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今回は同じリクルート勢同士サービスを徹底比較してみましょう。

一方は、転職エージェントのリクルートエージェント。もう一方は、一般的な転職サイトであるリクナビNEXTです。

私も転職エージェントに勤務していた時、「転職エージェント」と「転職求人サイト」との違いをよく説明しましたが、「転職サービス」ということで、両者を混同している転職者も多かったです。

実際に利用してみると、その差は歴然と分かりますが、あらかじめ知っておくと、転職活動がスムーズに、効果的に進められるでしょう。

また、今回も背景となるビジネス構造の違いにも触れ、そこから浮かび上がる利用上の注意点(リスク)についても触れておきたいと思います。最後までどうかお目通しください。

リクナビNEXTとリクルートエージェントとのサービス形態を比較

まず、両者のサービス形態について比較します。

よく混同される原因にもなりますが、自分でネット上に経歴等を入力し、登録し、ネットを通じて転職活動を進める、という点ではリクルートエージェントもリクナビNEXTもやることは一緒です。(ただし、リクルートエージェントの場合は、これに加えて登録時に来社して面談を受ける必要があります。)

両者の最大の違いとなるポイントは、「転職活動を一人でやるか、一緒にやるか」という点です。

一般的な転職サイトであるリクナビNEXTには、登録後は自分で応募先を検索し、応募し、面接の日程調整や条件交渉も自分一人でやらなくてはなりません。しかし、自分のペースで進められるのが特徴です。

これに対し、転職エージェントであるリクルートエージェントにはキャリアアドバイザーがついて、求人情報の提供段階からサポートが入ります。

応募書類の添削や面接のアドバイス、面接の日程調整や企業との条件交渉など、転職者が決断を迫られるポイントで的確なサポートが受けられるのです。

但し、一緒に進めるうえでの協力関係の構築が必要であったり、面接の日程調整などで回答をせっつかれたりと、自分のペースだけで転職活動を進めることができないのが難点です。

求人数でリクナビNEXTとリクルートエージェントを比較

次に、両者の共通する、求人を紹介するサービスであることについて、その数を比較してみましょう。

HPによれば、求人数は、リクナビNEXTは約6,000件。これに対し、リクルートエージェントは、非公開求人だけで約10万件あります。

一見、リクルートエージェントが圧倒的に有利なサービスのように思えます。この背景には、転職エージェントの場合は、求人企業が無料でオーダーを出せるため、コスト面でのハードルが低いという事情も影響しています。

しかし、リクルートエージェントの場合は、最初の登録面談である程度の転職先の希望を述べた後は、求人は基本的にキャリアアドバイザーが検索して紹介する、という形式を取るため、約10万件の求人情報の全てに転職者がアクセスできるわけではありません。

全てはキャリアアドバイザーの力量にかかっているのです。良い求人を数多く紹介してもらうためには、キャリアアドバイザーとの的確なコミュニケーションが欠かせません。

一方、リクナビNEXTは求人件数が少ないですが、これは求人広告サイトの特徴として、掲載期間が決まっている、という事情もあります。

反面、鮮度の高い求人情報にいつでもアクセスでき、何よりリクナビNEXTのような一般的な転職サイトを利用する強みは、「どんな仕事にも直接申込みができる」ということでしょう。

キャリアアドバイザーのような第三者の制約を受けることなく、自由に公開求人を検索でき、自由に応募が出来るという点は、特に現職と違う職種にチャレンジしたい方には魅力的なポイントになると思います。

また、リクナビNEXTの場合、スカウトメール機能がついており、あなたの履歴を見た企業からのオファーメールが届くこともあります。求人件数の少なさ、マッチングの問題は、こうしたオプション機能がフォローしてくれます。

求人の質でリクナビNEXTとリクルートエージェントを比較

次に、求人の質で両者を比較してみましょう。

よくいわれる点は、リクナビNEXTよりリクルートエージェントの方がハイクオリティな求人が多い点。これは、求人企業が採用にかけるコストを反映しています。

一般に、1人採用するコストは、一般的な転職サイト(求人広告サイト)の広告手数料より、転職エージェントの紹介手数料の方が高いです。企業もそれだけ、ハイクオリティな人材を転職エージェントに求めますし、当然それに見合う待遇を用意している、という関係式が成り立っています。

また、転職エージェントは、転職者へ紹介する責任上、ブラック求人を気安く紹介するわけにもいきません。比較的安心して求人紹介を受けられるメリットがあります。

一方、リクナビNEXTは、リクルート本体だけではなく、広告代理店が求人を取ってくる営業形式であることもあって、求人の質は玉石混交です。

残念ながらブラックと呼ばれる求人も存在するといわれています。自己責任で応募できる反面、自分で求人の質を見分ける目利きが必要です。

また、求人案件の獲得といった点で、リクナビNEXTは他社に後れを取っています。リクナビNEXTは、今でこそ18万円から広告掲載が可能なサイトになりましたが、私が転職エージェントに勤めていた時代は、最低でも50万円程度はしていました。「掲載だけなら無料」という求人広告サイトも多い中で、リクナビNEXTは、求人広告市場の時代の変化についていけていない印象もあります。その分、優良な求人を集めるのに苦戦している印象です。

サポート体制でリクナビNEXTとリクルートエージェントを比較

サポート体制では、リクナビNEXTとリクルートエージェントでは大きな違いがあります。

前述したように、専任のキャリアアドバイザーがついて、いわば伴走的に転職支援が受けられるリクルートエージェント。

このほかにも、書類作成や面接対策のセミナーに無料で参加することができ、個人的に応募書類の添削や面接指導も受けられます。

こうしたサービスは、一般に転職エージェントのコストの持ち出しになるため、力を入れていない転職エージェントも多い中、リクルートエージェントは、業界最大手のブランドをバックに、コストがかかる転職支援サービスにも力を入れている企業です。

これに対し、リクナビNEXTは前述したように、基本的には自己責任で自分の力で転職活動を進めていかなくてはなりません。

転職活動に関するノウハウも自己責任かと思われがちですが、そこは情報総合サービス企業・リクルート。

Web上やメルマガで気軽に読める転職活動のノウハウに関するコンテンツを充実させており、それらを読みこなせば、転職に慣れていない方でも、十分魅力的な応募書類の作成や面接対策ができるようになっています。

利用しやすさでリクナビNEXTとリクルートエージェントを比較

利用しやすさという基準で両者を比較してみると、違いが如実に表れます。

リクルートエージェントの場合、転職エージェントの性格上、サポートする対象はキャリア転職が中心になります。

未経験や異業種への転職といった「今までのキャリアを売り込めない」タイプの転職活動には、どうしても弱くなります。

アルバイトなどで職歴の乏しい人、転職回数の多い人、特殊な職業の人など、「売りづらい人材」には登録を断ってくるケースもあります

利用しやすい人が、キャリア転職組に限られる、という点が特徴でしょう。

これに対し、リクナビNEXTは虚偽の情報で登録しているといった事情がない限り、登録を断られることはまずありません。登録のしやすさといった点では、リクルートエージェントよりリクナビNEXTの方が断然利用しやすいといった利点があります。

利用可能期間でリクナビNEXTとリクルートエージェントを比較

利用可能期間にも両者に違いがあります。

リクルートエージェントは、利用可能期間が原則半年と決まっています。業界最大手のブランドを守るため、鮮度の高い求人情報と人材に絞って転職活動を手厚くサポートする、というサービス運営方針をとっているためです。転職活動が半年以上かかる場合でも、原則としてサポート終了です。

これに対し、リクナビNEXTは登録期間に制限はありません。転職活動を終了しても登録を残しておくことができ、「次の次」のキャリア展開を考える際に、今までの情報を活かして活動することができるメリットがあります。

キャリアを綺麗に積み重ねていくうえで、頼りになるツールといえます。

最後に

転職エージェントと一般的な転職サイトで、違いがこれだけあることに驚かれた方もいらっしゃるでしょう。

しかし、両者のビジネス構造やサービスのポリシーを考えてみた場合に、違いや性格の差が出ることはむしろ当然ですらあります。

重要な点は、転職サービスとひとまとめに考えるのではなく、違いを理解して賢く利用することです。

転職者の希望とニーズにより、両者は一長一短があります。この記事を読んで、合う部分、合わない部分をしっかり理解したうえで、効果的に活用されることをおすすめします。