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CRA(臨床開発モニター)は、治験に関する契約や、モニタリングなどの業務を行う医療系専門職であることから、お給料もよくて、やりがいもありそう…というポジティブなイメージを持たれることもあるお仕事ですよね。

一方で、現場で働くCRAはその激務に「辞めたい!」と感じていることが多く、実際にCRAになってもわずか数年で退職してしまう人も少なくありません。

では、このCRAという仕事に就いている人は、どんな理由で転職を考えるようになるのでしょうか?

また、CRAから、どんな仕事に転職できるのかについても紹介していきます。

CRA(臨床開発モニター)を辞めたい人の悩み・理由

医療関係の仕事で、キャリアを積めば年収も1,000万円は難くないCRA。でも、そんな高待遇のウラには、それなりの苦い事情があるのです…。

悩み1:モニタリングの出張が多くて拘束時間が長い!移動時間も仕事で埋まるのが辛い

多くのCRA(臨床開発モニター)が「辞めたい…」と感じるのは、内勤よりも出張の多さではないでしょうか。

CRAのメイン業務は、治験が実施されている病院の巡回(モニタリング)ですが、この病院が全国各地にあるため、ある時は北海道、ある時は大阪、ある時は福岡…というように、同じ週にかなり遠方の地へ出張するという日も出てきて、ホントに身が持たないですよね。

出張の際の移動時間は、飛行機や新幹線といった交通費が高額になってしまうような移動手段でも許されるところはまだいいとしても、決して旅行気分で乗れるわけではなく、移動時間も仕事詰めで、息をつく暇もないでしょう。

移動の時間には、プロトコールを読みこんだり、モニタリングの報告書を作成したり、医師などとのスケジューリングを行ったりと忙しく、出張の楽しみといえば地方グルメを楽しめる(それでも駅弁程度の時すらあります)ことくらいでしょうか。

悩み2:土日祝もホッとできない!急な連絡で休日がつぶれることも

現在CRAとして活躍している人の中には、土日や祝日は休みという求人を見て就職・転職してきた人もいるでしょう。

確かにCRAの求人を見てみると、一部では“土日は休みだからプライベートも充実!”というような記述があります。

でも、実際はCRAが休みであっても、土日や祝日に治験が行われている病院から連絡があれば、すぐに対応する必要があって、完全に気が休まるわけではないから、休んだ気がしないですよね。

治験薬は承認前の新薬なので、治験中に患者に有害事象が発生するなどのアクシデントも多く、治験薬の窓口であるCRAが矢面に立って解決する義務があるため、求人票通りの休みが実現しないこともしばしばあるでしょう。

こんなことがプライベートで大切な約束がある日に起こったとき、「もう辞めたい!」と思う人が多いのではないでしょうか。

悩み3:治験が忙しい時期のクエリ(修正依頼)ラッシュでストレスMAX

ベテランCRAにはあまり起こらないことですが、初心者CRAにありがちなのがモニタリングのチェックミスからのクエリ(修正依頼)がDM(データマネージャー)上がってくることでしょう。

その時その時でしっかりとモニタリングができていれば、DMからクエリが上がってくることもありませんが、前に紹介したように出張の移動時間中にササっと仕上げたような報告書でチェックミスが見つかり、それが治験で忙しい時期に複数上がってくる…。

ベテランのCRAの人なら、この状況がどんなにストレスフルか想像するのは簡単ですよね。

ただでさえ治験で忙しいのに、ストレス度の高いクエリが何件も上がってきたら、残業どころか寝る時間を確保することも難しいでしょう。

悩み4:あれ?思ったより少ない!CRAの年収が低くて辞めたい…

CRAといえば、医療従事者ですから、年収も800万円くらいは余裕でいくのでは…と思って就職・転職した人も多いのではないでしょうか。

でも実は、800~1,000万円という高待遇を約束されているのは、ベテランCRAの中でもかなりのやり手。

CRA未経験者に対する年収は、380~500万円という幅であり、しかもこの金額はみなし残業代を含んでいるため、医療従事者の中でも決して高いとは言えないでしょう。

CRA=医療従事者=高年収という図式を描いてCRAになった人は、キャリアが積まれるまでのしばらくの間、高くはない年収と多忙さに「辞めたい…」と感じてしまいますよね。

「CRA(臨床開発モニター)を辞めたい!」から始める転職活動

出張が多くて拘束時間は長いのに、休日も100%休めるわけではなく、その上年収300万円台…こんな理由でCRAを辞めたいと思っている人は多いでしょう。

でも、「CRAを辞めたい」と思っても、医療従事者としてのプライドもあるし、どこでもいいから転職したいというわけでもないですよね。

では、CRAから転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

CRAから同じ業界・職種への転職

社員のワークライフバランスに配慮したCROに転職する

現在、CRAの業務改善がすすめられている中、社員の労働環境を少しでもよくしようと積極的に動いているCROもあります。

CRAのワークライフバランスに配慮すべく、出張がないプロジェクトを立ち上げたり、なるべく残業が出ないようにCRAに補助をつけるところもあります。

これらは転職の際の求人を見てもわからないので、実際に企業見学を行い、採用担当者に「CRAのワークライフバランスに配慮されている点はありますか?」などの質問をすることをおすすめします。

外資系でもあえて中堅CROを狙って転職する

内資系CROのCRAでは、年収に不満を持っている人が多いと思いますが、年収アップを狙っていきなり大手外資系CROに転職すると、年収はアップするものの業務拡大・高プレッシャー・求められる高い語学力についていけない人が多いものです。

そこでおすすめなのが、中堅外資系CROのCRAへの転職です。キャリアを積むことと年収を上げることは別問題としてとらえることが転職成功のポイントでしょう。

まずは中堅で成長性の高い中堅CROに転職することで、仕事の責任や業務内容は前職とのギャップなく手堅くこなし、外資系に転職することで年収アップも実現できます。

転職後の後悔が少なく、年収もアップするので、初めてCRAに転職するという人にもおすすめの方法です。

CRAから違う業種・職種への転職

短時間勤務で高収入!ドラッグストアの薬剤師

薬剤師資格を持つCRAなら、断然おすすめなのはドラッグストア所属の薬剤師です。特に結婚していたり、子育て中の人には、契約社員という形での就労があるので、拘束時間はCROのCRAと比べれば断然短いのが特徴です。

たとえば、週3回の出勤でも、月収35万円が叶うという高待遇ですから、雇用形態にこだわらないから、拘束時間が短くて、年収も下げたくないというCRAにおすすめです。

外資系製薬メーカーのマーケティング職

CRAとして勤務している間にあなたに身につくのは、薬剤の知識だけではなく、その業績です。外資系は特に実力主義ですから、前職(CRA)でどれだけの実績を残してきたのかを重視した採用活動を行っています。

外資系製薬メーカーの中でも、マーケティング職は、それまでの知識や業績を活かせるだけでなく、自分自身の成長スピードを実感できるため、キャリア形成にも有利です。

残業はあるものの、CRAのように出張尽くしになることはなく、土日も休日となっている企業がほとんどであり、年収も700万円からと高待遇のため、激務で心身ともに疲れ切ったCRAにとっては、「かわいいもの」くらいにとらえられるでしょう。

自分の裁量で仕事ができる!ベンチャー企業の営業職

CRAの悩みのタネのひとつに、「自分で決められる仕事がない」ということがありますよね。〆切も、報告書も、すべて自分の裁量で決められないので、“操り人形感”“社会の歯車感”を感じる人も多いでしょう。

そのような場合は、ベンチャー企業での営業職がおすすめです。ベンチャー企業は大手企業に比べて社員数も少なく、少数精鋭で経営されていますから、社員ひとりにまかされる仕事の幅が広いことが特徴です。

CRAの仕事では、医師との交渉も含まれているため、営業職として外部・取引先との交渉もCRA時代の経験を活かしてスムーズに行うことができます。

実際にCRAから営業職への転職者は少なくありませんが、その中でもベンチャー企業はその自由度の高さという面からおすすめできます。

CRA(臨床開発モニター)からの転職体験談

MRからCRAに、薬剤師からCRAに、というような転職はよく目にしますが、CRAから異業種に転職したという話はあまり聞かないから不安だ…という人も多いでしょう。

でも、実際にCRAからでも異業種にチャレンジし、転職を成功させている人もいます。

CRAから調剤薬局の薬剤師に転職(男性 当時30代前半)

外資系CROのCRAとして8年間勤務してきたのですが、お世話になった上司が異動になり、新しい上司とのウマが合わず、職場の人間関係の悪化が元々あったストレスをさらに高めることとなり、初めての転職を試みることになりました。

またCRAに…とも考えましたが、あまりに出張が多いために子どもの入学式・卒業式に1度も参加したことがないことを家族に指摘され、勤務時間がきっちり決まっていて、出張や転勤がない調剤薬局の薬剤師に転職しました。

元々薬学部を卒業後、ポスドクからCRAになったという経緯があったため、薬剤師という選択肢を選ぶことに違和感はありませんでした。

現在の年収は550万円ほどですから、CRAの頃から見れば多少落ちましたが、残業も月に10時間程度で済んでいます。妻もフルタイムで働いているので、ワークライフバランスのことを考えたら、転職したことを後悔していません。

CRAから大学非常勤講師へ転職(女性 当時30代後半)

新卒から外資系CROに入社し、一生CRAとして生きていく覚悟をもって勤務していたのですが、30代も半ばになって結婚を諦めていた頃に良縁に恵まれ、夫の希望もあって時間拘束の長いCRAを退職することにしました。

それなりのキャリアを積んできたので未練はありましたが、大学(薬学部)時代の恩師とのつながりから、出身大学に非常勤講師の空きがあると聞き、時間拘束も短く、それなりの給与を提示されましたので、転職することになりました。

そこから他大学も掛け持ちするようになり、現在の年収は700万円ほどですから、CRA時代より20%ほどダウンしましたが、さまざまな環境で刺激を受け、自分らしく働けていると感じています。

CRAからベンチャー企業営業職へ転職(男性 当時30代前半)

中堅製薬メーカーのMRからCRAに転職し、3年ほど経過した頃、「MR時代に激務がイヤになってCRAに転職したのに、CRAもかなりの激務だな…」ということを改めて実感し、思い切って医療従事者からの転職を試みました。

大手外資系企業営業職にも応募したものの、募集されていたポストに対して私の英語力が足りないという理由で不採用に。

そこで国内ベンチャー企業の営業職にチャレンジしてみたところ、採用となり、現在に至ります。転職してみて、いかにこれまで自分の裁量が少なかったのかを実感しています。

現在の勤務先では、1つの仕事をまるまる任され、出張があってもこれまでは事務に頼んでいたチケットや宿の予約・手配も自分で行っています。

アポをとって、何度も交渉し、契約後の処理も自分で行うのですが、それだけに「いつ、何をするか」「この契約をとるためには誰に会えばいいか」などの選択権がすべて私に一任されるため、責任も重大ですが、かなりのやりがいを感じています。

CRA時代に500万円ほどだった年収は、現在850万円です。自分の裁量で動ける今の仕事が肌に合っているのだと思います。