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薬剤師としての資格を生かして働く道には様々ありますが、ドラックストアは雑用が多そう、薬剤師の資格が生かせない等のイメージが先行して敬遠している人もいるでしょう。

実際のドラックストアでの仕事内容やキャリアプラン等、中途採用向けの求人情報ではわからないことをご紹介いたします。

薬剤師のドラックストアへの転職事情

薬科大が6年生になったため中途採用の求人は時期を問わず多くあります。特に風邪や花粉症が流行る前の11月に求人が増える傾向があります。

第1類医薬品は薬剤師が常駐していないと販売できないことから、人手を必要とする職場も多く、ブランクがあっても応募可能な求人も多くあります。

働き方も正社員、派遣社員、パート・アルバイトとすべて揃っています。

ドラックストアにも大手から中小までありますが、大手は教育や福利厚生がしっかりしています。大手では、中途採用の薬剤師にも医薬品に関して改めて研修を実施しているところもあります。

保険薬剤師登録済ませておこう

ドラックストアで働くには保険薬剤師登録をしておきましょう。

入社後に登録することもできますが、バタバタしているうちに忘れてしまうと、保険薬剤師登録が終わるまで登録販売者と同じ勤務をすることになってしまいます。

スムーズに勤務するためにも入社までに済ませておきましょう。

ドラックストアはブラック企業が多い!?

ドラックストア業界はブラック企業が多いという噂を聞いたことはありませんか?

薬事法や労働基準法、調剤報酬の不正請求等を行う企業はブラックと呼んでも良いかも知れませんが「ブラックだと思うドラックストアは?」と聞くと大手の名前が出てきます。

これは、一般の企業でも同じ傾向にあります。

ドラックストアは小売業ですから利益を追求しなければなりません。

特に薬剤師は第1類医薬品や要指導医薬品の取り扱いという薬剤師にしかできない仕事があるため、お昼休みが十分に取れないこともあります。

お昼休憩を時間通りに取りたい人にとっては、どこのドラックストアに行っても「ここはブラック企業だった」という印象を持ちます。

このように本人の希望と企業の勤務実態にミスマッチが起きている場合や、売上激戦業界の1つであるドラックストア業界に興味があっても、利益の追求や他店との売上競争に関心がない人にとってはすべての企業がブラック企業に映ります。

>良い転職先を見つけるには興味のあることと、できることのギャップや自分には何が向いているのか、向いていないことは何かを確認しましょう。

また、給与以外に譲れない条件は何かを洗い出しておきましょう。

例えば、通勤経路や通勤時間、人間関係、ファシリティ、やりがい、ワークライフバランス、体力や気力、これらについて棚卸しをしながら、この記事を読んでください。

高給!?ドラックストアで働く薬剤師の年収

ドラックストアでの全国平均年収は調剤薬局等に比べてやや高く設定されています。

  • 未経験者(新卒レベル)で450万~700万
  • 経験者で650万~800万(店長クラスは800万~1,000万)

パートやアルバイトでも勤務地によっては1日3時間でも時給2,000円~4,000円のため、週3日勤務月給7~8円、年間100万前後になるので扶養枠内で働くことができます。

ドラッグストアの求人は薬剤師専門の転職サイトで

ドラッグストアは病院などの医療機関と違って利益志向が強い傾向があり、企業ごと様々な社風や特色を打ち出しながら、競争が盛んに行われています。

ブラックな職場があったり、給料は良いのに仕事が楽な職場があったり、昇給が早い職場があったり…

こういった職場を避けたり狙ったりしながら求人探しを進めていくのは、自分ひとりの力では限界があります。

そこで必要になるのが薬剤師専門の転職サイトです。

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ドラックストアにおける薬剤師の働き方

店舗の運営方法で働き方が異なる

ドラックストアには調剤薬局が併設されている場合がありますが、保健所への届け出がOTC販売店舗と別々の場合は、調剤薬局扱いになるため勤務時間や売上の管理も別になり、OTC販売に関わることがなく、仕事内容は調剤薬局と同じです。

保健所への届け出がOTC販売店舗と同一の場合は、運営企業の方針により異なります。

調剤に専念する場合、調剤メインでお客様から第1類医薬品の問い合わせがあった時のみ対応をする場合、調剤とOTC対応とレジ打ち、日用品の品出しを兼務する場合があります。

商品の配列により仕事内容が異なる

OTC販売専門のドラッグストアは、商品の配列により仕事内容が異なります。

ドラッグストアには2つのタイプの店舗があります。

  • 第1類医薬品をお客様が手に取って選べる店舗
  • 第1類医薬品がレジカウンター内に陳列されている店舗

第1類医薬品をお客様が手に取って選べる店舗では、第1類医薬品に関する問い合わせ対応やアドバイスのみの対応を行い、基本的にはレジ打ちや品出し等は行いません。

混雑時は忙しくなる時もありますが、空いている時間は自分のペースで仕事ができます。

第1類医薬品がレジカンター内に陳列されている場合は、登録販売者と同じ仕事内容になるため、薬剤師としての資格を生かすというより販売員としての仕事が多くなります。

店舗のスタイル別ドラックストアの1日

第1類医薬品がカウンターの後ろにあるタイプの店舗編

開店前
  • 品出し(医薬品、健康食品、介護用品、コンタクト用品、雑貨等)
  • レジのお金の準備
営業中
  • 接客、レジ打ち(基本的にレジに来たお客様すべての対応を行う)
  • 健康相談以外の問い合わせ応対
  • 特売(広告)、POPの準備
  • 店内のクリンリネス(はたきがけ、床掃除等)
  • 部下の指導(レジや接客対応、医薬品の知識等)
  • 数字の管理(推奨品が中心)
  • 売り場管理(医薬品、健康食品、時期に合わせた演出、棚替え等)
閉店
  • レジ閉め(閉店までにレジ内をまとめる等)
  • 店舗の施錠等

OTC中心の店舗では、薬剤師以外の登録販売者が店舗運営を任されていることが多いため、店舗運営者と一緒に仕事をすることが多くなります。

レジ対応をするためお客様との接点が多く、お客様応対をしたい人向きです。その分雑貨も含めた知識が必要になります。

個人の評価は店舗の売り上げになるため、店舗のスタッフが一丸となって「売り上げ目標を達成しよう!」とがんばって仕事をしていく雰囲気です。

第1類医薬品をお客様が手に取って選べる店舗編

開店前
  • 品出し(医薬品、健康食品、介護用品、コンタクト用品がメイン)
営業中
  • 品出し(品出し量が多い時は開店後も行う)
  • 接客(医薬品や健康食品、サプリメントに関する相談が優先。雑貨類の質問も受ける
  • 発注(医薬品、健康食品、介護用品、コンタクト用品等雑貨以外担当する)
  • 特売(広告)、POPの準備
  • 医薬品、健康食品、介護用品等の値段が合っているかのチェックとPOPの発注
  • 部下の指導(接客対応、医薬品の知識等)
  • 数字の管理(医薬品、健康食品、介護用品等)
  • 売り場の管理(販売している商品の値段の入力や在庫チェック等)
閉店

レジは店舗運営者やパートが担当するので関わりません。

同じ仕事をする人がいないため、初めはOTC中心の店舗で経験を積んでから配属されます。レジ打ちがないため、マイペースに仕事ができますが作業をすることが多く、ドリンク剤等の重い物を持つことが多くなります。

風邪が流行するシーズンから花粉症が終わるまでのシーズンは、薬についての相談が多くなるため、発注の締め切り時間までに発注が終わらなかったりもします。

利益率の良い商品の売り上げが自分の評価になるため、厳しい面もありますが、扱う商品は薬剤師の知識が生かせるものが多く、薬剤師としてのやりがいを感じやすいです。

薬剤師は調剤がメインでOTC店舗の業務も兼務の店舗編

開店前
  • レジの準備
  • 店内のクリンリネス(はたきがけ、床掃除等)
  • 分包機等の機械を立ち上げる
  • 在庫確認
  • 睡眠導入剤や向精神薬等の数をチェック
  • 予製作り

予製作りとは、医師により決まった組み合わせの処方があるため、予めその日に処方されそうな分だけ作っておくことです。
例えば、リンデロン0.5錠をよく処方する医師なら、予め割って分包したものを作っておきます。

営業中
  • 処方箋鑑査(処方内容の確認、保険証番号や有効期限の確認、お薬手帳の内容確認)
  • 疑義照会(処方箋内容で不明な点があった場合、担当医へ確認)
  • 調剤(混合、粉砕、分包)
  • ダブルチェック(処方箋と調剤した内容が合っているか)
  • 服薬指導(重複薬や相互作用の確認)
  • 薬歴管理(今日処方した内容をデータで管理する)
  • OTC店舗での第1類医薬品についての問い合わせ対応、レジ打ち
  • 在庫確認と発注(翌日足りない分)

患者さんが少ない時間に、定期的に同じ処方をされる患者さんの来店に合わせて処方薬を準備します。

閉店
  • レジ閉め
  • 店内のクリンリネス(はたきがけ、床掃除等)
  • 分包機等の電源を落とす
  • 睡眠導入剤や向精神薬等のチェック(今日処方した分と在庫の数が合うか)
  • 未入力の薬歴を入力

調剤の難しいところは、来店する患者さんの人数が読めないところです。急に風邪やインフルエンザが流行り出して、在庫の薬が足りなくなることもあります。

また、小児患者が多いと分包機をフル稼働させても待ち時間が長くなり、クレームが入ることもあります。

調剤が忙しい時はOTCでも風邪薬や解熱鎮痛薬等の第1類医薬品についての問い合わせが入りやすいため、調剤薬局の人数が少なくなってしまうことも度々あります。

ドラックストア勤務経験を生かして多彩なキャリアアップ

チェーン展開している企業の場合、本人の希望を考慮しつつ、キャリアアップの道が用意されています。

基本的には、「薬剤師として調剤のエキスパートの道を選ぶ人」と「店長・エリアマネージャー、本社勤務の道を選ぶ人(売り上げ管理、DI業務、研修トレーナーなど)」に分かれます。

実家の薬局を継いだり、店舗運営と調剤経験を活かして独立開業、勉強が好きで研究職へ転職する人もいます。

また、身につけた教養やビジネスマナーを生かして製薬業界や治験業界のCRC(治験コーディネーター)やCRA(臨床開発モニター)などへ転職する等様々です。

資格の取得に関しては、お客様からの問い合わせの多いサプリメントの知識を増やすためにサプリメントアドバイザーの資格を取得したり、日本薬剤師研修センターでの漢方薬講座を受講して認定資格を取得する人もいます。

このような多彩なキャリア形成を実現できるのは、薬剤師は中途採用の選考で転職回数がマイナス要素にはならないからです。

それだけ薬剤師は貴重な存在なのです。

ただし、短期間で転職を繰り返している場合は、薬剤師であっても中途採用の選考ではマイナス要素になりますので注意が必要です。

まずは、安心の大手運営&実績No.1の『リクナビ薬剤師』で、自分に合ったキャリアアップパターンを探してみてはいかがでしょうか?

アドバイザーに相談するのが1番の近道です!

ドラックストアに向いている人、向いていない人

ドラックストアに向いている人

元気よく明るい対応ができる人

ドラックストアは調剤薬局と違い、患者さん以外の方が多く利用します。落ち着いた丁寧な接客も良いですが、元気でハキハキとした対応が好まれます。

薬剤師は若くして店長になるため、リーダーシップや人をまとめる力も必要です。

柔軟な対応ができる人

ドラックストアには様々なお客様が来店します。

理不尽なことを言われても、上手く切り返して最後にはお客様に気分良く帰っていただくことができれば、リピーターになってもらうことができるため、柔軟性が問われます。

商売や経営に関心があり経営者感覚でサービスができる人

利益を上げるためにはどうすれば良いかを常に考え、花粉症に効く薬を探しているお客様に「マスクは購入されましたか」や「鼻炎用のスプレーを併用すると効果的です」等、薬剤師の知識を生かして、もう1品購入させる発想や行動が求められます。

幅広い知識を身につけたい人

大型のドラックストアでは、家電やガーデニング用品も置いておりホームセンター並みの品ぞろえです。医薬品だけでなく、これらの商品にも関心があり、知識を身につける向上心や好奇心が強い人はやりがいを感じることができます。

服装にこだわりがあったり、ネイルOKの職場を希望している人

調剤薬局であまり派手な服装やネイルは好まれませんが、ドラックストアでは化粧品を扱っている店舗も多いため、服装やネイルにうるさくないところが多いです。

服装にこだわりが強い人には向いています。

お金を稼ぎたい人や手厚い研修を受けたい人

仕事内容より給与を重視する人はドラックストアが向いています。薬剤師は貴重な存在として、多少のワガママ(勤務地等)も聞いてもらえます。

また大手のドラックストアであれば、研修体制が充実しているため、今後のキャリアプランにプラスになることも多いです。

ドラックストアに向いていない人

勤務地や仕事内容、勤務時間にこだわりが強い

ドラックストアの場合、大手ではなくてもチェーン展開している企業では狭いエリアでの勤務地の異動がつきものです。

調剤しかやりたくないという希望やシフト勤務が嫌という人には向いていません。

コミュニケーションをとるのが苦手

お客様にはいろいろな人がいますので、柔軟な対応が必要です。

クレーム対応も多いため、お客様対応が苦痛という人には仕事を続けていくことが難しいかも知れません。

薬剤師としての専門性を高めたい

調剤薬局併設店舗では調剤をすることもありますが、多くはOTCやサプリメントがメインになります。

レジも担当する店舗の場合は販売員と仕事内容は変わりません。お客様からは日用品に関して相談を受けることも多く、薬剤の師資格を生かせないと思う人もいます。

人をまとめるのが苦手

薬剤師は若いうちから店長を任されることが多く、率先して働いたり人をまとめることが負担だと感じる人には向いていません。

時間にルーズで責任感がない人

1店舗に薬剤師は1人~2人しか配属されません。悪天候での遅刻や当日欠勤をされると第1類医薬品を販売することができません。

また、シフトにより薬剤師と無資格のパートしかいない日に遅刻や欠勤をすると、店を開けられず大きな損失を出すことになります。

まとめ

ドラックストア業界は競争が激しいため、利益追求が厳しい企業が多いです。

そのことを頭に入れて転職をしないと、どこの会社に入社しても「ブラック」という印象を持つでしょう。

あなたは今後、薬剤師の資格を生かして経営者を目指したいのか、それとも薬剤師の資格を生かさなくても良いから高収入の仕事をしたいのか、じっくり考えてみてください。

「経営者感覚が学べる」「給与がいい」等のモチベーション維持につながる目的がないと、ドラックストア業界で長く働くのは難しいでしょう。