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今回は、異なるサービスを比較します。転職エージェントのマイナビエージェントと転職求人サイトのリクナビNEXTです。

正直、サービスがどう違うのか分からない方もいらっしゃいますよね?両社ともネットからエントリーする点で、似ているかも・・・、と思われるかも知れません。

ですが、転職エージェントと転職求人サイトはサービスが異なります。のみならず、そのビジネス構造の違いから、得られるメリットが全然違います。こうした点を把握しておかないと、転職活動で大きな損をしてしまいます。

今回は、元転職エージェント勤務、元業界人の立場から、自由に両社の良いところも悪いところも比較しちゃいます。転職活動をスムーズに、効果的に進められるために、どうぞ最後までお目通しください。

マイナビエージェントとリクナビNEXTのサービス形態を比較

そもそも、転職エージェント、転職求人サイトはどのようなサービスなのでしょうか?

まず、転職エージェントとは、法律上「有料職業紹介事業」といい、求人企業から求人のオーダーを受け付け、転職者に紹介するというサービスです。有料と書かれているのは、この転職者へ求人をあっせんした結果、雇用契約が成立したら(入社したら)、求人企業から紹介手数料又は成功報酬を受けられるからです。

マイナビエージェントは、大手総合型の転職エージェントです。大手総合型とは、求人を受け付ける業種や職種を特化させず、幅広い業種、職種から求人を受け付けて転職者に紹介している転職エージェントのことです。

これに対し、リクナビNEXTのような転職求人サイトは、求人企業からあらかじめ求人広告の掲載料をもらい、求人広告を作成して転職者に紹介するというサービスです。転職エージェントのように転職者に求人を仲立ちすることはなく、基本的には、転職者は求人企業へ直接応募ができる、というサービスです。

両者のサービスの大きな違いは、2点あります。

  • 転職エージェントは、転職者へ求人を紹介する際に様々なカウンセリングやアドバイスをして、転職者の転職活動をサポートするが、転職求人サイトにはそのようなサービスがない。
  • 転職求人サイトは、検索可能な求人に対して自由に直接、求人企業にアプローチができるが、転職エージェントは、キャリアアドバイザーが紹介した求人にしかアプローチができない。

いずれが自分に合ったサービスかよく考えて選択すると良いでしょう。

マイナビエージェントとリクナビNEXTを求人数で比較

さて、そんなマイナビエージェントとリクナビNEXTは、サービスにどのような違いがあるでしょうか。求人数でまずは比較してみましょう。

調査したところによれば、マイナビエージェントは、非公開求人が約2万3千社あるとのことです。これに対し、リクナビNEXTは、約6千件の求人情報があります。求人数では一見、マイナビエージェントが有利なように見えますよね。

一般的にいって、転職求人サイトより転職エージェントの方が求人件数は多いです。これは、求人企業からみたら、転職エージェントに求人のオーダーを出すだけなら無料なので、「出しっぱなし」にしている求人案件が多いから、と考えられています。

しかし、前に書いたように、転職エージェントは、転職者からニーズを聞き取り、キャリアアドバイザーの判断で、転職先を紹介するというサービスです。このキャリアアドバイザーの判断(裁量)がやっかいで、転職者とキャリアアドバイザーとのコミュニケーションが上手くいかなければ、キャリアアドバイザーが紹介を迷ってしまい、結局、応募できる数がリクナビNEXTより少ない、ということもありえます。

一方、リクナビNEXTの求人情報は、掲載期間が決まっているため、他の転職求人サイトとは違い、応募を締め切っているにもかかわらず、求人が掲載されているということはあまりありません。約6千件という数字の少なさは、それだけ鮮度の高い求人情報を整備していることの裏返しともいえます。

マイナビエージェントとリクナビNEXTを求人の質で比較

次に、マイナビエージェントとリクナビNEXTの求人の中身(質)を比較してみましょう。

一般的にいって、転職求人サイトより転職エージェントの方が求人の質は高いです。なぜなら、転職エージェントの場合、入社時に高い紹介手数料を支払うため、それだけハイスペックな人材を求めますし、その前提として、スペックに見合う待遇・条件を提示してくるケースが多いからです。

マイナビエージェントも、リクナビNEXTと比べて、求人の質は高いです。ただし、マイナビエージェントの場合、もともとは毎日コミュニケーションズという求人広告媒体が母体でした。人事関係者には信頼のある媒体でしたが、求人広告媒体という点ではリクナビNEXTとかぶっていたのです。そして、マイナビエージェントは、後発の転職エージェントであるところ、まだ、前身の求人広告媒体で培った信頼関係に頼った求人開拓から抜け切れていないのです。完全に、ではありませんが、リクナビNEXTとマイナビエージェントは、ターゲットとする求人企業がかぶっている可能性があります。

また、マイナビエージェントの求人の質にも死角がないわけではありません。転職エージェントという性質上、どうしてもキャリア転職、経験者優遇の求人に偏りがちになっています。高い紹介手数料がからむビジネスのため仕方がない部分がありますが、キャリアチェンジを目指したい方にとっては痛い・・・。その点、リクナビNEXTは、未経験者採用の求人も多く、キャリアチェンジという点では有用な求人サイトとなっています。

マイナビエージェントとリクナビNEXTをサポート体制で比較

マイナビエージェントとリクナビNEXTのサービスで大きく異なる点が、サポート体制です。マイナビエージェントの場合、専属のキャリアアドバイザーがついて、転職活動のノウハウの提供だけではなく、キャリアカウンセリング、転職活動のアドバイス、選考管理や入社条件の交渉まで引き受けてくれます。

特にマイナビエージェントの場合、これらの転職サポートの質が親身・親切である点で、他の転職エージェントより評価が高いことで知られています。これは、マイナビエージェントが大手総合型ながら、後発組の転職エージェントであるため、他社との差別化のために、転職者への丁寧なサポートに力を入れている表れといえます。

一方のリクナビNEXT。一般的には、転職求人サイトは直接応募ができる代わりに、自分の責任と判断で進めていくものなので、転職サポート体制はない、と思われるかもしれませんが、そこは、総合情報サービス業のリクルートグループ。メルマガやWEB上に豊富なコンテンツで転職活動のサポート体制があります。

マイナビエージェントとリクナビNEXTを利用しやすさで比較

この点も、マイナビエージェントとリクナビNEXTとでは大きく分かれるポイントです。

一般に、転職エージェントより転職求人サイトの方が利用しやすいです。転職求人サイトは登録しさえすれば、誰でも利用でき、企業へも自由にアプローチできることが強みです。リクナビNEXTもこの点、他の転職求人サイトと同じように、誰でも利用しやすいようにできている求人サイトです。

これに対し、転職エージェントであるマイナビエージェントは、誰彼も利用できるというわけではありません。マイナビエージェントが持っている求人を紹介可能な方のみが利用できる、という制約条件があります。

それでも、大手総合型の転職エージェントなので、登録可能な方は、幅広い年代、キャリアの持ち主が考えられます。しかし、前述した制約条件がある以上、経験の乏しい方、キャリアチェンジなど未経験職への転職を図りたい方は、登録を断られる可能性もあります。

マイナビエージェントとリクナビNEXTを利用可能期間で比較

この点は、最後に一応比較しておきます。

一般に、リクナビNEXTのような転職求人サイトを利用する場合は、利用可能期間に制限はありません。それこそ、何年も登録しっぱなし、という方もいらっしゃるでしょう。転職求人サイトは、自分のペースで使えることが大きな強みの1つであります。

これに対し、転職エージェントの場合は、サポート期間が決まっている会社と決まっていない会社があります。一般的にいって、人手がかかる転職エージェントのビジネスでは、活発に動いている人材にフォーカスして転職サポートをする傾向があります。大半のケースでは、半年以内に転職先が決まるため、期間を集中してサポートする傾向があります。

マイナビエージェントの場合、利用可能期間に制限はありませんが、あまり転職活動が長引くようだと、サポートの質が徐々に落ちてくる可能性があるので注意しましょう。

最後に

マイナビエージェントとリクナビNEXTとの間で、サービス内容・質に大きな違いがいくつかあることがお分かりいただけたでしょうか。両者とも、使い方によって一長一短がありますので、ご自身のニーズをよく考えてから、サービスを利用すると良いでしょう。

その際にポイントとなるのは

  • 自分にとって、今までのキャリアを活かした転職をするか
  • 未経験の職種、新しい業界にチャレンジするか

といった点になると思います。いずれにせよ、自分の転職の「軸」をはっきりさせてから、軸に見合った転職サービスを利用するのが堅実なやり方でしょう。

ぜひ、マイナビエージェント、リクナビNEXTの効果的に使いこなして、良い転職を実現していただければと思います。