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営業職からの転職先として事務の仕事は有力な候補です。営業という仕事に疲れた方、全く異なる仕事がしたいという方にぴったりの事務職。
とはいえ未経験で事務職に就くのは簡単ではありません。
このページでは、私自身のキャリアコンサルタントとしての経験を元に、営業から事務へ転職するためのノウハウを解説していきたいと思います。
未経験で事務へ転職するのが難しい理由
冒頭でもお話しましたが、営業から事務へ未経験で転職するのは簡単ではありません。それはなぜなんでしょうか?具体的に見ていきましょう。
未経験から事務へ転職した人の割合
まずは、営業から事務への転職事情をご覧ください。
異業種・異職種転職の実態によれば、営業から異業種へ転職する人の中で最も選ばれている職種が事務系の仕事となっています。
営業から事務への転職を考える人って意外と多いんですね。
また、中途採用の実態調査によると、異職種からの転職者が多い職種NO.1は事務職で、なんと76%の人が事務以外の職種からの転職者という結果に。前職が営業職という人も多く含まれているようです。
勿論、この76%の人たちは異職種からの転職者というだけであって、必ずしも過去に事務系の仕事を全く経験したことがない人ということではありません。ですが、少なくとも未経験で事務職に就く人は意外と多いということがわかります。
「あれ?もしかして営業から事務への転職って楽勝じゃね?」
と思ったそこのあなた、早とちりはいけません。
そもそも事務職非常に人気の高い職種です。
転職求人倍率レポートによると、事務職の求人倍率はなんと、0.22倍…!
しかも、経験不問の求人の割合は求人全体の23%というデータが出ています。たったの2割です。
ここで勝負しないといけないわけですから、それは簡単ではありません。未経験者同士の競争が激しく、そこに有利な経験者も入ってきます。採用を勝ち取るためにはそれ相応のやり方があるというわけです。
男性営業マンは特に難しい
事務職は、どうしても女性の採用が多い職種。男性は採用されにくい傾向にあります。
未だに「事務=女性」のイメージを持っている会社もあります。さらには、受付やお茶くみが業務内容としてある場合は、どうしても女性の採用ばかりになるのです。
ですから、男性は特に、求人サイトで自力で求人探しをするだけでなく、転職エージェントを使って、男女分け隔てなく採用する企業を見つける必要があります。
逆に、女性で営業職から事務職に転職したいという方は、男性よりもハードルが下がるので、リクナビNEXTなどの求人サイトを使って自力で求人を探すのもありです。
大手企業の未経験採用はほとんどない
転職を考えている人の中には、大手企業に事務未経験で転職したいと思っている人もいるでしょう。
しかし、残念ながら採用は難しいと言わざる負えません。というよりも限りなく不可能に近いです。大企業ではスキルを持った経験者を採用する傾向が強いからです。
さらに、大企業はアルバイトや派遣で事務のメンバーを固める場合もあるので、そもそも正社員として転職するのが難しいという背景もあります。
それでも大手企業に挑戦してみたいという方は、転職エージェントに相談して、大手の中でも未経験採用をしている企業を教えてもらいましょう。
前職が営業職だから故に難しい場合もある
「営業やってたの?どうせ体育会系なんでしょ?」と勝手なイメージを持たれるのが営業職の宿命。
でも事務系の仕事で働く人のイメージって真逆ですよね。実際に体育会系の要素はなく、比較的おとなしい雰囲気の人たちが働いています。
そのため、人事担当者からも体育会系のイメージのある人材というだけで敬遠されやすいのです。面接などであまりに積極的過ぎると、逆に引かれてしまう場合もあり得ます。
ここまで、「事務未経験者が採用されるのは難しい」という話をしてきましたが、未経験者が100%採用されないというわけではありません。
自分に合った求人を選んだり、独学の勉強に励んだり、転職の効率性をアップさせることで道が開けます。
続いて、転職成功者と採用に至らなかった人ではどこが違うのかをお伝えしていきます。
営業から事務への転職を成功した人と失敗した人の違い
未経験歓迎の求人の見極めをしたかどうか
普通に転職活動をしていても、闇雲に「未経験歓迎!未経験OK!」の求人に応募して撃沈するのが関の山です。
未経験歓迎とうたっている企業の意図は様々ですが、多くの企業はあくまでも「ウチは未経験者でも採用する気はあるよ」と言っているだけ。経験者の応募があればそちらを優先するのは目に見えています。
ですが、その中にも…
- 事務未経験者の採用実績があり、教育体制がしっかりしている
- 他の企業に染まっている事務職経験者を避けたいため、未経験者がほしい
- 経験値よりも人物重視で採用を決めている
といったように、本当に未経験者を欲している企業もあります。
事務系の仕事経験がない営業マンはそこを狙ってくべきなのです。
でも、ハローワークや求人サイトの募集要項を眺めていても見極めは不可能。ですから、転職エージェントを使うしかありません。
転職エージェントの抱えている企業情報というのは、募集要項でわかるような表面的な情報だけではありません。例えば、企業が求める人材、過去の中途採用者の入社状況、会社の風土・雰囲気など。
つまり、転職エージェントは未経験者が狙うべき企業をわかっているということです。事務未経験者でも採用を勝ち取れたという人の多くは転職エージェントを使っています。その理由はつまりこういうことなんです。
ただし、転職をするのはあなた自身です。エージェントが何とかしてくれるという考えは絶対に上手くいきません。あくまでも自分主体で転職活動を進めてくきましょう。
自分の強みを分析していたかどうか
勢いに任せて「とりあえず動く」という考えの方もいるかもしれませんが、そういう人は高確率で失敗します。応募を繰り返し、場数を踏んでいれば転職先が決まるというものではありません。得るものは不採用通知の山だけです。
では、転職を考えたらまず何をすべきか。それは自分の強みを知るということです。
例えば、「顧客の懐に入りやすい」、あるいは「ムードメーカーとして顧客に笑顔を見せることが得意」など。こんな風に営業の経験から得られた自分の強みがあるはずです。
営業と事務で求められることは異なりますが、共通していることは少なからずあります。例えば、事務職にはコミュニケーション能力も必要な能力です。これは営業の経験を活かせる部分ですよね。
自分の強みは事務職に関係していないだろうと決めつけずに、まずは自分の強みをしっかり分析してみましょう。
事務の仕事を理解しようとしたかどうか
事務への転職を考えている人の中には、「営業が嫌になった」「営業が向いていないから転職したい」と思っている人もいるかと思います。では、事務は嫌にならないのでしょうか?事務はあなたに向いているんでしょうか?
具体的な理由とともに明確な答えが今言えるようであれば良いのですが、そういう方は稀だと思います。
事務について理解が浅いことで、想像していたイメージと入社後の現実が全く違うなんてことも十分にあり得ます。もちろん、実際に働いてみないことにはわからないこともありますが、同じ失敗を繰り返す前に仕事を理解することは本当に大事なことなんです。
また、事務職について理解を深めることは、入社後のギャップをなくすためだけではありません。自分が事務職に就いたら何をするのか、何をすべきなのかを理解していない人は採用されるはずがありませんよね。面接でもうまく受け答えできないはずです。
事務職に就いたら何をするのか、何をすべきなのかを理解していない人は採用されるはずがありません。面接でもうまく受け答えできないはずです。
では、事務職を知るにはどうすればいいのでしょうか?本を読む、ネットで情報を探す、どれもアリですが、事務職を理解するのに手っ取り早いのは、事務で働いてる人への聞き込みです。
知り合いや取引先の事務担当から話を聞くことで、事務職への理解が深まり、面接でも自信をもって発言できるようになりますよ。
事務職の人に話を機会がないという方は、転職エージェントに相談してみてください。
経験豊富なコンサルタントが、事務職の仕事内容はもちろん、面接でよく聞かれることなどを細かく教えてもらえます。採用確率を上げるために気になることはどんどん質問しましょう。
いらない資格取得に時間をかけたかどうか
当たり前ですが、事務職へ転職するにはパソコンスキルは必須です。エクセルやワードの基本的な操作は最低限求められます。また、事務職の種類や企業によって異なりますが、パワーポイントやAccess、エクセルのマクロの知識が求められることもあります。
ですが、できるかできないかが大事なので、資格は必要ありません。資格をわざわざ取るくらいならその時間を転職活動の時間に当てるべきです。
それでもあえて資格でPC操作のスキルをアピールするなら、「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」という資格がおすすめです。
その他で事務職に使える資格は、例えばビジネス上の文書を作るのが苦手な人なら「ビジネス文書検定」。あるいはコミュニケーション力や社会人としてのマナーを身につけたいのであれば「実用マナー検定」あたりでしょうか。
こういった資格は社会人としての勉強のためには役立つかと思います。でも、採用に有利に働くわけではありません。履歴書の資格欄を埋められる程度と思っておきましょう。
事務に必要なスキルは働きながらどんどん身につきます。未経験者は特に、営業の経験や社会人として学んだこと、人間性で勝負していくべきです。
そこを重視して勝負していかないと採用を勝ち取るのは難しいでしょう。
面接対策をしたかどうか
ここまで読んで、事務への転職を楽観視している人はいないかと思いますが、自分に自信があるというバリバリの営業マン気質の方は注意が必要です。
というのも、「自分はできる」、「自分だから転職先は決まる」と高をくくっている人は顔に出ます。人事担当者に横柄な態度だと印象を持たれがちです。これでは何度面接を受けても不採用になってしまいます。
また、先にもお伝えしましたが、体育会系の要素はマイナスにとられることが多いのが事務の面接です。周りの空気を読まず勢いに任せてその場を押し切ろうとすれば、間違いなく失敗します。
事務はパソコンや書類につきっきりなわけではありません。上司や同僚、関連部署とコミュニケーションをしっかり取り、情報を正しく処理する能力が求められます。
そういう能力がある人材かどうかを面接で見極められるのです。事務職に求められる人材とはどういうものなのかを知って、しっかり面接の準備をしていきましょう。
営業から事務へ転職するのにおすすめの事務職
一口に事務といってもその種類は様々。ここでは未経験者であっても転職可能な事務職を紹介します。ぜひ自分がやってみたい仕事を見つけてみてください。
一般事務
事務の入門編となるのが一般事務です。主に、資料の作成やファイリング、電話対応などどを担当します。
未経験の人もこなしやすい業務なのでライバルも多いですが、入口としてはおすすめです。ただし正社員での募集が少ないので、派遣・アルバイトも視野に入れる必要があります。
一般事務の経験を経て、経理などの他の専門事務へステップアップすることも十分に考えられます。
経理事務
企業のお金についての取り扱いをするのが経理事務です。日々の取引状況の記帳、支払、売上の管理、決算処理などを行ないます。
経理として採用されるには簿記2級は最低限必要な資格のため、一般事務と比較すると希望者数が多少減ります。お金に関わる業務なのでミスも許されないので几帳面な人に向いているでしょう。
簿記2級に受験資格はありませんが、3級の知識が必須です。これから簿記の勉強を始めるという方はまずは3級の勉強からスタートしましょう。
独学でも十分取得できる資格ですが、ヒューマンアカデミーの通信講座などで学習するのが効率が良いのでおすすめです。
人事
人事とは、新卒や中途の採用に関する業務、勤怠管理・給与計算などの労務を行う職種です。応募者の選考などで、営業で培った交渉力を活かせる仕事ではないでしょうか。
かなり人気の職種なので競争率は高いのですが、未経験採用もあります。社員を支える役割に関心のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
総務
会社の事務系の業務全般を担当するのが総務の仕事です。非常に幅広い業務内容で、任せられる仕事は会社ごと異なります。いわゆる「なんでも屋」のイメージです。
そのためか未経験者の方が他社かぶれしていないので採用したいという企業もちらほら。営業経験を活かして熱意をもってチャレンジしてみてください。
営業事務
営業担当のサポートをするのが営業事務の仕事です。取引先に関する資料作成や、営業担当が出向く前の打ち合わせ、さらには顧客との電話のやりとりなどを行ないます。
営業担当との連携が大事な仕事なので、もともと営業の経験がある人にとっては取っつきやすいのではないでしょうか。
ただし、営業事務は事務職の中でも特に女性が多い職種なので、女性にはおすすめできますが、男性の場合は難しいと覚悟が必要です。
現在、生命保険会社で営業職の採用が活発なようで、それに伴い営業事務の求人も増えているようです。狙い目ですよ!(2017年7月時点)
医療事務
主に病院で事務処理を行なうのが医療事務です。受付や病院内の案内をはじめ、患者の支払金額の計算まで行ないます。
医療事務の資格もありますが資格必須というわけではなく、それよりも専門的な知識を有するために経験者が優遇されます。ですので、未経験者の場合は小さなクリニックに絞って求人を探す必要があります。
その他デスクワーク
事務で働きたいと漠然と考えている方の中には、体力的な問題からとにかくデスクワークがしたいと考えている方もいるかと思います。
その場合は、一般的な事務職にだけ絞って考えるのではなく、コールセンター、カスタマーサポート、データ入力といったオフィスワークも視野に転職活動をしてみてはいかがでしょうか。
営業の経験があるからこそ書ける職務経歴書
スキルや価値観、仕事への姿勢。営業から事務に転職した人にしか無いものもあります。
そういったものを効果的にアピールすることで採用される確率が大幅にアップします。
自分の過去の売上成果を少し盛る
職務経歴書とは、自分がどういう仕事を行ないどのような成果を出したかアピールする書類です。ここでは、自分が営業マンとして活躍していたことを主張しましょう。
実際あまり成果を残せなかった人であっても、多少盛ることは大事です。あまり大きな声では言えませんが、正直売上個数をごまかしたとしても誰も分かりはしないでしょう。
部内で1番の売り上げを達成したことがあることも書いておく
人事採用者に多少のインパクトを与えることも大事です。
そのため、部内でトップ成績をとったことがあるというのを記載するのも良いでしょう。それだけで、相手に興味を持ってもらいやすくなります。
ただし、面接の際に何でも馬鹿正直に答えてしまう人にとっては、リスクが高いためあまりおすすめできません。
相手に対して自分をトップセールスマンに魅せることができる人だけ使ってみてください。
自己PRはどんなことを伝える?
営業から事務に転職をするとき、どんな自己PRをしたらいいのでしょうか?履歴書や面接で必要になってくる自己PRを考えるポイントを紹介します。
数字を分析することが好き
事務は色々なことを分析することがあります。
例えば、会計事務であれば部門別の売上比率の調査。さらに営業事務であれば、顧客の問い合わせ内容はどういった比率になっているのかと言うことを調べる場合も。
また営業職・事務職どちらにおいてもマーケティング調査をする作業も発生することもあるのでアピールポイントとなるでしょう。
コミュニケーション能力がある
事務だからコミュニケーション能力が必要ないと考えている人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
企業内外の人と会話をする機会も多いです。さらに相手に対して気遣いをする機会もあります。
ただ営業職でもコミュニケーション能力は必要になるので、共通点としても挙げやすいでしょう。
志望動機の例文
数字に強いことをアピール
例文
私は営業職として仕事をしている際、売上実績を達成するために顧客のデータはもちろんのこと、費用対効果などを考えながら商品を販売していました。
さらに分析ソフトを利用し、あらゆるものを数値化し実際にどういう風に生かせるか意識した経験を事務業務にも生かしていきます。
今までは自分の売上達成に向けて仕事をしていましたが、今度はたくさんの営業マンの役に立つ側に回りたいと思ったので営業事務を希望しました。
数字に対してどういう意識を持っていたか?あるいは、なぜ数字が大事になるのかと面接官がどんどん興味を持ってくれそうな文章にすることです。
コミュニケーション能力をアピール
例文
私はたくさんの場数を踏んできて、色々なタイプの顧客との応対をしてきたなかで、相手に合わせて自分のキャラを変化させながら対応した日々を送ってきました。
その結果、どのタイプの人に対しても臆することなく自然体で接することができるようになりました。事務職でも様々な部署の人とのやりとりも発生するとは思いますが、私の経験を活かせると思い応募しました。スムーズなやりとりを心掛けていきます。
営業職としての経験を全面的に押し出すと言うことを意識しましょう。自分のコミュニケーション能力を生かすことで、どういう実績に結びつけるか述べると良いでしょう。
何事にもチャレンジする精神をアピール
例文
営業活動をしている際に、顧客からの無理難題にも応える日々もありました。その結果、私には根性が付きました。事務職は未経験ですが、ワードとエクセルの資格を取得しており、今後も求められるスキルを取得していくために努力を惜しみません。
営業職として商品を売り上げるためには、無茶ぶりをされることもあります。それを事務職でどう生かすか考えてみましょう。
まとめ
ライバルが多い事務職。営業職から事務への転職は簡単ではありません。ですが、事務について理解を深め、自分の強みを知って転職活動を行うことで、未経験であっても転職する道は開けます。
また、転職エージェントをしっかり活用して情報収集・面接対策をすることも大事です。
この記事が、あなたの転職活動のお役に立ちましたら幸いです。