雇用保険は、働く人の多くが加入することになる保険で、失業保険はその一部です。「知らなかった」では済まされない失業保険について、どれほど知っていますか?

自分は失業保険をいくら受給できるのか、いつから受給できるのか……考えるべきことはとても多いです。

シノダ1

転職を考えている人にとって、失業保険は他人事ではありません。

転職活動をするなら、失業保険を受給して安心しながら転職活動をしたいものです。そのために、失業保険について抱える様々な悩みに、ここでお答えします。

失業保険の受給条件と、手続きの流れ

失業保険って、そもそも何?

失業保険とは、失業して新しい仕事が見つかるまでの間に支払われる給付金のことです。これは公的に使われる呼称ではありません。

雇用保険の一部である、基本手当てがこれにあたります。これを行政・ハローワークでは失業給付と呼び、私たちは失業保険と呼んでいるのです。

失業保険を受給するための二つの条件とは?

失業保険を受けるための条件の一つ目は「一定以上の被保険者期間」で、二つ目は「働く意思・能力・状況があるかどうか」です。

自分が一つ目の条件を満たしているかどうかは、以下の要領で確認することができます。

退職した日から2年目まで1ヶ月ずつ遡り、1ヶ月間に働いた日数が11日以上ある月を数えましょう。

11日以上働いた月は被保険者期間として数えられます。2年間でこれが12ヶ月あれば、一つ目の条件はクリアです。

なお、特定受給資格者・特定理由離職者は通算6ヶ月以上で良いとされています。

二つ目の条件について見てみましょう。働く意思および能力を持っているかどうかですが、これには以下の三つの基準が定められています。

  • 就職したいという積極的な意思がある
  • いつでも就職できる能力があり、就職できる状態である(健康状態・家庭環境などにおいて)
  • 現在積極的に求職活動を行っているが、就職できていない

以上三つの基準に全て該当していれば、二つ目の条件もクリアです。失業保険を受けることができます。

求職活動を行っている実績がないと、受給はできない

失業保険は、働く意思・能力・状況がなければ受給できないと述べました。働く意思というのは気持ちの問題ですから、証明するのが難しいです。そこで「求職活動実績」が必要になります。求職活動実績というのは、以下のようなものです。

  • 求人への応募
  • 職業相談・紹介
  • 転職セミナーなどの受講
  • 職業訓練の受講

職業相談・紹介は、ハローワークまたは民間職業紹介所(転職エージェントなど)が行っているものを利用する人が多いでしょう。

民間の場合は厚生労働省の認可を受けたところである必要があります。認可を受けている場合は、許可番号が書かれているので、そちらで確認しましょう。

たとえば、当サイトで一番おすすめしている転職エージェントの『DODA』なら「13-ユ-304785」という番号が付与されています。

DODA

セミナーもまた、そのような民間職業紹介事業所や派遣事務所が行うものでもかまいません。もちろん、ハローワークが行っているものも活動実績として認められます。

以上のような求職活動実績が、認定日から次の認定日までの間に最低2回以上必要です。

認定日とは何かということについては、後述します。初回の認定には、会社都合の場合1回、自己都合の場合は3回必要となるので気をつけましょう。

失業保険手続きの流れ

失業保険の手続きに必要な書類

  • 離職票-1
  • 離職票-2
  • 雇用保険被保険者証
  • 本人確認書類
  • 本人名義の預金通帳
  • 印鑑
  • 写真2枚
  • 個人番号通知カード(個人番号の記載のある住民票でも可)

確認書類は、運転免許証・写真付きの住民基本台帳カード(役所作成)であれば、1点で申請ができます。パスポートや健康保険証なら2点必要です。

写真は縦3cm、横2.5cmのものでなければなりません。上半身のみ・正面で3ヶ月以内に撮影した写真を使いましょう。

個人番号(マイナンバー)については、公的な書類で個人番号が分かれば良いということです。マイナンバー制度の導入によって、失業保険の申請手続きにマイナンバーが必要となりました。新しく就職する場合にも、マイナンバーは必要です。

申請書類をそろえたら、住んでいる地域管轄のハローワークへ

求職の申込書、離職票等の書類を提出してください。申し込みが受理されれば、ハローワークカードが配布されます。

ただし、それだけでは終わりません。

失業保険の受給要件を満たしているかどうか、離職理由などについて判定されます。さらに、受給資格の決定も行われるのです。

資格があると判断されれば、「雇用保険受給者初回説明会」・「職業講習会」の日時指定を受けることになります。

このとき、雇用保険受給資格者のしおりが渡されるので、保管しておきましょう。

それから待機期間を7日間過ごし、初回説明会に参加します。しおり、印鑑、筆記用具を持って行きましょう。説明会では、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。

最初の失業認定日がいつかも知らされるので、必ず参加しなければなりません。

これで手続きは終わりました。

自己都合と会社都合とではどう変わるのか

自己都合退職とは、労働者が自らの意志で退職することを決定することです。

退職する過程がどうであろうと、退職願を会社に提出すれば、自己都合退職となります。たとえば、「会社が給料の未払いをしていた」など、会社に非がある場合です。

一見会社都合のように見えるでしょうが、退職願を提出してしまったのであれば、自己都合退職と認められてしまいます。

会社都合退職とは、労働契約を解除する原因が会社にあることとされています。

これはリストラや倒産、経営悪化に伴う会社からの労働契約解除の申し出などです。

会社都合退職によって受給対象となる人のことを、特定受給資格者と呼びます。

通常、失業保険を受給するにあたっては会社都合退職のほうが有利です。

自己都合と会社都合の違い

自己都合退職の場合、3ヶ月7日後から失業保険を受給できるようになります。給付日数は90~150日です。最大支給額は約118万円。3ヶ月間の給付制限があります。国民健康保険税は普通に納付しなければなりません。

会社都合退職の場合、最短7日で失業保険を受給できるようになります。給付日数は90~330日です。最大支給額は約260万円で、給付制限はありません。国民健康保険税は最長2年間軽減されます。

このように、自己都合退職は会社都合退職より不利です。

ただし、自己都合で退職したとしても、会社都合に値する正当な理由があったのだと主張し、それがハローワークで認められれば、自己都合の給付制限が解除されることがあります。

会社都合に該当する正当な退職理由一覧

  • 破産、民事再生、会社更生、手形取引の停止などといった理由によって退職した
  • 事業所単位で月に30人以上、または会社の3分の1以上が退職した場合
  • 予め定めていた労働条件と、実際の労働条件とが大きく異なる場合
  • 賃金が残業手当を除いて、それまでの85%未満にまで低下した場合
  • 体力不足や心の障害(鬱など)、病気、負傷、器官系の障害で退職した場合
  • 父親や母親が死亡、または病気で扶養するため、退職を余儀なくされた場合

ハローワークが定義している会社都合のケースとして一般的なものは、あくまでも最初の二つです。

最後から数えて二つは厳密には会社都合とはなりませんが、特定受給資格者となれるケースとなっています。これらのケースに該当する証拠をハローワークに突きつけましょう。

しかし、もうすでに仕事を辞めてしまっていて、証拠も無いという場合には難しいです。

現在まだ働いていて自己都合退職を迫られている場合、「タイムカードのコピーを用意」したり、「労働条件の違いを訴えた際の上司との会話を録音する」などして証拠を集めましょう。

特定理由離職者とは?

自己都合退職であっても、正当な理由で自己都合退職をしたと認められた場合、特定理由離職者として認められることがあります。

特定理由離職者となると、特定受給資格者と同等の給付日数を得ることが可能です。

特定理由離職者の定義は、二つあります。

以下の二つのうちいずれかに該当する場合、特定理由離職者として認められ、給付制限なしに失業保険を受給することができるようになるのです。

自己都合退職をしてしまった場合は、これに該当するかどうかチェックしてみましょう。

一つ目の定義

派遣社員や契約社員などは、契約書で何年契約かが明記されているはずです。そして、「契約を更新する(しない)」といったことが書かれているでしょう。

契約書に契約を更新する旨が記載されている場合に、労働者が契約更新を希望したけれども更新されなかったとします。この場合に特定理由離職者として認められるというのが、一つ目の定義です。

しかし、派遣社員や契約社員は3年以上続けて働くことができません。「3年経ったから契約は終わり」となった場合は、特定理由離職者になりません。契約書に「更新しない」と書かれていた場合もそうです。

二つ目の定義

ある程度かいつまんで、特定理由離職者二つ目の定義について説明します。

  • 体力不足や鬱、視力・聴力の悪化、触覚減退などによって離職した
  • 妊娠・出産・育児などで離職して、雇用保険法第20条第1項の受給延長措置を受けた
  • 理由はどうあれ、家庭事情が急変して職場に行けない・仕事ができない場合
  • 転勤や出向などで別居しなければならないが、配偶者や家族と離れたくない場合
  • 会社の場所が変わって、通勤に片道2時間以上かかってしまう場合
  • 通勤に利用していた公共交通機関の廃止、時間変更などがあって職場に行けない場合
  • 単なる人員整理の希望退職者の募集に応じて離職した者等
  • これ以上別居したら離婚問題に発展してしまうという場合

雇用保険法第20条第1項の受給延長措置について説明します。

これは、妊娠や出産・育児などで30日以上働くことができない場合に、最大3年までは失業保険の受給を延長するという措置です。これを受けると特定理由離職者として認められます。

失業保険はいくら貰えるのか

失業保険の給付額というのは、退職前6ヶ月間の給料の約5割から8割に相当します。賃金が高い人は低いレート、賃金の低い人は高いレートが適用されるのです。これによって給付額の差を極力減らしています。

特定受給資格者(会社都合退職者など)は、自己都合の人よりも給付日数が多いため、手当の総額が増えます。ただし、日額や月額は自己都合の人と変わりません。これらを目安として、自分が受給できる金額を考えてみましょう。

給付額の計算方法

失業保険の給付額は、自分の賃金日額が基準となっています。賃金日額というのは、「退職前6ヶ月間の給料÷180」を計算して出た結果です。ボーナスは含みません。残業代・手当は含めます。

賃金日額を計算したら、そこに給付率を乗算。これで1日あたりの給付額がわかります。そこに需給日数を乗算すると、受給総額がわかるのです。

簡単に述べましたが、給付率は年齢区分などさまざまな条件によって細分化されており、なかなか自分では計算できません。目安表というのもありますが、毎年見直されます。

必要な情報を入力するだけで計算してくれるツールが、インターネット上では多数あります。自分で計算したものと一致するので、それらを使うほうが良いでしょう。あくまでも、前もって計算する給付金額は、目安として考えてください。

失業保険の受給開始日や期間延長について

振込み日をシミュレーションしよう

失業保険の振込み日は、人によって変わります。たとえば申請日が4月1日で、3ヶ月間の給付制限がある場合について考えてみましょう。

待機期間満了日の翌日から、給付制限が始まります。制限が解除されるのが7月7日です。失業給付が始まるのは、7月8日からだと考えられます。

失業保険を自分でシミュレートする場合、失業認定日と銀行休業日を基準としましょう。

待機期間や給付制限を考慮し、最初にハローワークに行こうとしている日を使って計算します。計算するのに必要な待機期間や認定日といった用語について、これから触れてみましょう。

認定日と待機期間ってなに?

失業後、ハローワークに離職票を提出した日を受給資格決定日と言います。受給資格決定日から7日間を待機期間と言い、7日目を待機満了日と言います。

この7日間に仕事をすると、失業状態と認定されずに、失業保険の給付が遅れるので気をつけましょう。

4週間ごとに、失業状態であることをハローワークに申告しなければなりません。そのため、失業認定日は4週間ごとにあります。失業保険は、失業認定日に振り込まれるのです。

最初の失業認定日は、退職日までの給料が会社から支払われると考えられるため、失業給付は振り込まれません。

振込み日はいつ分かるのか

7日目の待機満了日に、雇用保険説明会の初回講習がハローワークで行われます。ここで第1回目の失業認定日がいつになるか知らされるので、必ず参加しなければなりません。

これ以降は配布される予定表を見て、失業保険の振込み日がいつなのかを確認することになります。

期間の延長はできる?

失業保険の延長ができるのは、どうしても働くことができない理由がある場合のみです。

これには二つのパターンがあります。

まずは、病気や怪我、妊娠や出産・育児、親族の介護などで働くことができないという場合です。続いて定年退職をしてからしばらく休養したいという場合にも、期間延長ができます。

いずれの場合も、届出先は管轄のハローワークです。

前者の場合は代理人が届出を行ってもかまいません。最長で3年間、延長することができます。退職の翌日から数えて、働くことのできない日が30日を越えた日が基準。その日から1ヶ月以内が、手続きの期限です。

後者の場合には、届出は本人のみとなっています。延長期間は、最長1年間です。手続きの期限は、退職翌日から2ヶ月以内となっています。

両者ともに、必要書類は同じです。受給期間延長申請書、離職票-1,-2、そして印鑑を持ってハローワークに行きましょう。病気・怪我の場合は医師の診断書が必要な場合があるので、用意しておいてください。

3ヶ月も待てない……早くもらえないの?

失業保険を早く受け取ることは、できます。3ヶ月間の給付制限というのは、自己都合退職で離職した人のみにかかる措置です。

会社都合退職、または正当な理由の自己都合退職と認められれば、3ヶ月待たずに失業保険を受け取ることができます。

待つのは待機期間だけでいいのです。

会社都合以外でも、早く貰う方法がある

公共職業訓練に通うと、3ヶ月間待たずに給付金を受け取ることができます。

それだけではありません。職業訓練の期間が、失業保険の給付期間を超える場合、職業訓練が終わるまでその期間を延長することができます。

公共職業訓練は、独立行政法人雇用能力開発機構が実施しているものです。就職するのに必要な技能や知識を、ほぼ無料で習得することができます。

テキスト代は自己負担なので、ほぼ無料です。対象者別に訓練が分かれていますが、一般は離職者訓練を受けることになります。

公共職業訓練で、延長給付ができる条件

公共職業訓練に通い、失業保険の延長給付を受ける条件は、ハローワークに受講指示を受けることです。

受講指示というのは、「このコースに通ってもいい(通ったほうがいい)」というハローワークからのお墨付きのようなものです。

これを受けるには、二つの条件があります。

まず原則として、所定給付日数の3分の2の日数分の支給を受けとるまでには、公共職業訓練を始めなければ延長されません。たとえば、給付日数が120日なら80日分の支給がされるまでということになります。

二つ目の条件は、「訓練スクールの必要性」という曖昧な基準によるものです。ハローワークに「この人の就職活動には、このスクールの受講は必須ではない」と判断されれば、受講指示が出ません。

極端な例だと、SEを希望しているのに介護スクールに通うというのはおかしい話だと、明らかにわかるでしょう。そういった場合に「受講しなさい」とは言えません。

この延長方法は、転職する際に職業を変えようと考えている人だけが利用できるものです。

バイト・パート・派遣社員・契約社員の失業保険について

バイト・パート・派遣社員・契約社員であっても失業保険の受給が可能です。

雇用保険は、「週に20時間以上の勤務で、31日以上働き続ける見込みがある場合」には加入しなければなりません。この要件を満たすなら、雇用形態は関係ないのです。

ただし、バイト・パートの場合は要件を満たしていても加入手続きをしないところが、多数あります。

自分が現在雇用保険に加入しているかどうかは、ハローワークで確認可能です。分からない場合は確認してみましょう。

失業保険の受給条件は正社員の場合と変わりませんが、契約社員・派遣社員の場合は要注意です。先に述べたように、特定理由離職者に該当するかもしれません。

定年退職後の失業保険受給について

失業保険と年金が同時に受給できるかどうかは、場合によって変わります。

60代前半に支給される老齢厚生年金の場合は、失業保険と同時には受け取れません。

失業保険の給付申請をすると、年金がストップします。失業保険の給付が終わると、年金の受給が可能となるのです。

また、失業保険のほうが年金よりも得だからという理由では、失業保険は受け取れません。失業保険は「働く意思はあるが、働けない人のための保険」ですから。

65歳以上なら、失業保険が一時金での支給となります。

高齢者求職給付金と呼ばれているものです。この場合は通常受け取れる金額よりも減ってしまいます。ただし、年金も一緒に受給可能です。

高齢者求職給付金は、雇用保険の加入期間によって何日分支払われるかが変わります。6ヶ月以上1年未満の場合は30日、1年以上加入していても50日しか支払われません。

定年退職をしたのであれば、勤続年数は長いでしょう。

定年退職者は自己都合と同じ基準となるので、20年間勤務していたとすれば、通常なら150日分の支給を受けることができます。それが50日になるのですから、大幅に減額されていることがわかるでしょう。

つまり、「65歳直前に退職、失業保険を65歳以降に受け取る場合、年金も同時に受け取れる」ということになります。

65歳に定年退職する直前に自分から退職した場合、失業保険を減額されず受け取ることができます。65歳以降に受け取る年金は、失業保険と調整されることがありません。年金と失業保険を両方受給することができます。

しかし、本来受け取ることのできた退職金を受け取ることができない、または減額される可能性があるので注意しましょう。全てを完全に受け取ることができるという、都合の良い話はなかなかないということです。

カンタンに求職活動実績を9個作る方法

求職活動実績とは何か、どのようなものが実績になるのかは先述していますので、そちらをご覧ください。

見てみると、「求人に応募しなくてもいい」ということがわかります。

就職先が決定しない形で、実績を作るのです。満額受給するには、最低9個必要ですが、これは簡単に作れます。

例えば、このような実績を作るのです。

  • 雇用保険受給説明会への参加
  • ハローワークで行われる講習会への参加
  • 資格を受けてみる
  • 就職の相談をする

ただし、インターネット上の求職活動は実績として認められないことが多いです。

つまり、民間の人材紹介会社を利用した実績を作りたいなら、転職サイトではなく転職エージェントを利用する必要があるということです。

【失業保険の手続き完全ガイド】 もらい方・受給資格・給付期間など失業保険のすべてをまとめました。
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おすすめは資格の取得

おすすめなのは、資格試験の受験ですが、これには注意点があります。

求職活動実績として認められるには、希望する職種に関する資格でなければなりません。

例えば、IT関連の職を希望しているのに介護福祉士の資格を受けるというのは、認められないということです。

逆に言えば、その条件さえ満たしていれば、資格試験を受けるだけで実績として認められます。合格すればステータスになり、スキルアップになる。満額受給し終えて、転職活動をする際に有利になることも考えられるのです。

「失業保険を受給している間はゆっくりしたい」と言っても、いずれ暇になります。その暇を潰すという意味でも、ただ家でテレビを見るだけよりは有意義ではないでしょうか。

こんなときは?ケース別の失業保険Q&A

生活保護と同時に受給できる?

失業保険と生活保護の同時申請はできるのですが、原則どちらか一方のみしか承認されません。多くの場合は失業保険のみの受給となります。

法律で「同時受給はできない」とされているわけではなく、「申請が通りづらい」ということです。場合によっては両方の申請が通るということもあります。

扶養はどうなる?

失業保険の日額に180を乗算したとき、65万円以下なら社会保険の扶養に入ることができます。社会保険の扶養に入る条件は、年収130万円以下です。180日(半年)で65万円を超えるなら、年収で130万円を超えると判断され、加入できません。

自己都合で退職した場合は、長くとも150日間の支給で、一般的には90日とされています。130万円を超えることは、まずないでしょう。特定受給資格者・特定理由離職者で最大まで受け取ることができる場合は、扶養から外れます。

結婚して仕事を辞めた場合は?

結婚して退職した場合でも、条件さえ揃えば失業保険の受給が可能となります。受給日数などは自己都合と同じです。

条件は冒頭で述べた二つの条件ですが、中でも「働く意思」が重要となります。

「結婚したけど働く気がある、または現在就職活動中」の場合、失業保険の受給が可能です。

また、結婚に伴って引越しをするという人は多いでしょう。この場合には特定理由離職者と認められます。

会社が雇用保険に加入していなかった場合は?

会社が雇用保険への加入手続きをしていなかった場合、これは会社側の過失であり、雇用保険法違反です。この場合、失業保険を貰うことができます。

そのために、遡って、雇用保険に加入しなければなりません。納めていなかった保険料を後納し、「加入していたこと」にしてもらうのです。遡って加入できる期間は2年間のみなので、給付日数は90日となります。たとえ20年以上仕事をしていたとしても、同じです。

教育訓練給付も受け取ることができません。教育訓練給付の受給には、雇用保険に3年以上加入しているという条件があるのです。会社側の過失なので理不尽ですが、こういった面で不利になってしまいます。

会社を辞めて専門学校に通う場合、失業保険はもらえる?

失業保険は、働く意思と能力そして状況が無ければ受け取ることができません。

学生の場合は「働くことのできる状況ではない」と判断されてしまいます。失業保険を受け取ることができないケースが多いです。

ケースが「多い」とはどういうことか。これには以下のような例外があるのです。

  • 夜間コースのため、昼間は働くことができる
  • 昼のコースだが、授業日数が少ない

以上のような、「働くことができる」事情があるならば、失業保険を受け取ることができる場合があります。失業の認定に行ったり、求職活動をしているという実績を作り、失業保険を受け取りましょう。

退職後、海外留学をしようと考えている場合は?

就職のために海外で勉強をしようと考える人は多いでしょうが、この場合は失業保険を受け取ることができません。

海外に行くという時点で「働くことができる状態ではない」と判断されてしまうのです。海外から帰ってきてからであれば、受給可能な場合もあります。

たとえば、3ヶ月間海外に行くとしましょう。離職後ハローワークに行き、受給資格の決定を受けます。待機期間の7日間で海外へ渡る準備をし、出発するとどうでしょう。特定受給資格者や特定理由離職者にあたらない場合、3ヶ月の給付期限があります。

海外へ渡っている間に、給付期限が過ぎるのです。帰ってきたら失業の認定を受けて、すぐ受け取ることができるようになっています。

失業保険は離職してから1年以内に限られます。海外渡航に1年以上かかる場合は、受給ができないので気をつけましょう。

配偶者の海外赴任に同行する場合は?

配偶者が会社の命によって海外赴任し、同行する場合は最大3年間の受給期間延長が可能です。配偶者が自分の意思で海外赴任する場合は、延長されません。

また、1年間の受給期間が過ぎると自動的に延長されるわけではないのです。自分で手続きをしなければなりません。代理人をたてる、もしくは郵送してハローワークに申請を行いましょう。延長の申請には以下のものが必要です。

  • 受給期間延長申請書
  • 雇用保険被保険者離職票-1
  • 雇用保険被保険者離職票-2
  • 海外赴任を命ずる辞令などの書類のコピー
  • 印鑑
  • 身分証明書
  • 出国日がわかるもの

出国日がわかるものは、パスポートのスタンプのコピーで良いでしょう。受給期間の延長は、海外に行って1ヶ月過ぎてから可能になります。

失業保険を満額受給するか、転職活動を優先させるか

満額受け取らない場合のメリットはあるの?

失業保険を満額受け取ったほうがいいか、転職活動優先で動いたほうがいいか……これは非常に難しい問題です。

就職が決まれば、失業保険の受給はストップします。その分、損をしたような気持ちになるでしょう。それなら満額受け取ろうと考えるものです。

しかし、本当に損なのでしょうか。

実は、満額受給しなかった場合に支給される手当があります。

「就業手当」「再就職手当」「就業促進定着手当」です。

早期就職を奨励する手当で、失業保険の残りの金額をこれらに充てることができるのです。

就業手当とは?

週20時間未満の仕事・他にアルバイトなどといった、「雇用保険に加入しない形の仕事」に就いた人に支給されるものです。支給率は、失業保険基本手当日額の3割となっています。

認定日から認定日までの28日間のうち、最初の10日間を失業状態で過ごしたとしましょう。その後11日目から8日間、短期アルバイトをしました。アルバイトが終わって、また10日間は失業状態です。

なお、基本給付日額は4,000円だとします。

この場合、アルバイトをした8日間は9,600円の就業手当が支払われることになるのです。失業状態だった20日間は、基本手当日額が満額支払われ、金額は8万円となります。

就業手当の支給要件

  • 失業保険の支給日数が、残り3分の1以上あり、45日以上であること
  • 以前就いていた会社に再雇用されるということではないこと
  • 待機期間が終わっていること
  • 給付制限を受けている場合、1ヶ月の期間内はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職でなければならない

上記の要件を満たし、支給が決定されると、それから7日以内に支給されます。

再就職手当とは?

失業保険の3分の1以上を残している状態で就職すると、これが支払われます。祝い金のようなものです。支給金額は、以下の通りとなっています。

  • 失業保険の日数が3分の2以上残っている場合、その6割が支払われる
  • 失業保険の日数が3分の1以上残っている場合、その5割が支払われる

再就職手当を受けるのであれば、早く再就職すればするほどお得になるということです。

再就職手当の支給要件

  • 待機期間が終わってから就職した
  • 就職日の前日までの失業認定を受け、失業保険の残り日数が3分の1以上あること
  • 前の会社に再就職したということではない
  • 給付制限があって、待機期間満了後1ヶ月以内に就職した場合、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職でなければならない
  • 1年以上勤務することが確実
  • 雇用保険被保険者であること
  • 過去3年以内、再就職手当・常用就職支度手当の支給を受けたことがない
  • 失業保険受給資格決定前から、採用が確定していたわけではないこと

3つ目の条件は、前の会社とは違う会社であったとしても、前の会社と取引・資本などにおいて密接なかかわりがない場合でなければなりません。例えば、グループ会社だと支給が認められないということです。

就業促進定着手当とは?

離職前の給料よりも、再就職先の給料のほうが低い場合に支給されます。再就職手当にプラスして、低下した給料の差額が6か月分支払われるのです。

これは「基本手当日額×残り日数×4割」が上限となっています。受給するには、就職してから半年後、2ヶ月以内に賃金台帳や出勤簿を添付して申請しなければなりません。支給が決定すると7日以内に支給されます。

要件は、再就職手当より単純です。

  • 再就職手当を受給した
  • 再就職先で半年以上働いている
  • 再就職後の給料(日額)が、離職当時を下回っている

「満額受け取る」「受け取らない」お得なのはどっち?

出来るだけ早く再就職先を見つけるほうが、お得です。

失業保険の基本手当日額が4,000円で、給付期間が90日の人の場合を例にとってみます。再就職は30日目に決定し、月給は20万円で前の会社と同じとしましょう。

再就職手当を受け取る場合、その金額は14万4千円となります。そこに二か月分の基本給が加算され、54万4千円となるのです。就職しないで2ヶ月間、失業保険で暮らしたとすれば、24万円しか入りません。

シノダ3

働かずにお金が入ってくるということを考えず、単純に二ヶ月間で得られる金額だけで考えた場合、満額受け取らずに転職活動を優先させたほうが得だということになります。

さらに、転職活動が長引くというリスクを考えると、できる限り転職活動を積極的に進めておいた方が良いでしょう。

働きながら利用できる転職エージェントを活用して、出来るだけ空白期間を作らない転職がベストです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。失業保険の受給条件や、転職活動中の注意点などは案外単純であることがおわかりいただけたかと思います。

失業保険は、あくまでも「再就職支援」です。再就職先が決定するまでの生活保障だと考え、出来るだけ早く転職先を見つけてしまいましょう。

まだ離職していない場合、会社都合となる理由を見つけてください。その証拠を集めるため、離職までの間やれることがあるはずです。

給付期間が3ヶ月もあると、その間に転職先を決定できてしまいます。再就職支援として失業保険を利用する場合、会社都合でなければ意味がないのと同じです。離職してしまった場合は正当な理由に当てはまるかどうかを考えましょう。

それが、失業保険受給に向けて最初にするべきことです。