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リクルートエージェントとマイナビエージェントは、大手総合型の転職エージェントの中でも、好対照な性格の会社なのですが、一般の方には、そんなことは分かりませんよね?外からはその差はなかなか分かりづらいものです。

そこで今回も、元転職エージェント、キャリアドバイザーだった私が、「元業界人」の視点で、両社の違いを分かりやすく比較していきたいと思います。

比較の視点で重要な点は、やはり「両社のビジネス構造の違い」です。この違いが、両社のサービスにどのように出てきているか解き明かすことによって、両社を賢く活用する方法が見えてくると思います。

今回はまず、両社の違いが如実に現れる、紹介求人から比較してみることにしましょう。

リクルートエージェントとマイナビエージェントの求人数を比較

リクルートエージェントは、業界最大手の求人数を誇り、求人数を測る指標になる非公開求人数が、HPによれば、10万社を誇っています。

一方のマイナビエージェントは件数を公開していないものの保有求人の80%が非公開求人です。

しかし、ネットの口コミサイトなどでもお分かりのように、実際に紹介される案件数の比較では、リクルートエージェントの方が圧倒的に多いです。

リクルートエージェントは、この業界最大手というブランドを打ち出すことにより、多くの企業の人事部から、「まず転職エージェントに頼むならリクルートエージェント」という信頼を勝ち取っているのです。

また、その圧倒的な情報量に期待して、優秀な転職者が集まり、その人材のデータベースが、多くの優良企業からの信頼を得る、という好循環を生み出していることが特徴的で、それが求人数に如実に現れているわけです。

一方で、上記のような求人数による対抗ができないマイナビエージェントは、1件1件の転職案件を大切にする、という質的な面で対抗せざるを得ないのが実情と言えるでしょう。

しかし、むやみに数を追わない営業姿勢は、マッチングの精度の高さとなって現れ、転職者からは高い評価を得ている転職エージェントという好循環を生み出そうとしています。

よって、数多くの転職情報から積極的に選んでいきたい方にはリクルートエージェント、マッチングの精度の高さからじっくりと選んでいきたい方は、マイナビエージェントという選択の違いが生まれてきます。

リクルートエージェントとマイナビエージェントの求人の質を比較

リクルートエージェントは、先ほども述べたように、業界最大手というブランドを確立しているため、大手から中小の優良企業まで、幅広い業界、そして大手・中小といった幅広い企業レベルから、優良な求人を数多く獲得しています。

求人開拓力は圧倒的に高い転職エージェントです。

これに対し、マイナビエージェントは、設立の経緯が、もともと毎日コミュニケーションズという求人情報会社から出発したこともあって、全体的な傾向が、まだまだ中堅企業に偏りがちです。

その背景として、また、企業の人事部も「マイナビに頼むのは、“転職者”ではなく、“求人広告”」という意識のところが多いからです。

企業の人事部では、全体的な業務量のボリュームの中で、中途採用にかける事務量は限られています。中途採用によほど熱心な会社でない限り、10社も20社も転職エージェントに頼むことはまずありません。

せいぜい5~6社といったところでしょう。その中にマイナビエージェントが選択される可能性は、最大手でまず頼まれるリクルートエージェントと比べて低くなるわけです。

また、独立した転職エージェントであるリクルートエージェントと違い、求人広告などの多角化した事業の一環として存在しているマイナビエージェントは、求人開拓(売り込み)に「必死さ」がやや欠けるといった印象があります。

私も企業の人事の仕事をしていますが、かかってくる電話営業の比率がマイナビエージェントは高くない・・・、という印象があります。

こうした点から、業界の最大手から中小までまんべんなく情報を収集したい方は、リクルートエージェント、中堅企業中心に転職を考えている方はマイナビエージェントという違いが生まれてきます。

リクルートエージェントとマイナビエージェントのサービス形態を比較

リクルートエージェントとマイナビエージェントのサービス形態で典型的な違いの1つは、そのサービスの利用期間です。

リクルートエージェントが、業界最大手というポジションを継続的に維持する秘訣の1つは、転職情報の鮮度を維持することです。

そのため、サービスの利用期間を6ヶ月に制限することによって、転職者がアクティブに動いている層に絞ってサービスする、ひるがえって考えてみると、それだけ転職者を「追い込んでいる」サービスといえます。

一方、マイナビエージェントは業界最大手というブランドを追う必要がない代わりに、一人一人の転職者にじっくり向き合って転職サポートができます。転職サービスの利用期間に特に制限はありません。

よって、短期集中型で転職活動に取り組む方はリクルートエージェント、現職が多忙だったりして時間が取れず、じっくり転職先を探したい方はマイナビエージェントという利用の選択肢が合っているでしょう。

リクルートエージェントとマイナビエージェントの転職者へのサポートの質を比較

両社の転職サービスの違いは、転職者へのサポート(転職支援コンテンツ)の差にも表れてきます。

リクルートエージェントの強みは、進学、就職、転職、結婚、転居、旅行等、人生の様々なライフイベントに対応する情報誌、情報サイトを充実させている、リクルートという総合情報サービス業のバックグラウンドがあるということです。

そのため、転職エージェントからすれば、本来ならば持ち出しの経費になることが多く、力を入れづらい転職者へのサポートサービスに積極的です。

様々な転職活動のお役立ちコンテンツだけではなく、職務経歴書や面接対策のセミナーも頻繁に開かれています。

ただし、こうした転職サポートは、あくまで業界最大手というブランドを維持するために仕組み化・マニュアル化されたものであって、個別のオーダーメイドなニーズへの対応は弱いです。

これに対し、マイナビエージェントの転職サポートサービスは、多くの口コミサイトでも知られているように、マンツーマンが基本のようです。

一人一人にじっくりと面談時間を取り、個別の事情に合った転職先の紹介に力を入れていることが分かります。

どちらが王道、というわけでもないのですが、私は、転職慣れしていない人が「転職活動のイロハ」を覚えるならリクルートエージェント、個別のニーズなどが具体的に固まっている人にはマイナビエージェントをおすすめします。

リクルートエージェントとマイナビエージェントのアドバイザーの質を比較

最後に、両社のアドバイザーの質を比較してみましょう。

リクルートエージェントのビジネスは、高度に仕組み化・マニュアル化された転職支援システムで、大量の求人開拓・大量の求人紹介を高いレベルで実現させています。

よく、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがマニュアル的だとの指摘もみられますが、それを差し引いても、キャリアアドバイザーの平均レベルの高さは、業界トップクラスといっていいでしょう。

これに対し、転職エージェント業界に参入したのが後発組であるマイナビエージェントは、まだそこまで全体レベルの底上げは出来ていないようですが、親身なマンツーマンのサポートが非常に好評で、口コミサイトの平均点もリクルートエージェントをしばしば上回っています。

リクルートエージェントでは手が届かないオーダーメイドな転職事情にもコミットした姿勢が評価されているのだと思います。

ただ、口コミサイトを鵜呑みにすることなく、転職エージェントの「企業姿勢」「ビジネス構造」としての違いから、キャリアアドバイザーの質を冷静に「査定」する姿勢が必要だと思います。

私は、どちらにも一長一短があると思っています。リクルートエージェントはソツがありませんが、マニュアル化され過ぎているところが、個別のオーダーメイドな転職事情に立ち入ったサポートが難しいと感じています。

一方、マイナビエージェントは、親身さを強調するあまり、転職者のニーズを汲みすぎる、第三者的な「アドバイザー」としての転職サポート力に弱さを感じています。

最後に

転職エージェントとしては、両社が好対照な性格を持った会社であることがお分かりいただけたでしょうか?

比較記事として今回、書かせていただいていますが、個人的には、両社を併用すれば、お互いの長所・短所を補えあえる、素晴らしい転職活動のパフォーマンスを出せるのではないか、と思っています。

是非、ご自身でも一度両社を訪問してみて、違いを肌で感じ取ってみてください。言葉では伝わらない部分がきっと伝わると思います。

その際に、本記事で語ってきたことを頭に入れておくだけでも、転職エージェントとの賢い付き合い方が分かってくると思います。

転職活動のご成功をお祈りしています!