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介護職は高齢社会の現代で、非常に需要は大きいのに、その待遇の伴わないことでたびたび世間でも国会でも取り上げられていますよね。

現場で働く介護職の人は、待遇はもちろんのこと、他にも介護職ならではの悩みがあって、今すぐにでも辞めたい!と考えている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、特別養護老人ホームやデイサービスなどで介護職として働いていたけれど、辞めたいと思った悩みや理由、そして実際に介護職からの転職先や、転職に成功した人の声を紹介します。

介護職を辞めたい人、転職したい人の理由を見てみると…

介護職は3K(きつい、きたない、きけん)と言われる一方で、高齢者から「ありがとう」とお礼を言われることも多く、からだを動かすのが好きな人にとっては、やりがいを持って働ける仕事かもしれません。

でも、高齢者の福祉に携わりたいという理想を持って介護職になった人は、その理想と現実とのギャップに辞めたい!と思う人も多いのではないでしょうか。

そんな介護職の仕事をしている皆さんの頭を悩ませている3つの理由について紹介します。

悩み1:特養あるある…看取りが辛い

介護職の中でも、最も身体的にも精神的にもヘビーなのは特別養護老人ホームでの介護ではないでしょうか。

復帰を前提としている老健や、自立している高齢者の割合が多いデイサービスよりも、重度の認知症や要介護度のきわめて高い高齢者が入所するため、介護職の負担も大きいですよね。

そんな特養でのあるあるですが、昨日まで自分がケアをしていた利用者が、今朝出勤したら亡くなっていた…ということもあります。

また、夜勤の間に容体が急変して救急車で病院に送り、そのまま亡くなったというケースもよくあるでしょう。

どちらにしても、これまでケアしてきた利用者が亡くなるのは辛いですし、目の前で人の命が絶える瞬間を看取ることが多い現場ですから、特に慣れるまでの精神的負担は非常に高く、転職を考えるきっかけにもなりますよね。

悩み2:改善されたとはいえ低賃金…企業勤務の同級生と比べると切なくなる

介護職は肉体労働で精神的にもきついことが多いのに対して待遇が非常に悪く、事あるごとに改善を求められてきました。

待遇は改善された法人・施設もありますが、その多くはいまだに低賃金のままで、これなら福祉ではなく、一般企業に就職すればよかったと思ったことはありませんか?

ひどい施設だと手取りで13万円もいかないところもあり、休日にコンビニのアルバイトなどのダブルワークを余儀なくされている人もいて、本当に納得いかないですよね。

一方、同級生は一般企業で手厚いボーナス、成果に応じた高収入…自分の状況と比べて切ない気持ちになる人も多いのではないでしょうか。

悩み3:介護職だって体力には限界がある!加齢に従って辛くなる肉体労働

若くて体力に何の問題もなかった頃なら、利用者の入浴介助も、車いすの移乗もまったく問題なくこなせていたのに、年齢とともに介護職である自分自身の体力に限界がきてしまい、それまでと同じように介護できなくなってきた…という人は多いでしょう。

基本的に体をつかう介護職にとって、体力の減少や、ヒザ・腰への日々の負担は非常に厄介で、日を増すごとに痛みも増してきますよね。

だからといってただでさえ人手不足なのに、自分だけが体力を理由に休めるわけもなく、無理を続けているうちに本格的にヒザや腰を痛めてしまった…という人も多いのではないでしょうか。

介護職から転職するならどんな転職先が良いのか?

介護職は、家庭での介護が難しい高齢者の介護を行う、とても立派な仕事です。それなのに、待遇面でも恵まれず、労働環境も決していいとは言えません。

介護職の人の中には、自分自身の福祉を考えて転職していく人たちもいます。

では、介護職から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

特養からデイサービスに転職

介護職の中でも、特別養護老人ホームには夜勤があるため、勤務時間も不規則で、自分自身の健康管理もままならない人がたくさんいますよね。

特養は介護のスキルが伸ばせるというメリットもある一方で、心身共に負担が高い施設でもあります。

そのため、夜勤がなく、勤務時間も守られるデイサービスへ転職していく介護職が増えています。

デイサービスは利用者の自立度が高く、介護職への負担も特養ほどではありません。ただ、レクリエーションなどの活動が多いため、人前に立って出し物などをすることが苦手な人は注意が必要です。

病院の介護士へ転職

待遇面に不満がある場合は、求人数に限りはありますが、病院内の高齢者などの介護を行う介護士に転職するという方法があります。

低賃金なイメージのある介護職ですが、院内介護士の場合は給与面で施設の介護職よりもかなり優遇されます。

介護事務に転職

介護職として働いてきたけど、転職していきなりまったく違う業界で働くのは気が引ける…勇気が出ない…という場合、同じ業界で職種を変えて転職するという方法もあります。

介護現場にいたままで、介護職から事務職に転職するのです。自治体によって異なる医療保険の計算や、施設の利用料などの経理を担当したり、入所・退所者の管理や、職員の勤怠管理なども行うところもあります。

介護業界からは離れませんが、肉体労働をともなわないデスクワークですから、身体的に負担が大きすぎるからという理由で転職を考えている人におすすめです。

介護福祉士養成学校の講師に転職

介護職は専門職ですから、大学や専門学校などで厚生労働省から養成校の指定を受けていると、介護福祉士を養成することができます。

介護福祉士は2017年度から国家試験の受験が必須となり、養成校を卒業すれば取得できる資格ではなくなってしまいました。

だからこそ、国家試験対策や実習指導などにおいて、介護の現場で働いてきたみなさんが活躍できるのです。

講師になるには、指定の教員講習を受ける必要がありますが、これは転職後でも受講可能です。

営業職に転職

介護職では、利用者やその家族とのコミュニケーションが非常に重視されますが、このコミュニケーション能力を営業職に活かすこともできます。

そもそも営業職は、異業種からの転職者が非常に多く、介護職以外の仕事からも多くの人が転職してきます。

営業職のメリットは、介護職では到底実現できないような年収が、あなたの努力次第で実現できることです。

介護職にはない「成果給」「インセンティブ」という収入が別途あるので、固定給からさらに年収アップさせることが可能です。

介護職からの転職体験談

介護職として働いている間は、自分に介護以外の仕事が本当にできるのか、また今さら法人を離れて民間企業などでやっていけるのか、心配になりますよね。

では、実際に介護職の仕事から異業種・異職種の仕事に転職して成功した人は、どんな仕事に就いているのでしょうか。

特養の介護職から専門学校講師に転職(女性 当時40代前半)

特養の介護士として長年勤務してきましたが、ついに車いすからベッドに移乗する際に、兼ねてから持っていた腰痛が悪化し、ヘルニアと診断されました。

休みをとって手術後に職場復帰する予定だったのですが、リハビリが思うように進まず、思っていたよりも病状が深刻で、これ以上穴をあけたくなくて退職。

今度は介護の知識や経験を活かしてできる仕事を、と思い、介護福祉士養成専門学校の専任講師として転職しました。

18歳~20歳くらいの学生を相手にするのはとてもよい刺激になり、彼らが2年間で介護技術や知識を身に着けていくのを見守るのは、とてもやりがいがあります。

グループホームの介護職から事務職へ転職(男性 当時20代前半)

グループホームでは調理や洗濯から介護まで幅広い仕事を最低人数でこなしていたこともあって、休みも満足にとれずに疲れ切っていたところ、実家の母が要介護状態になり、地元へ帰ることになり、それと同時に転職しました。

前職は夜勤や残業もあって母の介護は絶対に無理でしたが、今の事務職では残業もなく、夜勤もないので、福祉サービスを利用しながら自宅介護をしています。

建設系の事務職なのですが、収入は減るどころか少し増えました。仕事自体は書類の作成など簡単なもので、これまでの肉体労働がなくても収入アップが実現できたことで満足しています。

介護付き有料老人ホームの介護職から不動産営業職へ転職(男性 当時30代後半)

介護職から転職しようと思ったのは、35歳になった時に主任になったのですが、主任手当が3,000円/月だと知ったからです。

主任になるまでに何年もかかって、しかもその手当がたったの3,000円では、当時生まれたばかりの子どもの教育費や、家族の生活費を思うとどうしても不安になりました。

率直に言うと収入アップを目指して営業職になったのですが、不動産営業は非常にキツく、残業も多く、ノルマもあります。

ただ、私の前職が前職なだけに、夜勤がないだけマシだし、座る時間があるだけマシです。何よりも手ごたえを感じているのは、月収が契約がとれた月は60万円を超えることです。

こんな高収入は介護職では絶対に実現できなかったと思います。契約がとれなくても基本給は支給されますが、家族のためにも自分のためにも、今後もこの高収入を維持できるよう、介護職で培った粘り強さとコミュニケーション能力をさらに伸ばしていきたいと考えています。