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不安定な日本経済に振り回されることなく、安定した職業に就きたい…そんな思いで地方公務員になった人は多いのではないでしょうか。

でも、地方公務員には独特の悩みがあり、多くの地方公務員は「辞めたい」と思いながらも生活のためにガマンしていたり、せっかく公務員試験に通ったのだから辞めるのはもったいない!という気持ちで働いている人も多いでしょう。

実際に地方公務員の中で、長期休業している人は年間1.7万人以上もいて、「辞めたい…でも…」と、転職を躊躇している人がたくさんいるのです。

では、地方公務員が仕事を辞めたいと思うのは、どんな理由があるからなのでしょうか。

地方公務員を辞めたい人の悩み・理由

一度なれば、どんなに世の中の景気が悪くなっても一定の収入を保てて、よほどのことがなければクビになることもない地方公務員は、いつの時代でも人気の職業です。

そんな人気の地方公務員を辞めてしまうなんてもったいない…と思っていませんか?でも、そんなことも言ってられないほど、地方公務員には頭を抱えてしまう悩みがあります。

悩み1:地方公務員あるある!職員がみんな“個性的”で独特の雰囲気が辛い

利用者として役所などに行ってみると、対応の横柄さ、職員同士の雰囲気の悪さ、言い回しの分かりにくさなど、さまざまな点が目につきますよね。

地方公務員になってしばらく経つと感覚がマヒしてしまいがちですが、地方公務員で役所仕事をしている人には、かなり個性的な人が多いですよね。

入ってまもなくはみんな初々しい時代があるものの、特に転勤もなく、異動があっても同じ都道府県内で済むことが多いため、職員との関係もなあなあになっていき、“地”の部分が出てきてしまうのでしょう。

また、閉鎖的で排他的な雰囲気もあって、元来外向的で社交的な人が地方公務員になると、かなりの居心地の悪さで辛い思いをしますよね。

悩み2:そんなにヒマ?私語が多くて仕事の邪魔

地方公務員の中でも、忙しい時期とそうでない時期との差が激しい部署にいる場合、悩みのタネとなるのが業務中の私語ではないでしょうか。

業務が落ち着くと、手を持て余した職員同士が悪びれもなく私語を交わすので、まだ仕事のある近くの部署の人や、同じ部署でも気になりますよね。

しかも、私語の内容が本当にどうでもいいことだからたまったものではありません。たとえば元同僚の悪口、違う部署の職員の恋愛事情など、仕事の時間中に堂々とするには普通憚られるような内容の私語が絶えません。

そんなにしゃべってるヒマがあるなら手を動かしてよ!と思ってしまいますよね。

悩み3:市民からのクレームが恐すぎて辞めたい

地方公務員で、役所に勤務している場合、一般企業と違って働いている姿が市民から丸見えになっているため、少し気を抜いているところを見られて気まずい思いをすることもあるでしょう。

また、市民を相手にしている仕事の中でも、生活支援課は生活保護の申請を受け付けたり、申請の却下を申し渡したりするという精神的にかなりハードな仕事です。

生活支援課の窓口では、「あの人は生活保護がもらえて、私がもらえないのはどうして?!」「殺す気か!!」などと怒号が飛び交うこともあり、地方公務員としては言い返すこともできずにクレーム処理に徹する…という辛さがありますよね。

ミスがあれば「税金で食べてるくせに!」「しっかりやらなくても税金で生きていけるしね」などとイヤミを言われることもあって、言い返せないストレスから胃が痛くなることが多いのではないでしょうか。

「地方公務員を辞めたい!」から始める転職活動

地方公務員になるまで、ストレートで合格した人も、社会人経験者枠で何年かのブランクがあってようやく合格した人も、「せっかく地方公務員になったのだから、辛いからといって辞めるのはもったいない」と思っていませんか?

でも、いくらもったいないと思っていても、体調を崩したり、精神的に追い詰められて休日もまともに休めないようでは、元も子もありません。

もったいないとは思いながらも、地方公務員を辞めて転職し、他の業界で、他の職種で活躍している人もいます。では、地方公務員から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

民間企業運営の図書館の司書

市民からの直接的なクレームに嫌気がさした人におすすめなのが、図書館の司書です。司書になるのに年齢制限はないため、地方公務員に嫌気がさした人が思い立って司書講習を受けて資格を取得することができます。

また、大学や短大で所定の単位を修得しても司書の資格を取得することができます。

市や県が運営している図書館の職員は、地方公務員ですから、異動などがあって、また元の木阿弥に戻る可能性があるのでおすすめできません。

図書館の司書に転職するなら、民間企業や団体が運営している図書館を選びましょう。異動がないため転職後はずっと司書の仕事に携わることができ、静かな環境で安心して働くことができます。

一般企業の事務職

地方公務員の転職先としてメジャーなのが、企業の事務職です。元公務員という事実は、「まじめ」「仕事が早い」「地頭がいい」ということを証明するものであり、そのどれも事務職員に適しているからです。

一般企業の中でも、一部上場企業の事務所ともなれば、地方公務員時代よりもはるかにいい給与をもらっている人がたくさんいます。

また、さまざまな経験を積んだ人が務めているので、風通しも良く、公務員独特の個性の強さとはいい意味で違った職場環境で働くことができます。

公務員専門学校の講師

景気に左右されない地方公務員の仕事は、「そこそこ」を目指して安定を重視する最近の新卒世代にも人気の仕事です。

地方公務員試験をパスしたという事実は変わらないので、その経験を活かして専門学校の講師になるという選択肢もあります。

公務員試験合格をめざす学生のために、公務員試験の対策と傾向を考えたり、学生の進路指導を行ったりと、若い世代とコミュニケーションをとりながら仕事をするため、常に新鮮な気持ちで仕事にあたることができます。

地方公務員からの転職体験談

なりたくてもなれない人がたくさんいる中で、地方公務員を辞めるというのは、かなりの覚悟が必要ですよね。もったいない…という思いを最後まで消せない人も多いでしょう。

しかし、実際に地方公務員を辞めて他業種・他職種へ転職してよかった…と感じている人はいます。

では、実際に地方公務員を辞めた人は、どんな業界で、どんな仕事をしているのでしょうか。

地方公務員から司書に転職(女性 当時30代前半)

地方公務員として、東北地方のある役所に勤務していたのですが、上司がかわってから嘘のようにストレスで当たり散らされることが毎日となり、耐えられずに転職を決意しました。

大学時代に司書の資格を取っていたのを思い出し、首都圏の民間企業が経営する図書館の司書に転職しました。

年収は10%ほどアップしただけで、そんなに違いはなかったのですが、上司に恵まれたのと、大好きな本に囲まれて働けているので、転職をしてよかったと感じています。

地方公務員から専門学校講師へ転職(女性 当時40代後半)

地方公務員歴20年ほどで、親の介護をすることになり、休職後、いつまで介護休暇をとればよいかわからない状態になり、結局退職する運びとなりました。

親がその後すぐに他界し、退職したことを後悔しましたが、北陸地方で公務員の専門学校が新しくできることを知り、そこの公務員学科の講師として働いています。

元公務員というキャリアが印籠になるらしく、学生たちは割と素直に言うことをきいてくれますし、なによりこの年齢で年収もそんなに変わらないところへ転職できたので、それだけでもよかったと思います。

地方公務員から生花店へ転職(男性 当時30代前半)

元々親が経営していた生花店を継ぐのを断るために地方公務員となり、仕事はまあまあこなしていましたが、ストレスで体を壊して休職することになりました。

あまり休職期間が長引くと申し訳なくなり、結局退職することになりました。退職後は順調に体調が回復し、「地方公務員が向いてなかったのかな」と思い、家業を継ぐ決意が固まりました。

妻とも相談して店を継ぎ、少し改装して手を加え(公務員時代からの貯金が役立ちました)、今は地元でかわいがられる花屋になっています。

公務員時代のような特殊なストレスはなく、自分のペースで働けているので、体調もいいです。