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転職エージェントとして非公開の求人情報を提供するだけではなく、転職サイト、スカウトサービスなど、適職診断や年収診断のツールまで、あなたの「転職活動」にワンストップのサービスを展開するDODA。

他の大手総合型の転職エージェントと何ら差がないように見えますが、本当にそうでしょうか?強みや弱み、サービスに死角はないでしょうか?

元転職エージェントがDODAの転職エージェントサービスを徹底解剖。その使い方のコツまで伝授しちゃいましょう!

DODAを「ビジネス構造」から読み解く

学生援護会というルーツ

DODAというと、今はブランドの母体は、総合人材サービス大手のインテリジェンスだと誰もが知っていますが、もともとは、学生援護会という、地方から上京した学生の学生生活の情報提供サービス企業の情報誌が母体でした。

無償の転職雑誌などに押されて経営が下降線をたどっていた頃に、外資系の投資ファンドを通じてインテリジェンスに吸収合併された、というブランドです。

そのため、もともとは転職情報サイトだったという経緯が、転職エージェントのワンストップサービスへ発展するというきっかけになっているのです。

インテリジェンスというベンチャー気質

そして、インテリジェンスは、1989年に元リクルートのメンバーが創業した人材サービスのベンチャー企業です。

すでにその時期には人材派遣会社は200社を超えており、人材系ベンチャーとしては後発組に属します。

そのため、M&Aに積極的で、学生援護会とも合併後、最近では、テンプスタッフグループとも経営統合を果たしています。

こうした点から、自社スタートではない、様々な人材サービスを外部から取り入れて発展してきています。

人材派遣事業から分社化した沿革

また、DODAの転職エージェントサービス自体は、もともと人材派遣会社だったインテリジェンスの人材紹介部門を、DODAに合体させる形で発展させてきました。

そのため、人材派遣時代の営業スタッフを引き継いだ形で事業が展開されています。

人事異動が積極的

また、紹介企業の人事担当採用者からよく聞かれる声ですが、「担当者がよく代わる」ということ。

もともと、転職エージェント自体、人材の流動性が高い業界ではありますが、1社を長く担当するエージェントが少ない、という点で有名な会社です。

内部から聞いた話によれば、社員の成長のために人事異動を他社よりも頻繁に行っているようで、「営業も分かるキャリアコンサルタント」「キャリアコンサルタントとして登録者の事情もわかる営業担当者」という人材を、積極的に育成しているようです。

このように、DODAは、どちらかといえば、自社でサービス開発をしてきたというよりは、すでに存在していた他社のサービスをM&Aなどで取り入れ、下降気味だった有料の転職情報誌から、ブランドネームを活かしつつ、ネットでのワンストップ型の転職エージェントサービスへ「脱皮」したということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

DODAを使うメリット

転職サイトと転職エージェントサイトを兼用できる

まず、DODAと他の大手転職エージェントとの違いの1つが、転職サイトと転職エージェントのポータルサービスがワンストップで提供されていること。

例えば、リクルートの場合は、転職サイト→リクナビNEXT、転職エージェント→リクルートエージェントへ、それぞれ登録が必要ですが、DODAの場合は、その二度手間が必要ありません。

もともと一般的な転職サイトだったDODAに転職エージェント機能を合体させた経緯が、こうしたサービスにつながっています

登録対応が柔軟

登録時においては、電話での登録面談が可能となっているなど、柔軟な対応をしてくれます。

多忙な転職者で、登録面談の時間が割けなかったり、遠隔地に居住していたりする方の場合には、助かるサービスだと思います。

もちろん、サービス内容も直接登録面談した方と同じサービスを受けることができます。

スピード感のある対応力

また、登録された転職者の中で多い声は、対応がスピーディであるということ。書類選考の結果や面接調整が他の会社よりも早いということ。

この点は、キャリアアドバイザーのほかに、採用プロジェクト担当者(企業側の依頼を受けて、転職者をサーチするキャリアコンサルタント)の2名体制で、転職者をサポートしていることの効果が出ているような気がします。

人材派遣サービスをバックボーンにした営業力

もう1つ、特筆すべきは、インテリジェンスが元来強みにしてきた、人材派遣事業での営業力が、人材紹介事業での案件開拓力にも活かされているということ。

人材紹介に特化した転職エージェントに比べて、網羅的に求人情報を収集出来ているという強みが見逃せません。

各ジャンルごとの専門サイトがある

DODA エグゼクティブ、DODA メディカル、DODA グローバルなど、各種専門サイトがあります。

専門サイトではそれぞれに特化した求人情報を探すことができるほか、DODA同様に紹介を受けることも可能です。

エグゼクティブは、役職者や役員などのハイクラス層に特化したサービス。メディカルは、その名前の通り医療関係に特化したサービス。

グローバルは外国語が得意な人のための、外資系企業二特化したサービス・・・。他にもITエンジニア向け、製造関連職向けなどさまざまなジャンルに特化したサービスがあります。

各種イベントを行っている

DODAは、転職フェアや合同転職面談会・個別相談会・セミナーなどの各種イベントを行っています。

個別相談会では、転職に関するさまざまな相談をすることができますし、転職以外でも現職で困っていることなどの相談をすることもできます。

各種セミナーでは、面接・応募書類など基本的な転職ノウハウから、業界の動向や経済の動向、トレンドなど社会人として知っておきたい情報を得ることが可能です。

合同転職面談会はテーマごとに複数企業が参加しており、企業の採用担当者とマンツーマンで話をすることができます。

診断などツールが豊富

年収査定・キャリアタイプ診断・合格診断・レジュメビルダーなど、DODAには豊富なツールが揃っています。

年収査定は自分の年収が今後どのように推移していくのか、自分の適性年収(市場価値)はどのくらいなのかを知ることが可能です。

キャリアタイプ診断は、120個もある設問に答え、自分自身の個性・自分自身にあった企業風土などを分析してくれるというサービスです。

合格診断は自分の今のキャリアで、どの人気企業に合格できる可能性があるのか、はたまた可能性が無いのかを診断してくれます。

こういった診断は転職活動の指針・目安となるでしょう。

レジュメビルダーは、ガイドに沿って職務経歴書を簡単に制作するサービスです。

このように、DODA転職エージェントの強みは、ベンチャー企業の体質が残る人材派遣大手・インテリジェンスの営業力とスピード感、そして柔軟性に、学生援護会時代の転職サイトのブランドがうまくブレンドされている点にあるといえます。

DODAを利用する場合の注意点

ここでは、DODAを利用するうえでのデメリット(注意点)について解説していきましょう。

良くも悪くも押しが強い

まず挙げられるのが、インテリジェンスという総合人材サービス会社では後発組のベンチャー企業が母体となっているところからくる、ベンチャー気質です。

インテリジェンスを否定的に評価する方が一様に指摘する点ですが、押しが強い。

自分が希望しない紹介先への応募を熱心に勧める、いったん内定が出たら、承諾を強く迫ってくる、という批判的な評価は枚挙に暇がありません。

どこの転職エージェントでも、押しの強いキャリアコンサルタントはもちろんいます。が、組織体質としてその傾向が強いといえるのは、やはりインテリジェンスが顕著かな、というのが個人的な実感です。

強い会社・弱い会社がはっきりしている

これも、若手主体のベンチャー企業にありがちな話ですが、ビジネスモデルが理解しやすいIT業界には強い一方、若手のキャリアコンサルタントがビジネスをイメージしづらい(つまり、顧客企業の担当者と話が合いづらい)重電系のインフラ系の会社などには弱いという傾向があります。

専門性に弱い

これも若手主体のベンチャー企業で、理系の転職者の方に多く聞かれる点ですが、専門性の弱いキャリアコンサルタントが多い、という評価もよく聞かれるところです。

特に、BtoBの技術開発に関係する職種については、こうした批評はよく耳にしました。

ベンチャー企業によくありがちな病癖ですが、社内でのキャリアコンサルタントの教育が追い付かず、人事異動がわりと頻繁に行われていることも要因と考えられます。

ただし、インテリジェンスは一時期、IT系の派遣事業に力を入れていた経緯もあるせいか、システム開発系のエンジニアには、コネクションを持った営業担当者が多いようです。

スカウト機能が弱い

私も実は、自分の転職活動でDODAを利用していたのですが、これには本当に参りました。

鳴り物入りのスカウト機能ですが、全くアテになりません。全く希望していない、全く別の業種の、全く別の職種のスカウトメールばかりが来ます。

この点の悪癖は一般の転職サイトの弱点と本当に類似しています。スカウトメールをばらまいても人材が集まらない、タクシー会社などによくサービスが売れているのでしょう。

正直言って、スカウトメールは削除するだけで、件名を見ただけで中身をほとんど見ませんでした。

エグゼクティブ転職には弱い

DODAは、DODAエグゼクティブといった独自の求人サイトを設け、エグゼクティブ・ハイクラスの求人にも一応対応しています。

ただし、先行しているJACリクルートメントなどに比べると、若手のキャリアコンサルタント、営業主体のベンチャー企業であるインテリジェンスが、独自のコネクションが築けているかというと、弱いと言わざるを得ません。

この原因は、経営層との特別なコネクションに負うところが多いエグゼクティブ・ハイクラスの転職エージェントは、中小の転職エージェントで、長い経験を持つベテラン、個性豊かなキャリアコンサルタントが、独自の魅力で食い込んでくるところが大きい転職分野です。

年配者が多い経営層に、インテリジェンス(DODA)が主体とする、若手のキャリアコンサルタントが相手にされづらいのです。

大手総合型の転職エージェントだから、エグゼクティブクラスの転職エージェントも強いだろう、と安易に考えないようにしましょう。

DODAの弱み(デメリット)の各ポイントですが、①後発組のベンチャー企業の会社であること、②若手主体の年齢構成の会社であることから来ることがお分かりいただけたかと思います。

DODAの賢い利用法

このパートでは、DODAをどのように活用していけば良いのか。DODAのサービスの利用に向いている人はどんなタイプの人か、という点について解説します。

セカンドチョイスの大手転職エージェント

私は、転職活動で特別な事情を抱えている場合でない限り、転職エージェントのファーストチョイスでは、リクルートエージェントをお勧めしているのですが、とはいえ、キャリアコンサルタントやサービスが合わなかった、という方もいらっしゃると思います。

その点、DODAはワンストップで総合的なサービスラインナップが揃っているので、転職エージェントの「セカンドチョイス」としてお勧めできる転職エージェントです。

もちろん、既に述べたデメリット面もありますので、その点はご自身の工夫でカバーしていく必要はありますが、それを差し引いても、強力な営業力による求人数と業界・職種のバラエティは、決して最大手のリクルートエージェントに引けは取らないと思います。

速攻で転職先を決めたい方にお勧め

この転職エージェントの強みは、ベンチャー気質らしいスピーディな対応です。

前にも述べたように、電話でも登録対応できる手軽さで、ワンストップの転職サービスを全て受けられます。そして、その求人の数や種類も、他の大手転職エージェントの引けを取りません。

リストラされそうになっているなど、とにかく日程的な理由で、早めに次の転職先を決めなくてはならない、といった事情の方には非常にありがたい転職エージェントです。

「自分をしっかり持っている」人向け

前に述べたように、DODAのキャリアコンサルタントは、他社に比較して、押しの強さがあり、転職活動の選択肢や内定承諾について、主導権を握りたがる傾向が強いところがあります。

転職活動は、未来に関して不安定な要素が多いため、つい足元がぐらついて、キャリアコンサルタントの誘導に迎合しそうになりますが、転職エージェントは、自社で成功して紹介手数料をもらうのが目的です。あなたの転職先での成功を約束してくれるわけではありません。

転職を成功させるための決断に責任を持たなくてはならないのは、あなた自身です。

あなた自身の信念、転職活動の軸をしっかり持ち、人に流されないタイプが、こうした押しの強い転職エージェントと、うまく付き合うことができるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。総合型の転職エージェントでも、成り立ちやバックボーンでサービスのあり方や、その内容・質に、ここまで違いがあると初めて知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

転職エージェントを「何となくイメージ」で選ぶことなく、こうした強み・弱みをしっかり踏まえたうえで、ご自身が転職活動で求めているニーズと合致しているか、よく考えて選んでいくことにしましょう。