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新卒者として企業に採用されたものの、業務内容や職場の環境になじむことができないという可能性はあります。時に、それほど時間が経たないうちから学生時代とのさまざまなギャップで退職したい気持ちが生まれる人は少なくありません。

ですが、そういったときには大きくなってくる気持ちのままに退職して良いものかと悩むことになるのです。

退職を躊躇する理由としては、次のようなものが挙げられます。

  • せっかく採用されてすぐに辞めてしまっては職場に申し訳ない
  • 短期間のうちに退職すると転職先を見つけることに不安がある

根気強く仕事を続けることは大切ですが、退職を先延ばしにしていて身体を壊してしまったといった事例も往々にしてあります。

どうしても職場や仕事が合わないことはありますから、早め早めに決断していくことが必要です。この記事では、新卒で早期に退職を決めた場合に円満退職を果たし、転職に成功するためのポイントをご紹介します。

この理由で退職して良いの?新卒者に多い仕事の悩み

社会経験が短い新卒者にとって、退職を希望するにあたってその理由が社会人として納得されるものであるのかどうかは悩みどころ。

職業人としてはまだまだ半人前であり、安易な理由を口にすることは人材としての育成を視野に入れて採用した職場に対して失礼です。

以下、NGな退職理由の一例です。

  • 仕事が好きではない
  • 自分の理想としていた職場像と違った
  • 誰からも評価されない

とは言っても、実際にどういう状況で退職を思い悩むことが許されるのかはわからないでしょう。現実に多くの新卒者が抱えている仕事の悩みには、おもにどのようなものがあるのでしょうか?

心身の不調が続いている

ある程度自らの意思でスケジュールを決めることのできる学生生活を終え、社会人として時間を過ごすようになると大きく環境が変わります。

さまざまな観点で比較しても、学生と社会人とでは多くの違いがあるのです。

学生 社会人
時間への意識 自由な時間が多く、自分主体で決めることができる 仕事ありきでスケジュールが決まり、5分前行動や10分前行動を厳守しなければならない
言葉 タメ口のほか、先輩など目上の人との間でも距離感によってある程度くだけた口調が許される 取引先など社外の相手に対してはもちろん、社内でも基本的に敬語で話さなければならない
責任の所在 自分の行動に関しては個人で、あるいは保護者が責任を負う 組織に属する一員としての行動になり、連帯責任として上司らにも責任が及びより重みがある
人間関係 好きな人だけと付き合っていれば良い 幅広い世代の人とかかわらなければならず、好き嫌いでコミュニケーションを取らないというわけにはいかない

特に地方から出て来て都市部で就職し一人暮らしをしている場合などは、頼る人もいないことから人一倍職場へ慣れるまでに時間がかかりがち。

あまりにも周囲の環境が激変したことによって心身に不調をきたすことは珍しくなく、いわゆる「五月病」などもその一例です。

調子が悪いことで思うように仕事を覚えることができず、同期に遅れてしまうことで気持ちのあせりからさらに状態が悪くなることも。

まわりの人たちや職場で相談することによって解決される可能性はありますが、どうしても限界を感じるならば退職を考えることはやむを得ません。

人間関係に悩みがある

ずっと希望していた業界や職種に就くことができたとしても、職場の人間関係次第で本来見込まれるだけのパフォーマンスを見せることができない場合はあります。

パワハラやセクハラが横行しているような企業は言語道断ですが、そうではなくてもどうしても相性が合わない人がいる可能性はあるのです。

性格の面で、もっと言えば生理的に合わない人との関係は残念ながら好転させることができません。職場の規模が小さいほどにそういった人と接する場面は多くなりますから、問題を解決させることは難しくなるでしょう。

人間関係に由来するストレスを馬鹿にすることはできず、せっかく望んでいた仕事に集中することができなくなるケースも。

チームワークが良好であってこそ気持ち良く働くことができるわけですから、悩みを軽く考えず職場を移ることも視野に入れて良いでしょう。

仕事に対するモチベーションが上がらない

この会社でがんばっていこうと決めて就職活動をしたものの、入社してみると任される仕事の中身が思っていたものと違っていたという例は少なからずあります。

通常、新卒者といえば仕事について理解し一人前になってようやく責任のある仕事を任されるもの。ですが、それをわかっていても先輩の仕事ぶりを見ていて「何かが違う」と感じる場面があるのです。

職場に望んでいたものがないと悟ってしまうと、もはや仕事に対するモチベーションは上がらないでしょう。

イメージしていた通りの職場であるかどうかは実際に働いてみないとわからない部分がありますから、よく考えて「違う」という結論に達したのであれば早期の転職を考えることもひとつの選択です。

新卒だから辞めづらいなんてことはない!思い切って辞めた方が良い理由とは?

従来から、一般的な就職観として「就職したならばその会社に最低でも3年は勤め続けるべきである」ということが言われてきました。

これは、年長者から若い世代に対して就職のことを話すときにも語り継がれてきたことです。確かに、一通りの仕事を覚えノウハウが身についてからようやく仕事に対する楽しさややりがいはわかるもの。

ですから、そこまで職業人としてのレベルを高めるまでにかかる時間として「3年」という目安は間違いではありません。

ですが、現実にはブラック企業のように過酷な職場環境であるなど将来に期待を持つことのできない職場はあります。そんな場合は、新卒のうちに辞めようと決めることで将来を考えて良い選択となる可能性があるのです。

新卒者だからといって躊躇せず、あらたな職場を志して動き出すべき「辞め時」について考えてみましょう。

今後の成長が見込まれない

自分自身がビジネスマンとして成長していくために、職場が社員のことをしっかり考えている企業であることは不可欠です。

社員教育のシステムが十分に整っていない会社は、総じて取引先からの信頼を得にくい傾向があります。

教育が行き届いていないことで担当者によって同じことへの対応がそれぞれ違っていたり、臨機応変にトラブルへ対処することができなかったりするのです。

新卒者にとっては明らかに良くない環境であり、今後の成長が見込まれないどころか職場環境を当たり前のものと思ってしまっては社会人としての人生を棒に振りかねません。

転職することが賢明であり、新卒だから辞めづらいなどとは考えず一刻も早く決心しましょう。

自分が壊れてしまう

新卒社員という立場を考えて、懸命な就職活動の末に入社した職場を簡単に辞めたくないと考えることはごく自然です。

困難があっても乗り越えようと仕事に取り組む姿勢は立派ですが、学生だった当時から状況が変わり忙しい中でプレッシャーやストレスにさらされながら働き続けることはあまりにもハード。

働く女性向けのウェブサイトである「Woman type」が実施したアンケート調査である「働く女の本音白書」によると、社会人になってうつの心配をしたことがある時期としてもっとも多かったのはキャリア1年目でした。

こころの病気になってしまっては元も子もありませんから、助けなく追い込まれてしまったときには退職という選択肢に気づきたいところです。

職場環境の劣悪さがわかった

ブラック企業が問題になっている昨今、今や求人の募集要項からだけで職場環境の実態をうかがい知ることは難しくなっています。

どのような企業でも働き手を確保したいため、求人広告では目に留まりやすい好条件を謳っているもの。入社してみてサービス残業や休日出勤ばかりだった、社内の雰囲気や人間関係が劣悪だったなどといった話はよく聞かれます。

法令違反にあたることが常態化しているなど、明らかに問題がある企業は少しでも早く退職することが最善の選択です。

退職しても転職をどうする?

新卒であるうちに退職してしまうと、再就職することはどうしても難しくなってしまいます。企業の採用担当者からすると、どのような理由があったとしても「仕事が続かない」と判断する傾向があるのです。

「ゆとり世代」と称される世代がちょうど新卒世代と重なることから、それだけで「我慢が足りない今時の若者」と見なされる可能性もあります。

それでも、退職を決めたからには世間からの逆風に負けることなく転職活動に取り組まなければなりません。

学生時代に学んできたこと、短い社会人としての経験からでも身につけたものを最大限にアピールしたいところです。

仕事をしながらの転職活動が吉

転職活動を行うにあたっては職場を退職する前、まだ仕事をしているうちから動き出すことでいろいろと利点があります。

失業期間に入ってからの転職活動については、収入がないため交通費にしても日々の生活費にしてもお金が出ていくばかり。

また、働くことから解放されて「自由」になったことで次の仕事をしようという意欲が下がってしまいかねません。

何より、働いていない期間が長くなるほど転職への意思が疑われることになってしまいます。転職活動を続けているとしても採用されていない、つまり人材としての魅力がないととらえられかねないのです。

転職エージェントの手を借りる

働きながら転職活動を進めるにあたっては、転職エージェントが強い味方となってくれます。あらかじめ働きたい職種や経歴、スキルなどを担当者に伝えておくことで希望に沿った企業の紹介を受けることが可能です。

時間を取れば、応募書類の作成に関する指導や面接対策の手ほどきを受けたりすることもできます。

新卒者は社会人としての経験値がまだ少なく、転職活動をスムーズに進めることが難しいですからエージェントの利用価値は大いにあるでしょう。

第二新卒の転職事情

新卒から短い期間、厳密には3年以内に離職した場合には第二新卒者という扱いで求人へ応募することができます。

近年はアベノミクスによる経済政策効果から、第二新卒向けの求人数が増加を続けている状況。人材としては社会人の基本となるマナーや知識をすでに身につけていて、予備的な教育を施すことなく実務面だけを教えれば良い段階にあることが求められます。

求職者の側としても、すぐに即戦力として重要な仕事を任せられるということではなく採用選考で将来性が重視されるためにアピールしやすくなります。

何より、新卒時の就職活動で採用へ至らなかった企業へもう一度チャレンジするチャンスも得ることができるのです。

新卒からの転職体験談

新卒からあらたな道へ向かおうと決めた人の転職活動は、なかなか順風満帆とはいかないものです。

ここで、新卒者として就職して短期間のうちに退職した方の転職体験談をご紹介しましょう。転職活動を成功させるためのカギとしては働きたいという気持ちと向上心、絶えずスキルアップへ取り組む姿勢が大切です。

入社半年で退職したBさん

退職までの経緯を教えてください。
新卒でエンジニアとしてIT系の企業に入社したのですが、仕事をしていてモチベーションを保つことが難しくなってしまいました。

仕事はシステムメンテナンスだったのですが、自分が本当にしたかった仕事はシステム開発。そこにかかわることのできる可能性がないとわかったので、半年で退職することになりました。

転職活動について教えてください。
エンジニアとして半年働いた中で、技術があれば高いモチベーションを維持することができるわけではないと痛感。

やはり、望んでいる仕事にダイレクトでたずさわることができてこそやりがいも生まれるはず。そう思い、自分で転職先を探してミスマッチとならないよう転職エージェントを利用しての転職活動をすることにしました。

すると、担当者の方は最初からシステム開発に特化している企業だけをリストアップしてくれたんです。

エンジニア自体は売り手市場だったこともあり、システム開発が念願だったことを自己PRで前面に押し出したところ幸いにしてスムーズに再就職することができました。

入社1年で退職したKさん

退職までの経緯を教えてください。
英語がずっと好きで、学生時代に留学していた経験を仕事で活かしたいと思い新卒で英会話学校に就職しました。

ただ、働き始めてみると生徒集めがおもな仕事で英語そのものにかかわる時間が少なく「何か違う」という気持ちがふくらんできました。

最終的にはもっと違ったかたちで英語にかかわりたいという思いが強くなり、1年で退職することになりました。

転職活動について教えてください。
前職では一般企業の営業職のように入校人数のノルマがあり、達成することができなければ原因や改善策についてまとめたレポートを作成しなければなりませんでした。

その作業は業務時間外に行わなければならず、少しずつ心身が疲れていってしまったのです。

再就職にあたってはまったく違う世界で自分をリセットしたいと思い、地元を離れた観光地の宿泊施設で採用していただくことができました。

実は外国人観光客への対応が多く英語力を必要とする職場であり、前職や留学経験のアピールを評価していただいたのです。

働きながら自分は英語が好きだと改めて実感することができ、充実した日々を過ごしています。

まとめ

新卒での就職というあらたな船出でつまづきながらも再就職を目指すことは、自らの可能性を信じての再出発です。

社会経験がまだ乏しい中で、自分に適している職業や職場を見つけることは決して楽ではありません。それでもあきらめることなく再就職活動へ取り組むことで、より良い場所は必ず見つかるはず。

長い人生の中で「新卒」とされる時期はほんの何年かであり、見方を変えれば方向転換ややり直しをしやすい時期でもあります。

つまづいたことも人生の糧になる経験であるととらえて、前向きに動いていくことが大切です。