不動産取引が行われていたバブル時代は「今は昔」、取引は慎重に進めるべきということが定説になっています。

そう多くないビジネスチャンスを的確につかみ、成果を上げることはなかなか厳しいものです。

取引の「大きさ」

一軒家なりマンションなり、不動産を購入するという行為は終の棲家ともなり得る場所を手にするための一生で最も大きな買い物。

その間に立ってもらう不動産業者の担当者は、十分に信頼することのできる人物であってほしいところです。

少なくとも一定の年齢に達していて社会経験を積んでいるとともに、できれば個人としても住宅を購入したことがあればお客さんの安心感は違います。

過去にリクルート社が実施した「不動産仲介会社への期待と満足度調査」では、購入検討者が営業マンに対して期待している点が挙げられています。

そこから、担当者には以下のような資質が求められると考えられます。

  • 誠意のある対応
  • 話を聞く力
  • スムーズな意思疎通
  • いいかげんな約束をしない
  • 要望の実現
  • 物件や相場に関する豊富な知識

つまり、これだけのものを持っていなければ順調に実績をあげることは難しいというわけです。特に若い世代ですと、それだけでもなかなか一人前のパートナーとして見られず仕事のきつさを感じる場面が多くなりがちです。

顧客第一の仕事

インターネットが普及したことで、個人でも不動産やその取引に関する情報を得やすくなっています。そのためにかなりの知識を持っているお客さんが増えていて、キャリア不足の担当者では太刀打ちすることのできない事例が見られるようになりました。

また、働き方が多様化したことで商談を進めることのできる時間帯もお客さんそれぞれによってバラバラに。それでもお客さんの都合が第一に優先されますから、売上の数字を達成するためには夜間や休日であってもやりとりをしなければなりません。

不動産店では従来から水曜日を定休日としているケースが多く、これは土曜日や日曜日が休日となっているお客さんに対応しなければならないことが関係しています。

なお、水曜日の定休については「水」の文字が水害のほか「契約が流れる」ことなどを想起させるための縁起かつぎという話もあります。

良いところはあるの?

特有の給与体系

不動産業の仕事に関しては、特にセールスの分野で高額の給料を期待することができ大きな魅力になっています。

成果主義の色が濃いためにハイリスクハイリターンということはできますが、実績を残したときの高給はまさに「夢」。

基本給の金額は抑えられていて、売上目標を達成することで売上金額から1割あまりを歩合給として加算するケースが多くなっています。

そのほか、近年は基本給がまったくなく売上金額の半分程度が歩合給となる「フルコミッション」という形態が増加しつつあります。

お客さんとのかかわり

特に不動産の購入となると、一人なり一家族のお客さんとの「出会い」は1回きりとなることがほとんど。しかしながら、家族の事情や決断に至る背景などさまざまなことを知って深いかかわりを持つことになります。

理想的な物件を提供することで大きな満足や感謝が得られ、そういった意味では「人のため」に力を尽くすことができる仕事としてこの上ないやりがいがあるのです。

金融業

金融業者は、さまざまな取引によってお金の動きを効率的に活発化させるべく取り組んでいます。

以前から若くして高給が得られる業界として知られていましたが、リーマン・ショックを機に外資系を中心として大規模なリストラが。

その苦境からは抜け出し、かつてほどのずば抜けた人気ではないながら志望者は根強く残っている業界です。ただ、「安定していそう」というイメージで安易に選んでは絶対に続かないということができるほどきついことは間違いありません。

「きつい」とされている理由

金融業界の企業は長い間、会社として安定しているということから人気の就職先であり続けてきました。

経済が成長を続けていた当時には、銀行の預貯金ひとつをとっても預ける人が多く利回りも良く双方に大きなメリットがありました。

それが長きにわたる不況へ入り、経済の冷え込む中で働く側にとってもきつい状況が続いています。

ビジネスとしての不安定さ

銀行にしても証券会社にしても、一見すると近代的なオフィスで働く金融マンには高いステータスがあるように思われます。

しかしながら形のない金融商品を扱っている以上、常にリスクがついて回ることになるのです。どれだけ企業としての運営が健全であるように見えても、一気に経営が悪化し破たんへ至った例があります。

  • バブル経済のピークからの崩壊
  • サブプライム問題からのリーマン・ショック

現在までリスクを完璧にコントロールする手立ては確立されていず、金融業界で働く以上はこのリスクと付き合っていかなければなりません。

金融マンとして求められるものの多さ

世界中の情勢が影響を及ぼす金融業界で働いていくためには、常にあらゆることを勉強していく必要があります。

必要とされる知識の範囲は金融商品にとどまらず市場や法律、社会に至るまで多岐に渡りますから日々の自己啓発を欠かすことはできません。

また、お客さんの大切な資産を運用するということで大きな責任から強いプレッシャーに晒され続けるきつさがあります。

ストレスに対する強い耐性がなければ、とてもではありませんが勤め続けていくことは難しいでしょう。

そのほかにも、必要とされる資質が多々あります。

  • 「お金」に対する愛情(執着ということではなく自社が扱う「商品」として)
  • 朝型の生活スタイルを苦にしない(市場などの動きに合わせる)
  • 時間を厳守する
  • 職場へ依存せずとも仕事をすることのできる行動力

良いところはあるの?

金融業の企業が取り扱っている商品、すなわちお金は人が生活していく上で非常に大切なもの。仕事を通じて、人々の安心した暮らしを将来にわたって支えていくというやりがいがあります。

また、商品に関しては目に見えないものであり同業他社との間でオリジナリティを出すことは難しい部分があります。

その代わりに、金融マンそれぞれとお客さんとの信頼関係がビジネスを成り立たせることになるのです。自分自身が持っている人間力の「勝負」となる点は、働いていくにあたっての大きな醍醐味になるでしょう。

コンサルティング業

クライアントである企業などに対し、経営助言などのサポートによって成長を手助けするコンサルティングファーム。

企業の経営者と直接の対話をすることが多い仕事であり、生半可な能力では到底務めを果たすことができません。

コンサルタントが格好の良い職種であると思われている一方、問題の解決策を見出すために昼も夜もなく頭を悩ませきつい仕事であるということも一般的なイメージとなっています。

「きつい」とされている理由

コンサルティングファームは「頭脳集団」と称され、スタッフの頭脳を結集させて問題解決に取り組みます。

クライアント企業の命運を左右しかねない重大な責任を負うわけですから、そのプレッシャーは計り知れないもの。

注目が高まっていく中で実績を上げるべく、一時たりとも気を抜くことはできない激務です。

社内競争の激しさ

コンサルティングファームには、高学歴かつ頭の回転が速い人材ばかりがスタッフとして集まっています。

チームを組んでプロジェクトに取り組むというと心強いように思われますが、周囲にはハイレベルなライバルばかり。

その上で結果が出なければ、容赦なくランクの落ちる仕事へと回されることになってしまいます。また、時には社内での競争に勝ち残ろうということから「社内抗争」が起こる例もありきつい環境です。

仕事中心の毎日

コンサルティング業の各企業においては、確かに高い確率で高額な給料が支給されています。しかしながら、能力が高いスタッフを基準とした仕事量はそのレベルに至らないスタッフにとってオーバーワーク。

年齢や性別を問わず仕事量が多く、少し忙しくなれば終電を回りタクシーで帰宅する日々が続くほどのきつさ。休日はカレンダー通りになる場合が多いものの、仕事がある平日にワークライフバランスを保つことはきわめて難しいでしょう。

業務に多くの時間を割いているからといって評価につながることはなく、精神的にもタフでなければなりません。

良いところはあるの?

仕事の幅広さ

仕事を通じて自分の可能性を広げていきたいと考えている人にとって、コンサルの仕事はうってつけであるということができるかもしれません。

なにしろさまざまな業界で事業を行う顧客のために、あらゆることを提案しなければならないのです。

一例として…

  • 人材の育成
  • システムの導入
  • 新規市場への参入
  • M&Aの支援

まったく同じように進められるプロジェクトは皆無であり、常にあらたな挑戦をすることができます。

成長につながる

社内の人間からクライアントに至るまで、仕事のスキルにしても人間的にも優れた人たちと働く機会が非常に多くあります。

そういった人たちと対等にわたりあっていくためには、ビジネススキルを磨きクライアントに合わせた業界ごとの知識を深めていかなければなりません。

必要に迫られる中で自ずとビジネスマンとしての基礎的な資質は向上していき、業界を問わず活躍することのできる力が身についていくのです。

きつい仕事の共通項

人対人である

きついとされている業種の中では、総じて人に接する場面の多い仕事が共通する傾向にあります。

人とのやりとりでは予期せぬ事態となる場合が多々あり、アクシデントやトラブルの発生がストレスにつながります。

その点、コンピュータや製品と向き合う仕事であればただ目の前のことに集中していれば良いのです。

長時間労働である

きついとされている仕事では労働時間の長くなる傾向があり、その代わりにプライベートを充実させることが難しくなりがち。

そういったことから、仕事によって蓄積されたストレスを発散する場がなかなかありません。

その点、ある程度パターン化された対応によって仕事をこなすことができる場合であればそれほど過剰労働にならず仕事へ向かうモチベーションが明らかに異なります。

まとめ

きつい・激務であるとされている業界についていろいろ紹介してきましたが、確かに厳しい面は多々ありながらそれでも働いている人はいます。

そういった人たちは、仕事のきつさに劣らないだけのやりがいや魅力を感じて日々を送っているのです。

同じことをしていても、同じ状況にあっても心の持ち方が違うだけでモチベーションはまったく異なります。

自分の天職が隠れている可能性だってあるわけですから、何となくきつそうだからというイメージだけで毛嫌いしてはいけません!