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ピアノの腕を活かせるピアノ講師の仕事は、趣味と実益を兼ねた一石二鳥だと世間ではみられがちですが、実際はそんなに美しいものではない!と思っているピアノ講師の人も多いのではないでしょうか。
プロのピアニストになれない…でも、自分の生きがいであるピアノから離れて生きるのも怖い…という理由でピアノ講師になった人も少なくないでしょう。
それだけに、仕事としてピアノの技術を教えるという教育者的な側面と、アーティストとしての側面の二面性のはざまで、「自分って一体何のためにピアノを教えているんだろう…」「辞めたい…」と思う人もいるのではないでしょうか。
ここでは、ピアノ講師として働いていたけれど、辞めたいと思った悩みや理由、そして実際にピアノ講師からの転職先や、転職に成功した人の声を紹介します。
ピアノ講師を辞めたい!みんなの悩み・転職理由は?
ピアノ講師といっても、大人向け、子ども向け、個人教室、ヤマハやカワイなどの音楽教室勤務など、さまざまなカタチがありますよね。
そのタイプ別に、こんな悩みを持つピアノ講師が増えています。
悩み1:アーティスト?教育者?どっちつかずの人生が辛い
ピアノ講師の人は、音大を出てピアノを本格的に学んできた人が多いと思いますが、プロのピアニストとして生活していけるのは、その中でもほんの一部ですよね。
国際的なコンテストや、国内の名高いコンテストで優勝経験がなく、そのまま就職に困ってピアノの講師になったという人も多いでしょう。
そんな場合、悩みは「プロになりたかった」「ピアニストとして生きていきたかった」のにもかかわらず、ピアノ講師になったことで、「どうしたらこの子(人)を育てられるだろう」という教育者としての悩みも併せ持ってしまうことですよね。
はたからみれば、「ピアノを人に教えられるくらいうまいなんてすごい!」と思われますが、プロとしてやっていける寸でのところまで行ったことがある人ほど、アーティストとしての一面を捨てきれずに歯がゆい思いをしているのではないでしょうか。
悩み2:ピアノ教室激戦区では、生徒獲得に四苦八苦
個人教室の場合、ピアノ教室の生徒は、自分で獲得しなくてはいけませんよね。生徒からの口コミや紹介、今ではインターネットやSNSなども使って、自分で宣伝活動もしなければいけないので、ピアノだけ教えていればいいというわけでもなく、生徒獲得に大変な思いをしている人も多いでしょう。
しかも、ピアノ教室が多い地域では、特に大手音楽教室と生徒(顧客)の取りあいで、せっかく個人教室で集めた生徒が、大手音楽教室の大々的な広告やお金をかけたイベントで持って行かれる…ということもあり、本当に苦しいところですよね。
悩み3:やる気のない生徒に教えるのが辛い
特に幼児や小学生などの習い事の場合、自主的にピアノ教室に通っている子どもは少数派で、たいていは「親に習っておいたほうがいいと言われたから」という消極的な理由でイヤイヤ通っている生徒もたくさんいますよね。
こちらも教育者としての一面もあるので、なんとか上達させようと思うのですが、自宅でまったく練習せずに毎週やってくる生徒の相手をしているうちに「なんで来てるの?」とイライラする人も多いのではないでしょうか。
月謝を払っているのは親だから…と、しぶしぶピアノ教室に来られても、正直なところ、やりがいを持って指導にあたるのは難しいですよね。
ピアノ講師から転職 ~悩みを解消できる転職先、経験やスキルを活かせる転職先は?~
ピアノ講師になるには特に資格も必要ないため、転職するにしても無資格の状態で求人を探し始める人が多いのではないでしょうか。
専門職からどんな仕事に転職できるのか不安な人も多いと思いますが、実際にピアノ講師を辞めて、新しい世界で活躍している人もいます。
では、ピアノ講師から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。
大手音楽会社のピアノ講師に転職
個人でピアノ教室を開いていると、確定申告、生徒募集など、ピアノを教える以外にもさまざまな雑務が多く、わずらわしいですよね。
ピアノを教えることだけに集中したい!という場合、大手音楽会社のピアノ教室に転職するという方法があります。
大手音楽会社の場合、生徒募集は事務局が、社会保険などの事務処理も事務局が担当してくれるので、講師は純粋なピアノ指導に集中することができます。
また、月収30万円という会社もあるため、個人でピアノ教室を経営するよりも、雇用されたほうが収入が上がるという人は、特に大手音楽会社に転職することをおすすめします。
事務に転職
個人教室で不安定な毎日はもうこりごり…というピアノ講師の人の中には、企業の事務職に転職していく人も多いです。
ピアノ講師は、大学でも音楽系の勉強に専念してきた人が多く、ビジネス系の検定や資格を持っていない場合が多いのですが、自力でMOSなどの資格を取得し、事務職で安定の日々を過ごしている人も増えています。
保育士に転職
保育士は国家資格ですが、専門学校や短大・大学に通わなくても、国家試験に合格すれば資格を取ることができます。
学科試験では専門的知識を問われますが、通信教育等で十分対応でき、実技試験ではあなたのピアノのスキルがものを言わせるでしょう。
保育士になると、オルガンやピアノを演奏する機会はほぼ毎日であり、子どももピアノも大好き!という人に向いている転職先です。
ピアノ講師からの転職体験談
プロになりきれなかったという悔しさを、後人の育成に活かそうという強い思いがなければ続けられないピアノ講師の仕事を、辞めたい!と思ったことがない人は少なく、多くの人が転職を考えていることでしょう。
では、実際にピアノ講師の仕事から異業種・異職種の仕事に転職して成功した人は、どんな仕事に就いているのでしょうか。
ピアノ講師から有名学習塾の事務職に転職(女性 当時20代前半)
大手音楽教室のピアノ教室で働いていました。これがかなりのブラックで、交通費も出ないし、発表会の伴奏代も小学生のお小遣いレベル、挙句の果てに生徒に重傷なクレーマーがいて、個人では対応しきれずに上に相談しても「あなたの生徒でしょ」と一蹴され…もうここに長くいても意味がないと思い、退職しました。
求職期間中にMOSを取得、年齢が若いこともあってか、地元の全国展開している学習塾の事務職に転職できました。
対人関係で悩むことはなくなったし、お給料も少しですがアップしたので、ピアノは趣味の範囲で続けていきたいと思います。
ピアノ講師から楽器営業へ転職(男性 当時30代前半)
音大を出て、他に特技もなかったので、大手音楽教室で講師をしてました。ところが、運悪くバイクの事故で右手小指を骨折。
会社からはやんわりと「使えないからやめろ」という扱いをされ、未経験歓迎の文字と楽器という言葉にひかれて楽器の営業に転職しました。
土日休みで年間休日日数も120日を越え、福利厚生が充実しているところが気に入っています。
ピアノ講師から保育ママへ転職(女性 当時30代後半)
個人教室を経営していましたが、不景気で生徒がたくさん辞めていき、やりがいも収入も失ってしまい、保育ママに転職しました。
今は働くお母さんを支えています。子どもたちはピアノをひいてあげるととても喜び、保育の売りのひとつになっています。
口コミで地域のお母さん方に広まったのか、お預かりする子どもの数も増え、収入も増えてきました。