教育者といえば聞こえはいいものの、実は教育以外の仕事も多くて割に合わないことが多いのが学習塾や予備校で正社員として働く講師です。

少子化の影響で入学者数の伸び悩みを営業成績として押し付けられて、辞めたい!と感じてしまいますよね。

「先生」と呼ばれる仕事は自尊心が高く保てる仕事である一方で、問題の多い学生の対応など、かなりの精神的負担を伴う仕事でもあるのです。

このページでは、塾や予備校の講師の悩みを分析しつつ、より良い職場を見つけるためのポイントや異なる職種への転職について解説していきたいと思います。

学習塾や予備校の講師を辞めたい人の悩み・理由

教育者であるからには、理想の教育像や理想の教育論など、理想を求めて就職したはずの学習塾・予備校の講師。

充実しているはずの講師の仕事なおに、皆さんもこんな悩みを抱えていませんか?

学習塾・予備校講師の悩み① 周囲と違う勤務時間だから、家族や仲間に会えない

学習塾や予備校は、基本的に学生の学校での授業が終わってから始まります。

つまり、だいたい16時から22時くらいが勤務時間となるわけです。

自分の手が空いている時間はサラリーマンの友達は勤務中で、家族も仕事や学校のため、遊んだり、コミュニケーションをとることができません。

講師である自分が忙しくなる夕方から夜にかけては、家族が一家団欒する時間帯でもあり、また、サラリーマンの友達はアフターファイブで飲みに誘いたい時間帯です。

家族の話をきいて晩酌をしたり、友達と飲みに行きたいと思っても、生活時間が違うのでうまくいかなくてイライラしてしまいませんか?

このように、生活の時間帯が家族や友達と違うので、すれ違いが大きくなってしまうのが学習塾や予備校講師の辛いところですよね。

学習塾・予備校講師の悩み② 大手じゃなければ給料も高くはない

学習塾でも予備校でも、CMや電車の広告で頻繁に見るような大手と、個人経営のような中小のタイプにわかれます。

前者の場合は年収350万円ほど(初任給)ですが、後者の場合は年収250~300万円(初任給)です。

さらに昇給の金額も大手は一度に数万円アップするところ、中小では数年間昇給なしも当たり前。

どんなにがんばっても給与明細は変わらないのですから、もう辞めたいな…と考えるのも当然ですよね。

学習塾・予備校講師の③ モンスターペアレントだけでなく、モンスタースチューデントの増加で仕事がしにくい

考えもつかないようなクレームを入れてくるモンスターペアレントは今や聞き慣れた言葉ですが、学習塾や予備校ではモンスタースチューデントも増加しています。

たとえば「先生の授業を受ければ点数が上がると言っていたけど、実際は20点下がりました。効果が得られなかったので、授業料を返してください。」という学生。

この学生は単に部活動で勉強の時間ができなかったようですが、すべてを講師のせいにして、返金制度もないのに平気でこのようなことを言ってきます。

「前の人の頭が邪魔でホワイトボードが見えませんでした。もう1度個別に無料で授業してください。」という学生。

連絡の必要があるときだけ使うようにしているメールアドレスに、深夜何通もプライベートの悩み事を送りつけて、返事がなければ自殺すると脅迫してくる学生。

一昔前では考えられなかったような学生が急激に増えてきて、こんなことに答えてる時間があったら、授業準備したいのに!と怒りを覚えますよね。

「学習塾や予備校の講師を辞めたい!」から始める転職活動

専門的知識はあるものの、その分潰しがきかないというイメージのある塾講師や予備校講師。

でも、見方を変えれば転職のチャンスは十分にあります。

より良い環境・待遇で働ける学習塾や予備校に転職!

講師として専門知識と技術で生きてきたのに、いきなり他業種・他職種に転職するのはちょっと抵抗がありませんか?

まずは、塾講師は予備校に、予備校講師は塾に転職するという手があります。

今いる塾や予備校の環境に問題があるという理由で辞めたいなら、いきなり今と違う業界・職種に転職する前に、同じ業界・職種で転職を考えてみましょう。

でも、闇雲に「ここよりヒドい塾はない!ここじゃない塾・予備校ならどこでもいい!」という気持ちで転職すると、もしかしたら今よりももっと劣悪な環境で働くことになるかもしれません。

数ある塾・予備校からホワイト塾・予備校を見分けるのは難しいんじゃ…と不安な人は、塾・予備校のこんなところをチェックしてみましょう。

講師陣の年齢層が幅広い

30代後半から50代くらいの講師がいない場合、昇給がなかったり、努力が給与に反映されないといった要因から、数年勤務してある程度把握した講師が辞めている可能性が高いです。

新卒程度の若者ばかりが講師陣を占めていたら、将来性がなく、長年勤務しにくい塾・予備校だということです。

反対に、さまざまな年齢層のいる塾・予備校は勤務のしやすさ、給与体系がしっかりしているなどの要因から、勤務しやすい環境だといえます。

進学率が高い

進学率は塾・予備校の看板です。

その進学率の数値が低いということは、集客力の低さにつながります。

生徒が集まらなければ、講師陣への給与も期待できません。

反対に、規模は小さくても進学率が高い塾・予備校は、生徒を集める武器があるわけですから、講師陣への待遇も期待できます。

先輩講師が精力的

先輩講師は未来のあなたの姿だと思ってください。

転職しようとしている塾や予備校の自分より少し上の年代の講師が精力的に勤務していたり、見学に行った際に活気があれば、そうなれるだけの環境や待遇があるということです。

反対に、先輩講師に覇気がなく、授業もダルそうにしている場合は、モチベーションを維持できるだけの環境や待遇が期待できないということにもなります。

学習塾・予備校講師以外の業種・職種に転職!

難易度は高いが安定性バツグンの中学・高校教諭

塾講師や予備校講師の人は、必須資格として教員免許を持っているでしょう。

その教員免許を本来のカタチで活かす転職が最もこれまでのスキルや経験を活かせる転職といえます。

実際に教員採用試験に通るまでのメシのタネと割り切って塾や予備校の講師をしていて、教員採用試験に通って転職に成功する人もいます。

私立の場合は教員免許さえあれば転職でき、正職員となれば生涯安泰です。

また、学習塾や予備校の講師の悩みでもご紹介した「生活時間が家族や友達とすれ違う」ということもなく、一般的な時間帯での生活が手に入ります。

ただし、教員採用試験の道が狭いのはご存じのとおりですし、中学や高校の教諭になってしまえば授業以外にも校務分掌がまわってきたり、部活動の顧問などの授業外の仕事が多くなるという一面もあります。

話し上手を活用して営業職への転職も

塾講師、予備校講師の特徴は、学生の心をつかむようなものの言い回しや、わかりやすい説明など、話し上手な点です。

この話し上手だという長所を活かして、営業職に転職する人もいます。

保険や証券などを売る際に、商品も長所を言葉巧みに説明し、「これはもう買うしかない!」という気持ちにさせられるほどの話術を持っているということは、営業職としての大きなアドバンテージになりますよね。

語学力があれば外資系に転職できる可能性あり

英語の科目を担当できるほどの語学力がある場合は、日系企業に転職するほかにも、外資系企業に転職するという選択肢もあります。

外資系は実力主義ですから、転職回数が多くても気にしないというメリットがあります。
また、TOEIC900点以上レベルの高い語学力があれば、即戦力になれるでしょう。

外資系の中でも保険会社やコンサルティングファームなどは、ハードルが高いために転職希望者がそれほど多くないため、英語というひとつの武器があれば、転職できる可能性があります。

外資系は高収入でキャリアにもハクがつくため、狙い目の転職先だといえるでしょう。

学習塾や予備校の講師からの転職体験談

学習塾や予備校の教育者から、元々あった知識やスキルを活かした職業へ転職した人の声を紹介します。

潰しがきかないという講師から転職に成功した人は、どんな仕事を選んだのか、気になりますよね。

学習塾の講師から税理士事務所の事務職に転職(女性 当時30代前半)

私は某大手学習塾で数学を教えていました。

新卒で入社してから10年、結婚したことをきっかけに転職を考え始めました。

というのも、夫は普通のサラリーマンで、9時~17時の仕事をしているのですが、私は夫が帰宅する時間に仕事が始まり、夫がもう寝る頃にようやく私が帰宅するというすれ違いの生活が続いたからです。

将来的には子どもも欲しかったので、このままでは育児もできないと思い、夫と同じような時間帯で働ける仕事を探しました。

数学の教員免許を持っていて、大学では日商簿記2級の検定を取っていたので、事務職で探していたところ、年間休日120日で残業もない税理士事務所の事務職の仕事を見つけました。

転職してみて実感したのは、「昼間に働くことの気持ちよさ」です。

夫との生活のすれ違いもなくなったし、持っていた資格や知識を活かせるので、今の仕事への移行はわりとスムーズだったと思います。

予備校の講師から外資系総合職に転職(男性 当時20代後半)

予備校では5年ほど英語を教えていました。

割と大手の予備校でしたが、学生数の減少の影響で昇給があまりなくて、将来に不安を覚えました。

年収が高くて、キャリアアップにもつながるという理由で、思い切って某外資系企業に転職したのが昨年です。

勤務時間はむしろ増えたのですが、年収は予備校講師時代の2.5倍になりました。

給与の低さと将来性が不安だったことで転職を考えたので、とりあえず年収アップという目標が叶ったことは素直に喜べます。

学習塾の講師から私立高校の教諭に転職(女性 当時20代前半)

大卒後、大学時代からアルバイトをしていた小規模学習塾で講師として働いていました。

3年勤務してから親が転勤で他県に引っ越すことになり、まだ大学を出たてで一人暮らしもしたことがなかったので、親について引っ越すことになり、転職を決意しました。

引っ越し先の学習塾も転職先の候補ではありましたが、持っている教員免許を活かしたほうがいいと両親にアドバイスされ、考えていたところ、たまたま近くの私立高校に欠員が出たため、採用が決まりました。

転職してみて、やっぱり自分は生徒に教えるのが好きなんだということを実感していますが、クラス担任や行事の企画・運営などの業務もあるので、塾講師時代よりも忙しい毎日です。

でも、塾講師時代は250万円ほどだった年収が、一気に500万円以上になったので、責任を持って日々の業務をこなしています。