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日本国内において従来の自動車部品メーカーというと、大部分が大手の自動車メーカーに対して系列企業のようなスタンスで製品を納入する取引で成長してきたところがあります。

ですが自動車産業の中で新興国の勢力伸長が無視することのできない状況になってきていて、特定の相手にとどまらず世界的な取引を行うことが必要とされるところです。

昨今では自動車メーカーがより生産コストを下げる取り組みとして「部品のモジュール化」がキーワードとなっていて、シェアを広げる大きなチャンスとなり得る中で営業職の役割も重要なものになっています。

自動車部品メーカーの営業課題

自動車という製品は膨大な数の部品を組み合わせて製造されているものであり、その複雑さから長きにわたりそれぞれの車種で替えの効かない部品が独自に製造されてきました。

それが21世紀になり、大手自動車メーカーであるフォルクスワーゲンや日産自動車が製品のモジュール化に取り組み始めたのです。

各社で製造している各モデルに共通する部品を使用することで新製品も設計しやすくなり、完成までに必要とされる時間も短縮されることになります。

大手メーカー

部品のモジュール化が世界的な規格にまで広がっていくと、部品メーカーとしては一社からの受注で何百万といった単位の製品を供給することができるようになります。

これは言うまでもなくビッグビジネスであり、営業職としてもこのような商談をまとめることが至上命題となります。

ただ自社のキャパシティとしてどれだけの受注に対応することのできる生産力があるのか、資金面に問題はないのかといったことも考えなければなりません。

中小メーカー

自動車の生産工程におけるモジュール化の進行は、それほどの規模を持たない中小の部品メーカーにとっては厳しい側面もあります。

製品の供給力に限界があるわけですから、求められる大量のオーダーに応えることはきわめて困難であるのです。

そこで営業マンとしては自動車メーカーからの直接の受注にこだわらず、大手の部品メーカーに対して提携を結ぶことができるよう営業活動を進めることがひとつの手になります。

そのほか外回りの中で営業先からのニーズを拾い上げて開発や生産の現場へフィードバックし、自社ならではの技術や製品のクオリティアップにつなげていくことも重要です。

自動車部品営業は激務なのか

部品メーカーが置かれている立場

自動車部品メーカーという企業はその性質もあり、単独で市場を形づくることができません。

立場として自動車メーカーがピラミッドの頂点になっていて部品メーカーはその下という位置にあることから、会社の先行きをも自動車メーカが握っているのです。

自動車メーカーがさまざまな部品メーカーと取引をしている一方で部品メーカーは一社に特化して太いパイプを築いているケース、しっかり製品をブランド化して複数社と取引しているケースがあります。

いずれにしてもその階層構造から部品メーカーは選ばれる側にあり、窓口となる営業担当者は時に無理難題を突き付けられながらもそれに応える方向で仕事をしなければなりません。

製品ありきよりもニーズありき

自動車メーカーでは現在はもちろん将来的にもまだまだ自社モデルの性能を高め、また新製品を開発しようと取り組んでいます。

部品メーカーでの営業は基本的に他社相手の法人営業ということになりますが、見方によってはOEMのような側面もあるということができます。

営業職は次々に厳しいリクエストを課されることになり、それに応えるクオリティの製品を納期までに用意することができなければ取引を続けることもできません。

成約へ至るまでの道のり

自動車の開発はスムーズに進むと限らず、何年もかけて完成形となるまでには使用される部品についてもあらたに生じた課題をクリアしていくというように対応していく連続となります。

また自動車メーカーでは複数の部品メーカーに対して同じ用途で使用される部品のオファーを出すことが多く、仕上がってきたものを比較してどこへ発注するかを決めることも一般的です。

競合他社との戦いということにもなり、より良い物を提示するために営業マンは他社の動向も探りながら開発部門の時間を最大限まで確保するための交渉にもあたります。

開発との連携は非常に重要であり、時にはクライアントと社内の板挟みになりながらも落とし所を見出さなければならず精神的に疲弊するところが少なくありません。

中途採用の営業マンにとって自動車部品メーカーはどうなのか?

将来へつながる仕事をするために

いったん採用された自動車部品は、基本的にモデルチェンジなり生産終了という事態にならない限りずっと使用され続けることになります。

その期間は長期にわたる事例ですと20年以上といったこともあり、それだけ長く生産が続くかもしれないとなれば営業マンはあらかじめ生産にかかるコストや輸送費用といったことまでを広く考えなければなりません。

ただ確かにひとつのプロジェクトとしては完結へ至るまでの時間が非常に長いものの、その中で確実に自分自身も成長していきますから過程を楽しむぐらいの心の余裕を持ちたいところ。

社内外を問わずかかわる関係先も多く、広い視野を持って仕事へ取り組む上では経験のある中途採用者が活躍しやすいところもあります。

より良い製品を生み出すために

自動車部品メーカーはニーズに応える製品を一から作り上げるわけですが、単純に言われたものを製造現場へ伝えているだけでは営業マンとして合格であるということはできません。

ライバル企業を超える提案をするためにも自社の評価を高めるためにも、より価値の高い製品を形にすることが理想。

そのためには営業職にも自分なりに頭をめぐらせ、クライアントなり開発チームなりにアイデアを出してみるといったアクティブさが必要です。

こういった思考も経験の中から生まれるところがあり、新卒者に比較して転職者が力を発揮することのできる部分となります。