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人間関係で悩みがない人はいません。

その証拠に、私はキャリアアドバイザーとして8年間、転職の相談を受けてきましたが、全ての転職者の転職理由に、人間関係は多少なりとも関わっていました。例外は全くといっていいほどありません。

そもそも、会社という組織はまる一日、見ず知らずの人間と、ほぼ強制的に机を並べて仕事をするわけですから、その間に何も起きないわけがないのです。

人間関係に恵まれている、と感じる人でも悩み、恵まれていないと感じる人はもっと悩む、というのが真実だと思います。 

私も人関関係で悩んできましたから、人間関係で悩みで転職を考える人の気持ちはよく分かっているつもりです。

さて、人間関係を理由に仕事を辞めようか、辞めないか、一人で悩みを抱え込んでしまっていませんか?どう賢く選択すれば良いのでしょうか?

選択の考え方と、転職を決めた場合の注意点についてまとめてみました。

まず、現状の人間関係を冷静に分析する

悩みといっても全ての悩みを解決できるとは思いませんし、ときには解決「すべきでない」悩みというものもあります。

ここでは、分析するうえでの大前提と2つの視点について説明いたします。自分の悩みが「解決する値打ちがあるかどうか」を考えてみてください。

全ての会社で「人間関係」はついて回る

まず、最初の常識的な大前提として押さえておきたいことをあえて説明いたします。

それは、辞めようが辞めまいが、人間関係の悩みはこれからもついて回るだろう、ということです。

たとえ今の仕事を辞めて転職しても、やはり、転職先でも人間関係の煩わしさはついて回ります。逃げることは出来ません。

なぜ、このことをあえて挙げたかというと、人間は往々にして、人間関係で思いつめるあまり、転職すればこの煩わしさから逃れられるのでは、という錯覚や、過剰な期待を抱きがちだからです。

よほどひどいケースならば別ですが、多くの場合、劇的には変化しないと考えるべきだと思います。

建設的な悩みと非建設的な悩み

上記の大前提を踏まえたうえで、今の人間関係の悩みについて考えてみましょう。

最初の視点は、今の人間関係の悩みは、建設的なものでしょうか、非建設的なものでしょうか?

建設的な悩みとは、これから仕事を続けていくうえで、人間関係が良好に発展する、少なくとも円滑に仕事を進めるうえで支障が減っていく方向の悩みです。非建設的な悩みとはこれと正反対の悩みです。

いわゆる「悩んでも仕方のない悩み」(例:上司のキャラクターなど)も含まれます。

自己責任か他己責任か

もう1つの視点は、その人間関係のマイナス部分の責任は自分にあるのか、ないのかという点です。

自己責任ならば、自分を変えることが可能かどうかという点を考えなければなりません。むろん、キャラクターとして、もう変えるのが無理な性格というのもあると思います。

同様に、他人に責任がある場合でも、それを変えてもらうことが可能かどうかという見込みについて考える必要があります。

あなたの限界点を考えよう

たとえ人間関係の悩みが解決する値打ちがあったとしても、あなた自身が精神的な限界に来ている可能性も考えなければなりません。

人間関係が原因で辞めたい、と思い詰めているあなたに、あえてこのような検討ポイントを挙げることは愚問かもしれませんが、辞めるかどうかは大きな決断ポイントですので、あえてもう一度考えてみましょう。

ストレスチェックを受けてみよう

最近はネット上でも優れたストレスチェックが無料で公開されており、そうしたチェックを通じて、自分がどの程度限界に来ているかを客観的に見ることができます。

その他、より確実なチェック方法は、会社が実施するストレスチェックです。

近年の法令改正により、一定程度の規模の企業には、ストレスチェックが義務付けられ、点数の悪い従業員に、産業医の面談等を勧める制度ができています。

また、会社のストレスチェックはちょっと。。。という方や、会社が実施することを待っていられないという方には、会社が加入している健保組合で実施しているところも多くなってきました。

こうしたところでは守秘義務が守られますので、会社に知られることなく、ストレスチェックができます。

そもそも「辞めたい」と頭をよぎった時点で限界だ、と決めてもいい

しかし、客観的にどのような状態であれ、大事なことは、今、自分の心が一番感じていること。

心がここの人間関係はダメだと悲鳴を上げている以上、もう限界点に来ていると判断しても良いと思います。

人間の心は他の病気と異なり、いったん壊れたら簡単に直せません。いったんうつ病と診断された場合、半年~2年程度通院するケースが多いです。

また、風邪を引いたら風邪薬を飲めば数日で良くなる、といった見込みが立てにくい(人によりさまざま)点もとてもやっかいです。

人間関係の悩みは、自分を追い詰めます。

心が壊れる前に、もうだめだと見切りをつけることは間違いではありません。

今の職場に残るという選択肢の模索

このパートで説明することは、まだ人間関係が完全に崩壊していない、建設的な立て直しの余地があるケースに限られます。

今の職場に残る利点とリスク

残る場合の利点は、今まで良好な人間関係を築いてきた人との関係を活用できる、という点です。

0点の場合は論外ですが、多くの方の場合は0点満点ではないと思います。(落第点はたくさんいると思いますが。。。)

私は人間関係に関する相談を受ける前提として、会社の人間関係には2:6:2の法則があると考えています。

左の2は、自分と人間関係が良好な人、右の2は人間関係の悪い人、真ん中の6はどちらともいえない人です。

このバランスが崩れると、人は仕事を辞めたくなるのです。そして、ここでいう利点とは左の2の部分を活かして、今の会社での立場を打開できる可能性を模索するということです。

ただし、残る場合のリスクは、精神的に消耗したわりに得られるものが少ない、という可能性も当然あります。頑張って検討してみたところで、落第点が合格点まで上昇するとは限りません。

そもそも、そこまでくよくよ悩んで働くこと自体、ムダ。そんなに給料もらってないし、悩みながら生きることが果たして幸せかどうかという問題すらあります。

残留模索の方法

行動には慎重を期さなければなりません。親しい同僚でさえ、あなたの人間関係の悩みに守秘義務があるわけではありません。

まず、上司か人事部に相談する事が確実でしょう。

解決方法は、単純に異動する、といった方法や、人間関係で問題となっている人との間の仕事の割り振りを切り分けて、お互いの関係を遮断する方法などが考えられます。

ハラスメントの類の場合は、上司や人事部を通じて、きちんと指導してもらうべきでしょう。この場合は、毅然とした態度で、ハラスメントに対して明確な「NO」の意思表示が必要です。

こうした解決策で解決の見込みが立つでしょうか?また、そもそも上司や人事部が信頼できる相談先でしょうか?

どちらも答えがNOならば、そもそも解決の糸口すらないということになり、すぐに転職を考えるべきです。

考え抜いたうえで『転職』の道を進もう

転職する場合の利点は、何といっても、今までの人間関係をリセットできること。

自分に貼られた様々なレッテルもリセットできますので、全く新しい自己イメージで仕切り直しができる、というのが大きな利点でしょう。

しかし、何度も指摘していますが、人間関係が必ず好転する保証はありません。前に説明した2:6:2の法則はどこでも妥当しますが、その内容が変化することがやっかいです。

前の会社でうまくいっていた部分が、今度はうまくいかなくなる可能性もあります。

しかも、外形的な会社情報や、転職活動での数回の面接官の人柄からそこまで見抜くのは、もはや千里眼のような話で、現実的にほぼ不可能でしょう。

賭けの部分は必ず残る、と覚悟してください。

人間関係を好転させるための転職は、リスクが高いです。

前のパートで人間関係の良い会社の探し方に触れましたが、それでも不確定要素は多く残されます。

転職エージェントでは職場の人間関係などを出来るだけ調査して求人を紹介していますが、「これであなたの人間関係も好転しますよ」などと無責任なことは、口が裂けても言えません。

したがって、基本的には、今いるところで頑張れる余地があるかどうか→ダメならば転職(でも好転を期待しすぎないように)という検討順序を経るのが妥当だと思います。

いざ転職!何に気をつければいいのか

人間関係が良好な職場、または自分にあった環境の職場を探すコツ、見極めるポイント

人間関係を改善するための転職が全くのバクチなのか、というとそうではありません。

人間関係が良好な職場、または自分にあった環境の可能性が高い職場を探す方法はあります。

簡単にいうと、「いろんな人がいる会社」を探すことです。

年代、性別、ときには国籍といった点まで、様々なタイプの人が共存している会社を選ぶところです。

そうした会社には多様な人々が一緒に円滑に仕事をするための「知恵」が蓄積されています。新しい人を迎え入れることがうまい会社なのです。

また、人事部担当者との面接で質問することが可能ですので、把握しやすい情報ですし、定着率や離職率を尋ねるより、あからさまではなく、聞きやすい質問ではないでしょうか。

この反対に、例えば若い人ばかりの会社とか、歴史はあっても同族経営の会社、経営者が個性が強いワンマン系の会社は、当たり外れが大きいので、避ける方が無難でしょう。

有能な転職エージェントであれば、人間関係で悩んで転職する人にはこういった求人をピンポイントで紹介してくれるはずです。

転職理由を聞かれたら、何と答える?

面接では、よほどのことがない限り「人間関係が原因で辞めた」と口が裂けても言わないでください。

理由は簡単にいうと、面接する側も、自分の会社に「いろいろな人がいる」ことを分かりきっています。転職者が来てもらっても、人間関係が良くなるかどうかは保証できないからです。

また、この人は実は人間関係に弱い人、というレッテルを貼られかねません。とにかく転職理由としてプラスにならない、自分に有利になる要素のない転職理由です。

転職理由は、転職エージェントのアドバイザーと打ち合わせて、他の理由を考えた方が良いでしょう100%人間関係が理由の転職理由であっても、こじつけてでも別の理由を考えるべきです。

人間関係で辞めた場合、転職がうまくいくケースとうまくいかないケース

最後に、人間関係で辞めた場合に、転職がうまくいくケースとうまくいかないケースを分かつポイントはどこでしょうか?

ずばり言うと、「あなたも変われるかどうか」です。

人間関係はよほどのことがない限り、100%自分の責任でもなければ、100%他人の責任ということはありえません。それは転職先でも同じです。

それはより良い人間になるというだけではなく、立ち回りの賢さや、前に述べた「反対側」の人との付き合い方など、人間としての成熟さにかかわる、多様な面が含まれます。

良い人間関係は、誰かに与えてもらうだけではできません。自分で作っていこうという「大人の自覚」も持ってください。

前向きな姿勢で努力する方には、前向きな結果が引き寄せられてくるものです。頑張ってください。