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ヘッドハンティング、最近、よく聞く言葉です。外資系で行われている引き抜き、や、ヘッドハンターのやり手なイメージがありますが、実際にどのように行われているのでしょうか。外資系のヘッドハンティング事情をお知らせします。
外資系企業のヘッドハンティング事情
よくあるヘッドハンティング
ある日突然職場にかかってくる電話。自分に取り次がれたものの、聞いたことない会社だなぁとまずは電話に出てみると、受話器のむこうは女性の声。
「◎◎さんでよろしいですか!?では、ちょっと代わりますのでお待ちください」
と言って、女性から、いきなり外国人に代わり、英語でまくしたてられます。
予期せぬ連絡に、英語にたじたじになって電話を切るケース、今は転職など考えてない、と思いっきり断るケース、突然小声になって自分の連絡先を教えるケース、と、応対は千差万別でしょうが、これが割とよく知られる手口のヘッドハンティングなのです。
相手は男性だったり、女性だったり、アジア圏の外国人だったりして、少々強引なくらいやり手なイメージです。
自分の周りの社員は息をひそめて、電話のやりとりに耳を澄ませます。このやり口は皆、良く知っていて、
「あ~◎◎さん、ヘッドハンティングの電話受けてるー!」
という周囲にバレバレな状態になります。かなりあからさまに行われますが、相手もなかなかやり手です。
ヘッドハンティングとは
ちょっと困った事例を紹介しましたが、では、ヘッドハンティングとはどういう意味でしょう。ズバリ、「優秀な人材をスカウトする」のがヘッドハンティング。つまり、ヘッドハンティング会社のヘッドハンターが、企業から依頼をうけて、人材をサーチし、コンタクトし、その企業への転職を打診します。
その方法には二つあり、
- 具体的に人物を指定して引き抜きを行うケース
- こういう人材を探してくれという依頼に基づきサーチする
が代表的なものとなります。
どのようにヘッドハンティングは行われるか
直接人物の指定があれば、あとはコンタクトするだけですが、人材を探すところから始まる場合は、
- ターゲットとする業界、職種のある企業の組織図を入手し、該当部署について調査会社、企業OBや知人から、情報を入手
- 業界誌などから人材情報を入手
という方法で行われます。個人情報を入手しにくい昨今のため、ヘッドハンターも苦戦しています。
そのため、ターゲットとする企業に電話をしたついでに、他の社員の情報まで根ほり葉ほり聞いてくることがあります(社員の名前や仕事の担当、役職まで事細かく教えてしまう社員がいるからです)。
次に、そのターゲットとする人物が確定したら、電話や手紙などでコンタクトを取ります。英語力をチェックするために、電話をかけて英語で話しかけるケースが多々あります。
ターゲットになるのは誰
従来、ヘッドハンティングは、外資系企業が日本に新規参入する際に、経営幹部や役員などのエグゼクティブを社外から採用してくるときに行われたり、ニッチで特殊な職種向けにと言われていましたが、昨今は、一般管理職や、若手や役職でない層へのハンティングも行われています。
ミドルの転職第95回ユーザーアンケート集計結果によれば、一番多くヘッドハンティングされている職種は、営業・マーケティングで、外資系の最前線というところだからでしょう。
役職としては、次長・部長クラスが半数以上、ついで本部長、事業部長クラスが2割弱、ついで経営幹部・役員が1割。その他が15%と近くなり、ここに様々なポジションの人に広がっているのがわかります。
また、業界によっては部門ごと全員ヘッドハンティングする会社もあります。たとえば、とある外資系保険会社の場合、営業職はすべて違う業界出身者のヘッドハンティングにより採用することで活性化をはかっている例もあり、ヘッドハンティング事情はすいぶん変わってきていることをうかがわせます。
外資系社員がヘッドハンティングを受けるメリット
では、受け手側にとって、ヘッドハンティングのメリットとはどんなことがあるでしょうか。
- 企業はヘッドハンターと転職エージェントと同時にオファーを出すことはなく、ターゲットを絞ってオファーをしてきているので、採用される確率が高い。
- 企業からのラブコールなので、給与などの条件を有利に進められる
- 履歴書などの書類は詳細に準備しなくても、ヘッドハンターが自ら作成し、企業に強く売り込んでくれることがある
- もともと転職活動をしていなかった場合は、オファーしてきた会社をクールに客観的に判断できる。
- 自分の社外での評価を知ることができ、自信につながる
一度、オファーを受けると決めた場合、競争相手が少なく、ヘッドハンターの売り込みもあり、採用確率はかなり上がるのがメリットでしょう。
また、先のミドルの転職アンケートによると、オファーのあった年収は、半数以上が800万~899万円だったとのことで、採用されれば好待遇になる傾向にあります。
また、ミドルの転職ユーザーの半数以上がヘッドハンターからのオファーを受けた経験があると答えており、うち17%が実際にヘッドハンティングによる転職をした、と答えています。
かなりヘッドハンティングが浸透してきているといえるでしょう。ただし、逆に言えば、ヘッドハンティングを受けたからといって転職をしないケースも多く、自分のキャリア、条件、待遇がマッチしないオファーも多々あると考えれます。
外資系社員がヘッドハンティングを受けるデメリット
一方で、ヘッドハンティングにはどんなデメリットがあるのでしょうか。
- ハンティングのオファーが来てほしいとき来ない。現実には少ない
- オファーが来ても自分の求める業界、職種でないケースは多い
- 少ない情報でオファーが来ているので、正しくキャリアが伝わってない
- 転職しても実績をすぐ出さなくてはならないプレッシャーやリストラのリスクがある。
- 同業界、競合他社などの露骨な引き抜きになると、円満に退職や入社ができなくなることも
- 実は現役社員の首をすげかえるためのヘッドハンティングの場合もあり、入社後、孤立するリスクがある
現実には、自分が転職したい、と思ったタイミングでうまい具合にヘッドハンティングが来るわけではありません。また、仮にオファーが来たとしても、自分がズバリ求める業界、職種でないことは多々あります。
ヘッドハンター側も仕事を成立させるのに貪欲なので、ベストマッチでなくとも強引に企業に紹介しようとするケースがあります。
また、エンジニアなど競合他社からの技引き抜きの場合、技術の流出になります。日本の場合、カルチャー的に「引き抜き」がまだ根付いていないところがまだあり、引き抜き方によっては、転職先に馴染めない、といったことも見られるようです。
なお、増員や欠員に対してヘッドハンティングが行われるのならいいのですが、実は現役社員の首をすげかえるための手法として使われる場合があります。会社が、辞めさせたい社員の代わりの人物をヘッドハンティングを通して探し、採用が決まったら、辞めさせたい社員はそのまま退職を促すいうものです。
こういったことにヘッドハンティングが使われると、周りの社員へのモチベーションの低下を起こします。どんなに優秀で人柄の良い人物が入社してこようとも、周囲からは受け入れてもらえず、孤立してしまうケースがあります。
転職エージェントもスカウト型
昨今は、転職エージェントもスカウト型と化しているケースがあります。
求職者が転職情報サイトに登録すると、その登録した履歴書や職務経歴書をチェックしたエージェント側がスカウトしてくることもあり、ヘッドハンター的に近い動きをする場合もあります。
きちんと職務経歴書を仕上げ、登録をしておけば、自分のキャリアにマッチした企業やキャリアコンサルタントからのスカウトがやがて来るでしょう。
もちろん、本来の使い方として、求職者が、求人情報を読み込み、自分に合う情報を探すことができますので、たくさんの企業に自分からアプローチできる、というメリットがあります。
まとめ
ヘッドハンティングが従来より一般化してきているとはいっても、まだまだ件数は少ないのが現状で、ご紹介した通り、良し悪しもあります。
まずはたくさんの求人情報のある転職サイト(エージェント)に登録をし、自分が求める求人を探したほうが転職への近道でしょう。
もちろん、転職エージェントで求人活動をしているうえで、ヘッドハンターからのアプローチもあるかもしれません。その時に両社を比較してチョイスもできるでしょう。転職活動のベース拠点は転職エージェントをおすすめします。