アデコ株式会社が2015年、仕事上のストレスをテーマとしたアンケート調査を実施しました。

そのレポートによると「仕事量が多いこと」、「長時間労働や休暇がとりづらい」といったことがストレスになっている人はかなりの割合になっています。

仕事量が多い企業ではどうしても長時間労働の傾向が強まり、定時では退社しにくくなりがち。残業が増え、それでも処理することのできない仕事は休日出勤で対応するなどしなければなりません。

そういった状況から抜け出すためには、一体どのような職種へ転職すれば良いのでしょうか?この記事では、ワークライフバランスを重視した転職を果たすためにおすすめの職種や転職活動のポイントをお伝えします!

定時に帰れない!休みがない!のはなぜ?

そもそもなかなか定時に仕事が終わらない、あまり休みがないと感じることは普通なのか「甘え」なのでしょうか?

職場によって風土や制度などの問題がある場合、あるいは個人の仕事ぶりに原因がある場合も考えられます。

転職を決める前に、まずは現在の状況を打開する策があるのかどうかを探っていきましょう。

時間外に働かせる企業の事情

当然ですが、就職するにあたっては何時から何時まで働くという勤務時間が決められています。それにもかかわらず定時に帰ることができない理由は、シンプルに業務量が多く仕事が終わらないためです。

業務量に人員が追いつかない企業には社員に残業や休日出勤をさせる、スタッフを増員するという選択肢があります。

あらたな社員を採用すれば確かに業務の効率が上がるものの、人件費はふくらみ仕事が落ち着いているときには人員が余ることに。

社員に時間外の業務をさせることで残業代は発生しますが、トータルで考えると人件費の抑制効果があるのです。

定時で帰りにくい職場の雰囲気

内閣府による「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」結果速報で、労働時間の長い人が職場に感じている雰囲気についてまとめられています。

それによると、自分の仕事が終わっても他の人が残業していると退社しにくいという傾向が見られています。

これは集団志向が強い日本人の特性でもあり、会社という組織の中にあってなかなか自分だけが異なる行動はしにくいのです。

そういうことからか、残業削減の取り組みを進めている企業では管理職者が自ら率先して定時で退社するといったことをしています。

そうすることによって部署のスタッフがみな帰りやすい状況をつくりだしているわけで、逆に言えばそこまでのアクションがなければスタッフが各自の意思で終業しにくいということになります。

また、日本の企業文化では古くから残業や休日出勤で長時間労働をしている社員を評価する風潮が根強く残っています。

ところが、実は同じ業務を担当しながら要領が悪かったために残業していたスタッフが評価されているという実態も。

能力が高いにもかかわらず、定時に仕事を終えることで業務に対して意欲的でないと受け止められることは今後改善されるべき問題です。

仕事に対する資質

定時で仕事を終えることができず、残業したり休日を返上したりしなければならなくなっている人には資質の面で問題があるケースも。

ただ、この場合は自分で工夫するなり周囲へ相談するなどして仕事への取り組み方を改めようとまず考えなければなりません。

いずれにしても、自分の力で問題を解決する道筋を模索した上でどうにもならなければ転職を考えるという順が自然です。

残業が少ない業界への転職を考える

勤務時間や休日といった職場環境の面を重視して転職したい、つまりワークライフバランスを職場に求めるという場合こそじっくり職場選びをしなければなりません。

不十分な業界研究しかしないままで、働きやすそうというイメージを先行させて転職活動に取り組んでいては前職と同じように激務続きとなりかねないのです。

業界によって傾向として残業が多い、少ないという違いがありますからまずはそのあたりを踏まえて考えましょう。

クレジット・信販業界

働く側としてのイメージはあまり伝わってこない業界ですが、残業は少ない企業が多くなっています。

業界の特徴として、たとえばカスタマーセンターなどで利用者からの問い合わせに対応する時間にしてもしっかり決められていて例外がありません。

画一的な対応というと聞こえは良くありませんが、そういった対応を徹底していることで社員としては突発的な業務が発生せず定時で仕事を終えやすいのです。

小売業

長時間労働に苦しむイメージが強い小売業ですが、営業時間の決まっているテナント店舗や専門店などでは残業時間があまり長くありません。

たとえばショッピングセンターなどにテナントとして出店している小売の店舗ですと、センター自体が決めている営業時間の「枠」を超えることができないわけです。

転職先を選ぶにあたっては、どのような業態で運営されているのかに注目すると働きやすい職場を見つけることのできる可能性が高まります。

製造業

日本において製造業は「ものづくり」と称されてきて、経済大国としての成長を支えてきた産業です。

それゆえに歴史のある企業が多く、総じて社員の労働環境を充実させている傾向がうかがわれます。

各社が残業の削減に取り組んでいるほか、労働組合の存在も超過労働を抑制することに貢献しているでしょう。

年間休日と休暇制度に注目して求人探し

残業が少ないとしても、出勤日数が多ければ心身をリフレッシュさせにくいところがあります。

休みの日数を重視して転職したいということであれば休日制度、さらには休暇の制度にも注目して求人を探したいところです。

年間休日の考え方

求人広告の表記

各所で掲載されている求人広告では、それぞれ休日制度に関する情報が載せられていることが一般的です。

一例として、以下のような記載があります。

  • 週休二日制
  • 四週八休制
  • 年間休日○日以上

ただ、表記を文字通りに眺めているだけでは求人元の正確な休日事情について理解することができない危険もあります。

休日表記の「裏」を読む

求人の休日表記については「裏」まで読み取ることが大切であり、週休二日にしても四週八休にしても土曜日や日曜日が休日にあたるかどうかがわかりません。

また、週休二日であれば単純に計算すると1年間のうちに104日の休日があるということになります。この休日は「公休」というものであり、言ってみれば最低限確実に休むことのできる日数です。

そのほかに、各企業では夏季休暇や年末年始休暇などさまざまな休暇制度を独自に設けています。「年間休日」という表記は、規定の休暇日数をすべて含めて休むことのできる日数を指しているのです。

同じ週休二日制だとしても、企業が整備している休暇制度の内容によって1年間で休むことのできる日数にはかなりの違いがあります。

有給休暇の消化率

有給休暇を制度として設けている企業は多いものの、実際に休暇を取得することができるかどうかによって休日の数は異なります。

年間休日数には有給休暇が含まれていないため、考え方としては年間休日数と有給休暇の日数を合計した日数がMAXの休日日数。

ですが、与えられている有給休暇を消化することができなければ休暇はないに等しいということに。

独立行政法人労働政策研究・研修機構による「年次有給休暇の取得に関する調査」では、年休取得率の平均値が51.6%にとどまっています。

休暇を取り残している理由についても、職場の事情に関係しているものが多く挙げられています。

  • 休むことで職場に迷惑がかかる
  • 休んでいては仕事を消化することができない
  • 休んでいる間の仕事を替わってくれる人がいない
  • 誰も休んでいないため取りにくい
  • 休暇を申請しても上司の反応が良くない
  • 勤務評価が行われる際のマイナスとなる不安がある

この数字をそのまま当てはめれば、10日の有給休暇が付与されていても5日程度しか消化することができません。

定時で帰る&多く休めるおすすめの職種

転職先を考えるにあたり、業種を問わず仕事としての性質から残業の少ない職種や休日の多い職種があります。

仕事の内容にこだわりつつプライベートの時間もしっかり確保したいというときに、おすすめの職種をご紹介しましょう!

一般事務職

どの企業にもほぼ例外なく置かれている一般事務職は、会社の利益に直接かかわるのではなく社内を縁の下から支えているポジション。

役割が雑務を含めたルーティンワークですから、別段残業をする必要はなく定時で仕事を終えることが通常です。

勤務時間は8時間ぴったりで土曜日と日曜日、祝日はきっちり休日となる職場が大部分となっています。

受付職

比較的規模が大きな企業や団体を中心として、会社の「顔」となって来訪者を迎えている受付職。

一般的に企業や団体は受付時間を午前9時から午後5時といった時間帯に設定している場合が多く、受付職が対応する時間もそれに準じているため残業が発生することはほとんどありません。

また、カレンダー上の休日には受付業務を行わないことが通常であるため自ずと休日は暦通りになります。

秘書職

秘書職というと、いつ何時とも担当する上司のスケジュールに付き従って行動しなければならないイメージ。

ですが、現実には始業時間こそ上司の出社時間に合わせなければならないもののそこから8時間のうちに仕事の目途をつけて終業することが一般的です。

休日は基本的に土曜日と日曜日、祝日であり上司の業務と関連して休日出勤となる場合は手当や代休による対応がなされます。

転職活動で意識すること

残業の少なさ、休日の多さを希望して転職活動する人は多いことから求人元でも求職者の目に留まりやすい広告を出しています。

耳ざわりの良い文言は魅力的ですが、転職活動では表面的な部分だけでなくその企業の「真実」をしっかり見極めるよう意識しなければなりません。

求人情報を盲目的に信頼しない

さまざまな媒体に掲載されている求人情報の募集要項には、具体的な残業の時間などについて記載されていない場合があります。

記載されているとしても、実態とはかけ離れているという事例が少なからず存在しているため情報を盲目的に信頼することは好ましくありません。

別途口コミを調べたり実際にその企業で働いている人の声を聞いたりするなど、自分なりの情報収集をする必要があります。

そのほか、転職エージェントを利用することで担当者からより詳しい情報を得るチャンスもあります。

「みなし残業」に気をつけて

近年は、労働時間の長さと関係なく給料に一定時間の残業代が盛り込まれる「みなし残業制度」を取り入れる企業が増加してきました。

ですが、そのような企業の社員には支払われる残業代以上の残業をしている人が多くいるのです。そもそも、あまり残業が発生しない企業で「みなし残業」を導入しては不要な残業代を支払うことになってしまいます。

そう考えると、みなし残業制度がある企業はすなわち一定の残業を覚悟しなければならない職場ということですから選択肢として適切ではありません。

まとめ

定時で帰れる仕事や休みが多い仕事を求めるにあたっては、まず現職の仕事で状況を打開することができないかどうかを考えてみましょう。

転職活動して別の仕事を探すしかないとなれば、さまざまな理由で人を欲しがっている企業の求人からワークライフバランスを追求することのできる転職先を見つけなければなりません。

残業が少ない、休日が多い業界や職種にフィーチャーして職場を探すほか社員の働きやすい環境を実現しようと取り組んでいる企業をじっくり探しても良いでしょう。