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理系が得意だけど学生時代に教員免許を取らなかった…という人でも、教員免許がなくても「先生」になれるため、高専の教員の仕事は一定の人気がありますよね。

でも、だからこそ出てくる高等専門学校の教員ならではの悩みがあって、辞めたい!転職したい!と思ってしまいませんか?

ここでは、高専の教員教師として働いていたけれど、辞めたいと思った理由や、高専の教員教師の転職先について紹介します。

高専の教員を辞めたい理由の定番は?

高専は商船学科を除いて5年間という長い期間(大学よりも長い!)、生徒と向き合うために、中学、高校、大学のいずれとも異なる異質な雰囲気ですよね。

高専の教員をしていると、以下のようなことで高専の教員を辞めたい!と思う人が多くなっています。

  • 授業の他にクラス担任やクラブ活動も担当するので激務
  • 研究したいのに授業準備が火の車で実績が残せない
  • 大学に比べて研究費が少なくて自分のやりたい研究ができない
  • 5年も在籍しているので上級生が横柄な態度になってきて腹が立つ
  • 修士で入ったのに、学校の方針で途中から博士とってと要求される
  • 専門科目と数学・物理の教員では給料は同じなのに忙しさが段違いで理不尽
  • 大学の教員を目指しているけど、ポストがなくて、高等専門学校にとりあえず就職して研究実績を残しつつチャンスを待っているという人も多いでしょう。

    そのような人は特に、「こんなはずじゃないのに」という思いから転職を熱望しているのではないでしょうか。

    研究か生活かで選ぶ転職先…年収はどう変わる?

    研究への熱意が立ちきれない場合

    塾講師

    高専の教員の場合、教員免許を持たずに大学で修士もしくは博士を取得した人も多いでしょう。

    このような場合、中学や高校の教員として転職することは難しいものの、塾であれば教育職のスキルや経験が活かせます。

    しかも塾講師の勤務は基本的に講義時間のみですから、空いた時間で自分の研究を進めることもできます。

    【年収の変化】
    高専教員は平均年収が760万円と高収入の部類に入るため、どうしても転職によって年収が大幅にアップすることは難しくなります。

    それでも塾講師で人気クラスともなれば、年収1,000万円以上を実現している人もいるため、人気が出るような授業内容や創意工夫が必要です。

    シンクタンクの研究員

    シンクタンクは、研究者としての高専教員のスキルや経験が活かせる仕事です。シンクタンクでは製造や金融などのさまざまな分野に関する調査及び分析結果の発表や政策への提言を行っています。

    シンクタンクが求めているのは、統計学に長けていて、洞察力が優れていることであるため、高専教員のように研究活動をしている実績があれば採用されやすいのです。

    【年収の変化】
    シンクタンクの研究員平均年収は30代でも1,000万円を超えることもあります。しかし、求人自体があまり出回らない希少価値の高いものであるため、転職活動時にシンクタンクの求人と出会えるかどうかは「運」が左右することがあります。

    生活を重視した転職をする場合

    外資系企業のマーケティング職

    高専教員時代の研究活動に必要な統計のスキルを外資系企業で活かせば、それほどギャップは少なく、でも年収アップも実現できます。

    マーケティングには統計以外にもマーケティング関連の専門用語(3C、ターゲティング等)も重要になるため、その部分に関しては新たに勉強する姿勢が求められます。
    【年収の変化】
    日系企業のマーケティング職の平均年収が540万円ほどですが、一方で外資系企業のマーケティング職の平均年収は730万円とかなりの差をつけています。

    さらに外資系の中でも大手となると、平均額を上回って800万円以上の人もいるため、高専教員からの年収アップも実現できます。

    高専の教員からの転職体験談

    高専の教員から学習塾の講師へ転職(20代後半・男性)

    どうして高専の教員を退職したのか?

    大学院を出て、教員免許も持っていなかったけど、研究しながら安定した収入を維持するために高専教員になりました。

    でも実際研究しながら…といっても研究費はスズメの涙だし、生徒指導やクラス運営で疲れ果て、研究活動を続ける環境ではないと感じ、退職しました。

    転職してよかったと感じること

    塾では持ちコマの時間以外は自由です。よってその時間に塾の授業準備をするのですが、高専で教員していた経験があるので準備は正直すぐに終わります。

    終わったら研究活動ができるので、できるだけ低コストの研究を続けられることが、転職してよかったと感じることです。

    年収は変わった?

    持ちコマによって月給が変動するので、高専の頃よりも手取りが上回ることもあります。

    高専の教員から大手企業のマーケティング職へ転職(30代前半・女性)

    どうして高専の教員を退職したのか?

    教員としての仕事にやりがいは感じていたのですが、当時学校の中でも優秀な成績を残す部活の顧問に任命されてしまい、それまで以上に残業が増えてしまって、単純に私のキャパシティをオーバーしてしまったからです。

    部活動の顧問を外してほしいとお願いしても聞き入れてもらえず、教師としてのモチベーション低下に結びついてしまいました。

    転職してよかったと感じること

    統計学が好きで、研究でもあまり使われない統計を使用するのが好きだったので、統計学がこんなにも活かせる仕事はないと思っています。

    好きなことがメインの仕事になったことで、多少人間関係で辛いことがあっても、あまり気になりません。

    年収は変わった?

    今の勤務先は年俸制なのですが、高専教員の頃の収入を比べると少し上がったといえます。

    あとは民間企業ならではの福利厚生もあって、ホテルが半額で泊まれたり、某スポーツチームの招待券がもらえたりと、実質実費を出すべきところが浮いているので得している感じもあります。

    高専の教員から大手企業の研究職に転職(30代前半・男性)

    どうして高専の教員を退職したのか?

    正直に言うと、職場の人間関係です。詳細は言えませんが、いわゆるいじめの対象になってしまい、精神的にも身体的にも耐えられなかったからです。

    転職してよかったと感じること

    前職の人間に会わなくて済むこと…と言いたいところですが、博士まで行かせてもらった両親にようやく報いることができたことでしょうか。

    博士まで行って教職に就いていることを両親に理解してもらず、また自分自身も疑問を抱き始めていたところだったので、自分の学んできたことと仕事が直接つながったことは、転職してよかったと感じられています。

    年収は変わった?

    大手企業だからだと思うのですが、20%くらいアップしました。賞与がとても大きく響いていて、仕事をする上での大きなモチベーションになっています。