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ゲームシナリオライター
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仕事内容
ゲームシナリオライターの役割
ゲームシナリオライターの仕事内容をひとことで表すなら、ゲームシナリオを書くことです。
ただ、それだけではありません。企画段階から関わってディレクターのような仕事をすることもあります。
その反面、世界観やキャラクターはもうすでに決まっている中、シナリオを組み立てていくようなこともあり、仕事内容の幅は企業によってまちまちです。
また、自分でプログラミングをすることもあります。
シナリオは小説ではなく、演劇の脚本のようなもの
ゲームのシナリオというのは、小説ではありません。小説を書いていた人がゲームシナリオを書くと、少し戸惑うことがあります。
もちろん執筆経験は役立つのですが、小説を書く際とはまた違った視点で書かなければならないのです。視点については後ほど詳しく述べますが、ゲームシナリオは小説よりも、演劇の脚本に近いかもしれませんね。
ゲームは一種の演劇です。キャラクターという役者がいて、それぞれがそれぞれの役を演じます。モブキャラと呼ばれるような街の住民たちにもセリフや役割が与えられ、ストーリーに関与することもある。しかし、それだけではありません。
演劇でもゲームでも、セリフだけでは成り立たないのです。演劇は総合芸術と呼ばれることもありますが、ゲームもそうだと考えてください。
そこには音響・照明効果・美術(グラフィック)などさまざまな要素が入り込んでいるのです。ゲームも状況に応じて音楽が鳴ったり、照明が暗くなったり、ストロボ照明を使ってみたりと様々な演出効果が加わっています。
ゲームのシナリオライターは、そういった演出効果をト書きとしてシナリオに盛り込まなければならないのです。それは小説の地の文とも少し違っており、さながら演劇の脚本のようですね。
世界観は企画段階ですでに決まっている
世界観構築までシナリオライターがやるということもありますが、多くの場合は企画段階でゲームプランナーが世界観構築およびキャラクター設定をしていることがあります。
シナリオライターはその世界観構成などを渡され、それに順ずる形でストーリーをつむいでいくのです。書いている間は、プランナーと何度も相談します。
ゲームシナリオライターの仕事に必要なスキル・知識
総合的なゲームの知識
さまざまな演出効果が加わって初めてゲームとなるということを述べましたが、シナリオライターに求められるのはシナリオ作成スキルだけではありません。
ゲームのさまざまな演出効果について、総合的な知識を持っていなければならないのです。シナリオライターは、シナリオのスペシャリストではなく、ゲームのゼネラリストということになります。
ゲームサウンドについての知識も必要ですし、グラフィックについての知識も必要。プログラムでどこまでやれるのかということについても、知っていなければなりません。シナリオライターが自分でスクリプトを書くということもあります。
シナリオが書ければシナリオライターになれると思っている人も多いかもしれませんが、考えを改めましょう。
パラレルな視点と思考
先ほど視点の話が出てきましたが、ゲームシナリオライターにはパラレルな視点と思考が必要とされています。
パラレルというのはパラレルワールド(平行世界)という言葉にあるように、平行という意味です。物事を平行して見る力と、平行して考える力が必要ということになります。
小説や映画やアニメは、物語が一直線で進んでいることでしょう。途中でシナリオが分岐するようなことは、なかなかありませんね。中にはエンディングだけ分岐する映画や演劇がありますが、基本的には一直線なものです。
ゲームのシナリオは、主人公の選択肢によって細かく分岐が起きます。マルチエンディングではなくても、「竜王を倒すたびに出るのだ」「はい/いいえ」という選択肢があることが多いです。
RPGでは特にそういったシナリオに関与しないような細かい選択肢も出てきます。その際、「はいを選んだ場合」と「いいえを選んだ場合」で相手の反応が分岐しているのです。
マルチエンディングなら、そういった細かい選択の違いでストーリーが変わってしまいます。
RPG・アドベンチャーゲーム・アクションゲーム・・・最近ではどんなゲームでもストーリー変化があるため、パラレルな視点と思考が、ゲームのシナリオライターにとってもっとも重要な能力と言えるでしょう。