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今回は、大手2強というべき、パソナキャリアとリクルートエージェントとの比較記事です。

両社ともよく電車の車内広告などで見かけますよね。正直なところ、どちらに登録しても同じでは?と思われるかもしれません。しかし、両社を詳しく分析すれば、意外なほど違いがあることがお分かりになると思います。

その分析の視点として重要なポイントが、両社のビジネス構造です。会社の成り立ちであったり、営業戦略であったり、グループ内での位置づけ、といった点が、転職者に対するサービスに大きく反映されているのです。

今回も、そうしたビジネス構造の分析の視点から、両社を徹底比較。あなたにとってパソナキャリア、そしてリクルートエージェントの賢い利用法がご提案できればと思っています。

どうぞ最後までお目通しください。

パソナキャリアとリクルートエージェントを求人数で比較

求人件数を単純比較すると、パソナキャリアは、非公開求人が2万5千件、取引実績社数が1万6千社ほどになります。これに対し、リクルートエージェントは、非公開求人だけで約10万件。圧倒的にリクルートエージェントが有利なように見えます。

しかし、実際のネットの口コミサイトでは、パソナキャリアもリクルートエージェントと同じくらい転職求人を紹介してくれる、といった評価を目にします。これは、パソナキャリアの転職情報の「鮮度」が良いことを示しています。

転職エージェントに寄せられる求人情報は、求人企業がいったんオーダーを出したら出しっぱなし、というケースがあります。すでに決まっているにも関わらず、求人企業が転職エージェントにオーダーを閉じていない、というケースも中にはあります。これが情報の「鮮度」です。

この鮮度チェックが行き届いていないと、求人件数は多いけれど、実際の紹介は少ない、という転職エージェントがあります。パソナキャリアもリクルートエージェントも、情報の鮮度のチェックは行き届いた転職エージェントです。そのため、求人件数が少ないパソナキャリアも、鮮度の良い転職情報を積極的に提供できる、ということが起きるのです。

ただ、パソナキャリアの場合、求人件数の絶対数が少ない分、転職者のニーズに合わない転職先の紹介も積極的に行う傾向があるようです。

パソナキャリアとリクルートエージェントを求人の質で比較

パソナキャリアが属するパソナグループは、連結対象子会社58社。持分法適用会社4社。海外拠点53か所の巨大な総合人材サービスグループです。

トータルの人材サービスだけで単純比較するならば、リクルートを凌駕しています。特にBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の事業に進出していることが重要です。BPOとは、企業の日常的な業務処理(事務処理)を一括で外注(アウトソーシング)を受託すること。通常、転職エージェントの営業窓口といえば、企業の人事部止まりで、現場の責任者にまで食い込んで人材情報を収集することができません。しかし、BPOに進出することによって、他の転職エージェントにはできない、独自のコネクションによる人材情報の収集を可能にしています。

この「食い込みの深さ」によって、業界も様々な分野に進出しており、転職エージェント業界でも穴のないオールラウンダーとしての地位を築いています。

職種も、営業から事務、事業企画、マーケティング、エンジニアと幅広く、様々な転職者のニーズに対応できています。また、職位のレベルも、一般社員だけではなく、マネージャークラスにも強みを発揮できています。

オールラウンダーとしての地位ならば、リクルートエージェントも負けてはいません。何せ、業界最大手のブランドが確立しています。企業の人事部が転職者を紹介してほしいならば、「まずは」リクルートエージェントに頼もう、というファースト・チョイスとしての地位を確立しているからです。

このブランドが、幅広い業界に浸透しています。業界、職種、職位のレベルに関係なく、業界最大手の転職エージェントに優秀な人材のストックがある。それを当て込んで企業が求人を出してくると言う好循環が成立しているのです。

結局のところ、求人数とその質の面においては、両社はほぼ互角といっていいでしょう。

パソナキャリアとリクルートエージェントをサポート体制で比較

パソナキャリアとリクルートエージェントでまず1つ大きな違いがある点が、サポート体制の差です。

リクルートエージェントは、業界最大手であると同時に、ワンストップで転職者を囲い込む戦略を取っています。専用のコミュニティツールや、専門的なカウンセリング、無料の職務経歴書、面接のセミナー、タイムリーな転職ノウハウのコンテンツ提供まで、転職活動のハウツーに関して、リクルートエージェントで揃わないものはありません。

この背景となっているのが、進学、就職、転職、結婚、出産、転居など、あらゆるライフイベントにおいて優良な情報を提供する、リクルートグループという情報サービス業の総合力があることは間違いありません。豊富なコンテンツ制作力が、リクルートエージェントの転職サポートにも活かされている、しかもそれをワンストップサービスとして徹底的に「仕組み化」されています。

一方、その転職サポート体制で、力が落ちるのがパソナキャリアです。転職者へのサポートコンテンツとして、「はたラボ」というサイトがありますが、転職のノウハウの提供というよりは、お菓子感覚でライトな仕事のノウハウをTips的に集めた印象です。

パソナキャリアとリクルートエージェントをキャリアアドバイザーの質で比較

もう1つ、パソナキャリアとリクルートエージェントで差がある点が、キャリアアドバイザーの質です。

リクルートエージェントの場合、業界最大手のブランドを維持するため、大量の転職希望者を大量の転職紹介先に効果的に紹介することを、徹底的に「仕組み化」することに成功しています。キャリアアドバイザーの教育も行き届いており、キャリアカウンセリングの質も高いレベルで均質化されています。

「マニュアル化」「仕組み化」が高いレベルで実現され、転職者がそれに乗りさえすれば、効率的で効果的な転職活動ができる、というのがリクルートエージェントのスタイルです。

一方、キャリアアドバイザーの質という点で、賛否真っ二つに割れているのが、パソナキャリアです。「連絡も早く、アドバイスも丁寧」「落ち着いた雰囲気がじっくり進めたい自分には合っていた」といった高評価がある反面、「常識に欠ける対応が結構ある」「上から目線で横柄に感じた」といった批判も目にします。

また、「高度な専門性に対するアドバイスが弱い」「Webデザインなどクリエイティブな分野に疎いキャリアアドバイザーがついた」など、専門的な職種について、転職者の話・レベルについていけるキャリアアドバイザーを付けることができていない現状も浮き彫りになっています。

この背景として、パソナキャリアのノルマの厳しさから、パソナキャリア自身も離職率が高く、人材を有効に揃えられていないことにあるとみられます。

パソナキャリアとリクルートエージェントを利用しやすさで比較

最後の比較ポイント、パソナキャリアとリクルートエージェントの利用のしやすさで比較すると、どちらともいえない部分があります。

確かに、転職サポート力やワンストップサービスの面で、リクルートエージェントは、パソナキャリアより有利な面があります。しかし、対応はマニュアル的(悪く言えば事務的)で融通が利きづらい点があります。業界最大手のブランドを守るためでもあるでしょうが、とにかく効率優先で進める傾向も気にはなります。

また、リクルートエージェントは、利用期間が原則半年に制限されている点も、自分のペースで進めたい人にはネックになります。

パソナキャリアは、転職サポート体制とキャリアアドバイザーの質の面で、評価が分かれる転職エージェントです。ですが、レスポンスや選考管理の面では対応がスピーディですし、求人紹介の面では、好条件の案件も多く、リクルートエージェントに引けを取りません。登録時に転職者をえり好みする傾向があるようですが、利用しやすさといった点では、十分に「使える」転職エージェントといえるでしょう。

最後に

いかがでしたでしょうか。

業界最大手の一番手と二番手グループでは、転職サポートの実力にちょっと差がついた比較記事になりました。二番手グループのパソナキャリアは、どうしても業界最大手と比べると見劣りしがち。リクルートエージェントでうまくいかなかった人が、「代替的に」利用する転職エージェント、という位置づけになってしまいますね。

ちょっと批判的なことを書いてしまいましたが、それでも、総合力でいえば、パソナキャリアは優良な転職エージェントであることは間違いありません。そのことは、いろんな比較記事でおいおい書いていけたらと思います。