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公立学校は自治体が行っている教員採用試験をパスしなければなることができず、その狭き門を突破してきた分、ちょっとやそっとの悩みでは辞められないという人も多いのではないでしょうか。

でも、保護者のモンスター化、学生生徒の消費者化が進んできた今の社会ではそんなことも言っていられない状況に追い込まれ、日々辛い思いでやり過ごしている先生は、転職後の生活が想像できずに転職活動を始めることを躊躇していませんか?

ここでは、公立学校の教員として働いていたけれど、辞めたい・転職したいと思った理由や、公立学校教師の転職先について紹介します。

公立学校教師の転職のきっかけ。辞めたいと感じる理由は?

公立学校は、公務員という立場で勤務しているため、家族にも安定と安心感を持たせることができ、教育者としての王道をいく、誰もが一度は憧れる仕事です。

でも、実際に公立学校で働いている教師には以下のようなことで公立学校を辞めたい!と思う人が多くなっています。

  • 転勤があって、広い自治体だと同じ自治体でもかなりの遠隔地への異動があって辛い
  • 教育委員会に直接文句を言う保護者がいて恐怖
  • 底辺校だとどうしようもない不良もいるが、体罰では処理できずに悶々とする
  • 民間からの校長が来て、教員免許もないのに商業目線で無理難題を言われる
  • 異動で年上の後輩が入ってきて対応に困る
  • 部活動の指導で本来休みの土日もつぶれて家族からもクレームが来て辛い
  • 学生生徒を帰してからが仕事…採点に授業準備で残業三昧が辛い

こんな理由があるから、やっとの思いでなった公立学校の教員を辞めて転職したい!と思う先生が多いでしょう。

でも、狭き門をくぐってきた事実、公務員から民間への転職となるとグッと最初の一歩が踏み出せなくて数年経過している…そんな先生も少なくないはずです。

そんな場合、今の仕事とのギャップが少なくて、教員免許が最大限に活かせる転職先といえば、「私立学校の先生」を思い浮かべるでしょう。

でも、公立学校から私立学校への転職は可能なのでしょうか?

公立から私立への転職

公立学校の教師が私立学校の教師に転職することは、私立学校の先生が公立学校の先生になるよりも比較的容易です。

とはいえ、私立学校へ教員として転職するためには、以下のような課題があります。

私立学校は非常勤講師の募集が多く、教諭の募集は少ない

少子化で定員割れを起こしている私立学校が珍しくない昨今、私立高校では特に教諭ではなく講師の募集が多くなっています。

期限付きの講師の場合、公務員で教諭をしていた先生には「不安定」「先が見えない」というデメリットが大きくなってしまい、それだけで転職を躊躇する先生も多いでしょう。

とはいえ、私立でも定年退職による空きは出るので、タイミングがよければ教諭としての転職も十分に可能です。

転勤がないからこそ、人間関係が少しでもよい学校を選ぶ必要がある

公立学校では数年に一度の異動があり、人間関係がサイアクだとしても、「あと○年…」と思って辛坊すれば、心機一転新しい学校でのリスタートを切ることができますよね。

しかし、私立学校では基本的に転勤がないために、一度でも人間関係が悪化すると、それを改善するのは容易ではありませんし、何よりも「退職するまで」その人間関係の中で過ごさなければならないという恐ろしさがあります。

私立学校への転職を後悔しないためには、転職前に職場見学に行く、インターネットでの口コミを調べるなどして、人間関係について悪い評判のない学校を選びましょう。

私立は経営状況によって賞与カットもあり得る

公立学校が経営悪化によってつぶれる…ということはまずありえませんが、それが私立では平気で起こります。

経営悪化によって閉校を余儀なくされた私立学校も実際にあります。このような私立学校に転職してしまえば、最悪の場合転職してすぐにまだ失業するという可能性もあります。

そこまでいかなくとも、私立の場合では公立学校ではありえない「減給」「賞与カット」という事態が起こる可能性があります。

転職後に年収ダウン…ということで悩まないためにも、受験者数、学生数などのデータを調査してから転職するように心がけましょう。

私立教師の他にも!公立学校教師の転職先と変わる年収

公立学校に勤務している教員には、教員免許という強い味方(資格)がある上に、専門分野という武器がありますよね。

また、元公務員という肩書きが有利になる転職先もあります。そのため、「教員でいること」にこだわらなければ、年収も働きやすさもよくなる転職先を見つけることが可能です。

教員採用試験の経験を活かす!専門学校講師

自分自身が教員採用試験を突破して、実際に教員の経験もあるため、この実績を活かして「次世代の教員を育てる」という立場に転職するという方法があります。

教員採用試験の学習指導、面接指導などが主な業務ですが、自分が合格したという実績があるため、生徒の信頼も厚く、教育者として勤務できるため、前職とのギャップは他業種よりもかなり少なくて済みます。

年収の変化

専門学校講師の給与は、公立学校の教諭に比べればかなりダウンします。公務員系の専門学校の場合、月収は20万円~30万円程度です。

それでも学科長、教務部長などの役職に就くことができれば、月収で40万円程度を支給されている先生もいます。

学習教材開発・営業

公立学校で先生として勤務してきたという実績が活かせるのは、教育者という立場だけではありません。

これまで教員として採用する側だった学習教材の開発にまわるという方法もあります。この業界では、元先生の意見は非常に活かすことができ、教員時代に「もう少しここがこうだったら採用するのにな…」と思っていたことを自らの手で具現化することができます。

少しでも現場の教師・学生生徒が使いやすいものをつくりあげる工程は、元先生なら楽しめるでしょう。

年収の変化

教材開発では出版社に所属することになりますが、出版社の平均年収は大手なら1300万円ほどになります。

出版社の規模にもよりますが、経営規模が大きければ大きいほど、教員時代よりもはるかによい年収を実現できます。

公立校教師からの転職体験談

公立高校(国語)から専門学校講師へ転職(30代前半・男性)

転職を決めたきっかけ

2年連続で大変な保護者に当たってしまい、出勤するだけで汗が止まらなくなるという精神的負担に耐えられず。

転職によって生じたメリット

専門学校は18歳からの生徒が対象で、比較的落ち着いているし、保護者もそれほど全面に出てこない。

教員免許とって、採用試験に受かったというだけでも、生徒は割と自分を信じてついてきてくれる。

年収は変わった?

年収は300万円程度で、ハッキリ言って下がった。でも、残業がほとんどなく、ストレスを感じないのでこれに越したことはないとも思う。

市立小学校教諭から印刷会社へ転職(20代前半・女性)

転職を決めたきっかけ

初めて持ったクラスが学級崩壊で前任が精神疾患で退職したクラスだった。トラウマとなる出来事がたくさんあり、今後の教師生命より今の命のほうが大切だと思ったから。

転職によって生じたメリット

ダイレクトメールの編集などの作業は慣れるまでが大変だけど、クライアントの要望を活かせた時に感謝の声を直接きけるのが嬉しい。

年収は変わった?

年収はそれほど変わらず。ただ、残業すれば手当が出るので、教諭時代よりも手取りが増える月もある。

公立高校(英語)から貿易事務に転職(30代前半・女性)

転職を決めたきっかけ

夫の転勤で本州を離れることになったから。

転職によって生じたメリット

英語の語学力が活かせるし、毎日メールや電話で英語を使うので、教員時代よりも英語力が上がった。

年収は変わった?

年収は少し(10%くらい)下がったけど、得意なことを活かせて、しかもそのスキルが向上していると実感できるので満足。