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日本の企業のほとんどは中小企業ですが、これらの企業も大企業と同じく、安定した経営を行うためには企業経営に関するコンサルティングが必要です。

また、中小企業では国などの公的機関からの補助金や、金融機関から融資を受けて経営している企業も少なくありません。

中小企業診断士は、これら中小企業が抱える課題に対し、適切なアドバイスや支援を行うことができます。とりわけ、補助金や金融機関の融資を受ける際、企業とのつなぎ役として活躍することができるでしょう。

今回は中小企業診断士の資格を活かして就職したいという方にアドバイスします。

中小企業診断士の資格を生かせる職業

中小企業診断士は企業経営の専門家であることから、資格を生かせる職業も企業経営に関する業界が中心です。

しかし中には、資格試験対策講座の運営企業という職業でも活躍できます。

どのような職業があるか、詳しく見ていきましょう。

経営コンサルタント

中小企業診断士の資格を最も生かせる職業は、経営コンサルタントといえるでしょう。

中小企業経営者は多忙なことが多いものです。日々の業務に忙殺されてしまい、経営における根本的な問題に気がつかない場合もあることでしょう。

中小企業診断士は経営者に代わって、経営の専門家としての立場からさまざまな問題点を見つけ、解決に向けたアドバイスを行うこととなります。

経営計画の作成や資金調達のアドバイスをする場合もあるでしょう。金融機関からの借入や、公的機関の補助金制度の案内や申請の代行なども主要な業務の一つです。

仕事は週休2日制で、土日は休みの場合が多いです。また必要に応じて残業が発生する場合もあります。

月給は企業や能力により差があり、22~60万円程度となっています。

企業の信用調査業

中小企業診断士は、企業の信用調査会社でも活躍することができます。

企業が他社と取引をするとき、相手先企業の経営状態を調査することが広く行われています。これは、企業間取引はその都度ではなく、例えば1ヶ月単位で区切って請求することが一般的なためです。

その際、製品やサービスを納品したにも関わらず支払がされないと、売掛金の回収ができず経営が悪化する原因となります。

そのため取引を開始する際には事前に企業の信用調査会社に問い合わせ、相手先企業の経営に問題がないか確認しています。

中小企業診断士はこのような企業の信用調査にあたって、調査員として活躍することが期待されます。経営に精通しているメリットを生かし、専門家として精緻なチェックができるでしょう。

調査にあたってはヒアリングも行うことがありますから、必要な事項をうまく聞き出す能力も必要です。またわからないことをわからないままにせず、納得いくまで調べる姿勢も必要でしょう。

なお、月給は22~35万円程度となっています。

企業の管理部門

中小企業診断士と管理部門とは、意外な組み合わせに思うかもしれません。しかし企業が新しい道に踏み出したり、大胆な経営改革を行いたいと思った場合、中小企業診断士は力強い味方になります。

企業が変わりたいと思ったときは、事業戦略や経営改革といったものが必要となります。中小企業診断士は経営のプロという視点で問題点を発見し、解決のための方策を提示することができるでしょう。

そのためには、自ら積極的に経営に関わる姿勢が求められます。月給は企業や役職によって異なり、20~50万円前後です。

試験対策講座の運営企業

これから企業経営に関する資格を受験する人に向けた試験対策講座を企画・運営する仕事にも、中小企業診断士の資格を生かすことができます。

経営の専門家として中小企業診断士に限らず、さまざまな資格教材の開発について、有益なアドバイスをすることができるでしょう。

試験対策講座では鮮度の高い、かつ正しい情報を提供する必要があります。そのため、制度の変更など世の中の動きに敏感であることが求められます。また、簡潔にわかりやすく説明できる人が向いているでしょう。

月給は20~40万円前後です。

中小企業診断士を武器に就職したい人へのアドバイス

中小企業診断士をお持ちの方は、企業に就職する道と、独立開業する道があります。あなたが就職を選ぶ場合、以下の点に心掛ける必要があります。

企業研究はしっかり行いましょう

例えば一口にコンサル企業といっても、企業文化も異なれば、ターゲットとする企業も異なります。あなたの得意でない仕事を任されてしまったのでは、資格も生かすことができません。

せっかく中小企業診断士を取得したわけですから、その資格とあなたの能力を最大限に生かす仕事に就きたいものです。

そのためにはあなたの能力を棚卸することも大切ですが、応募先の企業研究も大切です。あなたの得意なこと、やりたい仕事ができる企業を選ぶと良いでしょう。

できれば、入社後に仕事をしている姿が想像できるまで研究しておくと良いと思います。

もし面接で「なぜ独立しないの?」と聞かれたら

中小企業診断士は独立開業が可能な資格です。そのため応募企業によっては、面接の場で「どうして独立せず、弊社を希望したのですか?」と尋ねられる場合もあるでしょう。

この場合、「独立する前に、やるべきことがあると思っていますので」という回答は、前向きなようであまり良い回答ではありません。

説明すべきポイントは「私が独立開業するよりも、貴社で活躍した方が双方にメリットがある」ことを伝えることです。貴社の業績向上のために活躍できることを伝えられれば、企業も納得して採用できるはずです。

そのためにも、事前の企業研究が不可欠です。あなたの能力はどのような仕事で発揮できるのかを考えながら、企業の業務内容や募集要項を読むと良いでしょう。

資格の記載順序は要注意。資格に関連した実務能力もアピールを

中小企業診断士の資格をお持ちの方は、他の資格もたくさんお持ちの方も多いことでしょう。この際、応募書類に資格を記載する場合には注意が必要です。

たくさん資格を持っているために、応募先企業から「資格マニア」と間違われることは何としても避けなければなりません。

そのためには、これから仕事をする上であなたがアピールしたい資格を中心に記載することが大切です。

また職務経歴書にはマネジメント能力など、資格に関連した実務能力をアピールすることも大切です。このようにすることで、あなたが資格だけでなく高い実務能力も持っていることが伝わり、選考を有利に進めることにつながります。

OAスキルの記述も忘れずに

最近の企業では、パソコン等のIT機器を使って仕事を行っています。そのため、電子メールの送受信やWord、Excel、パワーポイントといったOAソフトを使える能力は必須です。

書類の作成を事務職にさせるという方法は非効率です。職務経歴書には、簡単で良いのでOAソフトを使う能力も記載しましょう。

応募する職種が未経験の場合

中小企業診断士の資格をお持ちの方の中には、今までのキャリアと異なる、未経験の職種にチャレンジすることもあるでしょう。

豊富な社会人経験があれば、応募する職種が未経験でも、中小企業診断士の資格があるということで面接にたどりつくことも多いと思います。

しかし、採用されるためには職種や企業研究、そして未経験の職種に挑む意欲が欠かせません。予め仕事の内容をしっかり研究しておくことが大切です。

また、面接では仕事への覚悟も聞かれることになるでしょう。

せっかく採用したのに「やっぱり嫌だから独立開業する」と言われたのでは、企業は困ってしまいます。そのため仕事内容をしっかり知り、面接では意欲を見せることが大切です。

まとめ

ここまで、中小企業診断士を生かせる仕事について説明してきました。

何よりも中小企業診断士は経営のプロですから、経営についてアドバイスできる仕事が中心となります。その中でも日々の業務にとらわれず、会社全体から見た視点でアドバイスすることが求められています。

あわせて、企業経営には資金調達も必要です。銀行や補助金制度など、資金調達の制度に精通することも求められます。その上で各企業にあった方法を提案し、補助金申請の代行を行うことも求められる能力といえます。

なお中小企業診断士の有資格者は、今後増大していくと見込まれています。競争も激しくなりますから資格に安住することなく、日々勉強を怠らないことが大切です。

また顧客先企業と関わる仕事が多くなりますから、担当者の信頼を得ることも大変重要です。そのためには誠実なことはもちろん、時には企業のために厳しいことも指摘できる気力も必要となるでしょう。

遠慮せずに伝えた一言が企業を助ける結果となるならば、中小企業診断士としてこれほど嬉しい出来事は無いと思います。真摯に顧客企業と向き合う姿勢が必要です。