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転職活動をするうち、「どれくらいの会社に応募すればいいのか」がわからなくなってきます。

他の転職者は、同時に何社に応募するのだろう。もっと多くしたほうがいいのか、それとも少なくした方がいいのか……。悩んでいるうち、多くの人が「応募数を増やす」という選択肢をとるのではないでしょうか。

数撃てば当たる。撃たなければ、当たらない。

転職を失敗させたくないという思いから、応募社数は増えていきます。考えて増やしたなら良いですが、闇雲になりがちな人が多いです。乱れ撃ちでは、撃ったところで、当たる確立は低いでしょう。

一発一発、弾に威力と「当てるぞ」という意思を込めなければ、当たりません。

転職活動を成功させるために、しっかりと同時に応募する求人数について考えてみましょう。また、闇雲にならず、しっかりと弾を命中させる方法について、説明します。

応募社数の平均

DODAによれば、転職成功者の平均応募社数は13.1社だそうです。ただし、1社~5社と答えた方が全体の39.9%もおられます。全体の4割が5社以下の応募数で、転職を成功させているのです。

この数字から、皆さんはどのようなことを考えますか? 単純に「多いなあ」「少ないなあ」と考えることもできますし、「少数応募でもいける!」と考えることもできます。さまざまな考え方がありますが、この数字は少ない数の会社に応募することと、多数の会社に応募することの両方にメリットとデメリットがあるということを示しているのではないでしょうか。

両方にメリット・デメリットがあるとなれば、それらを知った上で「どうするか」を決めなくてはなりません。それをこれから、考えていきます。

少数の会社に応募するメリットとデメリット

少数の会社にだけ応募することはリスキーなように思えますが、メリットもあります。最適な応募社数について考えるためには、それらについて知っていなければなりません。

メリットその1

応募する数を減らせば、1社に対して書類や面接など選考の対策に多くの時間を割くことができるようになります。1社1社、じっくりと向き合うことができるのです。

企業のリサーチをしっかりと行えば、その企業に合った選考対策が見えてきます。応募書類を作成するときからその対策を活かすことができれば、通過率が上がるでしょう。面接にも、同じことが言えます。

ただし、それは逆に「1社1社しっかりと向き合わなければ、少数応募で満足な結果を残すのは厳しい」ということです。

メリットその2

転職に成功したからといって、再び転職しないとは限りません。

今回の転職活動で、IT企業100社に応募したとします。その中から1社を選び、入社したのです。面接にこぎつけることができなかった企業もあれば、内定を辞退した企業もあるでしょう。

同じくIT業界で再転職をするとなった際、以前応募した100社にまた書類を送ることは不可能ではありません。ただ、中には再応募不可能という企業もあります。以前内定を辞退したところにまた応募するのは、心象が悪くなることもあり、不利です。

同時に多数応募すると、それだけ再転職する際の応募可能企業数が減ることになりかねません。再転職の際の選択肢が、狭まるのです。

同時に少数応募すれば、再転職の際の選択肢を広く保つことができます。再転職しないに越したことはないでしょうが、未来はどうなるかわかりません。

こういったリスクヘッジをしておくのは大切なことです。

デメリット

たとえば3社に応募したとして、その3社全てで内定を得ることはできないでしょう。3社全て選考落ちしてしまうことも、大いに考えられます。

少数応募だと面接の数が少なく済むので、ストレートに決まれば短い転職活動期間で、再就職することが可能です。ただし、全て落ちてしまえば、もう一度求人を吟味して書類を送るところからやり直さなければなりません。

同時に多数応募するよりも、かえって転職活動期間が延びてしまうこともあるのです。

多数の会社に応募するメリットとデメリット

前の章で、少数の会社に応募するメリットとデメリットを知りました。今度は、多数の会社に応募するメリットとデメリットについて、考えてみましょう。

メリットその1

多数の会社に応募書類を一斉送信すれば、それだけ同時に面接を受けられる可能性が高くなります。面接と面接の間をあまり空けず、濃密なスケジュールで面接をこなせば、効率よく転職活動ができるのです。

それだけ転職活動期間も短くなります。単に内定を得る機会が増えるという意味でも、メリットがあるのです。

メリットその2

多くの会社に同時に応募すると言っても、闇雲に応募する方はほとんどおられないでしょう。自分が良いと思った企業だけを、複数選んで応募するものです。この時点で一度、「求人先の絞込み」ができます。

多数の会社に応募すれば、内定も多数貰うことがあるでしょう。

その場合、複数の中からどれか1社を選ぶことになります。一度絞り込んだ求人先から、再び絞り込むことができるのです。これにより、自分にとって本当に良い会社に入社しやすくなります。

デメリットその1

複数に応募するデメリットとして第一に考えられるのは、単純に手間がかかるということです。応募書類を作るだけでも一苦労。応募する数によっては、一日では書類作成が終わらないということもあるでしょう。

また、同時に面接の知らせがたくさん来ると、スケジュール管理も難しくなります。マルチタスクが苦手な方は、「今日ってどの会社の面接だ?」と混乱してしまいかねません。

デメリットその2

少数応募するメリットで語ったとおり、多すぎては再転職する際の選択肢を狭めることになります。また、スケジュール管理が難しくなり、頭の中が混乱してしまうといったデメリットもあるのです。

多数に応募するのは転職活動の効率的な進め方のひとつですが、多すぎてもいけません。出来るのであれば、応募数を少なく絞ったほうが懸命でしょう。

結局、少数・多数どっちがいいのか

少数の会社に応募する場合でも、多数の会社に応募する場合でも、どちらにもメリットとデメリットがあることがわかりました。多数に送るデメリットは二つ紹介しましたが、少数に送るデメリットは「一度の応募で内定が出ないかもしれない」という、ひとつだけです。

多数に応募したとしても、内定が得られない可能性は付きまといます。うまくいけば複数内定を得られることもありますが、結局ひとつだけということもあるでしょう。

結局は、「できるだけ少なく絞る」方が良いです。

平均応募数から考えて、多くても10社に絞った方が良いでしょう。絞りすぎも内定が得られないリスクが高くなるので、限度は5社までとしたいところです。

少ない応募社数で成功する方法はあるか

出来るだけ応募社数を少なくしたほうが良いという話でしたが、それで転職を成功させる方法があるのかどうかが気になるところですよね。そこで、求人を絞りこむ方法・少数応募で転職を成功させる方法について、紹介します。

転職エージェントに相談する

一人で転職サイトを見ながら応募する会社を絞ることもできますが、ときには第三者の意見も欲しくなります。自分にどんな会社が合っているのか、自分ではわからない部分も、第三者に相談することで、わかることがあるのです。

そんなときに転職エージェントを使うと、転職のプロが第三者の視点から「自分に合った求人」を見つけてきてくれます。転職エージェントを利用すれば、絞込みがしやすくなるのです。

理由は、それだけではありません。

転職エージェントを利用すべき理由

転職エージェントに登録すると、非公開求人の紹介を受けることができるようになります。転職エージェントには、転職サイトや求人サイトでは見られないような、条件の良い求人が隠されているのです。登録前にそれを見ることは叶いませんが、登録すれば見ることができます。

これによって、自分にとって良い求人を得やすくなるのです。

また、履歴書の添削や面接指導を受けることもできます。

転職エージェントを通じて応募すれば、企業に対し「より良い待遇で雇ってもらえないか」交渉してもらうことも可能です。なくなく妥協した部分があったとしても、これによって自分希望により近づくことができます。

以上のような理由から、転職エージェントは求人の絞込みにも有効ですし、通過率を上げるのにも有効なのです。

1社1社丁寧に書類を作成する

応募社数が少ない分、1社1社丁寧に書類を作成しましょう。

特に自己PRは、企業ごとに最適な内容が変わるはずです。企業がどんな人材を求めているかによって、アピールすべき箇所は変わります。全ての会社に同じ内容を送っていたのでは、的外れなアピールをしてしまいかねません。

全てを企業ごとに作り変える必要はありませんが、少なくとも自己PRだけは、その企業に合った内容を考えましょう。

時間があるなら、志望動機も企業に合ったものにするとより効果的です。

自分で作ってみて、完成したら転職エージェントのキャリアコンサルタントに見てもらいましょう。そこで添削してもらった内容を反映すれば、より良い応募書類になります。

1社ごとに本気で対策を立てる

応募先を減らすからには、一発で転職活動を成功させたいものです。応募先を減らして全て落ちてというのでは、求人を絞った意味がありません。応募先を減らすことによって、多くの時間が出来たことでしょう。

この時間を、対策に使うのです。

特に時間を割くべきは、企業リサーチでしょう。書類を丁寧に作るのにも、企業の情報が無ければどうしようもありません。

リサーチをして得た情報を基にして、書類を作成する。面接の受け答えを考える。やるべきことは、たくさんあります。1社1社本気で対策を立て、確実に内定をものにしましょう。

まとめ

「転職では○社に同時応募すべき」と、一概に数まで正確に述べることはできません。自分自身の状況によって、最適解は変わるはずです。

ただ、「出来るだけ数を減らしたい」という意思は、誰でも持っていることでしょう。それは理想ですが、実現することは案外難しいのです。可能にするには、1社1社に本気で向き合う姿勢が必要になります。

転職エージェントを利用するというのは、そのための手段でしかありません。

本当に大切なのは、自分自身の本気と企業に対する下調べ……そして、それを形にすることです