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PC・携帯電話・スマートフォン業界は、機能性・デザイン性・耐久性を重視した製品作りを行っています。各メーカーごとに、「カメラ機能にこだわる」「容量にこだわる」といった特徴があるというのもこの業界の特色です。

近年ではApple Japanやグーグルなどの外資系メーカーのシェアが拡大し、国内メーカーの業績は追い込まれつつあります。そのため業界再編が進んでおり、環境の劇的な変化はこれから数年間続いていくと考えられているのです。

また、今後はウェアラブル端末に力を入れる企業が多いのではないかとも考えられています。

PC・携帯電話・スマートフォン業界の求人動向

PC・携帯電話・スマートフォン業界は、総合的に中途採用に消極的な傾向があります。特に大手外資系メーカーは新卒採用にとても力を入れており、インターンシップや就職イベントなどは活発に行っているのですが、中途採用の求人は出回りにくいのが現状です。この業界への転職を狙うのであれば、根気よく求人を探す必要があるでしょう。

総合

Apple Japanやグーグルなど、PCやスマートフォンなどを総合的に手がけている企業は、特に中途採用の求人が出にくいです。国内で幅を利かせている企業は、それら二社がメインですが、どちらも外資系企業。求人が出にくく、さらに業界最大手と言っても過言ではない二社なので、選考も激戦となります。就職難易度は飛びぬけて高いです。

中途採用で入社したという人は、その多くがセールス職。エンジニア職は新卒採用で人材を得るのが基本のようです。アップルやグーグルに転職をするには、営業職の経験が必要ということになります。

PC・タブレット

外資系メーカーのシェアが伸びてきているPC・タブレットですが、国内シェアが最も高いのは富士通・東芝・NECレノボの三社です。ソニーのPC部門が独立して誕生したVAIOも国内メーカーの中では有力と言えるでしょう。

スマートフォンの普及に見られるように、PCは小型が進んでいるので、どの企業もノートPC及びタブレットに力を入れている傾向があります。そんなPC・タブレットメーカーの求人は、非常に少ないです。VAIO株式会社に関してはソニーから独立してまだ日が浅いので中途採用の採用枠はとても貴重と言えます。

そもそも国内メーカーのPC事業部門は人員削減がされているため、中途採用をする必要が無いのです。日本ヒューレット・パッカード(以下日本HP)などの外資系企業は法人向け製品のマーケティング担当や、セールススペシャリストなどといったセールス職の求人を中途採用で出すことが多い傾向があります。

スマートフォン

スマートフォン業界と言えば、ソニーモバイルコミュニケーションズが国内メーカーとしては有名ではないでしょうか。国内ではAppleのiPhoneに次いでシェアが高いエクスペリアを手がけているメーカーです。スマートフォンの国内シェアは2016年現在Appeとソニーモバイルの二強といった状況で、その後ろにシャープやサムスンが並んでいるといったところでしょうか。

国内PCメーカーはどこも再編が続いており、中途採用を受け入れる余裕も必要性も無く、求人が皆無といった状況ですが、スマートフォン業界に関しては、中途採用が比較的盛んに行われています。特にソニーモバイルはハードウェア開発、ソフトウェア開発、スタッフ(人事や経理など)のどの分野でも多数の採用があるのです。

PC・タブレット業界や総合メーカーと違い、人事・経理・セールスなどのスタッフ系よりも、ハードウェア・ソフトウェア開発といったエンジニア系の職種のほうが求人が多く出回ります。

PC・携帯電話・スマートフォン業界の主な募集職種

PC・携帯電話・スマートフォンメーカーは、家電やカメラよりもさらに早い周期で商品開発を行っています。OSのバージョンアップに応じたデバイス開発が必要ですから、技術調査や使用確認をするR&Dという職の役割はとても大きいです。

そこからマーケティング職が消費者の調査をし、スペックや機能・デザインなどのニーズに応えることができるようにします。そうしてデータを収集し、ハードウェア開発・ソフトウェア開発といった開発エンジニアが開発を行う。製造に必要な資材などを生産管理が調達し、品質管理を環境安全職が担当する。

そして出来たものを販促するのが商品営業……この業界は、このような職種のサイクルによって成り立っているのです。

セールス職

中途採用の募集が少ないPC・スマートフォン業界で、セールス職は比較的募集が多い傾向があります。国内企業は営業職と呼ぶことが多いですが、外資系企業だとセールス職・セールススペシャリストなどと呼ぶことがあります。いずれも営業担当者で、仕事内容は製品の販売促進です。

マイクロソフト社は営業担当者を対象として、セールススペシャリスト認定テストを行って営業力の強化・人材の育成をしています。セールススペシャリストは、ただ商品営業をするだけではいけません。顧客の抱えている問題を解決に導いて、顧客満足度をより高くしなければならないという使命を負っています。

会社の窓口であり、顔ですから、とても重視されている仕事です。

人事や経理などのスタッフ職

人事や経理といった職種もセールス職と同じく、比較的求人が出やすい仕事です。ソニーモバイルコミュニケーションズでは、人事スペシャリスト(国際人事)・(処遇)・(採用)という三つの人事職が設けられ、2016年9月現在募集がされています。

新規企画・新規プロジェクト立ち上げ時には、企画スタッフの求人も出やすいです。

エンジニア職

この業界に入ろうとするからには、エンジニア系の仕事に憧れを抱いている人も多いのではないでしょうか。PC・スマートフォン業界のエンジニアはハードウェア系とソフトウェア系に分かれ、そこからもさらに細分化されています。ハードウェア開発なら、レンズ設計エンジニア・カメラシステムエンジニア・ディスプレイエンジニア・ハードウェアエンジニアなどといった職種があり、ソフトウェア開発なら通信プロトコルエンジニアやシステムエンジニア、サービスアプリケーション開発エンジニアなどがあるのです。

各専門分野ごとに細かく分かれています。前職でネットワークエンジニアをやっていた人だと、ソフトウェア開発のネットワークエンジニアやネットワークプロトコルソフトウェアエンジニアなどが向いているでしょう。自分がどの分野に強いのかをしっかり見定めた上で、求人を探す必要があります。

エンジニア職はメーカーの花形のように見える仕事ですが、だからこそ中途採用での採用には消極的です。ソニーモバイルコミュニケーションズはエンジニアの中途採用が多いですが、その他の企業だとエンジニア職は新卒採用ばかり。そもそもPC・スマートフォン業界は海外企業のシェアが強いですから、開発は本社で行い、日本では営業活動に力を入れているというところが多いのです。

国内でエンジニアを志すなら、2016年現在はソニーモバイルが良いのでしょうが、業界再編が続いているので、国内メーカーのエンジニア需要が今後どうなっていくのかについては定かではありません。このままでは、どんどん需要が低くなっていくのではないのかと予想されます。

PC・携帯電話・スマートフォン業界の業績・就業データ

名称

業績 初任給 平均年収 募集規模 従業員数 平均年齢
勤続年数
ソニーモバイルコミュニケーションズ 売上:‐
経常利益:‐
218,000~251,000 7,000,000~8,000,000 7,500人
日本ヒューレット・パッカード 売上:3,646億円
経常利益:‐
193,700~249,800 7,000,000~8,000,000 50人~100人 4,000名
VAIO 売上:73億円
経常利益:-19億円
185,000~234,000 240人
日本マイクロソフト 売上:‐
経常利益:‐
年俸4,728,000~5,100,000 年俸8,000,000~9,000,000 36人~40人 2,147人 40.5歳
サムスン電子ジャパン 売上:1,284億円
経常利益:37億円
229,500 8,480,000 10人 203人
グーグル 売上:211億円
経常利益:‐
年俸6,500,000 11,300,000~12,600,000 19,000人(全世界オフィス合計)

フレックスタイム制を導入するところが多い

PC・スマートフォン業界は外資系企業の参入が進んでおり、国内企業も海外企業の影響を受けているようです。ソニーモバイルコミュニケーションズや、日本マイクロソフト、日本ヒューレット・パッカードなど、多くの会社でフレックスタイム制が導入されています。

日本ヒューレット・パッカードはフレックスワークプレイスという、会社に出社せずとも仕事が出来る制度があり、ワークライフバランスが取りやすいようです。フレックスタイムは一般的になってきましたが、フレックスワークプレイスというのは珍しい制度と言えます。

エンジニア職は休みを取りやすく、営業職は自己管理

PC・スマートフォン業界のエンジニア職は月々40時間程度の残業がありますが、毎週の休日や連休の取得はしっかりと行われているようです。休みを自分で調整すれば、二週間以上休みが取れるような会社もあります。

営業職は残業も休日も自分の仕事の状況を考えて、自己でワークライフバランスを考え整えなければなりません。休日がとりやすい・残業をなくしやすい制度や考え方は会社全体に根付いているところが多いのですが、それが利用できるかどうかは自己管理によります。

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みなし残業の会社が多い

PC・スマートフォンメーカーは、みなし残業とする会社が多いです。たとえば日本マイクロソフトのエンジニアは、年俸に50時間分の残業代が見込みで含まれています。

実際の残業時間は50時間未満であることが多いようなので、これが不満材料となるということはなかなか無いようですが、部署によっては残業が多いところもあるので、みなし残業制かどうか事前確認が必要でしょう。