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フリーターとして過ごしていて生活がどうしてもきついとなれば、頭に浮かぶのは就職活動でしょう。

ただ、いったんフリーターになってしまうと就職先を見つけることは困難ではないかという思いが先行するのではないでしょうか?

現実に就職活動は簡単ではないのですが、それでも自分を見つめ直して定職に就きたいという気持ちが生まれたのであればまずは一歩を踏み出すことが重要。

人生を変えることができるのは自分自身であり、何歳から就活を始めても決して遅すぎるということはありません。

フリーターを脱して生活を安定させるためには給料面や待遇面、生活面といったそれぞれについてフリーターと正社員の違いを知ることから始めましょう!

フリーターの生活費事情

実家暮らしか一人暮らしかといった違いはありますが、フリーターは基本的にアルバイトをして得られた収入で生活を成り立たせなければなりません。

そのために、いくつものアルバイト先をかけもちして一生懸命に稼いでいるという人も珍しくはありません。それでも、朝早くから夜遅くまで働いてようやくなんとか食べていくことができる人が少なくないのです。

アルバイトスタッフに支給される給料は時給制で計算される場合が多く、フルタイム勤務ではないことや社会保険の加入対象外となっていることも多々あります。

現状が一体どのようなものであるのか、現役フリーターの方の生活費事情について見てみましょう。

コンビニ勤務のTさん

収入はどのようになっていますか?
給料が良い夜勤を担当していて、シフトによって違いますが1週間に3日から5日ぐらいの勤務です。

午後10時から午前9時までの勤務で、収入は1ヶ月働いて18万円から20万円ぐらいになっています。

どのような生活をしているんですか?
仕事が終わって帰ってからはお昼ごろまで家にいて、午後はミュージシャンを目指して音楽活動をしています。

と言ってもキャリアはまだまだで、週末の飛び込み営業を除いて音楽での収入はほとんどありません。

家賃7万円のアパートで一人暮らしをしていて、光熱費や携帯の料金などを支払うほか音楽で毎月5万円ぐらいの経費がかかるので生活は正直ギリギリ。

今24歳ですが、ミュージシャンとして成功する保証はまったくありませんから本音では将来が心配です。

居酒屋勤務のMさん

収入はどのようになっていますか?
アルバイトとして朝の11時から昼の3時、夕方の5時から深夜2時までの時間帯で1日に3時間から6時間働いています。

1週間に3日から5日の勤務で時給は昼が900円、夜が1,000円となっていて収入は月に10万円から13万円ほどです。

どのような生活をしているんですか?
職場ではまかないとして昼食と夕食がついていて、実家で両親と同居しているので家賃はかからないのですが食費として1万円を入れています。

余ったお金で遊ぶことはありますが、将来的には独立したいので給料はなるべく貯金するようにしています。

実家にいるので生活の不満は今のところないのですが、今23歳で後々のことを考えるとフリーターのままでいけないという意識はあります。

当面はアルバイトをかけもちしてでも、できるだけ早く親から独立することを目標にしています。

警備会社勤務のSさん

収入はどのようになっていますか?
今はアルバイトとして警備会社に勤めているのですが、月間では仕事の量が一定していないので収入は不安定で悩みの種になっています。

給料は日給制で、1日に8時間働いて昼は8,000円で夜が11,000円となっていて残業代もちゃんとついています。

1ヶ月に20日の勤務で20万円ぐらいになりますが、仕事が少ないときは12万円から15万円程度にしかならないこともあります。

どのような生活をしているんですか?
結婚していて小学生の息子もいて、現状は妻がパートしている収入も合わせて何とかやりくりしている状態です。

実は2年前にリストラされて再就職先を探しているのですが、34歳という年齢もあってなかなか思うようにいっていません。

これといったスキルがあるわけでもないので、難しさを感じながらアルバイトを続けています。

正社員とフリーターの生活費をデータで比べてみよう

年齢とともに、正社員とフリーターとでは支出している生活費の差が広がっていっています。

厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、正社員は賃金が20歳から24歳の208,000円に始まり50歳から54歳で400,900円まで増加しています。

非正規雇用者については20歳から24歳で182,200円、50歳から54歳でも209,600円となっていてほとんど変わりがありません。

正社員は通常、勤続年数が伸びていくとともに給料が上がっていくため生活の水準を引き上げることができます。

一方のフリーターは数年勤務していても時給で数十円程度しか昇給しないことが多く、なかなか年収は増えていきません。

アルバイトではボーナスが支給されることも稀であるため、高級品を買ったり海外旅行へ出かけたりするなどの贅沢も難しいところです。

収入の使い道

貯金について

WEBマガジンの「シゴトタイムズ」が実施した給与の使い道に関するアンケートでは、手取りの収入に比例して貯金額が多くなるという結果が出ました。

手取りで30万円以上の月収を得ている人のうち、毎月5万円以上の貯金をしている割合は半数以上となっています。

正社員、フリーターといった働き方の違いにかかわらず誰にでも貯金をしたいという気持ちはあるもの。

しかしながら現実問題として、まずは必要な生活費にお金を使い残りを貯金に回すことが一般的。正社員はその「残り」がフリーターよりも総じて多いため、着実に貯金額を増やしていくことのできる場合が多くなっているのです。

支出について

転職サイトの「@type」が実施した「理想の年収・収入とその使い道」に関するアンケートで、「削れない/削りたくない費用」についての質問があります。

その中では、男性ですと趣味にかけるお金を重視している人の割合が群を抜いて高くなっています。女性の回答はもう少し「現実的」であり、食費と交際費がもっとも高い割合となっていました。

もちろん最優先されるのは最低限の衣食住ですが、その次に目が向くのは人付き合いや自分の楽しみということになるでしょう。

それにしても、やはり収入にある程度の余裕がなければ思うようにお金を使うこともできません。

フリーターは外食などを抑え、洋服にしても必要なものを最小限といったように買い物しています。それに対し、正社員はボーナスも含めて計画的に家電製品や車を購入するなど「大きな買い物」をすることが多くあります。

生活の「格差」が生まれる理由

たとえば、同じ25歳で月収が28万円の正社員・Aさんとアルバイトのかけもちで1ヶ月に30万円を稼いでいるフリーター・Bさんがいるとします。

数字だけを見ればBさんの収入が多いように思われますが、年間にするとAさんには月給12ヶ月分の336万円に加えて給料2.5ヶ月分のボーナスが支給されていて結果的に年収400万円超。

Bさんは1年間がんばっても、単純に30万円の12ヶ月分で360万円ということになり差がついてしまうのです。

また、正社員は自己都合での退職をしたりリストラされたりしない限り雇用が保証されています。フリーターはアルバイト、つまり非正規雇用者ですから職場の都合によって仕事の量が増減し収入を計算しにくいところもあります。

収入が安定しないために不安が大きく、先々の計画を立てることもそう簡単ではありません。このようなところの違いから、日々の生活にしても少しずつ「格差」が生まれてくるのです。

正社員との収入の違いってどこにあるの?

正社員に支給される給料については、職場によって月給制のほか年俸制がとられている場合もあります。

年俸の場合は賞与までをすべて含め、12ヶ月に分割して毎月定額が支給されることになります。いずれの場合にも基本給に加えて住宅手当や資格手当など、各種の手当が加算されています。

フリーターは働けば働いただけ稼ぐことこそできますが、「プラスアルファ」となるものがほとんどないためワーキングプアなどの問題にもつながっています。

保険関係の違い

正社員の保険

正社員になると社会保険へ加入することが義務づけられていて、その負担分が給料から差し引かれることになります。

一般的な社会保険は、以下のようなもの。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 雇用保険

支払いに関しては本人と会社とで半額ずつを負担することになっていて、折半というかたちです。

フリーターの保険

アルバイトとして働くフリーターに関しては、1ヶ月の労働時間数に応じて対象となる社会保険へ加入することは現実的でありません。

非正規雇用者を雇用している企業では社会保険料の負担額が大きくなることを嫌う傾向があるため、あえて加入義務が生じないように勤務時間を調整しているケースも多々あるのです。

結果的に自己負担で国民健康保険や国民年金へ加入しているフリーターが大部分であり、収入の安定しない中で「手痛い出費」となっています。

ボーナスの魅力

正社員として働いている場合、もっとも大きな収入面の魅力となるものはボーナスでしょう。基本的に夏季と冬季とで1年につき2回の支給日が設けられていて、金額を平均すると年間で合計して月収の3ヶ月から4ヶ月分となっています。

実際の金額は職場の業績に応じて変動し、景気が良いときには「金一封」などが別途支給される可能性もあります。

やはり、臨時収入としてまとまったお金が得られることは社会人として働いていく上で大きなモチベーションになるもの。

フリーターにボーナスが支給される例はほとんどなく、稀に支給されるケースでも金額は数千円から数万円程度にとどまっています。

就職活動のしにくさを何とかしよう!

フリーターとしての生活が長くなっていくと、職歴の「空白期間」が長くなっていって就職活動を行う上で人物評価のマイナスになってしまいます。

本気でフリーターから脱したいということであれば、その空白期間をうまくカバーしなければなりません。

一例として、次のような取り組みを応募書類でアピールすると人事担当者の好印象へつながるでしょう。

  • アルバイトをしながらスキルアップセミナーへ参加する
  • 独学でビジネスマナーや仕事の専門知識を身につける

職歴がないことは就職活動のデメリットになりますが、本気で正社員として働きたいという姿勢を見せる努力は不可欠です。

就活とバイトのかねあい

お金の余裕があまりないフリーターは、就活をするにしても収入が途絶えないようにしなければなりません。

ただ、たとえアルバイトと言っても職場の規模やポジションなどによっては大事な戦力です。突然「就職することになったので辞めます」というようでは迷惑がかかり、業務に支障も生じてしまいます。

もし正社員としての採用が決まったときにはスムーズにアルバイト先を辞めることができるよう、就職活動をすいることはあらかじめ話しておく必要があります。

行き詰まりそうなときは…

フリーターという立場にある以上、どうしても就職活動をしていて行き詰まる可能性はあります。どれだけ応募しても面接を受けても採用に至らないということは、現実として多々あるのです。

働きながら就職活動をしていると時間的な制限がありますから、気が付くと何ヶ月も過ぎてしまっているといったこともあります。

そこで、少しでも効率的に就職活動を進めるためには就職エージェントなどを活用することがおすすめです。

就職活動に必要な応募書類の作り方や面接などに関するアドバイスを受けることができ、選考へ臨む上での自信になるでしょう。

まとめ

フリーターは職場を変えやすく時間も自由にすることができるため、「縛られたくない」という人にとっては大きなメリットのある働き方です。

特に20代のうちは、同年代で就職した新入社員の給料がまだ安いということもあって格差を感じにくいもの。

ですが30代となる頃には、収入面にしても生活面にしても明らかに正社員との格差が生まれてきます。

年齢とともに職場では社員が年下となっていき、使われることに対するストレスが増していくといった声はよく聞かれます。

収入が不安定であれば結婚などの将来設計も立てにくくなるため、長い目で見るとフリーターからいかに脱出するかが人生を大きく左右することになるでしょう。