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国家公務員は国を動かす原動力となって国民全体にかかわる仕事が行えるため、やりがいを感じている人がいる一方で、厳しい試験をパスしたにもかかわらず、「辞めたい…」と思って働いている人もたくさんいますよね。

では、国家公務員はどんなときに仕事を辞めたいと思うのでしょうか。そして、転職を決意したら、どんな職種・業界が合っているのでしょうか。

国家公務員を辞めたい人の悩み・理由

公務員の中でも、試験の難易度が高く、ハードルの高い国家公務員。せっかく国家公務員になれたのだから、転職するなんてもったいない!と転職を周囲にとめられる人もいるのではないでしょうか。

でも、実際に働いている国家公務員の人は、「もったいない」なんて言っていられないほど、こんな悩みを抱えながらガマンしていませんか?

悩み1:公務員は定時退社なんて都市伝説!土日もサービス残業で辛い

国家公務員の仕事は一般職と特別職にわけられますが、どちらの仕事も定時退社とは無縁の時間外労働が非常に多い仕事ですよね。

国家公務員一般職の人は、とにかく書類仕事が多く、21時に帰れればまだいいほうで、忙しい時期には日付が変わるギリギリまで残業する毎日の繰り返しで、本当に疲れますよね。

「公務員は9時から17時で終わるからいいよな」なんて皮肉を言われることもありますが、国家公務員のうち、定時であがれるのはホントに一握りではないでしょうか。

ほとんどの国家公務員は日付手前まで残業し、それでも終わらなければ本来は休日である土日や祝日にも出勤してサービス残業をしていることもありますよね。

公務員削減の余波は、現在必死に働いている国家公務員に直に響きます。あと1人でいいから新しく入ってくれれば仕事がラクになるのに、民間企業のようにはいかず、頭数の少ない国家公務員で山のような仕事をこなすのですから、残業は増えて当然ですよね。

家にいる時間よりも職場にいる時間のほうが長い…しかも土日のサービス残業には何の手当もつかない…給料をもらっても、それを使うヒマがない…なんて、こんなにひどい労働環境が国の仕事なんて、情けなくなる人も多いでしょう。

悩み2:法令がかわるたびに業務が増える!変化の多さについていけない

国家公務員は国民のため、国の運営のための仕事が多く、法令や通達などがあると、その解釈を行って、かみ砕いて書類に起こしたり、国民に向けたリーフレットの作成などを行う仕事も含まれているので、コロコロと変わる法令、内閣、大臣に振り回されて大変ですよね。

また、国家公務員だからこその悩みですが、こういった細かな変化を反映させる仕事について、上からのチェックは非常に厳しいものです。

この法令の解釈はこうじゃない、この法令の解釈を入れ忘れている、そもそも文章の意味を取り違えている、もっとわかりやすい表現にしろ…。

法令がかわるたびに非常に細かい仕事が待っているため、ストレスもたまりやすい状態が続くのが国家公務員の辛いところですよね。

悩み3:高くはない年収…昇給しにくく、年をとればとるほど不安になる

国家公務員は、等級にしたがって一定の昇給をしていくものですが、55歳を過ぎた国家公務員の昇給はストップされることになり、家のローンや子どもの学費などと使う予定のあった一部の国家公務員は落胆した人も多いでしょう。

税金の無駄遣い反対!の声が高くなれば、この昇給停止の年齢は引き下げになることがカンタンに予測できるため、いつ自分の昇給がストップするのか、ハラハラしながら働いている人も多いのではないでしょうか。

国家公務員の一般職だと、年収は350万円ほどです。一般企業でバリバリ働いている同年代の人と比べると、まったく相手にならないほど低いということもあるでしょう。

それに加えて昇給がある程度の年齢でストップするとなれば、結婚したり、子どもを持つ覚悟もなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。

悩み4:拒否できない…度重なる転勤や異動がきつい

国家公務員は、国からの人事異動に服する義務があり、断れば昇任できなかったり、処分の対象となる可能性もあるため、転勤や異動の時期になると戦々恐々としますよね。

有望な人ほど2年ほどの短期で全国的な転勤を命じられるため、婚期が遅れたり、結婚している場合は子どもの転校、単身赴任で心身の負担が重なって体調を崩しやすくなるというさまざまなリスクもあるでしょう。

国家公務員になったら最後、最初の勤務地のままでいられる可能性はほぼゼロに近いため、マイホームを持つことが難しいという悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。

「国家公務員を辞めたい!」から始める転職活動

国家公務員になるまで、ストレートで合格した人も、学校に通って勉強して、何年かのブランクがあってようやく合格した人も、「せっかく国家公務員になったのだから、辛いからといって辞めるのはもったいない」と思っていませんか?

でも、いくらもったいないと思っていても、体調を崩したり、精神的に追い詰められて休日もまともに休めないようでは、元も子もありません。

もったいないとは思いながらも、国家公務員を辞めて転職し、他の業界で、他の職種で活躍している人もいます。では、国家公務員から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

地方銀行のコンサルティング

国家公務員の中でも国税庁など、専門的な知識を有する人は、その知識を活かさない手はありません。

ある程度年齢を重ねた人でも、前職が国家公務員で、金融・税金に関する専門的な知識があるならば、かなりの即戦力となります。

それでもいきないメガバンクにジャンプアップするのは抵抗がある…という人におすすめなのが、地銀のコンサルティング業務です。

法人営業となれば、企業のトップと直接対話をしながらコンサルティングをすすめていけるため、国家公務員時代のような、自分の仕事が何につながっているのかわかりにくいという悩みもなくなるでしょう。

外資系企業の営業職

国家公務員の安定した収入、高いステイタスを手放すのがもったいないけど、自分自身で仕事の裁量を決めてバリバリ働きたい!という人におすすめなのが、外資系企業の営業職です。

外資系企業は実力重視のため、その実力を測る材料としてキャリアも精査しています。国家公務員というラベルは、それを証明するには十分な材料です。

外資系企業では、細かな仕事から大きな仕事まで、社員がひとりで動かすというかなり個人の裁量の大きな仕事となっています。

出張に行くとなれば、事務に宿泊や交通の予約を依頼していた国家公務員時代と違って、小さな仕事も自分でやらなければいけない一方で、いつ、誰とアポをとって、どんな新規開拓をするのかはあなたにかかっているため、「誰かに動かされている感じ」から解放されてバリバリ働くことができます。

また、外資系企業の営業職は年収が800万円~とかなりの高収入ですから、これもあわさってかなりの手ごたえが得られるでしょう。

大学の教員

国家公務員の中でも、一般職ではなく、特別職だった場合、立法機関である国会、司法機関である裁判所などで実務経験を積んできた人がいるでしょう。

そのような場合は、その貴重な経験と専門的な知識を活かして、教育者になるという選択肢があります。

実際に、ある大学では、元国家公務員(特別職)を講師や教授として迎えているところもあり、ステイタスも年収も高い大学教員のポストは人気となっています。

大学全入時代、今後のことを考えればいつなくなるか分からないような私立大学よりは、国公立の大学のほうが狙い目ですが、公募されているので競争率が高いため、なりたい!と思っても必ずなれるわけではありません。

公募が出ていないか、大学の公式webサイトなどを頻繁にチェックしておくことをおすすめします。

国家公務員からの転職体験談

同級生や同僚が遊んでいる間も勉強して、やっとの思いでなった国家公務員を辞めるというのは、かなりの覚悟が必要ですよね。もったいない…という思いを最後まで消せない人も多いでしょう。

しかし、実際に国家公務員を辞めて他業種・他職種へ転職してよかった…と感じている人はいます。

では、実際に国家公務員を辞めた人は、どんな業界で、どんな仕事をしているのでしょうか。

国家公務員からドラッグストア販売員に転職(女性 当時30代前半)

2年おきに転勤を命ぜられ、退職する直前に転勤になったのが東北の中でも開発の進んでいない地域で、東京都内で育った自分にとってかなりのギャップがあり、生活が困難になって退職しました。

失業期間中に登録販売者の資格を取得し、今はドラッグストアに勤務しています。国家公務員時代の100時間残業から比べれば、どんな仕事もかなりラクだと思いますが、残業もあまりなく、週に2日は必ず休めるので、元々の趣味だった音楽活動を再開することができました。

国家公務員からインフラ系事務職へ転職(男性 当時20代後半)

国家公務員にストレートで合格してから、3年で体調を崩して退職しました。元々体力がない方でしたので、事務職ならまだいけるかと思い、某インフラ企業の中途採用に応募したところ、採用されました。

真面目で事務作業の早いところが馴染んで、年収もそれほど下がらずに済んだのがよかったと思います。

国家公務員から外資系企業の営業職へ転職(男性 当時30代前半)

留学経験を経て中央省庁に勤務してきましたが、転勤先の上司から毎日毎晩パワハラ行為を受け、耐えきれずに転職することにしました。

外資系保険の法人営業となって3年が経ちますが、国家公務員時代から比べると、年収は40%ほどアップしました。

元々外向的で話し好きな性格のため、この仕事が向いていたのだと思います。残業もあるし、持ち帰りの仕事もありますが、それを含めても収入とやりがいの面でカバーできています。