[PR]

転職エージェントを利用する場合と、直接応募が可能な、一般の求人サイトのどちらが受かりやすいでしょうか?

結論を書きますが、転職エージェントの方が圧倒的に有利です。

なぜ、ここまで断言できるのか。その理由をこれからご説明いたします。

元業界人だからひいき目に書いているわけでは決してありません。私は、かつて転職エージェント会社でキャリアアドバイザーを担当し、今はIT企業の人事の仕事をしていますが、両方の立場の「現実」を知り抜いているからこそ、断言できるのです。

ただ、ネットを検索すると、転職エージェントのメリット・デメリットを取り上げ、転職エージェントを通した方が受かりにくいといった、いい加減な説明をしているサイトもあります。

そこで、よくみられるネット上でのウワサについても、誤解を正したうえで、きちんとした解説をしておきたいと思います。

転職エージェントで応募するとなぜ受かりやすいか

まず、転職エージェントを利用した方がなぜ受かりやすいのでしょうか。よくいわれることですが、3つのポイントがあります。

マッチングによる内定率の高さ

1つ目は、転職エージェントという第三者の目を通して、転職者の市場価値を判断してもらい、ご自身に見合った転職先を紹介してもらえることです。企業側にとっても、自社が採用したい人材イメージに近い人材が紹介されるわけですから、お互いの意思が一致していれば、内定の可能性は高まります。

書類添削による書類選考通過率アップ

次に、履歴書や職務経歴書の内容について、自分一人で転職活動をする場合には気付けなかった部分や、転職先企業が求めているポイントを添削で指摘してもらえることによって、書類のレベルがアップすることです。

応募先企業にも、自分の強みがより明確に伝わることによって、書類選考の通過率がアップします。実際に、書類選考通過率の高さをウリにしている転職エージェントもいます。

また、これに関連して、転職エージェントの場合は、キャリアアドバイザーの推薦状によって、転職者のおすすめポイントを強調することによって、書類選考通過率の可能性を高める工夫もします。

面接対策による通過率アップ

3つ目が面接対策です。転職エージェントは、応募先企業とのコネクションを構築することによって、面接でどのような質問がされるか、どのようなポイントを評価するか、といった情報が蓄積されています。

これに基づく面接指導を受けることによって、応募先企業の採用イメージに近い人材であることを強調でき、面接通過率の可能性を高めることでできるのです。

転職エージェントに関するネットのウワサを斬る

前のパートでは、転職エージェントを利用するメリット、なぜ、企業に受かりやすいといえるのか、という点について一般的な説明をしました。

しかし、実際には、以下に説明するように、転職エージェントを利用するデメリットがあって、「利用した方がかえって受かりにくいのでは?」という解説をしているサイトもあるようです。いくつか拾ってみましたのでご説明しましょう。

企業側にとってコストがかかるため内定率が下がる

よくいわれることですが、企業側は採用する際に高い紹介手数料を払う、という点です。そのため、手数料がかからない一般的な転職サイトから応募した方が受かりやすいといった説明がされますが、これは間違いです。はっきり言って、企業で人事採用の実務をやった経験がない人が書いた、素人の意見です。

例えば、同じレベルの2人の応募者が、一方は一般的な転職サイトから、もう一方は転職エージェントの紹介を通じて応募してきたとしましょう。よく言われるのが、転職エージェントが紹介した人材が不採用になるという説ですが、そのようなことは決してありません。もし、まともな企業の人事担当者ならば、それでもどちらがより優秀な人材か、より細かいところを見きわめて採用を決定しようとするでしょう。

なぜなら、企業が人を採用する際に考えることは、「その人を採用することにいくらかかるか」がポイントではなく、「その人を採用したことによって、会社にいくらのリターン(業績貢献)がもたらされるか」を考えるからです。

当然のことですが、採用予算より、その後何年もその人に支払う人件費の方が、ずっとお金がかかります。企業経営の見地からすれば、採用予算のコストより、その後何年にもわたって支払う人件費に見合った活躍をしてくれる人材なのか、という方がずっと問題なのです。

また、普通の企業ならば、年度の採用予算を組んだ時点で、転職エージェントに支払う手数料を予算として計上しています。普通の企業ならば、転職エージェントに紹介を依頼した時点で、採用予算のコストについて、それほど心配をしていないのです。

転職エージェント内でスクリーニングするため、受かりにくい

これも、よくネットで取り上げられることですが、転職エージェントでは、応募者をスクリーニング、応募者によって紹介する企業を仕分けしているため、かえって選択肢が狭くなることによって受かりにくい、という説明がされます。

しかし、これは現実を分かっていない意見です。このようなことを書く人は、企業側で人事採用の仕事をしたことがないのだと思います。

私は、今は企業側の人事の仕事をしています。弊社では、転職エージェントも一般的な求人サイトを通じても応募者を受け付けていますが、一般的な求人サイトの方が、採用効率はずっと悪いです。自社に合わない人材が自由に応募してくるため、それに不採用の対応をする分だけ、採用業務に手間がかかっています。

もちろん、一般的な転職求人サイトで、求める人材像や必要なスキルについて、詳細に記述はしています。しかし、言葉だけでいくら説明しても、人材イメージに合う、合わないといった「言葉にならない部分」については応募者には伝わりません。

お互いのマッチングの効率の良さといった部分では、人を介した転職エージェントの方が、ずっと効率的です。転職エージェントを利用すると、確かに選択肢は求人サイトより狭まりますが、自分に見合った企業の選択肢が、効率的に絞り込まれた、と考える方が実態に合っているといえるでしょう。

キャリアアドバイザーの「質」によっては、受かりにくくなる

これもネットではもっともらしく解説されることですが、キャリアアドバイザーの質が、ピンキリなため、質の悪いキャリアアドバイザーに当たると、かえって受かりにくくなる、といった説明がされます。

確かに、キャリアアドバイザーの「質」の問題はあります。質の悪いキャリアアドバイザーでは、効率も悪いですし、本来なら受かるべき紹介先が取りこぼされているリスクもあります。

しかし、実際問題として、このデメリットを考慮する必要があるでしょうか?私はないと思います。

なぜなら、ほとんどの転職者は、転職エージェントを複数利用しているからです。よほど運が悪い人でない限り、担当したキャリアアドバイザー全員が、質が悪い、ということはないはずです。

また、質が悪い、あなたと合わないキャリアアドバイザーは、転職エージェント会社に頼んで担当を変更してもらえば解決します。質の悪いキャリアアドバイザーがいるからといって、転職エージェントを利用しない、というのはもったいない考え方といえるでしょう。

最後に

この記事を書くにあたって、ネットで転職エージェントについてのメリット・デメリットが書かれたサイトを調べてみました。いわゆる「まとめサイト」と呼ばれるものですね。

玉石混交、間違った意見が氾濫しています。なかには、元転職エージェントの社員が書いた、といわれるサイトでも、間違った説明がされていることが多かったです。

このサイトでは、これからも、元転職エージェント、今は企業の人事の仕事をして、両方の「現実」を知る者として、本当のところをしっかりお伝えしていきたいです。

読者の皆さんには、このサイトに書いてある内容について、信じていただけることを、ただただ願うばかりです。