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特養は仕事もきついし、デイサービスなら拘束時間も短いし、ゆったりと仕事ができるのでは…と思ってデイサービスに就職してみたけど、実際に働いてみると、意外と辛いことがたくさんあって「辞めたい!」と思う人も多いものです。

ここでは、デイサービス職員ならではの悩みと、デイサービス職員からの転職先はどんなところがあるのかについて紹介していきます。

デイサービス職員を辞めたい人の理由で多いのは?

介護系の資格(介護福祉士初任者研修や介護福祉士、社会福祉主事など)を取った人でも、どんな福祉の仕事に就くかで仕事の内容も、勤務時間も、体力的な負担もかなり違いますよね。

また、介護業界の中では、特養=キツい、デイサービス=ラクというステレオタイプを持っている人も多いのではないでしょうか。

ところが!実際に働いてみたら自分には合わなかった…と思う人もたくさんいますよね。皆さんの中にも、以下のような悩みを持ちながら笑顔で出勤している人がたくさんいるのではないでしょうか。

悩み1:人前に立つのが辛い!レクリエーションの仕事が合わない

デイサービスの主な業務は、送迎、入浴、食事介助、レクと、特養に比べて重い介護を必要としないため、なんとなく「ラク」というイメージが定着していますが、ラクかどうかは結局のところ、働く人の性格にもよります。

介護や食事介助は得意だけど、大勢の人前に立って話したり、踊ったりすることに抵抗がある人にとって、レクの時間は地獄でしかないでしょう。

レクも週に何度もやれば、季節ネタがあったとしてもネタがつきるし、一生懸命重複しないようにと考えたレクを楽しんでやってもらえるならまだしも「なんで私たちがこんなこと…」とあからさまにつまらなそうに利用者がレクをしているのをみたら、もう辞めたいと思いますよね。

性格的に人前に出るのが好きで、目立つことが好きな人にはラクな仕事かもしれません。でも、内向的な人にとっては、ものすごーく辛い仕事ですよね。

悩み2:運転に自信がないのに…送迎ドライバーの仕事が辛い

利用者は基本的に自宅から週に何度か通所で利用するのがデイサービスです。そのデイサービスの仕事の中には利用者の送迎も含まれていて、運転に自信のない人、方向音痴な人、ペーパードライバーの人には恐怖の時間ですよね。

土地勘があればまだいいものの、遠隔地のデイに勤務していると、地元の地図が頭に入っていなくて、いつも先輩介護士に叱られながら運転していませんか?

しかも、デイサービスの送迎ドライバーは運転するだけではなく、利用者が車いすなどを利用している場合、自宅の玄関まで移乗させなければいけません。

ワゴン車から安全に降車させて、車や自転車、人が行き交う中、利用者を玄関まで何人も送迎するのは、地味に大変な仕事ですよね。

悩み3:年収が低いうえに昇給がないから年々やりがいを失う

デイサービス職員(正社員)の平均年収は285万円です。介護業界全体が低賃金であることが問題視されてからかなりの年月が経過しているにもかかわらず、待遇を改善したのはほんの一部です。

しかも、タチの悪いことに、この年収が年々経験とともに上昇するわけではなく、昇給がほとんどないので、勤続10年も先輩の職員と新卒の職員の月収の差が2万円しかないということが平気で起こってしまうのです。

これでは、将来的な設計も立てられないし、ビジョンも描けませんよね。先輩職員を尊敬しようにも、自分と給料がほとんどかわらないなら「こうなりたい!」とも思えず、先輩職員も自分自身も辛いところですね。

デイサービス職員からの転職先としておすすめなのは?

介護業界は給料も安いし、年々自分自身の体力も衰えていくのに、高齢者のケアのクオリティを保ちながら働き続けることが難しいから、転職したい…。

でも、「デイサービス職員を辞めたい」と思っても、これまで福祉業界で働いてきた人は、介護の仕事の中でも最もラクといわれるデイサービスでダメなら、もう他のところでは働けないのでは…と不安になりませんか?

では、デイサービス職員から転職した人たちは、どんな場面で活躍しているのでしょうか。

介護老人保健施設に転職する

デイサービス職員にはつきもののレクが性格的に合わなくてどうしても辛いけど、介護の仕事自体は嫌いじゃない!という場合、介護老人保健施設がおすすめです。

特養は夜勤も当直もあるし、死をみとることもある重労働ですが、老健は基本的に家庭に戻ることを前提としているので、介護とレクの割合でいえば介護のほうが大きいのです。

そのため、レクを行う頻度も少なく、介護の技術を磨くこともできます

放課後デイサービス

デイサービス職員として実際に現場で働いた人の中には、「高齢者にそれほど興味がないから辛い…」と思っている人もいるのではないでしょうか。

その場合、介護・援助・支援の対象者を高齢者から児童に切り替えてみるという方法があります。

放課後デイサービスには、知的障害、発達障害、肢体不自由などの子どもたちが集まり、学校が終わった後の時間を楽しく過ごせる工夫をしています。

デイサービスでのレクに慣れた人なら、放課後デイサービスで子どもたちの輪に入って楽しみながら仕事ができるかもしれません。

介護事務

介護業界からいきなり他業界に転職するのは抵抗がある、ハードルが高い…という場合は、同じ介護業界の中でも、事務所に転職することをおすすめします。

介護事務は介護職ではないので、高齢者の介護をする必要はありません。そのため、前職の介護職で体を痛めてしまった…という場合でも、主な業務内容はデスクワークなので、体力面で心配する必要はありません。

運搬業

介護は得意だけど、レクが性に合わなかった…という場合、性格的に大勢と一緒に働くことが向いていないのかもしれません。

内向的で、あまり人とかかわらずに働きたいという場合は、トラックなどの運搬業がおすすめです。

給与はデイサービス職員よりも高いことが多く、さらに荷物の積み下ろしさえしてしまえば、後は車内でひとり、好きな音楽をきいたり、ラジオを聞いたりしながら働くことができます。

デイサービス職員から転職した人の体験談を紹介

デイサービスが介護業界の中でも働きやすい環境にあるとはいえ、そのデイサービスの体質が合わないという人は必ずいます。

合わないな…やりがいがないな…と感じながら無理に働き続けるよりも、この際まったく違う業界・職種に挑んでみるという選択肢もあります。

実際に、デイサービス職員からでも異業種・異職種にジョブチェンジをして、転職を成功させている人もいます。

デイサービス職員から車検の受付に転職(女性 当時30代前半)

デイサービスで勤続10年の表彰をされるまで勤務しましたが、10年を節目に燃え尽きというか、10年勤務したのに初任給から1万3千円しか昇給していなくて、これ以上ここに尽くしても、給与面からは認めてもらってないと感じて退職しました。

退職時には、同じ業界のデイ、グループホームなどから働かないかと声をかけてもらいましたが、介護業界自体から去りたかったので、全く違う受付の仕事を始めました。

平日の9時~17時で業務は終わり、作業員は残業があるようでしたが、受付は定時であがれました。

年齢を考慮して初任給から上乗せしてもらえたし、1年ごとに能力をみての昇給があるので、やりがいを持って働けています。

デイサービス職員から携帯電話ショップ店員へ転職(女性 当時20代前半)

デイサービス職員になってから1年で辞めました。理由は、上司です。福祉業界は優しい人が多いと思っていましたが、パワハラの連続で、私以外にも1年で3人が退職していきました。

最初に勤務したデイサービスの印象が悪すぎて、これ以上福祉の業界では働きたくないと思ったので、プライベートでも興味があって、結構知識があると周りからも言われていたという理由で携帯電話ショップで働くことにしました。

デイサービスと同じくらいの出勤日で、お給料は月収で3万円アップしました。

デイサービス職員から医療機器メーカー営業職へ転職(男性 当時30代前半)

実家を離れて一人暮らしをしながらデイサービス職員として働いてきましたが、給料が低すぎて、このままでは結婚を考えている彼女との婚期が遅れると思い、思い切って転職しました。

給料がいい=営業というイメージがあったので、中堅医療機器メーカーに転職。転職してみて驚いたのは、初任給からデイサービス時代の2倍になったことです。

その後、高齢者とのコミュニケーションのスキルが活かされたのか、営業成績も問題なく、インセンティブが割と入るようになり、今は年収650万円です。