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会社の人事採用では、通常、1つのポジションに人を採用するのに、20人~30人の応募書類に目を通します。

面接へ進めるのは、その3分の1くらいです。

採用される、ということ自体、実は「大抜擢」なわけです。

面接まで勝ち残ったのならば、「大抜擢」されるチャンスが来た、と思って受けなければなりません。

今回は、大抜擢されるための「面接の心がまえ」についてお話しします。マナーではありません。心がまえです。

面接マナーは、いろいろなサイトで様々なテクニックが語られていますが、実は、マナーを考える前提として大事なのはマインド(心がまえ)です。

面接に通るための「心の姿勢」について、しっかりした考え方を持っておくことが大切です。

心がまえが変われば、マナー(外に見えるあなたの姿勢)も自然と変わっていきます。他の応募者と差別化できるような面接の心がまえについて、5つのポイントを是非押さえてください。

面接に“絶対に”合格するつもりで行く

落ちるつもりで面接を受けに行く人はいないと思いますが、「絶対にその会社に受かるんだ」という気持ちで受けに行く人は、実は多くありません。

面接を受けに行く人で、意外に多いタイプは、「ぼんやりと面接を受けに行く人」です。何となく志望動機を書いて、何となく志望動機を書いて、何となく面接を受けて、何となく落ちる・・・。もったいないですよね。

中には、冒頭で「紹介されたので来ました」と平気で仰る方すらいらっしゃいます。その時点で、事実上「面接終了」です。

一般的にいって、女性より男性の方が、ぼんやりと受けに行く人が多い印象です。

女性は、見ず知らずの人に会うために、洋服選び、お化粧、美容院に行っておく人もいます。様々な「準備」をするため、必然的にテンションが上がっていくので、細かい事まで気を使ってくれます。男性はそうした準備が少ない分、テンションが上がりません。

面接は「絶対に」合格するつもりで行きましょう。たとえ競争が激しく、1%の確率しかなかったとしても、100%全力で準備して面接に臨みましょう。

その結果落ちたとしても、準備したことで得られた情報や面接での気づきが、次に活かされますし、あなたのビジネスパーソンとしての幅を広げることになります。

反対に、さほど志望度が高くない企業の面接ということもあるでしょう。それでも、準備に万全を期す中で、意外な発見があるかもしれませんよ。

「合格するかしないか」より、「覚えてもらえるかどうか」だ

応募者は、面接で何を目標にするべきでしょうか?

多くの方が、「面接に合格すること」とお答えになるかも知れません。しかし、それは結果にフォーカスした考え方で、しかも、自分にはコントロールが出来ない事柄です。

応募者が面接で達成しなければならない目標は、「自分の強みをしっかり売り込んで、良い印象を面接官に残すこと」、すなわち「覚えてもらうこと」です。

よく緊張する人のタイプの中に、完璧主義者タイプ、「完璧な面接マナー」を意識するあまり、かえって上がってしまって、実力を発揮できない方がいらっしゃいます。

そうした方の多くは、「合格するかどうか」という結果ばかりに意識が行ってしまい、「心ここにあらず」といった心理状態になっていることが多いです。そこで、私が指導していたことは、「相手に“少しでも”良い印象を残してもらうことに集中してください」ということでした。

これは、緊張しないタイプの方にも共通していえることです。面接で採用される方は、「印象がある=覚えてもらった方」です。だからといって、何も奇抜な、特別な印象を与える必要はありません。ビジネスパーソンとして良い印象を与える、ということです。面接のマナーとは、そのために必要なのです。

「どんなことでもやります」と言う人は、どんな仕事にも採用されない

「どんなことでもやります」と言うことが、やる気を見せることだと勘違いしている人がいます。

しかし、これは意欲が空回りしています。一生懸命なのではなくて、無責任なのです。

面接官は、あなたは何が出来る人なのか見たいのです。「何でも良いから仕事をください」という人は、その説明を放棄しています。このようなタイプの方は、実際に仕事を割り当てると、「なぜこんなしょぼい仕事しかさせてくれないんだ」と途端に文句を言い始めます。

ミスマッチになることが、経験で分かっているので、採用されないのです。

また、意気込みだけで空回りする人は、面接での他の準備が疎かになるタイプが多いです。他の準備してきた応募者と比べて、企業研究や志望動機、自己PRが薄いタイプが多く、そうした他の応募者との相対的比較でも落ちます。

面接で勝利する秘訣は、「徹底した準備」だ

面接で他の応募者に勝つ「秘訣」はありますか、と聞かれることがあります。

私は、「入社してからすることを、面接を受ける前に徹底的に準備すること」だと答えていました。

やや謎かけっぽい表現ですが、例えば、経理の仕事で採用面接で、「入社したら決算事務の仕事で御社に貢献したいと思いますので、決算業務の本を買って勉強しています。」と言ったらどうでしょうか。

ほとんどの方は、そんなこと、入社する前にはどの仕事が割り当てられるから分からないから、入社してから準備すれば良いと思っています。そこに意欲の差が表れるのです。

前の話とも関連しますが、ぼんやり準備して面接に落ちるタイプは、ただ漫然と企業のHPや会社案内を読み、アンケートでも埋めるかのごとく履歴書を埋めて面接に臨んでいます。

入社した後を見越して準備している人は意外に多くありません。日本の面接は質疑応答が中心で、応募者は受け身がちになってしまうので、こうした風潮があります。

しかし、本来は応募者が自信の人材の価値を「売り込む」場なのです。プレゼンテーションの主導権は自分が握らなくてはならないのです。

落ちても「面白かった」と振り返ることが出来る人に、良縁は訪れる

日本では、「真剣さを見せる」ことを恥ずかしいと思う風潮があります。

転職面接ではありませんが、ある大手企業の人事担当とお話しした際に、「高学歴の人ほど、昇進試験を受けたがらないんだよね」という悩みを打ち明けられたことがありました。

試験ではなくて、日常の自分の仕事を見てください、と言うのです。

一理あるように思えますが、実はこうしたプライドの高いタイプの人は、「落ちた時の予防線」を張っている場合も多いです。

昇進しなければ、「日常の仕事ぶりについてちゃんと評価してもらっていないからだ」という言い訳が自分にできるのです。試験にチャレンジした場合、結果としてストレートに跳ね返ってくるのが怖いのです。

こうしたタイプは、いつまでも勝負強くなれません。

勝負強いタイプは、勝負、つまり面接自体を楽しめる人です。「落ちたけれど、面白い会社だったなあ」と振り返れるくらいのタイプです。

落ちたらいちいち、面白くない、恥ずかしい、腹立たしいというタイプの人は、転職活動が前向きに進展しませんし、良縁は訪れません。

なぜなら、実際にやってみたらお分かりでしょうが、面接は受かるより落ちるケースの方が多いからです。これはどんな企業・職種を受ける場合でも同じだからです。

落ちたけど面白かったという人は、次から次へとチャレンジしていけます。サクセスより、チャレンジする面白さに、自分の心がフォーカスしているのです。その分だけ良縁も早く訪れるのです。

前に述べた、他の4つの心がまえは、落ちたけど面白かった、というメンタリティを手に入れるための準備だと思ってください。

まとめ

面接で合格することに重要なキーポイントは、小手先のテクニックより、メンタリティです。

ただそれはやみくもな意気込みを意味しているのではありません。私は、もっと冷静で、具体的で、誰にでも出来る「心の準備」について語ったつもりです。しかも、ふつうの転職サイトで書かれていないような部分までこだわって書いたと自負しています。

ここまでこだわりを持てれば、結果において大きな差が出てくるでしょう。

一人でも多くの方が、この記事に目を留めていただけることを願ってやみません。