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電子機器を製造する上で欠かすことのできない半導体は、今後IoTの普及が進むとともにニーズも増していくと見込まれています。
電子データを保管する上でも半導体メモリは企業から個人まで広い需要があり、メーカー営業職としては広く営業活動を展開することが可能です。
さらなる社会の電子化にともない半導体デバイスもより高機能のものが開発されていくであろうと予想され、市場規模がより広がることもほぼ確実。
常に最先端の技術にかかわる業界であり、働きがいのある世界であることは間違いありません。
半導体営業の基本
未経験者の弱点
半導体という業界は技術革新が非常に早く、営業マンにも優れた人材が多く集まっています。
職務経験がない状況から転職者が採用される事例もあるのですが、その専門性に対応することができず結果的に離職へ至るケースも少なくはありません。
文系から就職した場合でも商談へ出かけて話の内容がまったくわからないといった体験をしている営業担当者は見られていて、いずれにしても早い段階で必要な知識は身につける必要があります。
絶えず変化する業界であることからあらたな技術や製品、またさまざまな産業分野で見られるニーズの変化についても常に情報を追いかけなければなりません。
書籍などから学ぶほか、製造の現場で技術部門や生産部門などのスタッフから話を聞くことも大切です。
半導体の基礎知識
半導体とは電気を通す物質である導体、通さない物質である絶縁体の中間にあたる電気的な性質を持っています。
低温では電気を通さず高温で通す、別の元素などが含まれると電気を通すといった性質が電化製品の制御に役立てられています。
大きくはひとつの元素によるシリコンやゲルマニウムなどの元素半導体、ふたつ以上の原子がイオン結合したもので発光ダイオードなどに使用される化合物半導体に分けられます。
ただ小売店に並んで販売されるという類の製品ではありませんから、メーカーの営業職は基本的に半導体を用いる製品メーカーに対する営業活動を行うことになります。
- 電化製品…エアコンのセンサー、炊飯器の操作パネルなど
- デジタル家電…MP3プレーヤー、DVDレコーダー、デジタルカメラなど
- 社会インフラ…防災システム、ATM、医療機器など
半導体業界の営業マンの仕事
半導体メーカーの営業担当者が取り扱う製品としてはアナログ半導体、デジタル半導体があります。
- アナログ半導体…太陽電池やLEDなどの個別半導体、集積回路など
- デジタル半導体…CPU、フラッシュメモリ、マイクロコントローラなど
商談の内容
半導体が活用されている事業領域は非常に幅広いため、営業先は法人が大部分となっています。
具体的な用途も膨大なものであることから、個別の取引先に合わせて製品の仕様をそれぞれ詰める必要があります。
- 営業先が作りたい製品
- その他の部品との組み合わせ
- 想定されるパフォーマンスの実現性
社内外での立ち位置
営業職は取引先と自社の生産現場との橋わたしとしても機能しなければならないことから、国内外にある工場などの生産拠点との折衝にあたる場面が多くあります。
時には製品の仕様や納期などに関して、無理を承知で双方へ話を通さなければならないことも。
いざというときの依頼へ応えてもらうことができるよう、日頃から取引先だけでなく生産部門とも定期的にコミュニケーションを取って良好な関係を築いておく必要があります。
ビジネスの終着点
機能面や使い勝手に関して営業先から追加で要望が出されることも多く、すべてをクリアして最終的な成約へ至ることになります。
そして販売して終わりということはなく、後々にトラブルが起これば修理などの対応にかかわることも必要であり営業職は原因の解明や再発防止といった重要な役割も担います。
営業マンとしてのやりがい
半導体は人々の暮らしを豊かにする技術に多大な貢献をしてきたものであり、今や電子的に動作する機器のすべてに使用されているといっても過言ではありません。
国家的な戦略として掲げられているユビキタス社会を実現するためにも半導体メーカーの存在意義は大きなものであり、その事業を支える営業職は重責を担うとともに高いモチベーションをもって仕事へ臨むことができます。
そうしてキャリアを積んでいくうちに、自社製品はもちろん取引先が手がけている製品についても知識が深まっていきます。
するとこれまで話が出なかった製品メーカーの製品にも自社製品が役立つといった発見へつながり、さらなるビジネスチャンスも生まれ得ることになるのです。
半導体メーカーの営業職のニーズ
求人の動向
近年の傾向として半導体を使用している製品メーカーでは拠点を海外に置く動きが強まっていることもあり、営業職の求人でも業務内容として海外での仕事が目立っています。
語学力を前提として完全な海外赴任、頻繁な海外出張も厭わない人材を望んでいる求人元が少なくありません。
また元来は巨額な資金を必要とする設備投資型の産業とされていたところ、個別の製品に特化して成功するベンチャー企業が出始めたことで棲み分けも進み中小企業からの求人募集も増加しています。
営業手法としては代理店を経由しての販売を強化するための代理店営業、直販を担当する直接営業が中心です。
年収について
このところの平均額はおおむね600万円台で推移していますが、総じて外資系のメーカーで営業職への評価がより高く800万円以上を支給しているケースも少なくありません。
また高い技術力を持つ技術営業職であるフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)の求人に関しては、1,000万円を超える年収が用意されている場合もあります。
これは自社製品をどのように用いるかというように、完成品メーカーのエンジニアとも技術面の突っ込んだ話をすることが多いためです。