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会社を運営していくうえで、誰かがやらねばならない。会社の業績の計算と集計、資金の流れを管理する経理・財務の仕事は、会社に必ず必要とされる職種です。

そして、数字に強く、正確性が求められる専門性の高い事務職というイメージが強く、他の職種とも互換性が低いため、一度経理・財務・会計のキャリアを積むと、何十年も同じ仕事をしている方が多い、経験がモノをいうお仕事。

また、業務の繁閑の時期は例年決まっており、仕事の先が読みやすいので、意外に、ワークライフバランスが取りやすい仕事でもあります。

皆さんの中にも、こうした安定性や専門性に魅力を感じ、簿記などの資格を勉強されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、経理・財務・会計といった管理部門でキャリアアップを果たすために、どのような転職エージェントに相談すれば良いか、その選び方からおすすめ転職エージェントまで徹底解説していきます。

転職エージェントの選び方のキーポイント

求人数

経理・財務・会計の求人は、他の管理部門(総務・人事・法務など)と同様、埋もれやすいのが特徴です。会社にとっては、管理部門はコストがかかるため、容易に増強したがらないからです。

したがって、企業の管理部門をこまめに訪問する、求人開拓力の高い転職エージェントに転職情報が集まる傾向があります。

求人の質

一方で、経理・財務・会計の仕事は、会社によって職務内容にばらつきが多少あります。

「税務申告まで自社でやるのかor税理士に依頼するのか」「決算は月次決算だけか、期末決算も担当するのか」「海外展開している場合に、英文会計までカバーするのか」といったポイントです。

求人票は、細かいところまで職務内容が書かれているかしっかりチェックしましょう。その点行き届いているのは、後述する職種特化型の転職エージェントに一日の長があります。

転職エージェントの賢い活用法

転職エージェントは「分かっているようで分かっていない」

まず、絶対に覚えていただきたいポイントです。

はっきり言いますが、転職エージェントは、経理という仕事を「何となくイメージ」出来ているだけで、細かい職務内容は明確に把握していません。

転職者側から明確に要求しても、キャリアコンサルタントが要領を得ないケースが多いです。

職務内容は、求人票だけでなく、面接でも細かく確認することを忘れないようにしましょう。

転職エージェントには他のことに頑張ってもらう

では、転職エージェントにはどの点に注力してもらうべきでしょうか。

それは待遇面です。

決算期、繁閑の時期等、残業面など、特に経理・財務に詳しくないキャリアコンサルタントでも確認できるようなポイントで、あなたが長く働くために必要な情報、職場環境に関する情報は、しっかり把握してもらうようにしましょう。

転職情報のスクリーニング条件は明確に伝える

もう1つ、やっておきたいことは、NGである職務内容、ニーズを明確に伝えておくことです。

「税務申告は経験がないから出来ない」「資金管理などの財務経験はないので紹介しないで欲しい」など、絞り込みでNGとなる情報は、転職エージェントも把握しているので、スクリーニングはしっかり頼むようにしましょう。

経理・財務・会計の求人に強い転職エージェント7選

ここからは、筆者がおすすめする転職エージェントを7社ご紹介します。

リクルートエージェント

転職エージェントの最大手。まんべんなく業界・職種をカバーしており、経理・財務・会計に関わる職種も多数取り扱っています。転職エージェントの相談先として、真っ先に相談したいところです。

また、リクルートエージェントの求人票は、比較的細かいところまで職務要件を把握している例が多く、希望する企業のタイプを明確にしてオーダーが出しやすい点も強みです。

パソナキャリア

大手総合型、オールラウンダータイプの転職エージェントです。人材派遣大手パソナの人材紹介部門から独立した会社で、求人開拓力に強みがあります。

リクルートエージェントで思ったような求人に出会えなくても、パソナキャリアなら、独自に求人を紹介してもらえる可能性は十分ありますし、求人紹介数も引けを取りません。転職活動の軸にすえる転職エージェントとして十分使えます。

DODA

人材派遣大手インテリジェンスの転職エージェントサービス。上記2社と同じくやはり求人開拓力に高く、メーカーやIT企業の経理に強みがある、大手総合型の転職エージェントです。

キャリアコンサルタントの対応も早いのが特徴です。経理・財務・会計の仕事は、繁閑の時期が決まっている分、転職活動の時期が限られるため、時期を区切って、速攻で転職先を決めたいタイプの方には向いている転職エージェントです。

アデコ

上記3社と同じく、大手総合型の転職エージェントですが、外資系の転職エージェント日本での事業展開歴も長く、国内系に似た特徴を持った転職エージェントです。

大手総合型ですが、上記3社と少し異なり、外資系・ハイキャリアの求人案件に強い転職エージェントです。案件数は少ないが、好待遇の転職案件をお探しの方におすすめします。

MS-Japan

総務・人事・法務のほか、経理・財務など管理部門系の職種を幅広く取り扱っている、職種特化型の転職エージェントの老舗です。

幅広い業界に独自の求人開拓コネクションを持っており、人事部門側からも、質の高い人材の紹介力で定評があります。

経理・財務・会計のポジションは、一度その職種に就いたら長く働くお仕事。長期的なキャリア形成の観点からも、この転職エージェントは外さずに登録しておきたいところです。

ジャスネットコミュニケーションズ

管理部門の中でも、経理・財務・会計部門に強い転職エージェント。企業サイドだけではなく、大手の監査法人、税理士法人にもコネクションを持っています。

大手総合型の転職エージェントと異なり、期間を決めずに長期的な転職活動もサポートしてくれます。

経理・財務・会計の総合的なプロフェッショナルスキルを高めたい方には、じっくり転職先を探したい方には、ぜひおすすめしたい転職エージェントです。

アヴァンティスタッフ

メガバンクのみずほ銀行と大手商社・丸紅が出資した人材サービス会社。主体は人材派遣事業ですが、人材紹介・転職エージェント事業も展開しています。

銀行や商社が親会社の転職エージェントだけあって、独自のネットワークと求人開拓力があります。事務系職種では財務系が多く、業界では大手商社、銀行、メーカー系に強みがあります。

転職エージェントの組み合わせ例と転職プラン

ここからは、転職のケース別に転職エージェントの組み合わせプランをご提案していきます。

未経験でステップアップしたい方へ

このケースでおすすめする転職エージェントの組み合わせは、

  • リクルートエージェント
  • DODA
  • アヴァンティスタッフ

いずれも未経験からステップアップしたい方への転職支援実績が豊富で、求人開拓力もある転職エージェントです。

アヴァンティスタッフは、未経験者可のポジションが多い大手企業に、求人開拓力がある点でおすすめできる転職エージェントです。

管理部門で幅広い職種をお考えの方へ

このケースでおすすめする転職エージェントの組み合わせは、

  • リクルートエージェント
  • DODA

を軸になるところとして押さえたうえで、

  • MS-Japan

を併用するプランをおすすめします。

このケースでは、例えば、経理機能も備えた総務部のポジションなど、多様な転職選択肢が考えられます。

大手総合型と事務系特化型それぞれ1社ずつ登録すれば、十分な求人数が集まるでしょう。

同じ職種にこだわって転職したい方

このケースでおすすめする転職エージェントの組み合わせは、

  • MS-Japan
  • ジャスネットコミュニケーションズ

を軸となるところして押さえたうえで、

  • リクルートエージェント
  • パソナキャリア
  • DODA

の中から、1~2社登録するプランがおすすめです。

専門性を磨きたいというニーズに合った、マッチング力の高い転職エージェントを中心に、大手総合型の転職エージェントを組み合わせて、多くの求人に出会うチャンスを作りましょう。

管理職へキャリアアップしたい方へ

このケースで、おすすめしたい転職エージェントの組み合わせは、

  • アデコ
  • MS-Japan
  • ジャスネットコミュニケーションズ
  • アヴァンティスタッフ

などから、2~3社を選ぶプランです。

少ない事務系の転職ポジションの中で、さらに少ない管理職というところがポイントで、しかも、転職者にも経理・財務・会計に幅広くまたがる総合的なスキルが求められます。

中小企業では、管理だけではなく、自ら実務に携わる必要も出てくるでしょう。

マッチング力の高さが求められる点で、職務に対する理解力が高い転職エージェントを中心にすえるべきでしょう。

ワークライフバランスを実現したい方へ

このケースでおすすめする転職エージェントの組み合わせは、

  • リクルートエージェント
  • パソナキャリア
  • DODA

の中から1社。軸にすえるところを選んだうえで、

  • MS-Japan
  • ジャスネットコミュニケーションズ

などを選択すると良いでしょう。

ワークライフバランスは、ベンチャー企業でない限り、どこの企業の経理・財務・会計職でも実現可能ですが、勤務地や残業で特にこだわりがある場合は、前にも述べたように待遇面を明確に伝えて、選択肢を絞れるエージェントがおすすめです。

税理士事務所/会計士事務所へのステップアップも考えている方

このケースでおすすめできる転職エージェントの組み合わせは、

  • MS-Japan
  • ジャスネットコミュニケーションズ
  • アヴァンティスタッフ

を中心に登録しつつ、

  • リクルートエージェント
  • DODA

といった大手総合型の転職エージェントを併用すると良いでしょう。

一般企業と異なり、求人数が非常に少ないポジションで、求人案件によっては、資格が必要なケースも多いです。

長期的な転職活動のプランニングが必要になるうえ、幅広い転職エージェントに登録して「大きく網を張って待つ」姿勢が大事になります。

外資系へチャレンジしたい方へ

このケースでおすすめする転職エージェントの組み合わせは、

  • アデコ
  • MS-Japan

を中心に転職エージェントの組み合わせを考えます。

この他に、今回の記事では取り上げていませんが、外資系に特化した、外資系に強い転職エージェントに数社登録しましょう。

英語力だけではなく、国際会計基準や英文会計の知識など、専門性の高いポジションが多くを占めます。

こうした事情に詳しい転職エージェントに絞って登録することが効率的でしょう。

最後に

経理・会計・財務の仕事は、好き嫌いが分かれる職種である一方、マッチングした方には専門性と安定性を両方手に入れられるチャンスにもなります。

また、会計基準や税制の変更などで知識の更新が必要で、勉強好きな方にも向いているお仕事です。

ぜひチャンスを掴んでいただければと思います。