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今回は、転職エージェント業界最大手・リクルートエージェントと、外資系・役員クラスに強い老舗転職エージェント・JACリクルートメントとの比較記事です。
業界最大手のリクルートエージェントと比較する意味があるのか?と思われるかも知れませんが、業界最大手といえども、転職市場の全ての求人情報を把握しているわけではありません。リクルートエージェント以外の各社は、独自の戦略で差別化を図り、転職市場で独自の地位を築いています。
その背景となる営業戦略やビジネス構造を知ることによって、転職エージェントの賢い利用法が見えてきます。
今回も、元業界人、元キャリアアドバイザーの立場から、両社の違いを5つのポイントに分けて徹底解説していきます。
リクルートエージェントとJACリクルートメントの求人数を比較
HPによれば、リクルートエージェントは、非公開求人だけで約10万件。これに対し、JACリクルートメントは、約2万5千社の取引先があります。一見、これだけでもリクルートエージェントに登録した方が有利であるように見えます。
しかし、転職エージェントというビジネスは、基本的に転職者が直接非公開求人を検索してアクセスできるわけではなく、キャリアアドバイザーの紹介を通じてアクセスするものです。キャリアアドバイザーのさじ加減によっては、紹介数が絞られてしまい、結果として、JACリクルートメントに登録した方がより多くの有望な紹介を受ける、という可能性もあるのです。
また、JACリクルートメントは、1988年に設立された老舗の転職エージェント、高いサービス品質と豊富な紹介実績で、業界内で独自のパイプを築いています。つまり、リクルートエージェントの10万件にはない求人案件を、JACリクルートメントの2万5千件の中には存在する可能性が多分にあるのです。
こうした点も含めて、求人数については比較・検討をした方が良いと思います。
リクルートエージェントとJACリクルートメントの求人の質を比較
両社を大きく分けるもの。それは、求人の質です。
リクルートエージェントは、業界最大手というブランドを確立しています。企業の人事部担当者ならば、「転職エージェントに頼むならば、“まずは”リクルートエージェント」というブランドが確立しています。その結果として、優良な転職情報が大量に集まり、それを当て込んで優秀な人材が多数登録しに来る。お互いがウィン・ウィンのマッチングが成立する。成功した紹介実績で得た信頼が継続した人材募集に使われる・・・、という好循環が成立しています。
そのため、リクルートエージェントの求人開拓は、業界・職種を問わず、オールラウンドなものになります。どんな人材にも対応できる紹介力の高さ、マッチングの守備範囲の広さが、まさに「業界最大手」というブランドを下支えしているわけです。
これに対し、JACリクルートメントは、老舗の転職エージェントで、かつ、「独立系」の転職エージェントです。独立系とは、他に人材派遣や求人広告などの人材サービスを展開せず、転職エージェント事業一本で成り立っている、親会社が他にいない転職エージェントのことです。
独立系の転職エージェントは、転職市場の好・不況に関わらず、安定した転職紹介実績を挙げ続けなければなりません。そのため、求人紹介が高収益なものにシフトする傾向があります。JACリクルートメントの場合は、それが「外資系」「役員クラス」といった案件になります。また、海外にも事業拠点を展開することによって、国内の労働市場の好・不況だけに左右されないリスク分散を図っていることも特徴的です。
もともと、転職エージェントとは、優秀な人材と優良企業のハイクラスなポジションをマッチングさせるものです。そうした点で、JACリクルートメントは、正統派の転職エージェントといえるでしょう。
JACリクルートメントに人材紹介を依頼する企業クラスですが、外資系だけではなく、伝統的な国内大手企業が部長クラスの採用に利用する例も多いです。また、アジアに事業拠点を展開していることから、アジアに進出する欧米系の企業、アジア系の企業にも強みがあります。
国内系を中心に幅広い業界からまんべんなく転職情報を収集したい方は、リクルートエージェント。外資系・国内大手のハイクラスな求人にアクセスしたい方はJACリクルートメントがおすすめの転職エージェントになります。
リクルートエージェントとJACリクルートメントのサポート体制を比較
サポート体制においても、両社は大きな違いがあります。
業界最大手のリクルートエージェントは、大量の転職者を大量にマッチングさせる「仕組み化」を徹底しています。専用の管理サイトからは、一元的に選考状況が把握でき、キャリアアドバイザーとのコミュニケーションも容易にできるようになっており、非常にユーザーフレンドリーなシステムを確立しているのです。
また、特徴的なのが転職活動のノウハウ情報の提供の多さ、応募書類作成や面接対策の無料セミナーを実施していたり、個人レベルで添削・指導を受けたりすることもできます。
まさに「手取り足取り」状態です。
もともとリクルートは、進学、就職、転職、結婚、転居、旅行等、人生の様々なライフイベントに対応する情報誌、情報サイトを充実させている総合情報サービス企業です。そのバックグラウンドが充実した転職活動のノウハウのコンテンツとして活かされているといえるでしょう。
転職エージェントに相談するならリクルートエージェントだけで十分。ワンストップなサービス展開を目指しているといえるでしょう。
これに対し、JACリクルートメントは、そこまで手厚いサポート体制は確立されていません。もともとハイクラスの人材を対象にしたビジネス展開をしていることもあって、転職慣れしていない人にも手取り足取り・・・、といったサービス展開を目指しているわけではないのです。
但し、基本的なことは自分で出来る人にとっては、JACリクルートメントは、サポーターとして心強い存在でもあります。中には、書類添削に何度もつきあってもらって、書類選考通過率が上がった、という方もいらっしゃいます。
リクルートエージェントとJACリクルートメントのキャリアアドバイザーの質を比較
両社の違いの中で、最も特徴的な違いの1つが、キャリアアドバイザーの質です。
最初におことわりしておきますが、両社ともレベルは低くありません。ただ、その「あり方」が違うのです。
リクルートエージェントの場合、大量の求人開拓、大量の人材登録、大量のマッチングを徹底的に効率的に仕組み化されたビジネスを展開しています。キャリアアドバイザーの質も均質化されていなければなりません。しかも、業界最大手というブランドを守るうえでは、高いレベルで均質化されている必要があるのです。
リクルートエージェントのキャリアアドバイザーは、悪くいえば、金太郎飴的ではありますが、良い意味でレベルが揃っている印象です。悪い印象を持つキャリアアドバイザーは少なく、的確にポイントを絞ったキャリアカウンセリングを受けられると思います。ただ、対応はマニュアル的で、融通が利きづらいという欠点は否めません。
これに対し、伝統的な正統派の転職エージェントのJACリクルートメントのキャリアアドバイザーは「プロフェッショナリズム」が徹底されている印象です。キャリアカウンセリングだけではなく、将来のキャリアプランまで安心して相談に乗ってもらえます。先ほども述べましたが書類添削のレベルが高く、英文レジュメも添削もしっかりしてもらえます。しかし、レベルが高い人にしかついていけない印象があります。
転職慣れしていない人が、転職エージェントの「お客様」となって、安心して任せられるが、マニュアル的な対応でもOKならばリクルートエージェント。プロ向けでレベルの高さはあるものの、オーダーメイドなキャリアカウンセリングを望むならばJACリクルートメントといったところでしょうか。
リクルートエージェントとJACリクルートメントの「利用のしやすさ」を比較
最後に、利用のしやすさ、敷居、ハードルの高さです。
まず、登録のしやすさといった意味では、リクルートエージェントの方が圧倒的に登録しやすいといえます。あらゆる年代、業界、職種に対応したオールラウンドな転職紹介力で、幅広い転職者のニーズに対応してもらえます。
これに対し、登録のしやすさでハードルが高いのがJACリクルートメントです。プロ向け、ハイキャリア、外資系といった高付加価値な人材を紹介することで信頼を築き上げてきたJACリクルートメント。当然のことながら、対応する転職者を選別してきます。あなたにその意思があっても、キャリアの実績を書類上で実績を証明できないと登録そのものを断れるケースすら考えられます。
一方、リクルートエージェントの利用にも難点がないわけではありません。サービス利用期間は半年に制限されているのです。
これは、大量登録、大量紹介という循環を高いレベルで回し続けるためには、「鮮度の高い」転職者にフォーカスして、転職サポートを集中させる、という必要性があるからです。転職活動に苦戦するようだと、いずれはサポートが終了してしまう、という点で、じっくりマイペースに転職活動ができない難点があります。
これに対し、JACリクルートメントは、転職サポート期間に制限がありません。もともとハイクラスの転職期間は、案件数がそう多くないこともあって、長期化する傾向があります。短期間に速攻で決めるというよりも、長期間じっくり、しっかりした転職先を紹介する、という点で、やはり正統派の転職エージェント事業を展開しているのがJACリクルートメントなのです。
最後に
単純にまとめますと、
- 素人、転職慣れしていない人向け→リクルートエージェント
- プロ向け、ハイキャリア向け→JACリクルートメント
という図式が成り立ちます。
もちろん、ハイキャリア志向の人がリクルートエージェントを利用し、未経験でもプロフェッショナルな志向を持っている方がJACリクルートメントを利用することも可能ではあります。
ただ、転職エージェントには向き・不向きがある、ということは押さえておきたいものです。
それを踏まえたうえで、賢く利用する術を身に付けたいものですね。