高収入のイメージがある外資系企業。外資系に転職をして、収入アップさせたい、と思ったことのある人は多いかと思います。「どれくらい高収入なの?」「年収が今よりアップするの?」という興味も尽きないでしょう。

そこで、年収アップの気になる相場や人気企業の平均年収など、データと共にご紹介します。ぜひ、今後のステップアップの参考にしてください。

外資系企業への転職で年収はアップする?

外資系の平均年収800万ってほんと?

外資系企業社員の平均年収は800万円、と色々なところで言われていますが、本当のところはどうなのでしょうか。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査(2005年10月)によると、外資系企業を含む1部、2部上場企業の平均年収は776万円とのことです。おおむね外資の平均に近いようにも見受けられますが、上場日系企業も含んだデータであり、実際の数字より、まだ高いかもしれません。

比較的年収がいいと言われるエンジニア系の職種にしぼったTECH総研の調査によると、外資系平均687万円(対して、国内企業は604万円)とのことです。

中小企業、ベンチャー企業、若年層などの収入も考慮すると、平均額としては、噂されるほど高くないと推測されます。もちろん国内企業より水準は高いのは明らかで、TECH総研の調査からも、外資系企業社員の年収は国内企業より10-15%は高いといえるでしょう。

ただし、いずれにしても、平均額にこだわることよりも、今、自分が外資系企業に転職することで、いくら年収がアップするのか、と考える方が妥当でしょう。

転職して、年収アップ率はどれくらい?

「年収アップ転職の実現」(ミドルの転職)という調査結果によると、転職成功者の半数以上が、年収が100万円以上上がったというデータがあります(国内企業含む)。

しかも、転職成功者の中で、「年収を上げるために意識したことは、外資系企業への転職」と回答した人が31%にものぼります。

いまや年収アップを大きく実現するためには、外資系企業への転職を視野に入れるのは一般的になってきているということです。また、「」ということがデータからうかがえます。

業界、職種によって収入はまちまち

外資系が概して高収入とは言え、業界や職種、年齢によって金額はまちまちです。

たとえば、ハイクラス、金融系だと年収1000万円超は当たり前と言われますが、20代だと400万円未満もあります。まずは、自分の進みたい業界、職種がどの程度なのかにもよります。

職種・業種・年齢別で見る外資系の年収実態

大手の外資系企業の年収

外資系企業の年収実態について調査してみると、業界、職種により差があるのがよくわかります。また、業界は同じでも企業によって違いがあります。気になる人気企業の年収を見てみましょう。(参考:平均年収.jp ※推測値も含まれます。)

コンピューター

日本IBMの平均年収は800万円超と言われますが、その範囲も300万円~8,000万円台まで。経験年数が浅い段階ではそう高くありませんが、マネージャー900万円超となり管理職レベルになると上がっていき、役員レベルだと1,000万円~億まで、と世界のグローバル企業らしい金額です。

一方、アップルはいうと、平均年収は約600万円とされ、予想よりもそう高くないように思われますが、契約社員の比率が多いことが数字に影響してます。サポート業務で300万円~、エンジニア450~650万円、マネージャー750万円~、上級専門職で1,000万前後、CEOで6,000万円以上、と、こちらも役職が上に上がるほど収入が上がっていきます。

アパレル(商社)

ルイ・ヴィトン ジャパンの平均年収は約650万円と言われています。店舗展開しているので、店長クラスで1,000万円とされ、国内企業の販売職クラスと比較すると高いと言えます。

メディカル

ジョンソン・エンド・ジョンソンでは、契約社員300万円、新卒で350万円~、係長クラス800万~、管理職1,000万円~1,200万円となります。新卒段階では高くはありませんが、管理職レベルで高くなっていきます。

金融

シティバンクでは、年収平均450万円と言われます。日本に再参入した際、新卒、若手の採用が多くなったため、金融としては平均年収値が低めに見えますが、セールスで500万~1,000万円とインセンティブで差が出るようです。マネジメント600万~1,500万円と、評価や年数でかなり違ってきますが、実力次第で年俸を高く上げていける企業と言えるでしょう。

三菱UFJモルガンスタンレーの年収平均は、984万円~2,600万円とされ、アナリストで800万~、アソシエイト1,000~、コンサルタント2,000~、ディレクタークラスで3,000万~5,000万円。全体的にかなり高いレベルと言えます。

業界・年齢別の年収

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査(2005年10月)によると、外資系企業と国内上場企業における業種別年収では運輸業が一番高くなっています。

ついで金融・保険業が高くなっておりますが、業界、年齢によって違っていることがよくわかります。特筆すべきは、運輸、金融・保険では、年齢25-35歳未満において給与額が突出しています。

まだ経験年数が浅い場合はこのような業界にチャレンジしてもいいかもしれません。

業種別・年齢別の年間給与(平均値)

 (単位:千円)

農林漁業 建設業 製造業 情報・通信業 運輸業 卸売・小売業 金融・保険業 サービス業 業種計
20~25歳未満 3,153 3,995 4,651 3,226 3,760 3,448
25~30歳未満 4,613 3,747 4,223 5,144 6,020 4,333 5,176 4,740 4,570
30~35歳未満 4,995 4,604 5,311 6,407 7,069 5,938 7,211 5,695 5,762
35~40歳未満 7,061 5,498 6,960 7,458 8,493 7,562 8,902 7,357 7,283
40~45歳未満 9,169 6,814 8,651 8,553 10,681 9,093 8,594 8,604 8,699
45~50歳未満 11,164 8,096 10,006 10,586 11,551 10,254 12,098 10,415 10,140
50~55歳未満 10,796 8,700 11,136 12,363 13,980 8,997 14,858 10,792 10,986
55~60歳未満 12,955 10,210 12,565 11,084 11,371 9,965 13,798 10,645 11,883
60歳以上 10,041 4,594 11,386 3,411 8,164
年齢計 7,617 6,954 8,081 7,779 9,431 7,393 8,302 7,136 7,811

独立行政法人労働政策研究・研修機構「職務 職責基準の賃金データに関する研究」(2005年10月)

職種・年齢別の年収

先の同調査では、職種・年齢別の年収データがあります。中堅どころではマーケティングが給与で突出していますが、40代になると他職種も追いついてきて、一概にどの職種が高収入とは言えません。

全体的には、年齢とともに収入が上がり、現実には年功序列といえるでしょう。ただし、50代で年収が頭打ちになったり、下がったりするケースもあります。また、外資系の場合、ベテラン年齢の域に達したとき、どこまで雇用され続けるかという現実もあるので、目指す企業の所属社員の年齢構成などもチェックする必要はあるでしょう。

職種別・年齢別の年間給与(平均値)

 (単位:千円)

人事 経理・財務 システム管理 マーケティング 営業 情報システム 開発設計 研究 職種計
20~25歳未満 3,980 3,431 2,445 3,295 3,457 2,580 3,257 3,412
25~30歳未満 4,379 4,189 4,334 4,500 4,601 4,733 4,114 4,165 4,453
30~35歳未満 5,502 5,612 5,579 6,843 5,574 6,238 5,335 5,170 5,689
35~40歳未満 7,175 7,202 6,920 7,944 7,218 7,627 6,806 7,282 7,245
40~45歳未満 9,279 8,696 7,815 8,858 8,581 8,722 8,348 9,241 8,700
45~50歳未満 10,548 9,751 9,530 11,953 9,660 11,304 9,381 10,921 10,143
50~55歳未満 10,090 10,773 11,175 13,107 10,848 11,941 10,724 12,043 11,114
55~60歳未満 12,337 13,516 11,685 14,167 11,243 11,199 12,505 12,637 12,104
60歳以上 9,363 6,015 13,410 8,164
年齢計 8,073 7,611 7,276 8,782 7,573 8,024 7,627 8,641 7,827

独立行政法人労働政策研究・研修機構「職務 職責基準の賃金データに関する研究」(2005年10月)

年収額だけに惑わされないためのポイント

外資系の年俸が概して高く、転職により収入アップが見込めることはご紹介のデータからもおわかりになったかと思います。

しかし、見かけの年収額だけに惑わされることがないよう、留意したいことがいくつかあります。

外資系は福利厚生が手厚くない

住宅手当、食事手当、家族手当、残業手当など、日系企業では給与として期待できた部分が、外資系では付かなくなるケースがあります。

また、社宅、保養所など優遇されたメリットが、全くなくなる場合があります。こういった手当を含んだトータルで、可処分所得が増えるのかどうか計算が必要になります。

リストラのリスク

外資系では、報酬に見合う成果が出せなかったり、業績不振だったりすると、リストラされてしまう可能性があります。

そうなったときに、退職金も見込めなくなり、生涯年収として考えたときに外資系の方が少なくなるリスクも考える必要があります。また、最初から年俸が高すぎると、リストラのリスクも上がります。

なお、いま現在、定年退職まで働ける外資系企業であっても、10年後、20年後はどうなっているかわかりません。もっとも、日系企業でも同様のリスクがある時代に来ていますので、外資、日系問わず、リスクヘッジは必要です。

給与額は実は社員でまちまち

同じ年齢、キャリア、職位でも、入社のときの条件で給与は違ってくることが外資系企業ではしばしばあります。

入社時の条件交渉は非常に重要で、最大限納得できる額にして入社したいものです。

様々な視点で

多忙な職場から、ゆとりのある職場への転職、というように、あえて年収ダウンを選ぶ転職をする人もいます。

高収入でも、働きすぎで身体を壊したり、余暇がなかったり、では元も子もありません。ワークライフバランスという視点も取り入れることも重要な時代でしょう。

リスクはあるものの、それを上回る大きな魅力を外資系への転職に感じる人も多いでしょう。収入はもちろん、実力・成果主義で、男女差がなく、自分の力を試すことができる、ということはその最たるものです。

自分の目指す企業が、本当に自分の能力がいかんなく発揮できる場であるかどうか、様々な角度により確認、検証することも重要です。

必ず成功する、年収アップの転職

概して高い外資系企業の年俸。しかし、ただ転職すれば自動的に上げ幅が大きくなるわけではありません。

会社との交渉が重要で、自分のこれまでのキャリア・実績をどう生かして会社に貢献できるかをしっかりアピールしたうえで、同時に転職エージェントのキャリアアドバイザーに交渉をサポートしてもらうことが必須です。

相場を把握したキャリアアドバイザーに有利に条件を進めてもらい、ぜひとも年収アップを成功させましょう。